みなさんの中には検察官を目指されている方もいると思いますが、検察官と一言に言ってもさまざまな役職が存在します。
検事総長をはじめ次長検事、検事長、検事正、検事・副検事などがあり、それぞれの役職によって年収(月収)も異なります。
この記事では、主に検事・副検事の平均年収を年齢別にご紹介していきますので、検察官を目指そうと考えている方は参考にしてみてください。
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検事・副検事の年収・月収の違いについて
検事・副検事の年収・月収は、「検察官の俸給等に関する法律」によって決められています。
検事と副検事では、年収・月収の金額はもちろん昇給スピードなどにも違いがあるため、仕事内容以外に収入面も把握しておきたい方はしっかりと確認しておきましょう。
では、検事・副検事では、収入面においてどのような違いがあるのでしょうか。
検事・副検事の月収の違い
検事・副検事の月収は、上述の法律で決められているので把握しやすいです。
検事は1〜20号、副検事は1〜17号で階級が分けられており、この階級が高くなるほど月収も上がります。
15〜20年ほど勤めている検事・副検事の月収は、どちらも手取りで50〜60万円程度です。
細かい差については、勤務地ごとの調整手当に違いがあることが理由となっています。
階級 | 役職 | 月給(基本給) | 階級 | 役職 | 月給(基本給) |
---|---|---|---|---|---|
1号 | 検事 | 1,178,000円 | 11号 | 検事 | 367,100円 |
副検事 | 576,000円 | 副検事 | 282,200円 | ||
2号 | 検事 | 1,038,000円 | 12号 | 検事 | 343,800円 |
副検事 | 518,000円 | 副検事 | 263,500円 | ||
3号 | 検事 | 968,000円 | 13号 | 検事 | 322,400円 |
副検事 | 440,400円 | 副検事 | 254,800円 | ||
4号 | 検事 | 820,000円 | 14号 | 検事 | 307,900円 |
副検事 | 423,000円 | 副検事 | 249,400円 | ||
5号 | 検事 | 708,000円 | 15号 | 検事 | 291,400円 |
副検事 | 389,300円 | 副検事 | 244,000円 | ||
6号 | 検事 | 636,000円 | 16号 | 検事 | 282,200円 |
副検事 | 367,100円 | 副検事 | 233,000円 | ||
7号 | 検事 | 576,000円 | 17号 | 検事 | 263,500円 |
副検事 | 343,800円 | 副検事 | 226,500円 | ||
8号 | 検事 | 518,000円 | 18号 | 検事 | 254,800円 |
副検事 | 322,400円 | 副検事 | – | ||
9号 | 検事 | 423,000円 | 19号 | 検事 | 249,400円 |
副検事 | 307,900円 | 副検事 | – | ||
10号 | 検事 | 389,300円 | 20号 | 検事 | 244,000円 |
副検事 | 291,400円 | 副検事 | – |
このように検事・副検事の基本給を比較してみると、それぞれ月給に差があることが見て取れます。
差がある理由としては、検事・副検事で資格の取得方法に違いがあるからです。
資格の取得方法の違いについては、後ほどご紹介していきます。
検事・副検事の年収の違い
検事・副検事の年収としては、700〜900万円程度です。
賞与(ボーナス)にも地域ごとの調整手当が適用されるため、年収にも差が生まれます。
また東京地検であれば、副部長や班長クラスになると年収1,000万円程度になるケースも少なくありません。
ちなみに検察官トップである検事総長の年収は、およそ2,900万円です。
検事・副検事になるための勉強や資格取得は大変ですが、高収入を狙える職種といえるでしょう。
ただし検事・副検事どちらも管理職扱いになるため、残業代が支給されない点は注意が必要です。
駆け出しの月収が低い頃でも残業代が出ないため、最初は何かと苦労する可能性もあります。
検事・副検事の昇給スピードの違い
昇給スピードについては副検事と比べると検事のほうが早い傾向にありますが、号俸が上がるほど遅くなり最終的には副検事とさほど変わりません。
実際の昇給スピードは個人差がありますが、30代の検事・副検事を例にあげると以下のような違いがあります。
・副検事(30代)の昇給スピード:2〜2年半に1回
昇給スピードは最終的に同じくらいになるとはいえ、実際の月収には差がつきますので、高収入を得たいという方は検事を目指すべきでしょう。
検事の年齢別平均年収と賞与について
ここからは、検事の平均年収や賞与について年齢別でご紹介していきます。
基本的には、年齢が上になるほど年収・賞与ともに高額になっていく傾向があります。
いずれも50代前半でピークを迎え、年収は約736万円、賞与は約176万円です。
では、年齢別に平均年収と賞与を見ていきましょう。
年齢別|検事の平均年収
検事の平均年収を20〜50代に分けて表にしてみました。
新卒社員としての初任給平均とさほど代わりはなく、初任給としては平均値となっています。
ただし、勤務年数次第での昇格や昇給は見込めるため安すぎるというわけではないでしょう。
年齢 | 平均年収 |
---|---|
20〜24歳 | 約350万円 |
25〜29歳 | 約435万円 |
30〜34歳 | 約478万円 |
35〜39歳 | 約546万円 |
40〜44歳 | 約613万円 |
45〜49歳 | 約687万円 |
50〜54歳 | 約736万円 |
55〜59歳 | 約705万円 |
このように年齢が上がるにつれて平均年収も高くなっており、中でも50代前半が一番高く約736万円です。
これはあくまで平均年収ですが、実績や経験に応じて順調に昇進・昇給できれば1,000万円以上の年収を得ることもできるでしょう。
年齢別|検事の平均賞与
続いて検事の平均賞与を20〜60代前半に分けて表にしてみました。
年齢 | 平均賞与 |
---|---|
20〜24歳 | 約87万円 |
25〜29歳 | 約109万円 |
30〜34歳 | 約120万円 |
35〜39歳 | 約136万円 |
40〜44歳 | 約153万円 |
45〜49歳 | 約172万円 |
50〜54歳 | 約184万円 |
55〜59歳 | 約176万円 |
60〜64歳 | 約124万円 |
検事の賞与に関しても年齢とともに上がっていき、年収同様に50代前半でピークを迎える傾向にあります。
勤務先によってボーナスには差がありますので、東京地検などであれば地方と比べると高い賞与を期待できるでしょう。
検事・副検事では資格の取得方法に違いがある
検事・副検事では、月収・年収はもちろん賞与や昇給スピードなどにも違いがあるという話をしました。
検事と副検事では、資格の取得方法が異なるため、収入面においても違いが出てくるのです。
では、それぞれ資格の取得方法についてどのような違いがあるのかご紹介していきます。
検事の採用資格について
検事は、法科大学院を修了するか司法試験予備試験に合格後、司法試験に合格し、さらに最高裁判所司法研修所の司法修習を修了する必要があります。
さらに司法修習を修了すれば100%検事になれるというわけではなく、司法研修所の検察教官から高評価を受け、検察上層部で内諾を得られなければ検事にはなれないのです。
司法試験予備試験は難易度の高い国家資格試験なので、予備校や通信講座を利用して効率よく学習することをおすすめします。
副検事の採用資格について
副検事は、副検事選考試験に合格することでなることができます。
基本的に副検事選考試験の受験資格は公務員に与えられますが、他にも「10年以上の経験があり昇級に関する条件を満たしている検察事務官や裁判所期間」そして「家庭裁判所調査官」などが受験資格を得ることができます。
他にも警部以上の階級で3年以上在職していれば、警察官や麻薬取締官などにも受験資格が与えられるケースも珍しくありません。
検事・副検事の年収まとめ
検事・副検事の年収や月収、賞与についてご紹介しました。
基本的には、副検事よりも検事のほうが年収が高い傾向にあり、例えば10号の検事であれば月収389,300円、同じく10号の副検事であれば月収291,400円で約10万円の差があります。
検事・副検事それぞれ給与面以外に資格の取得方法や業務内容にも違いがあるため、自分に合っているのはどちらかをよくリサーチしたうえで目指すとよいでしょう。
高収入を目指すのであれば検事のほうが可能性が高いですが、いずれにしても難関資格といわれていますので入念な準備・勉強が必要です。
また順調に検事としてのキャリアを積み昇進していけば、次長検事で月給1,203,000円、検事総長で1,470,000円と高収入が期待できます。
検察官のトップに上り詰めるのは生半可なものではありませんが、検事を目指すのであれば検事長や次長検事、検事総長も視野に入れて勉学や業務に励んでみてはいかがでしょうか。