「検察官の仕事は大変」という事は多く耳にしますが、具体的にどんな事が大変だと言われているのでしょう?
業務の多さや検察官の勤務時間は長いのか?短いのか?また休日出勤はあるのか?など、検察官という職業の特性がどう時間に影響してくるのかまとめました。
日々事件を追いかける検察官の勤務や休日の過ごし方など、検察官の仕事の大変さを見ていきましょう。
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検察官の勤務について
検察官のこなす業務は多く、事件を担当するので、勤務時間の長さなど一体どうなっているのか?
検察官の仕事は激務と言われていて、国家公務員といえど残業が当たり前にあり、その業務について「何に時間がかかってどの程度かかるのか?」など、検察官の休日出勤や勤務時間の「長い」「短い」について見ていきましょう。
基本的な勤務時間
検察官は一般の国家公務員と同様に勤務時間が決められています。
検察官の業務は時間を選ばずに、長い時間を要する事件も多くなっているので、定時に終わる事はほとんど無く、残業や休日出勤の業務が常態化している現状があります。
また、忙しさは勤務地や部署によって勤務時間の長い短いは大きく異なり、余裕のある部署ではほぼ定時帰宅となり休日出勤も無く、年休も20日以上取得可能な比較的勤務時間の短い検事もいます。
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- 勤務時間9:00~17:00
- 休日:土日・祝
- 休暇:年次休暇/年間20日(その他特別休暇・病気休暇など)
時間のかかる業務
検察官は警察から検察庁へ送検し、検察官が業務を受けますが、1日の勤務時間で10:30~16:30までに複数の被疑者の取り調べをします。
その他の時間帯では身柄を拘束されていない事件の被疑者を取り調べしたり、事件の処分への準備や参考人に事情を聞くなどの業務を行っています。
毎日大体の勤務時間は9:30~18:15までの時間で、参考人も夜間しか来る事ができない人もいるので、それによって残業時間の長さも変化してきます。
検察官の退社時間は通常で20:00~21:00で23:00までと長いものとなる事も珍しくありません。
担当する刑事事件の数が多い場合や複雑な事件で手間のかかる事件があれば、長い時間をかけなければ進展しないので、残業や休日出勤となります。
検察官は忙しい
検察官の業務は多様で毎日忙しく働いていますが、特に事件などが立て込んだりしている時期などは、自宅にも帰宅する事なく職場に泊まったり、終電が無くタクシーで帰宅という事も少なくありません。
労働環境により勤務時間や残業時間も異なりますが、比較的に地方検察庁よりも都市部の検察庁勤務の方が多忙な事が多く、これには検察官の人材不足が大きく影響していると言われています。
一人が抱える案件が1日でも8人前後と多く、時間に追われる業務内容なので、現代では検察官の業務の質について不安視されている現状もあります。
検察官の休日
検察官の業務内容は特殊なものなので、業務の過酷さや勤務時間の長さなどに関して、事件も曜日や時間を選んでくれず、休日出勤も多い職業です。
特別な権限を持つという事は検察官でしかできない業務も多い為、常日頃必要とされているのです。
では、検察官は休日どのように過ごしているのか「深夜呼び出しや休日出勤は当たり前」と言われている検察官の業務についてまとめています。
検察官の手当て
検察官は国家公務員として一般的な休暇や勤務時間が定められていますが、検察官の仕事は特殊な為、夜間や休日などの勤務時間外でも対処する事を求められていて、時間外労働を計測し、そこで出された金額が給与に含まれています。
検察官の業務の性質上、法律では「超過勤務手当・夜勤手当・休日給等を支給しない」と定められています。
検察官には労働基準法などの適用がされていないのです。
休日出勤について
検察官の行う業務のそれぞれには時間制限があり、その時間も短いものとなっています。
例えば、刑事事件の証拠や被疑者が木曜日に逮捕された場合に48時間以内に検察への送検の手続きを行わなければならず、送致されるのは土曜日になってしまい、24時間以内の拘留請求が必要となるので、日曜日までに留意請求を行う必要があります。
拘留請求を行わない訳にはいかないので、留意請求を行う為には、事件に関する資料の作成や聞き取りも行わなければならず、そうなるとその流れに対応できる検察官や裁判官が必要となります。
人手不足の現状を踏まえ、複数の事件を抱えている検察官にとっては、休日関係なく必要とされる業務が多いのです。
検察官の休日とは?
休日出勤が続くような状況であっても、精神面で疲弊してしまっては冷静な処理を行う事ができないので、検察官の休日は事件の処理を行っている合間に休暇を取り、自宅でも業務を行ったりもしますが早めに休むなどして、仮に短い時間でもストレスを溜め過ぎないように自己管理を徹底しています。
主に検察官の休日は仕事という声が多いですが、長い休暇を取得できた時には、我々の休日と同じような過ごし方をして、気分転換やストレス発散を意識して過ごしているのです。
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女性検察官が増えている
今の社会で検察官は人手不足と言われていますが、検察官を目指す女性が増えていると言われています。
司法試験での女性合格者比率は25%程度と言われていて、新任検事としての任官者の4割が女性となっていて、女性の社会進出推進の為、検察庁は様々な工夫を行い、女性検事がハンデなく働きやすい環境作りに努力しています。
女性検事の割合
第70期の検事任官者の女性割合は35.8%で、女性の検察官が増加傾向にあります。
検察庁では男女関係なく同じ業務をこなし、家庭を持つ女性検察官は捜査検事ではなく、比較的時間の融通の利きやすい公判検事で働く女性検事が多くなっています。
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- 捜査:犯罪事件が発生した場合に即座に対応・処理を行う為、時間を問わず捜査に追われる事が多くなります。
- 公判:主に裁判での業務を行う検察官で、事件に関する裁判の為の準備を行うのが公判での業務となります。
育児と検事の両立は可能か?
検察庁では女性にも働きやすい環境向上を目指していて、女性検事の出産にあたり、出産後の産休や育児休業なども取得できます。
女性検事は年々増加しているので、子育てをしながら検察官として活躍している人は非常に多く、個々が抱える家庭の事情や要望を上司が把握して、環境やニーズに応じた労働環境ができるように配慮されています。
勤務時間を短縮してくれる制度など、子供のいる女性へのサポートが充実している為、労働意欲も向上し、残業も積極的に行う女性も多いと言われています。
検察官の勤務時間は長い?短い日もある?休日出勤の有無まとめ
検察官の仕事の勤務時間は長いのか短いのか、休日や休日出勤などについてご紹介しました。
なかなか検察官の業務ではのんびり休日という訳にはいきませんが、検察官は仕事熱心で向上心が高く、常に事件に関する事を考えたり法律の知識を学んでいます。
検察官は人手不足の影響で勤務時間が長いものとなっていて、女性検事が増加してくれる事によって、個々の抱える担当事件の量も上手く分散されるので、これからますます女性検事が増加してくれる事を願いたいです。
そうすれば、検察官も休日の取得がしやすくなると同時に、取り扱う事件捜査の質向上にも繋がりますね。
検察庁も検察官増加を期待し、できる限りのサポート体制を取っているので、検察官にとって女性検事はとても有難い存在なのです。