介護福祉士は、その名の通り、介護に関する専門的な知識と技術を有する専門職です。
結論、介護福祉士試験の難易度は他の国家資格と比べて低めです。
本記事では、介護福祉士試験の全体的な難易度から、過去の合格率、効果的な勉強法、勉強に必要な時間、そして試験の合格基準について詳しく解説していきます。
これから初めて介護福祉士試験の受験を検討する方は必見です。
介護福祉士の試験難易度は低い傾向
介護福祉士の試験難易度は、過去5年平均の合格率が7割程度であることからみても、他の国家資格と比較して易しい部類に入るといえます。
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
2017年度 | 92,654人 | 65,574人 | 70.8% |
2018年度 | 94,610人 | 69,736人 | 73.7% |
2019年度 | 84,032人 | 58,745人 | 69.9% |
2020年度 | 84,483人 | 59,975人 | 71.0% |
2021年度 | 83,082人 | 60,099人 | 72.3% |
ここ数年で合格率は上昇傾向にあり、概ね7割前後の方が合格を掴み取っています。
試験単体で見れば取り掛かりやすい資格であるといえます。
そもそも受験される方は介護に関する知識を既に身につけていることが多いため、他の国家資格と比較すると高い合格率となっているのでしょう。
以下では詳細に介護福祉士の試験難易度が低い理由を解説していきます。
- 受験資格を満たせば実技試験が免除になる
- 筆記試験の問題が選択式
- 現場での経験を活かせる問題がある
受験資格を満たせば実技試験が免除になる
介護福祉士の国家試験では、受験資格によっては満たしている場合実技試験が免除になるケースがあります。
所定の学校を卒業している場合、実務経験がある場合など、条件を満たしていれば筆記試験の受験でのみOKになります。
そのため対策する範囲が絞られてくるので、筆記試験に集中して試験の準備を行えます。
筆記試験の問題が選択式
介護福祉士の国家試験では、筆記試験の問題が選択式です。
論述式ではなく、問題文に応じて適応した選択肢を選ぶため、比較的演習問題も取り掛かりやすいといえるでしょう。
問題文自体もわかりやすく作られているので、ある程度の読解力があれば問題自体を解くことは可能です。
現場での経験を活かせる問題がある
介護福祉士の受験要件の中には、現場での実務経験や所定のカリキュラムを消化しているかが求められます。
実際に学んだ内容を元に問題が出題されることになるので、これまでの経験を活かして問題が解けます。
体験している内容であれば、身についているケースも多いですから、比較的勉強に取り掛かりやすいのです。
介護福祉士は受験資格がある
介護福祉士は合格率だけ見れば、難易度の低い資格のように見えます。
しかし以下の通り、4つのルートの受験資格のいずれかを満たしていないと、そもそも受験すらできません。
- 福祉系の大学等の養成施設で所定のカリキュラムを修了するルート
- 実務経験を3年積んだ上で所定の研修に参加するルート
- 福祉系の高校に進学するルート
- EPA介護福祉士候補者として所定の国籍から日本で働くルート
いずれも福祉関連のカリキュラムや研修・実務など、介護業界の知識や経験が求められます。
そのためまったくの未経験の状態から介護福祉士の資格にチャレンジすることはできません。
単純に独学でチャレンジできない点でいえば、他の国家資格と比較すると挑戦する難易度は高いといえるでしょう。
ここでは、EPAという海外の方向けの受験ルートを除いて、下記3ルートについて詳しく解説します。
- 福祉系高校ルート(福祉系高校を卒業)
- 養成施設ルート(指定の4大/短大を卒業)
- 実務経験ルート(対象施設で3年間以上勤務&実務者研修を修了)
どれかのルートでのみ試験を受験することができるため、異業種から未経験で転職を狙う方などはまずどう条件を満たすかを考えるべきでしょう。
福祉系高等学校卒業
福祉系高等学校を卒業することで、介護福祉士試験の受験資格を得ることができます。
このルートは、福祉に関する基礎的な知識と技術を学ぶためのもので、以下の条件を満たす必要があります。
条件 | 内容 |
---|---|
卒業資格 | 福祉系高等学校の卒業 |
実習 | 所定の実習時間を修了 |
このルートを通じて、基礎的な介護技術を学び、試験に臨むことができます。
指定養成施設卒業
指定養成施設を卒業することで、介護福祉士試験の受験資格を得ることができます。
これは、介護福祉士養成施設での学びを通じて得られる資格です。
以下の条件を満たす必要があります。
条件 | 内容 |
---|---|
卒業資格 | 指定された養成施設の卒業 |
学習内容 | 介護に関する専門知識と技術 |
実習 | 所定の実習時間を修了 |
このルートでは、より専門的な介護技術と知識を学び、実践に備えることができます。
実務経験ルート
実務経験を積むことで、介護福祉士試験の受験資格を得ることができます。
これは、実際の介護現場での経験を通じて得られる資格です。
以下の条件を満たす必要があります。
条件 | 内容 |
---|---|
実務経験年数 | 3年以上 |
実務経験内容 | 介護業務に従事した経験 |
実習 | 所定の実習時間を修了 |
このルートは、現場での実務経験を通じて、実践的な介護技術を身につけることができます。
介護福祉士試験に合格するための勉強法
介護福祉士試験に合格するためには、計画的な勉強が不可欠です。
以下に、効果的な勉強法を紹介します。
- 試験範囲の把握
- 効率的な学習計画
- 模擬試験の活用
これらの方法を実践することで、試験に合格する確率を高めることができます。
試験範囲の把握
介護福祉士試験の範囲は広範囲にわたるため、まずは全体の試験範囲を把握することが重要です。
試験範囲を理解することで、効率的に学習計画を立てることができます。
以下に、試験範囲の具体例を示します。
科目 | 内容 |
---|---|
介護の基本 | 介護理念、倫理、基本的な介護技術 |
コミュニケーション技術 | 利用者との対話、非言語コミュニケーション |
生活支援技術 | 食事介助、排泄介助、移動介助 |
関連法規 | 介護保険法、障害者総合支援法 |
試験範囲を把握することは、計画的な勉強の第一歩です。
まずは、出題される全ての科目をリストアップし、それぞれの科目の内容を確認しましょう。
効率的な学習計画
効率的な学習計画を立てることが、合格への鍵となります。
以下に、効果的な学習計画の立て方を示します。
- 目標設定: まず、試験日から逆算して、毎週の学習目標を設定します
- スケジュール作成: 1日の学習時間を決め、各科目の学習時間をバランスよく配分します
- 進捗管理: 定期的に学習の進捗を確認し、必要に応じて計画を修正します。
これらのポイントを押さえながら、具体的な学習スケジュールを作成しましょう。
例えば、以下のようなスケジュールを参考にすると良いでしょう。
日付 | 科目 | 内容 |
---|---|---|
1週目 | 介護の基本 | 介護理念、倫理 |
2週目 | コミュニケーション技術 | 対話技術、非言語コミュニケーション |
このように、具体的な学習計画を立てることで、効率的に勉強を進めることができます。
模擬試験の活用
模擬試験を活用することで、実際の試験形式に慣れ、自分の弱点を把握することができます。
以下に、模擬試験を効果的に活用する方法を示します。
- 定期的に受験: 試験日までに複数回模擬試験を受け、実力を確認します。
- 復習と分析: 模擬試験の結果を分析し、間違えた問題を中心に復習します。
- 時間管理の練習: 模擬試験を通じて、試験時間内に全ての問題を解く練習をします。
模擬試験の結果を元に、勉強計画を修正しながら進めることが大切です。
以下に、模擬試験のスケジュール例を示します。
日付 | 模擬試験内容 | 目的 |
---|---|---|
1ヶ月前 | 全範囲模擬試験 | 全体の実力確認 |
2週間前 | 苦手科目模擬試験 | 弱点補強 |
このように、模擬試験を有効に活用することで、実際の試験に自信を持って臨むことができます。
介護福祉士試験の試験概要
こちらでは介護福祉士試験の概要をまとめてご紹介します。
試験が筆記試験と実技試験の2部構成になっている点が特徴となっており、具体的に問われる内容は下記の通りです。
申込締切日 | 例年9月頃 |
---|---|
試験日程 | 筆記試験:例年1月頃 |
実技試験:例年3月頃 | |
受験手数料 | 18,380円 |
試験科目 | 【筆記試験】 午前:「人間と社会」「介護」 午後:「こころとからだのしくみ」「医療的ケア」「総合問題」 |
【実技試験】 介護等に関する専門的技能 |
特に筆記試験において非常に幅広い内容の知識が問われることとなっており、合格を目指すのであれば入念な対策が欠かせません。
介護福祉士の試験科目について、詳しく見てみましょう。
介護福祉士試験の試験科目
介護福祉士の試験科目は、大きく分けて筆記試験と実技試験の2パターンがあります。
筆記試験では主に以下の11個の項目から1問1点の計125点満点です。
- 人間の尊厳と自立・介護の基本
- 人間関係とコミュニケーション・コミュニケーション技術
- 社会の理解
- 生活支援技術
- 介護家庭
- こころとからだのしくみ
- 発達と老化の理解
- 認知症の理解
- 障害の理解
- 医療的ケア
- 総合問題
上記の項目にて得点があり、総得点の60%を獲得、試験難易度に応じて傾斜配点された点数で合否が決まります。
いずれも市販のテキストや問題集で対策は可能です。
実技試験は介護技術やコミュニケーション能力を測ります。
利用者さんに対する様々な介助方法の中から出題されるので、事前の対策は必須です。
介護福祉士試験の合格に必要な勉強時間は250時間
介護福祉士試験の合格を目指すのであれば、合計で250時間程度の勉強時間が必要であるといえるでしょう。
しかしただ250時間勉強すればいいのではなく、介護福祉士試験にいつ合格したいかで、1日の勉強量やスケジュールを決める必要があります。
基本的に働きながらの受験対策になりますから、1日1時間ちょっとの勉強量を確保するのであれば試験日の半年前から対策をしておくといいでしょう。
休みの日も活用して、インプットとアウトプットを繰り返して定着させていきましょう。
そもそも介護福祉士とは?仕事内容・年収
そもそも、介護福祉士がどのような資格であるかや仕事内容についてご紹介します。
介護福祉士について網羅的にご紹介しておりますので、ぜひ最後までご覧ください!
介護系で唯一の国家資格
介護福祉士は1987年に制定された社会福祉士及び介護福祉士法によって定められている介護系で唯一の国家資格です。
介護のプロフェッショナルとして自分で生活をするのが難しい方の身の回りの介助を行います。
介護業務は資格が無くても行うことができますが、介護福祉士資格を取得することによって給与や待遇が良くなることが多く近年かなり注目されているのです。
国に認定されている資格を取得することで着実なキャリアアップができるため、異業種から転職を考えている方もトライしてみてはいかがでしょうか!
介護福祉士の仕事内容
介護福祉士として行う仕事内容は非常に幅広く、具体的には下記のような内容となっています。
・身体介護
・生活援助
・メンタルケア
・介護に関する相談、アドバイス、サポート
・チームマネジメント
日々の生活の援助や健康チェックに加えて入浴や食事の介助などが業務となっており、かなり広範囲に及んでいるのが特徴です。
介護福祉士の資格を取得することによって、介護に関するマネジメントやコンサルティングなどにも触れられるため様々な場面で活躍を狙うことが可能になっています!
次は気になる平均年収をご紹介していきます!
介護福祉士の平均年収は?
キャリアとしての介護福祉士を目指すうえで重要なのが、どれほどの平均年収を得られるのかという点です。
今回は仮に介護施設等で常勤の介護福祉士として働く場合を想定した平均年収をご紹介します。
保有資格 | 平均年収 | 平均月収 |
---|---|---|
介護福祉士 | 約395万円 | 約33万円 |
実務者研修 | 約364万円 | 約30万円 |
初任者研修 | 約361万円 | 約30万円 |
無資格 | 約330万円 | 約28万円 |
勤続年数などにもよりますが平均年収は約395万円となっており、平均月収は約33万円となっていました。
介護福祉士を取得することによって無資格の方と比較して好条件で働くことが可能になっており、メリットの非常に大きい資格と言えます。
介護福祉士を目指すならアガルートを受講しよう
効率よく学習して合格を目指すのであれば、コスパよく対策が可能なアガルート『介護福祉士試験講座』の受講を検討してみてはいかがでしょうか。
ここからはアガルートの通信講座の特色をご紹介いたします!
効率よく合格を目指すカリキュラム
アガルートの通信講座で最も重要視されているのが効率性であり、講師が自ら制作したテキストには合格に本当に必要な内容が詰め込まれています。
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またカリキュラムではインプットだけではなく過去問などを分析したアウトプットも程よいバランスで組み込まれており、このサイクルを繰り返すことで高いレベルの定着が期待できます。
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介護福祉士試験の対策講座を展開するいくつかの通信講座や予備校の料金を比較してみましょう。
講座名 | 料金(税込) |
---|---|
アガルート 介護福祉士試験講座 |
43,780円 |
ユーキャン 介護福祉士講座 |
49,800円 |
資格の大原 介護福祉士講座受験対策 |
46,000円 |
有名な通信講座や予備校と比較するとコスパが優れていることが分かります。
アガルートはそれだけではなく受講生が受けやすい制度も拡充しているため、総合して魅力がとても多い通信講座と言えるのです。
まずは無料の受講相談を
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介護福祉士試験の受験でよくある疑問
介護福祉士試験の受験に際して、さまざまな疑問が生じることがあります。
ここでは、特によくある疑問について説明します。
- 介護福祉士試験の申し込み方法は?
- 介護福祉士試験対策に必要な教材とは?
- 介護福祉士試験当日の注意点はある?
これらの疑問に対する答えを理解し、適切な準備を進めましょう。
介護福祉士試験の申し込み方法は?
介護福祉士試験の申し込み方法は、以下の手順に従って行います。
- 申込書の入手・記入
- 必要書類の添付
- 受験料の支払い
- 申込書の提出
提出期限を厳守するように準備しましょう。
介護福祉士試験対策に必要な教材とは?
介護福祉士試験の対策には、参考書・過去問題集・模擬試験集など、様々なパターンの教材が必要です。
複数の教材を組み合わせて、計画的に学習を進めることが重要です。
介護福祉士試験当日の注意点はある?
介護福祉士試験当日には、受験票、筆記用具、時計(スマートウォッチは不可)、身分証明書などを忘れずに持参しましょう。
また、 試験会場には、試験開始時間の1時間前には到着するよう余裕を持って行動しましょう。
遅刻すると試験を受けられない場合があります。
介護福祉士の難易度を把握してから学習計画を立てよう
介護福祉士の試験は、受験資格を満たせば実技試験が免除されたり、実践的な問題が多いことなどから、他の国家資格に比べて難易度が低い傾向にあります。
受験資格は基本的に4つのルートのいずれかで満たします。
まずは受験資格を満たしているか確認してから、しっかりとした準備と計画的な学習を進めましょう。