介護食士は幅広い年齢層(ただし、2級は3級を取得した方、1級は2級を取得した後2年以上介護調理の実務に従事した25歳以上の方が対象です。)の男女が目指せる、介護食のスペシャリストとなる資格です。
介護食士資格取得者は他にも介護食士と呼ばれております。
介護食士の資格は「民間資格」です。
資格広場は、介護食士になるには?介護食士なるためには?介護食士になりたいを応援しております。
介護食士に必要な知識・受験資格
病気や怪我、加齢によって、歯が悪くなったり失うことがあり、また、咀嚼する力が弱くなったり、唾液の分泌量が減って嚥下する力が衰えてきます。そのような状態にあわせた食事を提供するために、医学的基礎知識、高齢者の心理、栄養学、食品学、食品衛生学を学び、実際に調理をすることで知識、技能を学びます。
介護食士の資格は「公益社団法人全国調理職業訓練協会」が運営管理を行っております。
公益社団法人全国調理職業訓練協会とは:
食に携わる者の職業に必要とされる技術・技能にかかわる資格やその教育訓練システムを開発し、その資格の教育訓練を実施するための施設を指導、認定する法人です。認定された施設が教育訓練を全国同一の内容・レベルで実施するように、各施設を管理し、それによって資格の同等性を図り、教育訓練修了者を資格者として認定します。
介護食士の仕事内容
介護食に携わる方の調理技術を向上させる目的の資格です。要介護者は病気や怪我、加齢によって、特に歯が弱って噛む力が衰えたり、唾液の分泌が減り食べ物を飲み込む力が衰えるため、口から食事を摂る事が困難になることが多くなります。そのため、要介護者の心理や健康状態に適した、美味しく、食べやすく、飲み込みやすい介護食を調理するのが介護食士の仕事です。
介護食士資格の勉強法
講習会を開講している短期大学や調理専門学校などに入学して、対象となる講座を受けるか、一般の方を対象とした講習会を開講している専門学校などで受講する方法があります。各級の講習会修了後に実施される修了試験を受験して合格するとことで、資格を取得することができます。修了試験は学科試験と実技試験があります。
介護食士の専門学校・通信講座
介護食士の試験料・試験内容・難易度・合格発表について
介護食士の資格試験料
受講料は、協会指定の認定校により異なりますが、入学金等を含めてだいたい70,000~90,000円 です。それとは別に、資格申請料として6,000円程度がかかります。
介護食士試験・検定の年間試験回数
開講および試験は、年1回です。講習会を開講している専門学校や短期大学によって、開講時期が異なります。開講期間は1か月程度のものから4か月ほどかかるものまであります。講習会修了時に筆記試験と実技試験があります。
介護食士試験科目等の内容
介護食士には1級、2級、3級があります。3級は誰でも受講できます。2級は介護食士3級を取得した方、1級は介護食士2級を取得した後2年以上介護調理の実務に従事した25歳以上の方が対象です。各級の講習会修了後に修了試験を受験して、合格するとことで資格を取得することができます。3級の講習は、学科が25時間で、介護食士概論、医学的基礎知識、高齢者の心理、栄養学、食品学、食品衛生学、実習が47時間で、調理理論、調理実習Ⅰ、調理理論、調理実習Ⅱです。2級の講習は、学科が16時間で、医学的基礎知識、高齢者の心理、栄養学、食品学、食品衛生学、実習が56時間で、調理理論、調理実習です。1級は、学科が32時間で、医学的基礎知識、高齢者にかかわる制度、栄養学、食品学、食品衛生学、実習が40時間で、調理理論、調理実習です。
介護食士資格の難易度
3級は誰でも受験することができるので、難易度はそれほど高くはなく、ほとんどの方が合格しているといわれています。
介護食士資格の合格率
1級、2級、3級すべての講習会修了時に筆記試験と実技試験があります。具体的な合格率は公表されていませんが、介護食士3級の試験を受けるには、講習会を8割以上出席すること、そのうえで筆記及び実技の試験でどちらも60点以上とることが合格の要件で、この要件を満たしていれば、ほとんどの方が合格しています。
介護食士試験の合格発表
講習会を実施する認定校によって異なります。講習の最終回に実技試験を行い、即時に合格発表を行うところもあります。
介護食士資格取得後の就職先・年収・報酬相場
介護食士所持者の職業例
有料老人ホーム、グループホームなどの介護施設での給食業務が主な仕事です。また、在宅で日常生活の援助を行なう介護ヘルパーや、ケアマネジャーなどのアドバイザーとしての役割も期待されています。
介護食士に向いている人
高齢者や障がい者施設、介護食を作る仕事に就く方に向いています。また、仕事としてではなく、実際に家族などの介護をしている方が、毎日の食事に役立てるために受講することもあります。
介護食士と同じ分野の他の資格
調理師、栄養士、管理栄養士、フードケアワーカー、介護食アドバイザー
介護食士の年収・給料相場
介護食士以外に栄養士や調理師などの資格を持っているかどうかによって異なりますが、一般的には年収300万円前後といわれています。栄養士、調理師などの資格がある場合は、それらの資格にあわせた給料になります。
介護食士の現状
1級と2級は調理師や栄養士など専門の資格と介護職実務経験が必要ですが、3級は介護職の基礎知識を習得するものなので介護職に興味があれば誰でも受講できます。そこで得た知識を仕事として活かすだけではなく、実際に家族などの介護の際に役に立てることもできます。3級は誰でも受験することができ、介護の仕事をしている人が資格を取得することがありますが、ほかの介護に関する資格と比べると、介護で食に対する専門知識を活かすためのサポートとして、栄養士、調理師等と合わせて取得する方が多いのが特徴的な資格です。実際に、ほかの資格と合わせて、たとえば介護福祉士が介護食士の知識として有して要介護者の食事をサポートしたり、栄養士として介護職の献立を作成したり、調理師として介護食を調理して提供している方が多いです。
介護食士の将来性
介護というと身体的な補助を目的としたサービスが重要視されてきていましたが、介護を必要としている高齢者の多くが、栄養や味だけではなく、食べやすさなど食に関するサービスの充実度を重視していることもあり、介護食に関する注目が高くなってきています。高齢化社会によって、今後、需要が増す資格です。
介護食士の独立について
仕事として資格を活用する場合は、介護食を提供する事業所に勤めることになります。
介護食士資格を所有している主な著名人
駒村多恵