司法試験を目指す法学部生は学部4年間を修了した後に、法科大学院に進学して司法試験を受け、合格後に司法修習に臨むというのが一般的です。
全過程は最短でも8年間かかり、多くの時間を費やして司法試験を目指すようになっています。
しかし、2019年から新しく導入された「法曹コース」を利用することで時間を大幅に短縮することができるようになりました。
ここでは、法曹コースのメリット・デメリットや法曹コースを設置している大学、大学院について詳しく紹介していきます。
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法曹コースとは?
「法曹コース」とは法学部生を対象に、法学部と連携協定を結ぶ大学院とが、学部段階から法曹になるための教育を一貫的に受けられるコースです。
法曹コースは通常のコースと違って早期卒業を前提とした構成となっており、学部3年間+法科大学院2年で法曹を目指します。
法曹コースに入る方法は?
法曹コースは2019年度以降の入学者が選択できるコースで、法曹コースが設置された大学に進学することで法曹コースに入れます。
多くの場合で学部2年次に選択するようになっているので、一年生の時点で決めなければなりません。
また、大学によっては法曹コースに入るための試験があるので、自分の志望大学の法曹コースを確認するようにしましょう。
法曹コースで法曹になるまでにかかる期間は?
法曹コースは早期卒業を前提としたコースなので、従来の法曹を目指す方法より期間を短縮することができます。
従来の方法では大学入学から法曹になるまで、約8年間の期間を要しました。
しかし、法曹コースでは大学の法曹コース3年間と法科大学院2年間、司法修習で1年間と最短で6年間の期間で法曹になれます。
法曹コースを利用することで従来の方法よりも2年間短縮できるため、なるべく早く法曹になりたい方は選択するべきコースとなっています。
法曹コースから法科大学院への進学方法
法曹コースから大学院に進学する際にはどのような選抜が行われるのでしょうか?
法曹コースから大学院に進学する方法について紹介していきます。
特別選抜
法曹コースの特別選抜は、在学している大学の法曹コースと協定を結んでいる法科大学院へ進学する方向けの入試です。
学力的な試験はない場合が多く、法曹コース時の成績や面接で法科大学院に進学できるかが決まります。
また、在学中の法曹コースと法科大学院が連携していなくても、法曹コースを修了見込みの方なら受験することができる特別選抜も存在します。
こちらも法曹コース時の成績や面接もありますが、前者の方と異なるのは、法科科目の論文試験が課される点です。
一般選抜
特別選抜の他に一般選抜もあり、特別選抜は法曹コース時の成績や面接で判断されますが、一般選抜は通常の入試のように、試験と小論文で進学できるかが決まります。
法科大学院毎によりますが、一般選抜と特別選抜を併願することができます。
上記の「特別選抜」と「一般選抜」が法曹コースから法科大学院へ進学する方法となっています。
法曹コースを設置している大学と法科大学院
法曹コースを設置している大学と連携している法科大学院の一覧を地域毎にまとめて見ました。
自分の地元の大学や状況を考えている方はどの大学に法曹コースがあるのか、その大学院と連携しているのか確認してみて下さい。
北海道・東北地方の法曹コースがある大学と連携している法科大学院
大学 | 大学院 |
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北海学園大学法学部法曹養成プログラム | 北海道大学大学院法学研究科法律実務専攻 |
北海道大学法学部法専門職コース法曹養成プログラム | 北海道大学大学院法学研究科法律実務専攻 |
東北大学法学部法曹コース | 東北大学大学院法学研究科総合法制専攻 |
関東の法曹コースがある大学と連携している法科大学院
大学 | 大学院 |
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一橋大学法学部法曹コース | 一橋大学大学院法学研究科法務専攻 |
慶應義塾大学法学部法律学科法曹コース | 慶應義塾大学大学院法務研究科法曹養成専攻 |
上智大学法学部法曹コース | 上智大学大学院法学研究科法曹養成専攻 |
千葉大学法政経学部法政経学科法学コース法曹コース・プログラム | 千葉大学大学院専門法務研究科 |
創価大学法学部法律学科グローバル・ロイヤーズ・プログラム | 創価大学大学院法務研究科法務専攻 |
早稲田大学法学部法曹コース | 早稲田大学大学院法務研究科法務専攻 |
中央大学法学部法律学科法曹コースにおける一貫教育プログラム | 中央大学大学院法務研究科法務専攻 |
東京大学法学部法科大学院進学プログラム | 東京大学大学院法学政治学研究科法曹養成専攻 |
東京都立大学法学部法学科法律学コース法曹養成プログラム | 東京都立大学大学院法学政治学研究科法曹養成専攻 |
日本大学法学部法律学科法曹コース 日本大学法学部法職課程法曹コース履修プログラム |
日本大学大学院法務研究科法務専攻 |
法政大学法学部法律学科法曹コース | 法政大学大学院法務研究科法務専攻 |
明治学院大学法学部法律学科法曹コース | 慶應義塾大学大学院法務研究科法曹養成専攻 千葉大学大学院専門法務研究科 早稲田大学大学院法務研究科法務専攻 中央大学大学院法務研究科法務専攻 東京都立大学大学院法学政治学研究科法曹養成専攻 |
明治大学法学部法律学科法曹コース | 慶應義塾大学大学院法務研究科法曹養成専攻 |
明治大学法学部法律学科法曹コースにおける一貫教育プログラム | 中央大学大学院法務研究科法務専攻 明治大学専門職大学院法務研究科法務専攻 明治大学専門職大学院法務研究科法務専攻 |
立教大学法学部法学科法曹コース | 慶應義塾大学大学院法務研究科法曹養成専攻 早稲田大学大学院法務研究科法務専攻 中央大学大学院法務研究科法務専攻 |
近畿地方の法曹コースがある大学と連携している 法科大学院
大学 | 大学院 |
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関西学院大学法学部特修コース法曹養成連携プログラム | 関西学院大学大学院司法研究科 |
関西大学法曹コース | 関西大学大学院法務研究科法曹養成専攻 |
京都大学法曹基礎プログラム | 京都大学大学院法学研究科法曹養成専攻 |
神戸大学法学部法科大学院進学プログラム | 神戸大学大学院法学研究科実務法律専大学院 |
大阪公立大学法学部法学科法曹養成プログラム | 大阪公立大学大学院法学研究科法曹養成専攻 大阪公立大学大学院法学研究科法曹養成専攻 大阪市立大学大学院法学研究科法曹養成専攻 |
大阪大学法学部連携法曹基礎課程 | 大阪大学大学院高等司法研究科法務専攻 |
同志社大学法学部法律学科法曹養成プログラム | 神戸大学大学院法学研究科実務法律専攻 同志社大学大学院司法研究科法務専攻 |
立命館大学法学部法曹進路プログラム | 中央大学大学院法務研究科法務専攻 神戸大学大学院法学研究科実務法律専攻 立命館大学大学院法務研究科法曹養成専攻 名古屋大学大学院法学研究科実務法曹養成専攻 |
中部・中国・四国地方の法曹コースがある大学と連携している 法科大学院
大学 | 大学院 |
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愛知大学法学部法学科法科大学院連携コース | 愛知大学大学院法務研究科法務専攻 |
金沢大学人間社会学域法学類総合法学コース法曹養成プログラム | 金沢大学大学院法務研究科法務専攻 |
信州大学経法学部総合法律学科法曹養成プログラム | 慶應義塾大学大学院法務研究科法曹養成専攻 中央大学大学院法務研究科法務専攻 |
新潟大学法学部法学科法曹養成プログラム | 慶応義塾大学大学院法務研究科法曹養成専攻 中央大学大学院法務研究科法務専攻 神戸大学大学院法学研究科実務法律専攻 |
名古屋大学法学部法律・政治学科法曹コース | 名古屋大学法学研究科実務法曹養成専攻 |
岡山大学法学部法曹プログラム | 岡山大学大学院法務研究科法務専攻 |
広島大学法学部法曹養成プログラム | 広島大学大学院人間社会科学研究科実務法学専攻 |
九州地方の法曹コースがある大学と連携している法科大学院
大学 | 大学院 |
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九州大学法学部法科大学院連携プログラム | 九州大学大学院法務学府実務法学専攻 |
熊本大学法学部法学科アドバンスト・リーダー・コース(法学特修クラス)法曹プログラム | 早稲田大学大学院法務研究科法務専攻 中央大学大学院法務研究科法務専攻 神戸大学大学院法学研究科実務法律専攻 九州大学大学院法務学府実務法学専攻 |
鹿児島大学法文学部法曹養成連携プログラム | 千葉大学大学院専門法務研究科法務専攻 中央大学大学院法務研究科法務専攻 神戸大学大学院法学研究科実務法律専攻 九州大学大学院法務学府実務法学専攻 |
西南学院大学法学部法務コース | 学習院大学大学院法務研究科法務専攻 早稲田大学大学院法務研究科法務専攻 中央大学大学院法務研究科法務専攻 同志社大学大学院司法研究科法務専攻 九州大学大学院法務学府実務法学専攻 |
福岡大学法学部法律学科法律特修プログラム法曹養成連携基礎クラス | 福岡大学大学院法曹実務研究科法務専攻 |
法曹コースのメリットとデメリットは?
新しく導入された法曹コースですが、メリットやデメリットは何があるのでしょうか?
法曹コースのメリット・デメリットについてそれぞれ紹介していきます。
メリット①:時間の短縮化
法曹のコースのメリットは前述した通り、法曹になるまでの期間を短縮できることが挙げられます。
従来のコースでは合格までの教育課程が約8年間かかり、簡単に目指せる試験ではありませんでした。
しかし、法曹コースが導入されたことで挑戦のハードルが低くなり、司法試験に挑戦しやすくなりました。
早期卒業ができる法曹コースでの期間の短縮は大きなメリットとなっています。
メリット②:学習内容
2つめの法曹コースのメリットは、法曹コースと法科大学院は連携されており、教育課程の効率化が図れる点です。
従来では学部での学習と法科大学院の学習では完全に切り離れていたため、学習内容の重複などスムーズに教育課程が行われていませんでした。
しかし、法曹コースができ、法科大学院とスムーズに学習内容の受け継ぎができているため、効率化ができるようになりました。
期間の短縮化と教育課程の受け継ぎが主な法曹コースのメリットとなっています。
デメリット①:学習期間の短縮化による多忙
法曹コースのメリットである期間の短縮化がですが、本来8年間かけて取得するものを2年間も短く学習するため、かなり詰め込んで学習していかなければなりません。
そのため、勉強に集中しないといけない大学生活は多忙になり他の学生のように楽しめる回数は減ってしまいます。
法曹コースで期間の短縮ができるものの、勉強を詰め込まなければならない大学生活がかなり忙しくなるでしょう。
デメリット②:不確定要素が多い
まだ創設されてから新しい法曹コースは効果が未知数なところがデメリットとして挙げられます。
また、法曹コースでのカリキュラムは大学によって異なるため、大学での当たりはずれなどがある可能性もあります。
自分が志望する大学の法曹コースをあらかじめパンフレットや大学見学で確認するのがおすすめです。
デメリット③:費用がかかる
3つ目のデメリットとして、費用が多くかってしまうことが挙げられます。
司法試験の受験資格は法科大学院を卒業する他に、予備試験に合格する事でも得られますが、それらを比べると費用が高く付きます。
法曹コースに入って法科大学院を卒業するまで、数百万円程かかるので経済的に厳しい方は法曹コースでの司法試験合格を目指すことは厳しいかもしれません。
予備試験コースでも予備校や参考書などでお金がかかりますが、法曹コースよりは値段をかなり抑えて法曹を目指すことができます。
最近では安く効率的に司法予備試験の対策できる通信講座も増えてきているので、予備試験コースも検討してみてはいかがでしょうか?
予備試験を目指すならアガルート
法曹コースは従来よりも学習期間を短くでき、学部から法科大学院への受け継ぎもスムーズなどのメリットがありますが、費用の面の負担や勉強のせいで大学生活が謳歌できないなどのデメリットもあります。
デメリットを解消したい方は法曹コースではなく、予備試験コースで法曹を目指すのも1つの手段です。
アガルート通信講座は予備試験合格者を多数輩出している通信講座となっています。
アガルートの特徴
アガルートの一番の特徴は合格実績で、令和5年度の司法試験では司法試験合格者の占有率が36%と高い合格実績を誇っています。
また、講師陣も司法試験に精通したプロの方々が揃っており、充実した学習内容で合格に必要な情報を効率的に学ぶことができます。
他にもアガルートには様々な魅力があり、アガルート通信講座での司法予備試験コースもおすすめとなっています。
【2024年・2025年合格目標】司法試験|予備試験最短合格カリキュラム
【2024年・2025年合格目標】司法試験・予備試験最短合格カリキュラムはこれから学習を始める方を対象としたカリキュラムとなっています。
ゼロから予備試験・司法試験合格までに必要な知識を身に着けることを目標としたカリキュラムで、プロ講師からの指導を受けることもできるなど、魅力の多いカリキュラムとなっています。
また、法科大学院への試験も対応しているため、法曹コースに在学している方は予備試験コースと大学院進学の両天秤にかけることができます。
法曹コースメリット・デメリット|まとめ
いかがだったでしょうか?今回は法曹コースのメリット・デメリットなどのについて紹介してきました。
法曹コースは法曹になるまでの期間を短縮することができますが、大学生活が多忙になるなどのデメリットもあるコースとなっています。
司法試験合格を目指すなら法曹コース以外に、予備試験コースで目指す方法があります。
アガルート通信講座では予備試験対策をプロ講師から効率的に学ぶことができ、高い合格実績もあるため気になる方はぜひ一度チェックしてみて下さい!