通信制高校の学費の平均はいくら?学費が安い学校や無償化制度について解説! 更新時間 2022.10.21
通信制高校を探している方は、「校風や卒業率」などが選ぶポイントになりますよね。
しかし、「3年間でどのくらいの学費がかかるのか?」を知ることも非常に大切です。
とくに近年は私立の通信制高校の人気が高く、同じ私立でも学校によって学費に大きな差があります。
今回は、「通信制高校の学費平均」や「学費が安い私立の通信制高校」についてご紹介しています。
さらに学費を安く抑える方法を徹底解説していますので、学校選びに悩んでいる方は参考にしてみてください。
通信制高校の学費の目安
公立の通信制高校の学費は、3年間で12万円ほどです。
卒業に必要な74単位を習得し、教科書代や入学金を支払っても10万円ちょっとという学費の安さは、経済的にきびしい家庭にとって大きなポイントになるでしょう。
しかし通信制高校にも「公立」と「私立」があり、「学費や授業の仕組み」などが大きく異なります。
通信制高校の学費を公立・私立で徹底比較!
学費の安さを重視したい場合は、「公立」の通信制高校1択です!
以下は、全国の通信制高校の学費平均で、公立と私立を比較しています。(金額は当社で調べた目安になり、学校やコース、都道府県によって異なります)
私立が高い理由は、公立と比べサポートが充実していたり、さまざまな学習コースが用意されていたりするからです。
施設や設備環境も整っており、「ITを活用した授業やサポート体制、個別の授業に加え、スクーリングの日程や転入時期なども柔軟に対応できる仕組み」になっています。
またスクールカウンセラーが在籍していることも多く、不登校など精神的な問題を抱えている生徒や、発達障害など特別な支援を必要とする生徒に対して、親身にアドバイスを行ってくれるのも人気の理由です。
一方で、公立は細かいサポートが十分ではないため、不登校や精神疾患があり単位取得がむずかしい生徒は、卒業できないケースも少なくありません。
金銭的にゆとりがあり、かつ細かいサポートを求めている場合は、私立を選ぶのがおすすめです。
学費が安い通信制高校について詳しく知りたい方は是非「【おすすめ】学費が安い通信制高校をご紹介!」を参考にしてみてください!
通信制高校の学費以外にかかる費用
通信制高校に通うには、上記で解説した授業料以外にもお金がかかる場合があります。
通信制高校は全日制に比べると学校の数が限られており、都道府県内に1校〜3校しかないことも珍しくありません。
そのため通学にかなりの時間を要するケースがあり、地域によっては交通費が高くつくことも考えられます。
また私立の通信制高校には「狭域」と「広域」があり、全国から募集している「広域」の学校へ入学すると、自宅からの距離次第では交通費に加え宿泊費がかかることも覚えておきましょう。
通信制は登校の回数が限られているものの、「年に数回行われるスクーリングや学校行事への参加が、金銭的な負担になる可能性は高い」でしょう。
通信制サポート校とは?学費が高い理由とサポート内容
通信制高校への入学を検討されている方の中には、不登校を経験された方やいじめを受けた方、学力に自信がない方もいると思います。
また通信制は自主学習ですので、意志が弱く途中で挫折してしまう人や、卒業までに何年もかかってしまう人も少なくありません。
このような方に向けて、3年間で卒業できるようサポートしてくれるのが「通信制サポート校」です。
通常の学校よりもきめ細かな対応で、少人数制や個人向けの学習フォロー、精神的なサポートも充実しています。
しかしサポート校は「塾」や「予備校」のような存在で、サポート校だけでは高卒の資格が得られません。
高卒の資格を取得するためには、「「サポート校と通信制高校の併用」が必須」になるのです。
サポート校の学費は施設や登校の頻度によって大きく変わりますが、週5日の登校を選択すると約80万円ほどの学費がかかるケースもあり、全日制の私立高校よりも高くなる場合があります。
通信制高校の学費を安くする3つの方法
私立の通信制高校は、充実したサポートを希望する人や、専門的な学習をしたい人に非常に人気です。
令和元年の調査では、公立の生徒数が約5.6万人なのに対し、私立は約14.1万人と3倍近くも差が生じています。
しかし「学費は私立が5倍ほど高くなっている」ため、入学を悩んでいる方も少なくないでしょう。
そんな方に向けて、ここでは通信制高校の学費を安くする3つの方法をご紹介します。
- 就学支援金で私立高校の授業料が無償
- 奨学金制度を利用する
- 特定の分野で優秀な成績を収め特待生制度を利用する
では、1つずつ解説していきましょう。
就学支援金で私立高校の授業料が無償
2014年からスタートした「高等学校就学支援金」は、国が一部の学費を負担してくれる制度です。
この制度により、経済的に進学がむずかしかった多くの生徒が高校へ行けるようになりました。
さらに2020年4月から制度が大きく変わり、私立高校の支援金が増額。
「授業料が実質無料になる家庭も増えた」ようです。
以下は、全日制高校の就学支援金で、1年間に支給される金額です。
一方で通信制高校の就学支援金は、1単位ごとに支給される仕組みになっています。
上記はあくまでも目安の支給額で、世帯所得や学校によって加算支給されるケースがありますので、詳しい内容は学校に確認することをおすすめします。
ただし世帯年収が910万円以上になると、就学支援金を受け取ることはできませんので注意しましょう。
奨学金制度を利用する
就学支援金は「奨学金」のように返済する必要がないため、「奨学金制度との併用」も可能です。
また奨学金には種類があるので、「利用できる奨学金」を調べてみましょう。
都道府県が実施している「高校生等奨学給付金」は、授業料以外の教育費(教科書・教材費・学用品費など)を受け取れる返済不要の給付金です。
また低所得世帯を対象にした無利子の奨学金が借りられる「生活福祉資金」や、親を亡くしたり重度後遺障害で働けなかったりする家庭の子どもを支援する「あしなが育英会」。
交通事故で保護者を亡くした家庭を対象にした「交通遺児育英会」、そのほか民間の奨学金などもありますので、該当するものがあれば問い合わせてみましょう。
特定の分野で優秀な成績を収め特待生制度を利用する
私立高校では「特待生制度」を設けている学校もあり、スポーツ・芸術・学力において優秀な成績を収めた人は特待生制度を利用できます。
特待生と認められた場合、入学金や授業料などの一部免除、もしくは全額免除を受けることが可能です。
特待生制度には、以下の2つのタイプがあります。
- 受験時に自ら志願する
- 入試の成績が上位だった生徒に適用される
どちらのケースも、1年間の成績が思わしくなかった際には、「特待性制度から外れてしまう」こともあるので注意しましょう。
おすすめ!学費が安い通信制高校6選
全国にある私立の通信制高校の中でも、学費が安くカリキュラムも充実したおすすめの高校をご紹介します。
- 1位:翔洋学園高等学校
- 2位:鹿島学園高等学校
- 3位:日本ウェルネス高等学校
- 4位:ルネサンス高等学校
- 5位:ヒューマンキャンパス高等学校
- 6位:飛鳥未来高等学校
「学校ごとに特色」がありますので、学費と合わせてチェックしてみてください。
1位:翔洋学園高等学校
翔洋学園高等学校は、茨城県日立市に設置された私立の広域通信制高校です。
「生徒の自主性を重んじ、個性を肯定的に受け入れ長所を伸ばす教育方針」を掲げています。
翔洋学園高等学校の最大の魅力は、週に何日登校しても学費が変わらないことでしょう。
基本的に、スクーリング回数が多いほど学費は高くなるので、頻繁に登校したい方に最適です。
翔洋学園は校外学習の充実にも力を入れており、身体を動かす活動や協働的な活動も活発です。
入学できる都道府県 | 青森県、岩手県、新潟県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、長野県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、山梨県、岐阜県 |
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制服 | あり 購入・着用は自由 |
スクーリング | あり |
クラブ活動 | なし |
2位:鹿島学園高等学校
鹿島学園高等学校は、茨城県鹿嶋市にある広域制の通信制高校で、全国に250ヶ所以上のサポート校を構えています。
年に20〜30時間程度のスクーリングはキャンパス近郊の会場で実施され、保護者との出席も可能です。
進学希望者におすすめの「週4日全日コース」や、年間7〜8日のみの出席になる「自宅学習コース」のほか、保護者同伴の通学ができる週1日の「コミュニケーションコース」などもあります。
鹿島の生徒を対象にした「低金利の「学費サポート制度」を設けている」ので、学費に不安がある方にもおすすめできるスクールです。
入学できる都道府県 | 22都府県から入学可能 |
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制服 | あり 希望者のみ。私服でも通学OK |
スクーリング | あり |
クラブ活動 | あり |
3位:日本ウェルネス高等学校
日本ウェルネス高等学校は、自分の目標に合った専攻が選べる広域制の通信制高校です。
卒業を目指すための「総合コース」や進学のための「進学専攻」のほか、動物のことを学ぶ「ペット専攻」、「音楽専攻」、「声優専攻」、「スポーツ専攻」「マンガ・イラスト専攻」など多彩なコースを設けています。
週5日通学・週2日通学・通学0の「3つのスタイルが選べる」のに加え、授業が午前中で終わるように組まれているので、自分の好きなことに時間を割けるのも魅力の1つです。
入学できる都道府県 | 全国どこからでも入学できます。 |
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制服 | あり |
スクーリング | あり |
クラブ活動 | あり |
4位:ルネサンス高等学校
高校卒業後に進学を考えている方におすすめしたいのが、国公立大学や難関私立大学への進学実績を持つルネサンス高等学校です。
いつでもどこにいても授業に参加できるよう、最新のネット学習システムを導入。
さらに授業の理解度をチェックするための確認テストやレポート、先生による添削などがタブレットで見られるので便利です。
年間のスクーリング回数が4日程度というのも、遠方の生徒にとって選びやすいポイントになるでしょう。
また全国3ヵ所に専門のカウンセラーが在籍するカウンセリングルームを設け、「心のケアやプライベートな悩み相談をサポートできる体制」を整えています。
入学できる都道府県 | 全国から入学可能 |
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制服 | あり 着る人を選ばないシックなカラーのブレザースタイル |
スクーリング | あり |
クラブ活動 | あり |
5位:ヒューマンキャンパス高等学校
高校生のうちから専門的な学習を受けたい方におすすめなのが、ヒューマンキャンパス高等学校です。
「夢の実現」をモットーに、「40以上の専門分野が選べ、100職種以上に対応した教育環境」を整えています。
専門学習の際には現場のプロを講師として招き、生徒の「やりたい気持ち」を大切にした教育を行っているのが特徴です。
「子ども心理カウンセラー」の資格を持った専門の先生が各学習センターに常駐しているので、不登校などで学校に通えなくなった生徒も安心してチャレンジできるでしょう。
入学できる都道府県 | 全国から入学可能です。 |
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制服 | あり ※着用・購入は自由です。 |
スクーリング | あり |
クラブ活動 | あり |
6位:飛鳥未来高等学校
「個別指導&担任制」で、きめ細かいサポートが期待できる飛鳥未来高等学校。
週1〜5日の多彩な通学スタイルから、自分にあった通学方法を選ぶことができます。
飛鳥未来高等学校は学校行事が充実しているのも特徴で、遠足や文化祭、クリスマス会、交流会など、参加自由なイベントが盛りだくさん。
ICT端末を活用した学習サポートを受けながら、楽しい高校生活が送れるのも魅力の1つでしょう。
「東京ビューティーアート専門学校」とのダブルスクールで、「卒業と同時に美容師免許が取得できる」のも人気の理由です。
入学できる都道府県 | 北海道、岩手県、宮城県、山形県、福島県、茨城県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、香川県、愛媛県、福岡県、佐賀県、熊本県、大分県 |
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制服 | あり 希望者のみ |
スクーリング | あり |
クラブ活動 | あり |
通信制高校のメリット、デメリットについて詳しく知りたい方は是非「不登校の通信制高校選び方!メリットデメリットもあわせてご紹介!」を参考にしてみてください!
学費の安さを重視するなら公立通信制高校!
通信制高校の学費や無償化制度、通信制高校の学費を安くする方法について解説しました。
学費の安さに重きを置きたい方は、10万円ちょっとで卒業できる公立通信高校が最適です。
一方で、「専門的な知識や技術を習得したい」「精神的なフォローを受けながら3年間で卒業したい」という方は、設備や教員の数が充実している私立の方がいいでしょう。
世帯年収が590万円以下の場合、就学支援金によって「私立高校の授業料が実質無償」になりました。
このほかにも都道府県や学校の奨学金制度、特待生制度などを利用すれば、学費の負担をさらに減らせるようになるでしょう。
しかし学費だけを重視しすぎて、学校を選んでしまうのは危険です。
学校の仕組みや特徴を調べ、自分の夢を叶えられる学校を見つけてみてください!
学費が安い通信制高校について詳しく知りたい方は是非「【通信制高校】私立と公立の学費の違いを徹底解説します!」を参考にしてみてください!