見事予備試験を突破しても予備試験にかかりきりだったため、これから司法試験までどう動けば良いのか戸惑う人も少なくありません。
そこで本記事では、予備試験と司法試験を比較して分かった予備試験合格後に勉強すべきこととやらない方が良いことや、司法試験までのスケジュール感についてご紹介します。
また、予備試験合格後からできる弁護士を目指す際の就職活動についてもまとめています。
予備試験に合格した人だけでなく、これから予備試験の受験を検討している人もぜひ最後まで読んでみてください。
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予備試験とは
予備試験は法曹の数を増やす方針のもとに2010年誕生した試験で、正式名称は司法試験予備試験です。
法科大学院の修了者と同等の実力があることを判定する試験となります。
まずはこの予備試験の受験資格、試験日程、試験科目について見返していきましょう。
受験資格
予備試験の受験資格は特に設けられていません。
学歴や職歴などは一切関係なく、誰でも短答試験から順に受験することができる門戸の開かれた試験です。
ただし、その合格率は過去5年で平均4%と、資格取得のための試験の中でも最難関と言える難しさです。
試験日程
予備試験は短答式試験→論文式試験→口頭試験の順番で受験することになっています。
短答式試験に合格すれば論文式試験、論文式試験に合格すれば口頭試験の受験資格が得られます。
その試験日程は2023年度から以下の通りです。
- 短答式試験:7月中旬の1日間
- 論文式試験:9月中旬の2日間
- 口述試験:1月中旬の2日間
法科大学院在学中に司法試験が受けられるようになったことに合わせ、2022年までよりも試験日がそれぞれ2カ月ずつ遅くなっています。
試験科目
予備試験の試験科目は試験形式によって変わります。
短答式試験は憲法、行政法、民法、商法、民事訴訟法、刑法、刑事訴訟法からそれぞれ10~15問出題され、一般教養科目は40問から20問選択する形式です。
論文式試験は憲法、行政法、民法、商法、民事訴訟法、刑法、刑事訴訟法、実務基礎科目(民事実務+刑事実務)と選択科目からそれぞれ1題ずつ論述する形式です。
口述試験は法律実務基礎科目の民事と刑事から事案を与えられて答える形式です。
司法試験とは
裁判官・検察官・弁護士になろうとする人が必要な知識や応用能力を備えているかどうかを判定するための国家試験で、2012年より現在の形式で行われています。
予備試験と比較するために司法試験についても受験資格、試験日程、試験科目について見ていきましょう。
受験資格
2023年から制度が変わり、予備試験に合格した人か法科大学院在学中に所定の単位を取得して1年以内に修了見込みの人が受験できるようになりました。
注意点としては、受験可能な期限が設けられている点です。
予備試験に合格した人は翌年から5年間、法科大学院在学中に所定の単位を取得して1年以内に修了見込みの人はその年から5年間となります。
試験日程
司法試験の試験日程は、2023年からは7月中旬の水・木・土・日の4日間で、最初の3日間は論文式試験、最後の1日が短答式試験です。
司法試験も法科大学院在学中に司法試験が受けられるようになったことに合わせて予備試験と同様に、試験日が2022年までよりも2カ月ずつ遅くなっています。
試験科目
司法試験の試験科目も試験形式によって変わります。
論文式試験は憲法、行政法、民法、商法、民事訴訟法、刑法、刑事訴訟法、選択科目があります。
選択科目は2題、その他の科目は1題を論述する形式です。
短答式試験は民法、憲法、刑法があり、民放から30~38問、憲法と刑法からそれぞれ20~25問出題される形式です。
予備試験と司法試験の違いの重要なポイント3つ
ここまで予備試験と司法試験について概要を確認しました。
それぞれの試験の特徴や違いがありましたが、中でも司法試験の対策をしていく上で重要なポイントが3つあります。
- 短答試験と論文試験をまとめて4日間に詰め込んで行う
- 短答試験の各科目の問題数の多さ
- 論文試験の問題文の長さ
続いては重要なポイントを1つ1つ見ていきましょう。
短答試験と論文試験を4日間に詰め込んで行う
予備試験では2~3ヵ月ごとに短答式試験や論文式試験があり、準備する期間が多くありました。
ですが、司法試験では短答式試験と論文式試験を4日間に詰め込んで行います。
そのため、短答式と論文式2つの試験に続けて対応するための準備と4日間の試験に耐える高い集中力が必要となります。
短答式試験の各項目の問題数の多さ
短答試験の試験科目自体は予備試験が8項目と広範囲なのに対して、司法試験は3項目と予備試験と比べると少ないです。
しかし、それぞれの項目に対する問題数は予備試験の2~3倍となり、1つ1つの項目について深く理解しておくことが必要となります。
論文式試験の問題文と回答の長さ
予備試験、司法試験ともに論文式試験はありますが、問題文と回答の長さが違います。
予備試験では1題の問題文がA4で2~3枚に対して司法試験では5~6枚、回答用紙は予備試験が4枚に対して司法試験は8枚となります。
試験時間は予備試験の方がやや長いくらいなので、円滑な問題文全体像の把握と迅速な回答が求められます。
司法試験までにやるべきこととスケジュール
試験日程から分かるように予備試験から司法試験までは約6ヵ月です。
これまで勉強してきたことを振り返ると短いように感じるかもしれませんが、決してそんなことはありません。
なぜなら、予備試験を合格したということは、司法試験に合格する土台ができているということだからです。
実際に予備試験合格者の司法試験合格率は、過去5年間の平均で82.9%とかなり高い合格率です。
まずは自分のこれまで勉強してきたことに自信を持って、これからの6ヵ月は以下のことを中心に行いましょう。
- 自身の強みと弱みの把握
- 過去問の勉強
- これまで学んできた基礎知識の復習
それぞれ詳しく紹介します。
自身の強みと弱みの把握
予備試験が全て終わるころには、予備試験の短答式試験と論文式試験の成績通知が届いています。
法務省のホームページを見れば、自身の成績がどのくらいの位置にいるのかが一目でわかるようになっていますので、まずは結果を確認し、どの項目が自分の強みでどの項目が弱みなのかをまず確認して下さい。
なぜなら、1つの項目の得点が低すぎて最低ラインを下回ってしまうと、足切りにあう可能性があるためです。
弱みについては特に勉強する時間を取り、足切りにあう可能性を減らすようにしましょう。
過去問の勉強
予備試験や他の資格試験の勉強でも同じですが、過去問の勉強は必須です。
過去問を解くことで、何を問われているのか分からない場合は基礎知識が不足している可能性が高いですし、問われていることは分かるものの答えられない場合は理解不足の可能性が高いと分かります。
このように、過去問を解くことで自身の習熟度が確認でき、適切な対処ができるのです。
また、先程予備試験と司法試験の違いでお伝えした通り、論文式試験は問題文も回答も長くなります。
問われている力は予備試験と同じですが、長文になることで戸惑ってしまう人も多いです。
概要を把握して適切な回答が導き出せるように、過去問で長文の論文式試験にしっかりと慣れておくことが大事になります。
これまで学んできた基礎知識の復習
どんな試験でもそうですが、点数アップを狙う時に最も重要になるのは基礎知識の習熟度の高さです。
問題文が長くなる傾向のある司法試験では、問題文を読んだ後で反射的に基礎知識がアウトプットできた方が時間を効率良く使えるため、点数アップにつながりやすくなるためです。
また、基礎知識の復習でおすすめしたいのは六法全書の利用です。
おすすめする最大の理由は、司法試験でも六法全書は使うため、試験までに六法全書の効率的な使い方に慣れておくことができるためです。
索引に時間がかかると大幅に試験時間をロスすることになるので、素早く使いこなせるようになることが司法試験を攻略するカギとなります。
司法試験の試験別やるべきこと
予備試験合格から司法試験までの6ヵ月間でやるべきことの概要をお伝えしましたが、続いては短答式試験と論文式試験対策でそれぞれ具体的に何をすべきかを紹介します。
短答式試験の勉強でやるべきこと
短答式試験で最もやるべきことは、過去問を繰り返すことです。
もちろんただ繰り返すだけでなく、1周目に根拠に基づいて正解した問題や選択肢は抜きにして効率よく繰り返していきましょう。
短答式試験では過去問で見たことのあるような問題も多くあるため、とにかく過去問で根拠に基づいて答えられる問題を増やしていくと良いです。
目標は過去問で8割以上の正答率ですが、予備試験に合格しているなら過去問を繰り返せば現実的に狙えるでしょう。
論文式試験の勉強でやるべきこと
論文式試験も短答式試験と同じく過去問を解くことが重要ですが、同じくらい良い解答を書き写すことも重要になります。
良い解答を書き写すことで、試験本番で必要な知識と論理的な文章構成を同時に学ぶことができるからです。
また論文式試験は自身の言葉で解答し、知らず知らずのうちに表現や文章の構成に癖が出てきやすいため、他者からの添削を受けることもやるべきです。
予備校での論文対策講座や、司法試験合格者が行っている添削サービスなどを積極的に利用しましょう。
司法試験までにやらなくて良いこと
これまで予備試験合格から司法試験までにやるべきことを紹介してきましたが、反対に無理にやる必要のないこともあります。
- 新しい参考書に手を出すこと
- 模試に手を出しすぎること
以上2点は陥りやすいため、それぞれ詳しく紹介します。
新しい参考書に手を出すこと
予備試験合格から司法試験までは約半年です。
この時期から新しい参考書に手を出して自分の力とすることは非常に難しいです。
むしろ、中途半端に知ってしまうことで迷いが出てきてしまうことも考えられ、害にもなり得ます。
やるべきことでも触れましたが、これまで学んできた知識の精度を高めることに時間を費やした方が、結果として点数アップに繋がります。
予備試験に合格する力があれば、残り半年で新しい参考書に手を出さず、知識の精度を高めることに注力してください。
模試に手を出しすぎること
本番の雰囲気を味わう予行練習として模試を受けることはおすすめしますが、やみくもに模試を受け続けることはやらなくてよいです。
模試で分からない問題が出ると、どうしてもわからなかった部分の新しい知識を身に着けることに時間を使ってしまいます。
心情的にはよくわかるのですが、模試はあくまでも模試であって過去問ではありません。
出たことがなく、出るかどうかも分からない知識に時間を割いても中途半端になるため、模試はあくまでも本番の雰囲気を味わう予行練習として利用しましょう。
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弁護士を目指す場合の予備試験合格後の就職活動
弁護士を目指す場合、予備試験合格後に日々の勉強と並行して就職活動を行うのがおすすめです。
予備試験合格発表後には多くの法律事務所が2日間程度のインターンを募集し、中には採用試験を行う法律事務所も存在します。
予備試験合格者は「学力が高い=優秀」と見なされやすく、法律事務所も採用しやすい傾向にあります。
そのため、入りたい法律事務所があって弁護士として働きたいなら、予備試験合格後すぐに就職活動を行っておきましょう。
予備試験合格後から司法試験までに勉強すべきことまとめ
これから司法試験に向けて動くにあたり重要になる、予備試験と司法試験の違いは以下の3つでした。
- 司法試験は短答式試験と論文式試験を4日間に詰め込んで試験を行う
- 短答式試験の各項目の問題数が多い
- 論文式試験が問題文も解答も長い
この3つのポイントを踏まえてやるべきは「予備試験の結果から自分の苦手項目を把握して潰す」「過去問を解いて理解不足をなくし、問題に慣れる」「基礎知識の理解を深める」でした。
新しい参考書や模試に頼り過ぎず、これまでやってきたことの完成度を高めることで司法試験の合格が見えてきます。
また、弁護士を目指す場合は予備試験合格発表後のインターンや採用試験を受けておくことがおすすめでした。
司法試験は難関資格ですが、合格を目指すためにぜひ参考にしてください。