弁護士というとドラマでもカッコいいい役柄が多く憧れる人も多いと思います。
ただ、弁護士になるにはロースクール(法科大学院)を出なければならないなど、なかなかハードルが高いイメージがあるのではないでしょうか。
実は最近、少しでも司法試験が受けやすくなるようにと様々な制度が導入されています。
これなら司法試験に挑戦できるかも!と思えると思うので是非ご覧くださいね。
弁護士とは。弁護士の仕事
弁護士の仕事でイメージが付きやすいのは法律事務所に所属し、法律関係の相談を受ける仕事かもしれません。
しかし、働く場所は事務所に限らず、全国各地の弁護士会の事務所や市町村の役場などから依頼を受けて相談窓口を開設したりしています。
法律面でのアドバイスなどでトラブルが解決しない場合には、裁判へ移行することもあるので、適切な手配をしていくのも弁護士の仕事です。
弁護士の仕事は基本的な人権の保障や権利の保障など人々が不正に侵されたりしないように、また不正が起きても正しく罰せられる社会をつくる一翼を担っています。
弁護士になるには
弁護士になるためには、様々な過程が必要です。
すぐにイメージが湧くのは「司法試験」かもしれません。
しかし、その司法試験を受けるためにも条件があるのです。後に説明します。
更に、司法試験に合格しても「司法修習」という研修を受ける事になります。
司法試験を受験するための条件
司法試験は誰でも受験できるわけではありません。
最近では少しでも多くの人に受験してもらえるように様々な形で司法試験受験条件を得られるようになっています。
是非自分に合った条件の取り方を検討してみて下さいね。
①法科大学院に在学・卒業する
一番有名で多くの人が選択する最も確実性が高い方法は、法科大学院に在学、または修了する事です。
法科大学院に入る為には、学部は関係ありません。
法学部を卒業している場合でも学部期間4年、大学院期間2年と合計6年、更に法学部以外の学部を卒業している場合は更に1年必要となります。
この時点で金銭的に難しく司法試験を諦める人もいると思いますが、今は他にも選択肢があるので諦めるにはまだ早いです!
②予備試験に合格する
長い間、司法試験を受験できるのは法科大学院の修了生だけでした。
しかし、2011年までから、金銭的、時間的負担の軽減し、より幅広い人に司法試験の受験を受験してもらえるように予備試験制度が開始しました。
この試験は、誰でも受験する事ができ、合格すると法科大学院修了と同等の知識があるものとみなされ「司法試験受験資格を得る」ことができるのです。
法学部の学生達も在学中に予備試験を受け、1年でも早く司法試験を受験できるように勉強するようになりました。
ちなみに平成30年には19歳で司法試験に挑戦している人も居たそうです。
実際、大学院を卒業した方よりも、予備試験合格してからの合格者の方が多くなっているという結果もあります。
予備試験制度が2022年から変わる!
予備試験の論文式試験にはこれまで「一般教養科目」というものが存在しました。
しかし2022年の予備試験からは「一般教養科目」が廃止され、新たに「選択科目」が導入されます。
選択科目は
- 倒産法
- 租税法
- 経済法
- 知的財産法
- 労働法
- 環境法
- 国際関係法(公法系)
- 国際関係法(私法系)
の中から選ぶことになります。
これにより予備試験受験生の負担が増える一方で、司法試験と同様の選択科目となるため、司法試験受験時には予備試験対策で行った勉強が役に立つというメリットもあります。
少しでも効率的に学習を進め早く合格したい方は、自分のペースで学習を進められる通信講座がお勧めです。
③法曹コースで5年間の一貫教育が始まった!
更に、2020年4月から、法曹コースという5年間で法学部、法科大学院の6年分を学べる一貫教育コースが始まりました。
このコースではこれまでより1年分の学費や生活費などの負担が軽減されるため、より多くの人に弁護士を目指してもらえることが期待されています。
司法試験の受験条件は分かりましたか?
まだ高校生の方であれば、法曹コースで大学入学し2年程度を目安に予備試験制度を受験できるように勉強していくこともできるでしょう。
2024年 司法試験について
それでは、2024年の司法試験についてご紹介します。
ここでは2024年の司法試験の内容、試験日程、合格率をご紹介します。
司法試験の試験内容
司法試験の試験の形式は、短答式と論文式による筆記の方法により行われます。口述試験は行われません。
論文式試験
- 公法系科目
- 民事系科目
- 刑事系科目
- 選択科目
(倒産法・租税法・経済法・知的財産法・労働法・環境法・国際関係法(公法系)・国際関係法(私法系))
短答式試験
- 憲法
- 民法
- 刑法
2024年 司法試験日程
2024年司法試験の日程は以下のようになっています。
論文式試験
-
- 2024年7月10日(水)
選 択 科 目(3時間)
公法系科目第1問(2時間)
公法系科目第2問(2時間)
-
- 2024年7月11日(木)
民事系科目第1問(2時間)
民事系科目第2問(2時間)
民事系科目第3問(2時間)
-
- 2024年7月13日(土)
刑事系科目第1問(2時間)
刑事系科目第2問(2時間)
短答式試験
-
- 2024年7月14日(日)
憲法(50分)
短答式試験 民法(75分)
刑法(50分)
合格発表
-
- 2024年11月6日(水)
短答式試験成績発表
-
- 2024年8月1日(木)
合格発表
司法試験合格率
2018年から2023年までの司法試験の合格率を算出しました。
2018年頃までは合格率は20%後半でしたが年々上昇している傾向です。
また、予備試験制度や法曹コースなどの開始により益々幅広い年齢、背景を持つ人の受験が進んでいくでしょう。
2023 | 2022 | 2021 | 2020 | 2019 | 2018 | |
---|---|---|---|---|---|---|
受験者 | 3,928 | 3,082 | 3,424 | 3,703 | 4,466 | 5,238 |
短答式試験のみ合格 | 1,368 | 1,091 | 1,251 | 1,343 | 3,287 | 3,669 |
合格者数 | 1,781 | 1,403 | 1,421 | 1,450 | 1,502 | 1,525 |
合格率 | 45.3% | 45.5% | 41.5% | 39.1% | 33.6% | 29.1% |
合格率は上昇しているものの侮ってはいけません。
年に1度しかない試験でもあるので、1回で合格したいですよね。
効率的に学習したいあなたは問題傾向や重要ポイントを抑えられる一度通信講座を検討してみてはいかがですか?
気になる方はコチラからご確認ください。
【2024年司法試験】弁護士になるには法科大学院しか道はない?!まとめ
弁護士になるには「法科大学院しか道はない?!」と思っていた人も多いと思います。
法科大学院に行かなければいけないとなると、高校生を卒業してから最低でも6年は学生生活を続けなければならず時間的にも金銭的にも重い負担で諦める人も多かったと言います。
ですが年々司法試験の受験資格は取りやすくなるように制度が改革されてきています。
これからも制度の変更がある可能性が高いので興味のある方は情報更新にお気を付けください。
また、試験は難関試験に違いはありませんが、合格率が少しずつ上がっているのも期待したいですよね。
様々な制度を駆使して1年でも早く司法試験に合格できるようがんばってください!