「就職難」「経営難」という時代の中で「弁護士が飽和状態だ!」という意見もありますが、弁護士という職業の現状は今どうなっているのでしょうか?
今回の記事では弁護士が儲からないという噂の検証だけではなく、AIの台頭や弁護士の働き方の変化などによる弁護士の将来性についても分析します!
これから勉強を始めようとしていた方だけではなく今まさに勉強中という方もお役立ちの内容となっているため、ぜひご覧ください!
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弁護士が食えない、儲からないと噂される理由
早速この記事の主題である「弁護士が儲からない」という噂にメスを入れていきましょう。
そもそもこのような噂が生まれたのには、どのような理由が挙げられるのでしょうか。
弁護士数の急激な増加
国策として実施された新司法試験制度によって合格ハードルが下がり、結果として2024年現在では2000年時点での3倍以上の弁護士が活動を行っています。
弁護士の数が急激に上昇することによって、下記のような弊害が起こるようになりました。
・1人1人の案件数の現象
・弁護士自体の権威性の低下
・廃業する事務所も
弁護士同士で案件を取り合う構図が出来上がってしまうと、中小規模のではなく大手の事務所が覇権を握るのも競争を激化させている1つの理由となっています。
このような波が広がることで、結果として弁護士が儲からない状態が続いているのは事実です。
AI技術の台頭
これは比較的どの業界にも当てはめられますが、AIが発展し業務を代替することで弁護士の需要がなくなると主張する意見も見られました。
海外の法律事務所では既にAIの活用が始まっており、中には単なる書類作成だけではなく法的な知識に基づいて事例の対処法を返すプログラムも存在しているようです。
さすがに業務の0から100が置き換わるのはまだですが、弁護士の仕事がAIに担われることで食えなくなってしまう未来もあり得ます。
裁判件数の減少
これは普通に暮らしているだけでは中々想像しづらいですが、弁護士の活躍の舞台であるはずの裁判の件数が減っているのです。
年 | 民事第一審通常訴訟事件(新受) |
---|---|
2011年 | 196,366件 |
2012年 | 161,313 件 |
2021年 | 130,861 件 |
2022年 | 126,664件 |
今から10年以上前の2年分と最近の2年分のデータを比較すると、立件される民事事件の母数がかなり減っていることが分かります。
これには市民の法的リテラシーの向上など様々な理由が考えられますが、重要な業務である裁判において弁護士の需要が薄れつつあるのは大きな懸念点と言えるでしょう。
弁護士の将来性について
様々な理由から不安材料の多い弁護士業界ですが、実際儲からないというのは本当なのでしょうか。
近年での弁護士の変化について触れながら、今後の弁護士の将来性を見ていきましょう。
弁護士の独占業務について
上記のような理由から「弁護士は食えなくなる」などと言われていますが、そんな可能性は一切ないとされています。
というのも弁護士が行える独占業務が幅広く、仕事がなくなるといった状況は想定しづらいのです。
【弁護士の独占業務】
民事事件:法律相談、示談交渉、行政への不服申立など
刑事事件:被疑者や被告人の弁護活動
先ほど裁判数が減っているとして使用されていたデータは民事事件の件数であり、刑事事件では大きな減少は見られません。
弁護士は法律を取り扱うスペシャリストであることから資格を持っていない人が行ってしまうと犯罪となるような業務が多いため、食えないや儲からないといった事態にはならないでしょう。
都心は弁護士過剰?地方に需要がある?
都心では弁護士が過剰しており飽和状態ともいわれていますが、地方では弁護士の需要はどうなっているのでしょうか?
実際に都心の法律事務所よりも地方の法律事務所の方が弁護士を求めていることも多く、給与の面でも地方弁護士を目指す方が将来性があるため稼げるのではないかと言われています。
案件や依頼の数が限られていたり都心の大手法律事務所に比べると不利な点があるのも確かですが、「弁護士の飽和」はまだまだ遠そうです。
AIによる業務の変容
先ほどは海外でのAIの活用実績を取り上げましたが、AIはあくまで「弁護士の業務を改善するためのもの」という認識です。
書類上の間違いを発見したりなどが代表的なAIの活躍できる場で、その他の大部分の業務ではやはり生身の人間である弁護士が担う構図がまだまだ続くでしょう。
また事例を含めて判断するタイプのAIもあくまで開発段階であり、また完成しても法律による認可は難しいため現実的とは言えません。
インハウスローヤーとしての働き方
ここ数年で弁護士事務所に所属するのではなく、企業の中で活動を行うインハウスローヤーという新しいスタイルが増えてきています。
具体的には日経の大手企業や外資系の企業などで、コンプライアンス業務やM&Aなど様々なプロジェクトを担当するようです。
インハウスローヤーとして働くことには従来と比べて様々なメリットが存在します。
- ビジネスについて精通した視線が得られる
- 企業に所属することでプライベートの時間を確保しやすい
- 事務所などと比べて福利厚生が充実している
またグローバル化によって国際的な取引が増えていることからもインハウスローヤーとしての弁護士の需要は上がっており、むしろ儲けは増えるのではないでしょうか。
これまでご紹介したような理由から、弁護士はまだまだ将来性があり目指す価値のある仕事であることが分かりました。
稼げる弁護士になるための方法
弁護士の独自性は損なわれていないにも関わらず「弁護士は食えない」とされているのは、競合性の増加が大きな原因です。
では、そんな状況の中でも稼いでいる弁護士の特徴は何なのでしょうか。
弁護士×自身の強みを作る
弁護士が増えたことによって、総合的に案件を受けているような事務所では多くの競争に勝ち抜かないと出世することは難しいでしょう。
ただ自身のキャリアを何かに特化させることによって、集中して案件を受注し儲けを伸ばすことが可能です。
- 離婚
- 債務整理
- 交通事故
CMなどでも「債務整理なら○○事務所」といった謳い文句を見たことのある方も多いはずです。
弁護士に依頼する側としては専門性が高いプロフェッショナルに頼みたいというのが自然ですので、自身のブランディングというのは積極的に行ったほうがいいとされています。
営業能力を鍛える
これはどんな規模に所属している弁護士にも求められるのですが、営業の能力というのは弁護士としての実力と並んで重要です。
コミュニケーション力が高ければ自身で案件をつかみ取ってキャリアを重ねることができますし、年収も自身の力でどんどん伸ばしていけるでしょう。
また案件を獲得するための広告宣伝費用もカットできるため、弁護士業での利率を上げることもできます。
働き方を考える
先ほど登場したインハウスローヤーは、企業内で会社員として弁護士資格を活かすという新たな働き方でした。
それ以外にも食える働き方は多数存在しており、下記のようなスタイルが多いようです。
・大手法律事務所 1,000万円~
・中小法律事務所 700万円~
・個人の法律事務所 自分次第
大手事務所は総合的な力、中小では離婚や債務整理、個人では営業から終わりまで求められる能力が変わってきます。
これから勉強を始める方は、ぜひご自身の働き方なども想像して勉強のモチベーションにしてみてください!
結論:弁護士の未来はまだまだ明るい
弁護士が替えの効かない仕事をしていることや働き方の多様化によって、まだまだ将来性のある仕事であるというのはわかっていただけたでしょうか?
ただ弁護士の数が増えていることなどは紛れもない事実ですので、競争が激しくなっていることは否定できません。
そんな状況の中でも、これまで以上に自分のキャリアを見据えて着実に実績を積み立てていくことで食えて儲けられる弁護士になれるはずです。
「これから弁護士を目指そうかな…」という方は、「食えない」「儲からない」といった噂は気にせずに自分の未来を掴み取りましょう!
弁護士資格の難易度は?
先程、弁護士の人数は増加したと説明しましたが試験の難易度の変化はあるのでしょうか?
ここでは合格率などから試験の難易度の変化についてみていきます。
司法試験の受験資格
まず、弁護士になるためには司法試験に合格しなければなりませんが、旧司法試験には特別な受験資格はなく誰でも受験することができましたが、新司法試験では受験するのですら難しくなっています。
司法試験の受験資格を得る方法について紹介していきます。
法科大学院コース
前述した通り、弁護士の人数の要因としてロースクール(法科大学院)が設立されたことが挙げられますが、新司法試験ではロースクール(法科大学院)を卒業することで司法試験の受験資格を得ることができます。
しかし、法科大学院を卒業しても必ず司法試験に受かるわけではなく、卒業してから決められた年数以内に合格できなかった場合受験資格を失効になってしまいます。
弁護士の人数は増えていますが、決して試験の方式が簡単になったわけではありません。
司法予備試験コース
次の司法試験の受験資格を得る方法ですが、司法予備試験を合格することで司法試験の受験資格を得ることができます。
司法予備試験の試験範囲が司法試験の範囲となっているので、司法予備試験は司法試験の対策となっています。
また、法科大学院コースよりも司法予備試験コースの方が司法試験の合格率が非常に高く、司法試験にも最短で受かりたいという方は司法予備試験コースでの司法試験の受験をおすすめします。
司法試験の合格率
下記のグラフが司法試験の令和元年度から令和5年度の直近の試験の合格率・受験者数・合格者数をまとめて見ました。
法科大学院を卒業するか、司法予備試験を合格することで以下の司法試験を受けることができます。
年度 | 合格率 | 受験者数 | 合格者数 |
---|---|---|---|
令和5年度 | 45.34% | 3,928人 | 1,781人 |
令和4年度 | 45.50% | 3,082人 | 1,403人 |
令和3年度 | 41.50% | 3,424人 | 1,421人 |
令和2年度 | 39.20% | 3,703人 | 1,450人 |
令和元年 | 33.60% | 4,466人 | 1,502人 |
司法試験自体受験することが困難な試験となっており、司法試験の合格率自体もとても低いわけではありませんが、毎年の合格率のバラつきはありますが30~40%程で落ち着いていることがわかります。
弁護士を目指すならアガルート
まだまだ将来性のある仕事であることがわかった弁護士ですが、実際に目指そうとするとその道のりはかなり遠いです。
そこで今回は、資格広場が最もオススメするアガルートの『【2024年・2025年合格目標】司法試験|予備試験最短合格カリキュラムをご紹介します!
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まとめ|弁護士の将来性
今回は弁護士の将来性について、業界を取り巻く状況と今後の可能性についてお話ししました。
結論弁護士が儲からなくなるというのは間違いであり、これまでの働き方に捕らわれない変化の時期が訪れているというのが真実となっています。
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