高卒認定とは?メリット・デメリットや魅力を徹底解説! 更新時間 2023.04.30
高卒認定って言葉を耳にしたことはあるけど、正直、詳しく理解できていない人が多いですよね。
そこで、今回の記事では高卒認定の詳細をご紹介するとともにメリットやデメリットまで徹底解説していきます。
高卒認定について、詳しく知りたいという方は、ぜひ最後まで読んでみて下さい!
高卒認定試験とは
高卒認定試験とは「高等学校卒業程度認定試験」のことで、試験を合格することで高卒認定として認められます。
国家試験でもあり、高等学校を卒業していない人の学力をテストして、受かれば高等学校を卒業したものと同等以上の学力があることを示す試験です。
高卒認定と高卒資格の定義について
最初に高卒認定と高卒資格の定義について確認しましょう。
まず知っておきたいのは、それぞれが何を意味するかについてです。
高卒認定とは、毎年8月と11月に実施される「高等学校卒業程度認定試験」試験を受験し、高等学校を卒業したものと同等以上の学力があるかを確認するものであるため、試験に合格したとしても、最終学歴は中学卒業となります。
対象としては、満16歳以上の高校卒業資格がない人が対象です。また満18歳以上になってはじめて合格として採用されます。
一方、高卒資格とは、高校卒業資格のことで、各種高等学校(全日制、定時制、通信制など)を卒業した場合に与えられる資格です。こちらは認定された学校に三年間通う必要があります。
高卒認定と高卒資格についてもっと知りたい方は、高校中退したら高卒認定と高卒資格どっちが就職に有利なのか解説も読んでみて下さい!
大検との違い
高卒資格と聞いて「大検」を思い浮かべる人の多いのではないでしょうか。
大検とは、大学入学資格検定のことで、現在の高等学校卒業程度認定試験にあたるものです。平成17年度より高等学校卒業程度認定試験に名称が変わりました。
基本的な概要は変わりませんが、試験について変更点が3つあります。
- 試験科目の減少
- 試験科目の変更
- 受験者の枠の拡大
ここから、上記の変更点について詳しく説明していきます。
試験科目の減少
大検では試験科目として9科目が必要でしたが、高卒認定に変更になってからは8科目に減少しました。
試験科目が変化
大検では必須科目であった家庭がなくなり、選択科目の簿記と保護が廃止となりました。
また、高卒認定に変わってからは英語が必修となりました。
受験者の枠が広がったこと
大検では通信制と定時制高校に通う在学生しか受験することができず、全日制高校に通う学生の受験ができませんでした。
しかし、高卒認定に変更されてからは、全日制高校に通う学生も、在籍している高校の学校長の許可があれば、全日制高校に在学している状態でも受験することが可能になりました。
高卒認定はどんな人が受験できるのか
高卒認定の対象は、受験する年度の3月31日までに満16歳になる人が対象になります。
年齢での計算になりますので、中学を卒業して高校に行かなかった人や、国籍が外国人の人、途中で高校を中退した人でも受験が可能です。
高卒認定試験に合格することで、高校卒業と同様、大学へ進学や高卒以上が条件の資格試験も受験ができるようになります。
高卒認定のメリット
それでは高卒認定を取得することのメリットをご紹介しましょう。
学校に毎日通わなくてもいい
メリットの1つ目は、学校に毎日通う必要がないことです。
通わないのならば「通信制高校も同じではないのか」と考えている方もいますが、実はそうではありません。
通信制高校は、基本的に自宅で学習して単位を獲得していきますが、月に数回、スクーニングで学校に行く必要があるので、数は少ないものの、登校する必要があります。
一方、高卒認定では、全く高校に通う必要がなく、試験に合格することで認定を取得することができます。
合格基準が低い
実は高卒認定試験の平均合格率は30~40%です。数値だけをみてみると低いようにも見えますが、仕事に勤めながら試験を受ける人などもいるため、不合格になる人の大半は、あまり勉強する時間もなく落ちる方が多くを占めています。
一方、時間使い学んでいる人は合格の可能性がかなり高いです。また、高卒認定試験は8~10科目ですが、1科目ずつ受験することが可能です。
ちなみに、合格点は100点満点中40点です。また、科目ごとの合格率は60~70%以上と比較的高い傾向があります。
範囲が広いため、浅く広く学ぶ必要がありますが、基準が低いので受かりやすくなっているのが現実です。
試験の内容は中学から高一レベル
高校卒業と同等以上の学力を有すること認める試験ではありますが、高卒認定試験の出題内容は中学生から高校一年生レベルです。
つまり、これまでの振り返りと勉強をコツコツ進めることができれば、高卒認定試験に合格する可能性は大いにあります。
また、高卒認定試験の特徴としては、大学受験のように総合点で測定するシステムではなく、一度合格した科目は翌年にも繰り越され、落ちた科目だけを再受験するだけでいい点も魅力的です。
すぐに合格を目指すことができる
全日制等の高校は三年間就学することが条件ですが、高卒認定の場合はすぐに合格を目指すことが可能です。
例えば、18歳になる前に合格すれば留学など自分の時間を有効活用し学校生活にとらわれない生活を送ることも可能です。
また、中退などをしてしまった場合でも、同学年の友人に遅れずに進学することもできます。
大学に進学できる
高卒認定は、高校卒業の資格ではありませんが、大学受験に必要となることが多い資格です。
例えば、高校を途中で中退して仕事を始めた場合、あとから大学に行きたくなっても全日制や通信制、定時制の高校に行く必要はなく、試験に合格することで大学や短大や専門学校に進学ができます。
また、所属の高校の学校長の許可が必要になりますが、全日制の高校に通っている場合でも、必要に応じて高卒認定試験を受けて大学に進むことが可能です。
高卒認定を受けて、大学に進学することで、肩書きが大学卒業に変わるため高校中退のレッテルも消えることになります。
就職活動に役立つ
高校を中退しても、そのあと高卒認定試験に合格した場合は、就職活動で自分をアピールできるチャンスになります。
高校を中退したという経験から、どのように立ち上がって努力し頑張ってきたのか、高卒認定試験の合格の背景を具体的に話して、その経験がこれから先どういった形で仕事に活用していくのかを整理し伝えることで自分だけにしかないアピールにつながります。
このような内容は、他の人と被りにくいため、面接官の印象に強く残りやすいです。
また、実際に苦難を乗り越えてきた実績と経験から説得性も生まれるため、就職活動にも生かすことができるでしょう。
高卒認定のデメリット
ここからは高卒認定試験のデメリットについて解説をしていきます。
納得のいく決断をするためには、デメリットも理解しておくことが大切なので、メリットだけでなく、デメリットもきちんと頭にいれておきましょう。
途中で挫折してしまう可能性が高い
全日制の高校では、勉強しないと先生に叱られるため、学校に所属することで誰か引っ張ってくれるでしょう。
周りががんばっているから自分も頑張るという気持ちも生まれますし、環境で自分の気持ちが変化していきます。
また通信制高校の場合でも、サポート校があれば学力に問題がある場合やきちんと勉強ができていないと補修などを行ってくれるケースが多いです。
一方、高卒認定試験を受ける場合は、学校に所属せずに受けることが大半となるため、自分で自分をコントロールすることが必要になります。
勉強や試験で特に努力していなくても、周囲から何も言われることがないため、気持ちのモチベーションの維持が難しいです。
そのため自身に甘えが生じ、結果的に高卒認定試験を合格することをあきらめてしまう人が多い傾向があります。
つまり、高卒認定に合格するためには、モチベーションを保つことが重要になるでしょう。
自分の意志があまり強くない人にとっては高卒認定試験をクリアするために、サポート校を活用するという選択肢もあります。
サポート校は、塾のように大多数対一人で絵はなく、個別指導としてひとりずつ環境にあわせて指導者が経過を立ててくれるので、高卒認定に確実に合格したい場合は、活用することがおすすめです。
高卒認定だけでは中卒扱い
実は高卒認定試験に受かっただけでは、最終学歴は中卒扱いになります。
つまり、高卒認定に合格しただけでは、就職などで「高校卒業以上の資格を有するもの」という条件をクリアすることができません。
ただ、前述でもありましたように、高卒認定に合格して、最終学歴を大卒にすることができれば、就職の幅も格段に変えることも可能になります。
高卒認定試験で必須の科目をご紹介
高校認定試験の合格に必要とされる科目は8科目以上。
また、高卒認定では、選択科目と必須科目があります。
この選択科目次第で、受験科目は最大10科目まで増えます。必須科目と選択科目は以下の通りなのでご確認ください。
必須科目
- 国語
- 世界史
- 数学
- 英語
必須科目は計4教科になります。しっかり傾向と対策を練って漏れがないように勉強しておきましょう。
選択科目
- 日本史と地理のどちらか1科目
- 現代社会の1科目か政治経済・倫理2科目
- 科学と人間生活を選択した場合、物理・化学・生物・地学の4つの中から1科目を受験
- 科学と人間生活を選択しなかった場合、物理・化学・生物・地学の4つの中から3科目を受験
選択科目は少し複雑ですが、選んだ科目次第で受験する試験の数が変わるということを頭に入れておきましょう。
高卒認定試験の合格基準
高卒認定試験の出題範囲は中学生~高校1年生までの範囲です。
ただし、日本史や世界史・現代社会は年次ごとの範囲のくくりがないため、基本的に全範囲を対象に試験に出題されます。
つまり、範囲が広いため勉強には苦労するかもしれません。
高卒認定試験は、教科書を理解できているのか確認するテストであるため、教科書のすべての範囲から出題されます。
また、合格点はおよそ40%です。年毎に数字は上下しますが、半分の50%を取ることで合格できるといえるでしょう。
すべての解答がマークシートでおこなわれ、文章で解答することがないことも特徴です。
高卒認定と就職活動
ここ最近では、高卒認定に合格した場合、たとえ最終学歴が中学校でも、高校卒業と同等に扱う企業がほとんどです。
この理由は、学歴だけにとらわれずに個性や個人のパフォーマンス力、強みを考慮している企業が増えているということが挙げられます。
面接の際にも、これまで努力してきたことを伝えやすいため、就職活動でも活かすことができるでしょう。
高卒認定を取ったら大学に行くことがおすすめ
高卒認定試験の合格後に一番多い進路としては、大学進学が挙げられます。
これは、大学に合格し卒業することで、最終学歴を大学で表記することができるからです。
最終学歴が大学になると、就職先の選択肢を大きく広げることができます。
もし自分がなにをしたいかわからない場合は、大学へ行って自分のしたいことを見つけるのもおすすめです。
高卒認定試験に合格し、その後の進路に迷った際は大学へ進学することを検討してみてください!
高卒認定は将来の選択肢を広げる認定試験
いかがでしょうか?
今回は高卒認定の詳細から取得までの流れ、そのあとの進路について解説してきました。
高卒認定について、詳しくわからなかった人も、理解ができたと思います。
この記事を読んで、もし高卒認定試験を受けてみたいと感じた人は、ぜひ行動を起こしてください!
自分自身としっかり向き合い、一歩踏み出して楽しく明るい未来を手にしましょう!