テレビドラマに登場する弁護士は弁護士バッジをつけていますが、実際の弁護士バッジは常時身に付けていなくても良いとのことです。
それならば弁護士バッジにはどんな効力があるのでしょうか?
またインターネット上では多くのレプリカが販売されていますが、レプリカを購入し身に付けることは犯罪になるのでしょうか?
この記事では弁護士バッジがどのような意味を持っているのかや、身に付けるタイミングや豆知識を紹介します。
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弁護士バッジ「弁護士記章」とは?
弁護士バッジの正式名称は「弁護士記章」となっており、形状や制式については弁護士記章規則にて定められています。
規則には弁護士バッジの扱い方について詳細が記載されていますので、概要を紹介します。
弁護士バッジは授与ではなく賃与される
弁護士バッジはもらえるわけではなく、あくまで貸与されるものだと弁護士記章には明記されています。
弁護士は所属弁護士会から登録除外された場合は、バッジを返還する必要があります。
そのため、インターネットオークションで売却したりすることはできません。
交付するのは日本弁護士連合会
弁護士は所属事務所に登録をすることで日本弁護士連合会から弁護士バッジの交付を受けることができます。
また、弁護士は所属事務所へ登録しバッジを受け取ることで活動をスタートすることができます。
弁護士バッジにはどのような情報がある?
弁護士バッジの裏側には登録番号が刻印されており、会員証の役割を担っています。
そのため万が一弁護士バッジを紛失した場合は再交付の申請をする必要があり、再交付された弁護士バッジには交付回数が刻まれ官報に公告されることになります。
当然再交付にかかる費用は自己負担になり、始末書の提出義務もあるため弁護士バッジの保管には細心の注意を払う必要があります。
裏側には登録番号以外にも、日本弁護士連合会員章という文字や後述する材質などが刻印されているようです。
旧字体で記載されており、弁護士は辯護士と表記されています。
弁護士バッジの花はひまわり?意味はあるの?
弁護士記章規則では十六弁のひまわりと中心に秤一台を描くことが定められています。
ひまわりは正義と自由を表しており、秤は公正と平等を追い求めるという意味がこめられているそうです。
ひまわりの花言葉は「情熱」「あなただけを見つめる」「憧れ」ですが、太陽に向かって真っすぐ成長する姿を正義と自由の象徴としています。
弁護士法の第一条に記載されている「社会正義を実現することを使命とする」という条文を全うするためにも、弁護士バッジに「正義と自由」「公正と平等」が表現されています。
弁護士バッジはいつつける?常備する必要はない?
弁護士バッジは会員証の役割を担っていますが、常時身に付けなければならないという義務はありません。
そのため弁護士バッジの有無で弁護士かどうかを判断することはできません。
それでは弁護士バッジが必要になる場合とは、どのような場面でしょうか?
裁判所に入る際等の身分証
弁護士が弁護士バッジを身に着けるタイミング、それは裁判所に入る時です。
裁判所の入口は一般用と弁護士用の二つがあります。
一般用の入口では荷物検査がありますが、弁護士用入口ではバッジを見せることで検査されることなく入ることができます。
ただし、身に着けておかずとも裁判所の入口で弁護士バッジをカバンから出して見せてもOKです。
そのため、弁護士バッジは使用する機会は限られてはいるものの忘れずに携帯しなければなりません。
尚、弁護士バッジは直径約2センチとかなり大きく金色で目立つため、裏返しにして身に付ける弁護士もいるようです。
弁護士バッジの色で歴がわかる?素材には何が使われる?
テレビドラマでは弁護士のバッジの多くは金色です。
実際の弁護士が身に付けているバッジも新品は金色ですが、実は純金製ではありません。
弁護士記章規則にはバッジの色彩について、「表面は金色、中心部部分は銀色」と定められています。
そのため、弁護士歴が長い弁護士のバッジは金メッキが剝がれてしまい銀色になっていることもあります。
一方、新しく登録された弁護士のバッジは金色に輝いているため銀色の弁護士バッジはベテラン弁護士の象徴のように思われるようです。
ちなみに銀は空気に触れることで酸化するため、大ベテランの弁護士は黒色のバッジになるそうです。
ただし、バッジの色で弁護士歴を確実に判断できるわけではありません。
ベテラン弁護士が金色バッジを持っている場合や新人が銀色を持っている場合もあるからです。
弁護士バッジの色が弁護士歴と合わない事例として、次のケースが挙げられます。
紛失し再交付を受けた場合
バッジを紛失して再交付された場合は金色のバッジになります。
再交付されるバッジは銀色だったベテラン弁護士であっても金色バッジになるため、一概に金色バッジが新人弁護士ということになりません。
純金製のバッジだった場合
弁護士バッジを純金製にすることも可能です。
弁護士記章規則の第三条には、金製弁護士記章の作成と交付は弁護士の負担となる、と記載されています。
費用は約6万円と高額なためか、純金製の弁護士バッジをつけている人はあまりいないようです。
純銀製のバッジを返還し純金製のバッジを申請することも可能となっています。
検察官、裁判官から弁護士に転身した場合
同じ法曹界で働いている検察官や裁判官が弁護士になることもあります。
長年勤めていたベテランであれば弁護士として活動してもすぐに活躍されるでしょうが、弁護士バッジは弁護士になった時に交付されます。
そのため、知識と経験が豊富な検察官や裁判官であったとしても金色のバッジを身に付けることになります。
金メッキを削って銀色にしている場合
金色の弁護士バッジを身に付けていると非常に目立ってしまい、新人弁護士だとすぐに分かってしまいます。
また身に付けずカバンの中に入れてあるとメッキが剥がれることもないため、経験豊富なベテラン弁護士に見えるよう金メッキを削る弁護士もいるようです。
金メッキが削れない方法で携帯している
弁護士バッジを使う場面は裁判所に入る時以外、殆どありません。
そのためずっとカバンに入れている弁護士も多いです。
中には最初に交付されたバッジケースに入れている弁護士もいるため、殆ど新品の弁護士バッジを持っているベテラン弁護士もいます。
弁護士を選ぶ時は弁護士バッジの色で選ぶべき?
弁護士を選ぶ時にバッジの色はあまり参考にならないと言われています。
たしかに銀色のバッジであればベテラン弁護士の可能性はあります。
しかし、大事なのは依頼を真剣に聞き真摯に取り組んでくれる弁護士かどうかです。
ベテラン弁護士の方が豊富な経験と知識を使って解決策を見つけることができる場合もあれば、若手弁護士の方がエネルギッシュに活動し問題を解決してくれることもあります。
初回の相談無料を謳う法律事務所は沢山ありますので、バッジの色ではなくしっかりと対応してくれる弁護士かを実際に会って判断するようにしましょう。
弁護士バッジのレプリカの購入は犯罪になる?
近年、フリマサイトや大手ECサイトにて「弁護士バッジのレプリカ」が販売されていることがありますが、これは問題ないのでしょうか…?
裁判所で提示することで身分証明にもなる弁護士バッジのレプリカの扱い、そしてバッジから本物の弁護士かどうかの見分け方についてご紹介します。
レプリカの購入自体は犯罪行為ではないが使用すると犯罪
インターネットで売っているレプリカを購入する事自体は犯罪ではありません。
ただし、弁護士免許を持っていない人が弁護士を名乗ることは犯罪になりますので、レプリカを入手してもみだりに使用しないことをおすすめします。
弁護士法第74条1項には、「弁護士ではない者は弁護士又は法律事務所の標示又は記載をしてはならない。」とあります。
標示又は記載とは、名刺に弁護士と記載したり法律事務所を名乗ることを意味しています。
また、同条3項には「類似する名称を用いてはならない。」とあり、紛らわしい肩書や事務所名も許されません。
つまり、冗談であっても弁護士ではない人が弁護士や法律事務所を名乗ることは違法になり、100万円以下の罰金が科せられる可能性があります。
実際に弁護士という肩書を使い犯罪行為を行う詐欺師はいますので注意が必要です。
大企業の顧問弁護士を名乗り突然連絡をしてくるケースもあり、正しい判断ができないまま事件に巻き込まれることもあります。
弁護士バッジの色や刻印で判断する
レプリカは本物のバッジとは違い中心の秤部分まで金色になっているため、見た目で判断することができます。
レプリカは細部まで作りこんでいないことが多いようです。
また、色だけでなく日本弁護士連合会員章や造幣局、純銀製、免許番号の刻印があるかどうかでも判断することができます。
登録番号を確認する
弁護士はフルネームと登録番号、所属する弁護士会に関する情報が日本弁護士連合会のHPに登録されています。
そのため弁護士を名乗る人物の情報が登録されているかどうかで判断することもできますが、事前に登録のある弁護士になりすましている偽物もいます。
そこで、日本弁護士連合会のHPに記載されている所属事務所へ直接連絡し、登録されている弁護士が訪ねて来ていることを確認しましょう。
法律事務所としても偽物が事務所の名前を勝手に使っているとなると信用問題になるため、しっかりした対応をしてくれます。
「企業内弁護士だから登録がない」と説明した詐欺師がいたケースもありますが、弁護士であれば例外なく登録番号が発行されています。
弁護士バッジのモチーフや意味まとめ
弁護士バッジはひまわりと秤が描かれ、それぞれ正義と自由、公平と平等を表現しています。
裏側には登録番号などが刻印されており、純金製ではなく純銀製の金メッキ仕上げとなっているためベテラン弁護士のバッジは銀色になっていることもあります。
ただし、普段からバッジを身に付けていなかったり再交付を受けていたりするとベテラン弁護士であっても金色のバッジになるため、一概に色で弁護士歴を判断することは難しいようです。
また、バッジの裏側にある登録番号は弁護士1人1人に割り振られるIDナンバーです。
そのため、もし弁護士を名乗る人物が現れ怪しいと感じた場合は、登録番号や所属弁護士会を確認するようにしましょう。