給付型奨学金の注意点は何?母子家庭におすすめ5選

給付型奨学金の注意点は何?母子家庭におすすめ5選

給付型奨学金の注意点は何?母子家庭におすすめ5選

「子どもの進学で奨学金を利用したい」
「母子家庭で経済的に余裕がないけど進学を諦めたくない」
「奨学金を利用したいけど返済できるか不安」

母子家庭でこのような不安や悩みを抱えている方へ、返済義務のない「給付型奨学金」についてご紹介しています。

給付型奨学金は、本人に学習意欲があるにもかかわらず、経済的な理由で進学や就学がむずかしい方を救済するための制度です。

本記事では、おすすめの給付型奨学金を5つ厳選して詳しく解説していきます。

また、注意点や申し込み方法も解説していますので、記事を読むだけで給付型奨学金のことがわかります。

母子家庭が知っておきたい奨学金は2種類

母子家庭が知っておきたい奨学金は2種類

奨学金には、「給付型奨学金」と「貸与型奨学金」の2種類あることをご存知でしょうか?

給付型奨学金は返済不要で、貸与型奨学金は返済の義務があります。

では、それぞれの奨学金制度について詳しく解説していきます。

給付型奨学金

給付型奨学金は「もらい受ける」奨学金なので、卒業後の返済義務がありません。

学習への意欲や能力がある若者が、経済的な理由で進学を断念しないよう設置されました。

奨学金の種類によって、おもに以下のような応募資格が設定されています。

  • ひとり親家庭
  • 一定以上の成績を有していること
  • 世帯年収
  • 世帯資産

貸与型奨学金よりも審査が厳しいため、学校や各団体に問い合わせて応募資格の有無を相談してみましょう。

他団体との併用が可能な奨学金もありますので、複数の制度に応募することをおすすめします。

貸与型奨学金

貸与型奨学金は「借りる」奨学金で、卒業後に返済義務がある制度です。

利子のつかない無利子で借りられるものと、利子がつく有利子の2種類あります。

無利子の場合、「成績水準」や「世帯年収の水準」が有利子よりも高く設定されていることがほとんどです。

また貸与金額は、各団体や受給者の状況によって変動します。

有利子の奨学金は、借りた金額よりも返済額が多くなるため、将来的なことも考えた上で給付額を決めることが大切です。

奨学金の返済が滞ると、個人信用情報機関に登録され、経済的信用が低くなってしまうことも。

クレジットカードの審査が通らなかったり、各種ローンが組めなくなったりする場合がありますので注意しましょう。

高校の学費に困っている方は必見! 「高校の学費が払えない時の対処法!学費を安く高校を卒業するには?」を参考にしてみてください!

母子家庭向けの給付型奨学金おすすめ5選

母子家庭向けの給付型奨学金おすすめ5選

ここからは、返済不要の給付型奨学金を紹介します。

母子家庭におすすめしたい奨学金制度は、以下の5つです。

①全国母子寡婦福祉団体協議会の奨学金
②日本学生支援機構(JASSO)の奨学金
③みずほ農場教育財団の奨学金
④明光教育研究所の奨学金
⑤重田教育財団の援助金

では、各制度の応募条件や支援額について、詳しく解説しましょう。

全国母子寡婦福祉団体協議会の奨学金

全国母子寡婦福祉団体協議会が運営する、「ひとり親家庭支援奨学金制度」について解説します。

募集人数は400名で、ほかの奨学金制度との併用が可能です。

申請時、お子さんの個人調査書の提出が必須なので、学校に作成依頼をする必要があります。

ただし、 世帯1人あたりの収入平均額が100万円以上で、 前年度の学校出席率が80%未満の場合(早退・遅刻を欠席とする場合あり)は、本制度に応募できません。

ケガや病気などの特殊な事情がある場合に限り、出席日数が優遇されることもあります。

  • 対象者:中学3年生、高校生、高等専門学校生
  • 応募資格
    ・ひとり親世帯(母子家庭・父子家庭等)であり経済的に困難な生徒 
    ・夢を実現するための意欲や社会貢献へ積極的な生徒 
    ・全国母子寡婦福祉団体協議会加盟団体の会員、及び入会希望者の子ども ・会員登録している団体代表者の推薦を受けられる生徒(福島県、神奈川県(横浜市・川崎市を除く)、奈良県、高知県は全母子協にて会員登録可能)   
    ・兄弟姉妹による複数の申請があった場合の年少者(1世帯1名の申請)
  • 支援額: 月額30,000円
  • 日本学生支援機構(JASSO)の奨学金

    日本学生支援機構(JASSO)は給付型と貸与型を運営しており、利用者がもっとも多い制度です。

    給付奨学金の支給額は区分で分かれており、高校と大学、国公立と私立、さらに自宅通学と自宅外通学で支給額が異なります。

    支援対象者は、給付型奨学金の支給に加え、授業料・入学金の減額や免除を受けることも可能です。

    日本学生支援機構の奨学金を受ける上で注意すべき点は、大学生活の状況によって奨学金が打ち切られる可能性もあることです。

    毎年1回「奨学金継続願」を提出する義務があり、成績不良や留年の可能性がある生徒は奨学生の権利を失います。

    そうなると別の奨学金を申し込む必要がありますが、最悪の場合、退学を余儀なくされるケースもめずらしくありません。

    ちょっと驚かせてしまいましたが、真面目に大学生活を送っていれば打ち切られることはほぼないので安心してください。

  • 対象者: 一定の要件を満たした大学、短大、高等専門学校(4年・5年)、専門学校の学生等
  • 応募資格
    ・住民税非課税世帯及びそれに準ずる世帯、生活保護世帯
    ・ 進学先で学ぶ意欲がある学生等であること
  • 支援額:月額17,500円〜75,800円
  • みずほ農場教育財団の奨学金

    みずほ農場教育財団が運営している給付型奨学金は、小学生から大学生までが利用できる制度です。

    募集人数は100名程度で、専門以上は若干名のみ募集されています。

    応募資格には、5段階評価の平均が下記以上であることが条件です。

  • 小、中学校(学習塾・通信教育利用者)
  • 小学校:3.0以上
  • 中学校:4.0以上
  • 高等学校:4.5以上
  • 高等専門学校:4.5以上
  • 専修学校高等課程:4.5以上
  • 専門学校:4.5以上
  • 大学(短期大学):4.5以上
  • 学習塾、通信教育に関しては、英会話教室やピアノ教室は対象になりません。

    国語や算数など6科目の塾、もしくは通信教育に限定されます。

  • 対象者:小中学生、高校生、大学生、専門学校生等の生徒で応募資格にすべて該当する者
  • 応募資格
    ・母子家庭・父子家庭(ひとり親家庭)
    ・成績が一定以上ある学生
    ・ 人物および学業がともに優れている
    ・ 年収300万以下(大学は400万以下)
  • 支援額:月額15,000円(小中高) 月額30,000円(専門大学、短期大学、大学等)
  • 明光教育研究所の奨学金

    明光教育研究所の給付型奨学金は、学力の基準が設けられていないことが大きな特徴です。

    支援額は、奨学生の学齢により変動します。

    定員は110名程度と限られていますが、成績があまり良くない状況でも応募できます。

    ほかの団体の応募時期は4月が多いですが、明光教育研究所の応募時期は11月下旬〜1月上旬ですので、応募を検討している方は注意しましょう。

  • 対象者:小学5年生~大学生まで(4月時点)
  • 応募資格:以下の条件のうち、いずれか1つを満たす者
    ・ひとり親家庭の子ども
    ・保護者の援助のない状態で生活している子ども
    ・病気やケガなどで保護者が就労できない状況にある
    ・施設(児童養護施設、自立援助ホーム等)に在籍している
    ・施設を出て保護者のいない状態で生活している
    ・里親に養育されている
    ・養育措置が解除された等の理由で、保護者のいない状態で生活している
    ・両親以外の親族、親権者などに養育されている
    ・保護者不在の状態で生活している(子どもだけで生活している場合等)
  • 支援額:最大10~50万円/1人
  • 重田教育財団の援助金

    重田教育財団が運営している「母子世帯養育援助金」は、東京23区内に在住されている方のための制度です。

    募集期間は年度によって違いますので、応募を検討している方は定期的にホームページをチェックしましょう。

    ちなみに2023年は7月1日〜8月末日までです。

    未就学児向けのほかに、医学生や海外の大学・大学院への留学する方に向けた奨学金も運営しています。

  • 対象者:未就学の6歳以下の子を持つ母子世帯で応募資格にすべて該当する者
  • 応募資格
    ・国籍問わず、東京23区内に住所がある母子世帯であること
     ※戸籍上婚姻関係にあるが、別居しておりひとり親と同等の状態の者を含む
    ・親権を持つ6歳以下の子が1名以上いること
    ・経済的な理由により日々の生活が困窮していること
    ・ 生活保護を受けていないこと
    ・ 給付金を趣味や娯楽等に使用しないと誓約出来ること
    ・求めがあった場合には給付金の使途を報告出来ること
  • 支援額:100,000円/1人
  • 通信制高校のメリット、デメリットについて詳しく知りたい方は是非 「通信制高校に通う5つのメリットデメリット!対策も合わせてご紹介!」を参考にしてみてください!

    給付型奨学金の注意点!審査に落ちない方法

    給付型奨学金は、各団体ごとに細かい応募条件が設置されています。

    厚生労働省の調査によると、令和3年度のひとり親世帯は父子世帯が14.9万世帯、母子家庭は119.5万世帯でした。

    競争率は非常に激しいので、ここで審査に落ちない方法をしっかり把握しておきましょう。

    ①世帯収入

    給付型奨学金の応募資格は、世帯年収が制限されているケースがほとんどです。

    奨学金制度によって年収制限は異なり、扶養する子どもの人数や年齢も含めて応募資格が決まります。

    まずは世帯年収を把握する必要があるので、源泉徴収票や確定申告書などで確認しておきましょう。

    ②世帯の保有資産

    給付型奨学金は収入だけでなく、保有している資産も審査基準に入る場合があります。

    日本学生支援機構(JASSO)においては、子どもと生計管理者(親など)の資産総額は、生計管理者が1人の場合は1,250万円未満でないといけません。

    「収入は少ないけど現金や貯金が1,250万以上ある」というケースでは、審査に落ちることになるので注意が必要です。

    ③本人の学習意欲

    お子さま本人の学習意欲も、審査において重要な要素です。

    給付型奨学金の本来の目的は、学習意欲があるにもかかわらず、経済的な理由で進学できない子どもを支援すること。

    成績が悪いと「学習意欲がない」と判断されますので、審査に落ちやすくなります。

    審査に落ちないためには、お子さま自身が奨学金の仕組みを理解し、努力することが必要不可欠です。

    給付型奨学金の申し込み方法

    給付型奨学金の申し込み方法

    給付型奨学金の申込手続きは簡単です。

    以下の3ステップで申し込みを行いましょう。

    STEP1.給付型奨学金の概要を確認する
    STEP2.奨学金申請時に必要な書類を用意する
    STEP3.用意した書類を郵送して応募する

    STEP1.給付型奨学金の概要を確認する

    給付型奨学金の応募資格や対象者、支給額、応募期間、給付時期は各団体によって異なります。

    申し込みたい団体のホームページをしっかりチェックして、応募可能かどうかを判断しましょう。

    応募資格を満たしているかは非常に重要なので、注意して確認してください。

    STEP2.奨学金申請時に必要な書類を用意する

    応募する奨学金のホームページから指定の書式をダウンロードして、必要書類を用意しましょう。

    学校に書類作成をお願いする場合もありますので、応募締切日よりも余裕を持って準備することをおすすめします。

    STEP3.用意した書類を郵送して応募する

    用意した書類を団体の指定住所に郵送しましょう。

    「必着」や「終日必着」など各団体によって異なりますので、書類が用意できたらできる限り早めに郵送してください。

    応募締切日が近い場合は、配達日を指定して郵送することをおすすめします。

    【審査に落ちたら?】母子家庭におすすめ貸与型奨学金3選

    【審査に落ちたら?】母子家庭におすすめ貸与型奨学金3選

    給付型奨学金の審査に通らなかったら、審査基準が低い貸与型奨学金を検討しましょう。

    ここでは、母子家庭が優遇される傾向が高い奨学金制度を3つ紹介していきます。

    母子父子寡婦福祉資金貸付金制度

    母子父子寡婦福祉資金貸付金制度は、父子家庭や母子家庭を対象にした国の支援制度です。

    さまざまな資金の種類があり、なかでも修学資金は返済期間が最長20年と長く、無利子で借りられます。

    支援額は区分によって分けられておりますので、詳細は最寄りの地方公共団体の福祉担当窓口にお問合せください。

    対象者:20歳未満の児童を扶養している配偶者のいない母子家庭または父子家庭
    応募資格:最寄りの地方公共団体の福祉担当窓口にお問合せください。
    支援額: 区分によって変動(私立/国公立、高校/専修学校/大学/大学院、自宅通学/自宅外通学)

    生活福祉資金貸付制度

    生活福祉資金貸付制度は国が実施しており、資金の貸付けと必要な相談支援を行い、安定した生活を送れるよう支援する制度です。

    資金は2種類で、毎月一定の貸付が受け取れる「教育支援資金」と、入学時の一時金として50万円以内を受け取れる「就学支度費」があります。

    さらに双方の併用も可能なので、進学にかかる負担を大幅に軽減させることが可能です。

  • 対象者:大学・高専・短大の学生
  • 応募資格:低所得世帯(市町村民税非課税程度)
  • 支援額:大学/月6.5万円以内、短大・高専/月6万円以内
  • 日本学生支援機構(JASSO)の貸与奨学金

    給付型奨学金制度でも紹介した、「日本学生支援機構(JASSO)」の貸与型の制度です。

    前述したとおり、給付奨学金との併用が可能です。

    制度は2種類に分かれ、第一種奨学金は無利子、第二種奨学金は有利子です。

    学齢、国公立か私立、自宅通学か自宅外通学といった区分によって分けられ、希望できる支援額が異なります。

  • 対象者:国内の大学、短期大学、高等専門学校、専修学校(専門課程)および大学院の学生
  • 応募資格
    (1)進学前に申し込みする場合、以下のいずれかに該当する者
    ・進学する年の3月末に高等学校または専修学校(高等課程)を卒業予定
    ・高等学校または専修学校(高等課程)を卒業後2年以内
    ・高卒認定試験合格者、科目合格者で機構の定める基準に該当する者、または出願者
    (2)進学後に申し込みする場合
    ・正科生で優れた学生等であると認められる者
     ※留年中(過去の休学が事由によるものは除く)は申し込み不可。
     ※外国籍の方は在留資格により申し込みができない場合あり。
  • 支援額:10,000〜12,200円
  • 母子家庭が利用できる給付型奨学金でお子さんの夢を実現させましょう!

    母子家庭が利用できる給付型奨学金でお子さんの夢を実現させましょう!

    今回は、母子家庭におすすめの給付型奨学金を5つに厳選して紹介しました。

    「給付型奨学金は採用基準が厳しすぎて無理」「枠が少ないから審査に通るわけがない」と思われる親御さんもいるでしょう。

    しかしお子さんの将来を輝かしいものにするためにも、本記事でご紹介した奨学金についてぜひ検討してみてください。

    他にはどんな通信制高校があるのか気になる方は必見! 「偏差値60以上の難関大学を目指せる通信制高校一覧!通信制高校の大学進学は不利?有利?」を参考にしてみてください!

    申し込み時に発生する費用は郵送費のみなので、大きな負担にはならないはずです。

    審査の通過率を上げるためにも、併用可能な団体に複数応募することをおすすめします。

    返済不要な奨学金制度で経済的な負担を減らし、給付型奨学金でお子さんの夢を実現させましょう!

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