社会保険労務士はやる気と時間の確保、仕事を選べば副業としても活かすことができる資格です。
とは言え、本業も続けながら社会保険労務士の仕事も両立可能なのか不安なため、踏み出せずにいる方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では「社会保険労務士の副業における主な業務内容や収入の目安、注意点」についてご紹介します。
また、副業社会保険労務士をお勧めしたい方の特徴についても解説します。
社会保険労務士の副業を始めるべきか迷っている方や、新たに副業として活かせる資格を探している方はぜひ最後までお読み下さい。
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社会保険労務士は副業にも活かせる?
冒頭でも述べたように、社会保険労務士の資格を副業として活かすためには仕事を見極める必要があります。
例えば、平日に出勤する必要がない土日のみの単発アルバイトや、隙間時間を活用できるオンライン完結の働き方を選ぶと良いでしょう。
場合によっては、副業社会保険労務士として働くよりも本業として事務所を構える方が効率的になるケースもあります。
これから、社会保険労務士を副業にする場合には「どのような働き方があるのか」や「どのような方におすすめの働き方」なのかについて解説していきます。
社労士が副業する際の働き方と収入目安
社会保険労務士として副業を成功させるためには、本業に支障をきたさない範囲で適度に収入を得られるような働き方を選ぶ必要があります。
こちらの項目では「社会保険労務士としての副業の働き方とそれぞれの見込み収益」について以下の5つをご紹介します。
- 社労士会が主催する無料相談会の参加
- 行政でアルバイトとして勤務
- コンサルタント業務
- 予備校や通信講座での講師
- 社労士資格所持を活かしたライター業務
それぞれの仕事内容や収入、メリットなどを総合的に比較しご自身のライフスタイルに合った副業を探してみましょう。
社労士会が主催する無料相談会の参加
1つ目の働き方は「社労士会が主催する無料相談会への参加」です。
社労士会では毎年10月を「社労士制度推進月間」と位置づけていることから、全国各地の商業施設や集会所などで無料相談会が開催されます。
そのため、開催時期になると各社労士会支部のホームページや会報にてアルバイトの募集がかけられます。
無料相談会へ参加することで、副業に活かせる新規顧客獲得や相談スキルの向上など、人脈やスキル獲得といった様々なメリットがあります。
また、熟練度に関係なく「一律で日当2万円」となっている点も、副業社会保険労務士が参加するメリットは大きいと言えます。
無料相談会は基本的に土日開催となっているため、本業に支障をきたす心配もありません。
行政でアルバイトとして勤務
2つ目の働き方は「行政でのアルバイト勤務」です。
例えば、ハローワークや労働基準監督署や福祉事務所において、社会保険や労働、年金に関する相談業務等に従事する嘱託職員の募集があります。
新型コロナウイルス感染症の影響で労務やお金に関する相談件数が増え、近年求人募集が増加傾向にあります。
また、給料に関しては各行政ごとで若干の差額はありますが「1,000円〜/時間」という募集が一般的と言えます。
書類作成スキルから相談ノウハウまで幅広く実務経験を積みたい方に、お勧めの働き方と言えます。
コンサルタント業務
3つ目の働き方は「コンサルタント業務」です。
コンサルタント業務では、主に企業における人事相談や社会保険関係の指導などの労務管理コンサルタントを担当します。
また、コンサルタント業務のアルバイトでも「月給25万円〜」と他の副業と比較し、安定して稼げるだけでなく実務経験を積めるメリットもあります。
ただし、企業向けのコンサルタント業務なので、正社員採用かつ平日に業務を行うことが多く、副業向きの募集は少ないのでご注意下さい。
予備校や通信講座での講師
4つ目の働き方は「予備校や通信講座での講師業務」です。
例えば、アガルートやフォーサイトといった大手通信講座において毎年多くの求人募集があります。講師業務の主な仕事内容として以下のものが挙げられます。
- 講義の収録
- テキストの執筆や編集
- 受講生からの質問対応
- 受講相談
仕事内容から分かるように、講師業務は高卒や実務経験の有無に関係なく、資格を取得した経験を直に活かすことが出来ます。
また、講師業務の報酬は「3,000〜/時間」と時間給になっているため、働いた分だけ稼ぐことができるメリットもあります。
社会人向けの講座も多くあり、土日や夜帯の勤務など本業に支障をきたすことなく柔軟に働けることから、講師業務は副業として適していると言えます。
社労士資格所持を活かしたライター業務
5つ目の働き方は「社労士資格所持を活かしたライター業務」です。
社会保険労務士の資格勉強で得たお金や法律の知識をライター業務に活かしている方も多くいます。
また、社労士資格を活かしたライター業務は「1記事当たり5,000円〜1万円」と相場と比較し単価が高い案件が多いですが、記事作成に慣れない初めの頃は安定して稼ぐまで時間がかかります。
とは言え、ライター業務は時間や場所を選ぶことなく自由に稼げるため、本業が忙しい方の副業にお勧めです。
社労士を副業にする際の注意点
副業社会保険労務士として活動する上で、本業との兼ね合いや社労士会、税務関係で守るべきルールがあります。
こちらの項目では「社会保険労務士として副業を行う際の注意点」について以下の3つをご紹介します。
- 本業の会社が副業可能かを確認
- 社労士会への会費が必要
- 一定の収入を超える場合には確定申告が必要になる
副業社会保険労務士として稼ぐ前に、最低限理解しておくべきことをまとめましたのでしっかりと確認しましょう。
本業の会社が副業可能かを確認
注意点の1つ目として「本業の会社が副業可能かを確認」することが挙げられます。
2018年に厚生労働省により「副業・兼業の促進に関するガイドライン」が提示され、大半の企業において副業が認められるようになりました。
しかしながら、情報漏洩の観点等から未だに副業を解禁していない企業もあるため、トラブルを避けるためにも必ず「就業規則」を確認するようにして下さい。
副業禁止の会社で社会保険労務士として副業を行った場合には、最悪「懲戒処分」となってしまうケースも十分あるため注意しましょう。
社労士会への会費が必要
注意点の2つ目として「社労士会への会費が必要」ということが挙げられます。
社会保険労務士として副業を行う際にも、社労士会への登録を行い年間会費を支払う必要があります。
各社労士会で若干の差額はありますが、東京都の社労士会を例にどれくらい費用がかかるのか確認しておきましょう。
費用名 | 費用 |
---|---|
登録免許税+登録手数料 | 30,000円+30,000円 |
入会金(開業会員) | 50,000円 |
年間会費(開業会員) | 96,000円 |
上記の表から分かるように、初期費用だけでも20万円以上も必要となり、社労士会への会費だけで毎年10万円かかります。
そのため、副業のために社労士登録するのであれば、最低でも10万円は稼がなければ損となるのでご注意下さい。
一定の収入を超える場合には確定申告が必要になる
注意点の3つ目として「一定の収入を超える場合には確定申告が必要になる」ことが挙げられます。
社会人の方は、副業で得た収入が経費を差し引いて20万円を超える場合に確定申告を行わなければなりません。
先ほどご紹介した「無料相談会への参加」を年に10回行うだけでも20万円程度稼ぐことが出来るため、基本的に副業社会保険労務士の方は確定申告に関して理解する必要があります。
無申告の場合にはペナルティが発生するだけでなく、将来的に社会保険労務士として信頼性を失うことにもなるのでご注意下さい。
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事務所を開業するという方法は?
ゆくゆくは事務所を開業するために、副業の段階から事務所を構えたいという考えの方もいるのではないでしょうか。
こちらの項目では「副業社会保険労務士として事業所を開業する考え方」について以下の2つの視点からご紹介します。
- 社労士を本業にして別途副業するのもアリ
- 開業すると仕事の斡旋を受けられる
副業のために事務所を開業した後、社会保険労務士の仕事を軌道に乗せるためには相当な努力が必要となります。
副業のために事務所を開業しようか迷っている方はしっかりと確認しましょう。
社労士を本業にして別途副業するのもアリ
これまでとは逆の発想で「社会保険労務士を本業にして別途収入を得るために副業を行う」方法も考えられます。
事務所を開業してから直ぐに顧客に繋がる人脈も乏しく、本業を安定させるまで時間がかかります。
そのため、本業が軌道に乗るまで、収入の確保や人脈形成、実務経験のために副業社会保険労務士として稼ぐ方法も戦術の1つです。
事務所開業となると顧客獲得や平日に稼働する必要性も増えるため、社会保険労務士を本業にする、もしくは早期に副業から本業に切り替えることをお勧めします。
開業すると仕事の斡旋を受けられる
事務所を開業することで「仕事の斡旋を受けられる」メリットがあります。
社労士会へ開業登録を行うことで仕事が斡旋されることもあるため、わざわざ求人へ応募する必要も無くなり効率的に仕事を得ることが出来ます。
副業であっても場合によっては開業する方が稼ぎやすくなるためお勧めと言えます。
副業社労士はこんな人におすすめ
これまで解説してきた社会保険労務士の仕事内容や注意点を加味した上で、こちらの項目では「どのような人に副業社会保険労務士がおすすめ出来るのか」についてご紹介します。
- 将来的に社労士として活躍したい方
- 平日でも休みが取れる・時間の融通が利く方
- 社労士としてとにかく実務経験を積みたい方
上記のうち1つでも当てはまる項目がある方は副業社会保険労務士として成功できる可能性が高いと言えますが、あくまでも1つの参考として見て下さい。
将来的に社労士として活躍したい方
1つ目のパターンは「将来的に社労士として活躍したい方」です。
士業事務所や独立開業して本格的に社会保険労務士として活動する前に、まずは副業で様々な実務経験を積むことでゆくゆくは即戦力人材として活躍が期待できます。
特に、早期に独立開業したい方にとって人脈を築けるだけでなく様々な実務経験を培えるメリットがあります。
平日でも休みが取れる・時間の融通が利く方
2つ目のパターンは「平日でも休みが取れる・時間の融通が利く方」です。
働き方の項目でもご紹介したように、行政でのアルバイト勤務や役所への書類の提出など、副業を行うにしても土日だけの稼働では対応できない業務が多くあります。
そのため、仕事の関係上から副業社会保険労務士であっても平日に時間が取れる方に向いていると言えます。
社労士としてとにかく実務経験を積みたい方
3つ目のパターンは「社労士としてとにかく実務経験を積みたい方」です。
社労士資格を取得したばかりで、かつ事務所への就職ができなかった場合には、副業で実践的な知識を習得し実務経験を積んでから事務所への就職を目指すというのも一つの手です。
本業ではなく副業社会保険労務士の道を選ぶことで、実務経験を積みながら将来的に独立するための資金も貯められるメリットがあります。
社会保険労務士は副業でも活かせる?まとめ
今回、「社会保険労務士は副業でも活かせるのか」ということに焦点を当てて、副業にする際の働き方や注意点について解説してきました。
副業社会保険労務士として限られた時間の中で安定した収入を得るためには、土日中心の稼働が出来る働き方や、実務経験の熟練度に関係なく稼げる方法を選ぶ必要があります。
また、社労士会への登録や年会費の納入、毎年の確定申告など、副業を行う際の注意点についても新たに理解することも重要です。
今回ご紹介した働き方や収入の目安を参考に、社会保険労務士の資格を最大限に活用していきましょう。