「弁護士の仕事がない」「弁護士は稼げない」などと、就職難・経営難が噂されている弁護士業界ですが、その噂が嘘なのか?本当なのか?弁護士業界の謎や嘘についてを徹底的に解明していきたいと思います。
また、弁護士の就職状況や求人についても詳しく紹介していきますので、弁護士を目指している方や弁護士業界に興味を思いの方は必見です!是非参考にしてみてください。
弁護士の就職状況はどうなっている?
まずは、ここ数年の司法修習後の就職状況と弁護士の就職状況を詳しくまとめてみましたので確認していきましょう。
弁護士の就職状況を知ることで、弁護士の就職難が本当なのか?嘘なのか?推測することができるかもしれませんので、是非データを参考に考えてみてください。
司法修習後の就職状況とは?
まずは、ここ数年の司法修習後の就職状況についてをまとめて紹介していきます。
71期 (2019年1月調査) |
70期 (2018年1月調査) |
69期 (2017年1月調査) |
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新規法曹資格者 (司法修習合格者) |
1,517名 | 1,563名 | 1,762名 |
判事補採用者 | 82名 | 65名 | 78名 |
検事採用者 | 69名 | 67名 | 70名 |
弁護士登録者 | 1,267名 | 1,324名 | 1,472名 |
弁護士未登録者 | 99名 | 107名 | 142名 |
新規の法曹資格者が年々減少していることもありますが、ここ数年の司法修習後の就職状況としては弁護士登録者の数が減少していることが伺えます。また、弁護士や裁判官、検察官にもならない弁護士未登録者の数も通年100名近く存在することが現状です。
この就職状況の数を弁護士の就職難だと捉えている人もいることから、弁護士の就職難が騒がれている理由の1つと考えられるようです。
弁護士の就職状況とは?
次に、ここ数年の弁護士の就職状況をまとめて紹介していきます。
71期 (2019年1月調査) |
70期 (2018年1月調査) |
69期 (2017年1月調査) |
|
---|---|---|---|
弁護士登録者(内訳) | 1,267名 | 1,324名 | 1,472名 |
法律事務所所属 | 1,199名 | 1,240名 | 1,376名 |
企業・組織内弁護士 | 52名 | 64名 | 63名 |
即独推定者 | 16名 | 20名 | 33名 |
ここ数年の弁護士登録者の就職状況の内訳ですが、法律事務所に所属する弁護士が大半であることが分かります。また、法律事務所以外の就職状況では、企業や組織内弁護士の数が安定してきているように見受けられます。
さらに、弁護士資格を所得後すぐに独立開業を余儀なくされる「即独」の推定者は年々減少にあり、この就職状況から考えるに、弁護士の就職難は嘘なのではないか?ともいわれています。
弁護士の就職難は嘘?本当?
ここ数年の弁護士の就職率や就職情報についてを紹介しましたが、結局のところ弁護士の就職難というのは嘘なのでしょうか?
世間では弁護士は就職難だ、などという暗いニュースが流れてしまっていますが、実際に弁護士業界は就職難なのか?まったくの嘘なのか?詳しく解説していきます。
弁護士が就職難といわれている理由
司法制度改革により、弁護士になる方の数が爆発的に急増しました。
しかし一方で、弁護士を受け入れる法律事務所が増えることはなく、弁護士の数だけが膨れあがってしまったのが弁護士が就職難といわれる原因として考えられます。
近年では、法科大学院志願者や司法試験受験者の人数が減少傾向にあるようですが、それでもまだまだ弁護士の数は増え続けていくだろうといわれています。
弁護士の就職難の真相を解明
実際に、弁護士の数だけが増え、法律事務所の供給が不足していたという事実は嘘ではないようです。
しかし、日本の企業のグローバル化が進んでいることに伴い、国内の法律業務が拡大していることも事実。弁護士を必要としているのは法律事務所だけでなく、一般企業にも需要が拡大しています。
実際に、組織・企業内弁護士の数が増えていることも嘘ではありません。また、多くの一般企業で弁護士の求人が出されており一概に弁護士業界が就職難だということは難しく、就職難というのは嘘だということになりそうです。
弁護士以外の就職先もある
司法試験に合格し、司法修習を修了したからと言って、必ずしも弁護士をはじめとする法律家にならなければならないということはありません。
最難関国家資格である司法試験を受験する方の中には「自分自身の実力を試したい」という思いから受験する方も少なくなく、受験する段階ではまだ進路を決めかねている方もいることでしょう。
司法試験はいち資格試験であり、司法試験に合格することで就職先や職業の選択肢は広がりますし、法律の知識を取得しているというだけで自由度は大きいといえます。
弁護士の求人を探すなら
弁護士の求人情報は、一般企業の求人とは違い、非常に探しにくいのが現状です。
また、求人が見つかったとしても募集人数が1名~若干名である場合がほとんどであり、大々的に弁護士を募集している法律事務所はまずありません。
では、法律事務所の求人を効率良く探すにはどうしたら良いのかを考えていきましょう。
求人誌から探す
オーソドックスではありますが、新聞の求人情報欄やタウン誌などの求人誌から探す方法があります。
朝日新聞では、法律事務所の求人情報が日曜版に掲載されていることが多いようです。しかし、1つの枠に対し求人が殺到すると考えられるため競争率は非常に高いといえます。
また、地域密着型の弁護士事務所に所属を考えているのであれば、地域のフリーペーパーなどにも求人が掲載されていることもありますのでよく確認してみましょう。
求人情報サイトから探す
最も手軽に弁護士の求人を見つける方法とすれば、インターネットを利用した求人情報サイトから探す方法です。
誰もが簡単に情報を手に入れることができるので倍率が非常に高いですが、法律分野専門の求人に特化した情報サイトも存在するのでチェックしておきましょう。
また、弁護士会や法律事務所のホームページなどでも、求人を募集している場合があります。
紹介サービスから探す
ハローワークや人材紹介会社などを利用して、弁護士の求人を探すことも1つの手段として挙げられます。
ハローワークは窓口に出向く必要がありますが、就業条件の詳細が明確に記載されていることから、自分の条件に合わせて求人を探すことができます。また、法律関係専門の人材紹介会社に登録すれば、求人情報を紹介してくるれることもあるようです。
人脈から探す
少数派ではありますが、自分自身の人脈やアプローチから求人を探している方も存在します。
1つ目は、大学の就職課を利用して求人を見つける方法です。所属弁護士の出身大学で、求人募集を行っていることも多いようです。2つ目は、知り合いの弁護士に紹介してもらう方法で、実際にそのようにして弁護士になる方も存在します。
弁護士の就職難は嘘だった?!就職状況や求人まとめ
いかがでしたか?弁護士の就職状況から、弁護士の就職難といわれている原因を推察してみました。
弁護士の就職状況は年々安定してきているといわれており、一時期と比べても就職しやすくなってきているともいわれています。このような理由じゃら、一概に弁護士業界が就職難だとは言えず、就職難の噂は嘘なのではないでしょうか?
また、弁護士の求人は1件1件が狭き門となっていますが、様々な法律事務所が求人を掲載しているので根気よく探してみることをおすすめします。
今後も、弁護士をはじめとする司法試験の資格所有者の活躍に期待が高まっていることから、弁護士としての働き方の幅が広がっていくことでしょう。それだけ弁護士という職業は魅力ある仕事であることは間違いありません。