司法予備試験は合格率が5%を下回り、毎年1回しか行われないという非常に合格が難しい試験です。
それ故に、一番最初に立てる勉強スケジュールが正確かつ守れる物でなければ、合格はおろか口述式試験にたどり着くことも出来ないでしょう。
この記事では、難関試験である司法予備試験に1年で合格するために、どのようにスケジュールを立てれば良いのか、模試のタイミングはいつなのかなどを解説していきます。
興味のある方は是非最後までご覧ください。
予備試験とはどんな試験?
司法試験予備試験とは、司法試験を受験するために必要な試験です。
司法試験と範囲が重なっており、法律問題の基本的な分野が勉強できます。
法科大学院ルートと予備試験ルートがある
司法試験を受験するためには、予備試験合格か法科大学院(ロースクール)の修了が必須です。
司法試験の合格率は、法科大学院の修了者よりも予備試験合格者が大きな割合を占めています。
予備試験に合格できれば、司法試験に合格することも難しくありません。
年齢制限や受験回数に制限がないことも、予備試験のポイントです。
予備試験の合格率は4%前後
予備試験の合格率は4%前後です。
毎年の推移に大きな差はありません。
合格率4%は、国家試験の中でも最高難易度といえるでしょう。
予備試験の科目は11科目に分かれており、勉強をする範囲も膨大です。
効率的に学習しなければ、なおさら難易度が高くなってしまいます。
一方で司法試験の合格率は40%程度です。
勉強期間が長いほど合格率が高くなるわけではない
勉強時間が長いほど、予備試験の合格率が高くなるわけではありません。
予備試験合格者の8割は2回までの受験で合格しています。
勉強の時間や受験回数が増えるほど、予備試験合格者の割合が減る事実にも注意しましょう。
勉強期間と合格率は比例しないので注意してください。
学習計画は自分のライフスタイルも加味しよう
学習計画は自分のライフスタイルも加味して考えましょう。
学習できる時間やペース、環境は個人によって異なります。
勉強時間の目安があっても、受験者全員が必ずクリアできるものではありません。
予備試験は合格まで数年にわたる学習計画を立てることが必要です。
予備試験の勉強時間は最低3,000時間が目安
まず最初に司法予備試験に1年で合格することは可能なのかを解説します。
司法予備試験合格のために必要な勉強時間は、一般的に最低3,000時間、最大10,000時間と言われています。
この最低3,000時間を365日で単純に割ると、1日8.2時間勉強するということになり理論上は1年で合格できる方もいらっしゃいます。
しかし、この計算だと学校や会社に行っている方には実現が難しく、現実的ではありません。
また、当然個人によって読解力や記憶力は違いますし、司法予備試験の勉強を始める前に法律関係の知識を有しているかなどによっても勉強時間に大きな差ができます。
勉強時間はあくまで目安であり、自分がしっかり理解できているか、暗記できているかで勉強の進捗を判断しましょう。
予備試験合格に必要な1日の勉強時間は?
予備試験合格に必要な1日の勉強時間は、何年で合格を目指すかによって異なります。
加えて、どれくらいの勉強時間が確保できるか確認してください。
1年で合格を目指す場合、1日の勉強時間は約10時間以上は必要でしょう。
ハードスケジュールになる場合でも、試験勉強のペースを落とすと危険です。
学生の勉強時間
大学生は社会人よりも勉強時間を確保しやすいでしょう。
大学の授業がある日でも、1日4時間程度の勉強ができます。
休日や夏休みや春休みがある時期は、1日8時間の勉強も不可能ではありません。
1年間で合計しても、2,200時間程度の勉強時間が確保できる計算です。
社会人の勉強時間
社会人の勉強時間は、ペースの確保が重要です。
平日は2時間、土日どちらかは6時間勉強しましょう。
以上の計算では、2.5年間で合計2,000時間程度の勉強ができます。
正月・お盆等の時期を使い、進捗を進める努力もしてください。
仕事の繁忙期や家庭の都合などにも十分な注意が必要です。
予備試験に合格するための方法
次に予備試験に1年合格するための方法をご紹介していきます。
勉強時間だけを考えると1年合格は非常に厳しいように考えられますが、どのように勉強を進めていくのでしょうか?
テキストは大手予備校の物を用いる
司法予備試験の学習に使用するテキストは大手予備校の物を使うようにしましょう。
これは、大手予備校にはテキストにも最高効率で学習が出来るように工夫が凝らされていますし、長年のノウハウから信用もあるからです。
また、テキストの冊数は絞り込んだ方が良いとされていますが、1冊に頼りきることはお勧めできません。
これは、論文式試験において論証の仕方が偏ったり、人によってテキストにも合う合わないがあるからです。
アウトプットを効率的に行う
膨大な勉強時間を短縮するためには、学習効率を上げていくしかありません。
この学習効率を上げる手段として有効なのが、「アウトプットを効率的に行うこと」です。
司法予備試験の第一試験は短答式試験というマークシート式の試験であり、最初は受験者に知識が無いためインプットが重要視されがちです。
しかし、インプットをするだけでは知識が定着せず、すぐに忘れてしまい、また同じ範囲を覚えなおすことになり学習効率の低下を招いてしまいます。
そこで、インプットをする際に一度全てのテキストを読むのではなく、一区切りついた時点でその範囲の短答式試験の過去問を利用してアウトプットをしてみて下さい。
この方法により、アウトプットで知識の定着を図ることが出来ますし、過去問を利用することで過去問演習を同時に進めることが出来ます。
隙間時間を上手く活用する
学習効率を上げることも重要ですが、勉強時間をより多く確保する努力も必要です。
そこで、隙間時間を上手く活用することが重要になってきます。
隙間時間を上手く活用する方法としては、電車をよく利用する方であれば電車内で取り出しやすいインプット用のテキストを用意したり、pdfでスマホにテキストをダウンロードして勉強することがおすすめです。
大学生であれば、昼休みや授業と授業の時間などを利用して勉強することが有効でしょう。
勉強内容を工夫し、必要な勉強時間を確保することで1年で予備試験合格を目指すことができそうです。
短答式・論文式・口述式の効率的な試験対策
ここからは短答式・論文式・口述式試験に費やす時間配分や考え方をご紹介していきます。
それぞれの試験では試験形式も難易度も大きく異なります。
各試験に合った、最適の配分を考えることが学習効率に繋がるでしょう。
短答式試験
まず短答式試験はマークシート式で、基本的には知識を吐き出す試験であるため、上記で紹介したように短答式試験の過去問でインプットと同時にアウトプットを行っていれば、専用の対策は2ヶ月程前からで良いでしょう。
全体の勉強時間の2〜3割を短答式試験の勉強時間に充て、短答式試験の2〜3か月前になったら6〜9割充てると良いでしょう。
しかし、この短答式試験の知識はその後の試験でも活用するため、心配な方はもう少し早くから短答式試験の対策を始めても構いません。
論文式試験
論文式試験は知識を吐き出すだけの試験ではなく、知識や読解力により問題点を探し出して自分が考えた結論へ導くことが必要になり、司法予備試験最大の山場と言われています。
論文式試験に費やす時間としては、勉強を始めてある程度インプットを完了してから短答式試験対策を始めるまでの間と、短答式試験が終わってから論文式試験までの5~6ヶ月間が一般的です。
しかし論文式試験は、他の国家資格や受験などで用いられることがあまり無いため、初めて挑戦する方は勉強時間を少し多めに確保しましょう。
口述試験
まず、最終試験である口述式試験に必要な知識は短答式・論文式試験で得られるため、新たにインプットなどを行う必要はありません。
そのため、口述試験に充てる勉強時間は全体の1〜2割程度で十分です。
よって、口述試験対策は論文試験合格発表が終わった後に始めることが多くなっており、口述試験に費やす専用の対策期間は1ヶ月半程になっています。
予備試験の年間勉強スケジュール例
以下に、予備試験の勉強スケジュールの1例を示します。
7月 | 刑法、憲法のインプット |
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8月 | 刑法、憲法のインプット |
9月 | 民法のインプット |
10月 | 民法、商法のインプット |
11月 | 民法、商法のインプット |
12月 | 民訴法のインプット |
1月 | 民訴法のインプット |
2月 | 刑訴法、行政法のインプット |
3月 | 刑訴法、行政法のインプット |
4月 | 論文式試験対策 |
5月 | 論文式試験対策、短答式試験模試 |
6月 | 短答式試験対策、短答式試験模試 |
7月 | 短答式試験対策 短答式試験16日 その後論文式試験対策、論文式試験模試 |
8月 | 論文式試験対策、論文式試験模試 |
9月 | 論文式試験対策 論文式試験9日、10日 |
10月 | これまでの復習 |
11月 | これまでの復習 |
12月 | 口述式試験対策、口述式試験模試 |
1月 | 口述式試験対策、口述式試験模試 |
このスケジュールは上記でご紹介した、各試験に費やす時間から想定したスケジュールになっています。
勉強時間の目安としては、1日平均6時間を目指すようにしましょう。
また、スケジュール上に記した順番で必ずインプットしなければならないわけではありませんし、選択科目はご自身で選択した科目に置き換えて考えてください。
さらに、各分野のインプットに掛ける時間は目安であり、自分が得意だと感じる分野はなるべく早く終わらせて、苦手分野にその時間を当てるように調節することが重要です。
そしてインプットした内容を忘れないように、定期的に復習を重ねながら学習を進めていくようにしましょう。
司法予備試験に受かりたいならアガルート
司法予備試験は難易度の非常に高い試験ではありますが、決して1年で合格するのは不可能な試験ではありません。
しかし、1年で合格しようと思うと勉強量も時間も膨大で、モチベーションの問題など独学では不安要素が多々あります。
独学で不安を感じている方はアガルート通信講座を利用して見るのがおすすめです。
アガルートの特徴
- 圧倒的な合格率
- 2024年・2025年最短合格カリキュラムで1年での合格が狙える
- 司法試験の合格実績も高い
司法予備試験は合格率は毎年5%以下になるような試験で非常に難易度の高い試験です。
しかし、アガルートでは司法予備試験において全国平均の4.9倍の合格率となっており、アガルートの通信講座は業界でもトップクラスとなっています。
以下、元プロ野球選手の宮台選手のインタビュー動画もぜひご覧ください。
予備試験の合格は学習効率を上げることが重要
今回この記事では、司法予備試験について1年で合格することは可能なのか、勉強時間はどのくらい必要なのかなどをご紹介してきました。
司法予備試験に1年で合格することは可能で、そのためには膨大な学習時間を少しでも減らすために学習効率を上げることが重要になります。
学習効率を上げる具体的な手段としては、インプットと同時にアウトプットをする、隙間時間を活用する、大手予備校のテキストを使用することなどが挙げられていました。
そして勉強時間の配分としては、論文式試験に一番時間を費やし、短答式・口述式試験に関しては、専用の対策は本試験の2ヶ月前程から行うということです。
最後に自分で勉強スケジュールを立てる時は、とにかく達成した目標から逆算し、計画をすぐに修正できるように小まめに立てるようにしましょう。