弁理士試験の難易度は高い?合格率や難易度が高い理由について詳しく解説! 更新時間 2023.11.10
「弁理士試験の難易度はどれくらい高い?」
「理系出身じゃなくても合格できるのだろうか?」
弁理士試験を検討されている方は、このような疑問が浮かぶのではないでしょうか?
弁理士の資格は「理系最高峰の資格」と言われており、多くの受験者が毎年チャレンジする国家資格です。
今回は、弁理士試験の難易度に注目し、合格率や難しいと言われる理由について深掘りしています。
弁理士の試験を目指している方、受験を検討している方にとって、ためになる情報が満載です。
ぜひ参考までに、読んでみてください。
![](https://www.tsuushinsei.net/file/upload/1693904905_166991669664f6f009d6e3c.jpg)
弁理士ってどんな資格?
弁理士資格は、特許や知的財産権に関する法的な専門知識を有するプロフェッショナルを指します。
彼らは企業や個人が生み出した発明やクリエイティブな成果物を保護し、法的手続きを担当する役割を果たします。
この資格を取得するには、弁理士試験に合格することが条件です。
試験は高い難易度と低い合格率で知られ、法律や理工系の幅広い知識を要求されます。
独学での合格は難しく、予備校やオンライン講座を活用して徹底的な学習が求められます。
弁理士資格を持つことで、特許や著作権などの知的財産権に関するアドバイスや法的サポートの専門家として活躍することが可能です。
企業や発明者にとっては、知的財産の適切な保護がビジネス成功の鍵となるため、弁理士は重要な存在とされています。
転職で資格をとりたい方は「転職で役に立つおすすめ資格!理由や難易度を徹底解説!」から詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください
弁理士試験の難易度は高い?
弁理士試験は、数ある国家資格の中でも難易度の高い試験に位置づけられています。
では、合格率や難易度について詳しく解説していきましょう。
弁理士試験の合格率は6〜10%!
弁理士試験の最終的な合格率は、わずか6〜10%です。
これは、特許や知的財産権に関する幅広い知識と高度な法的スキルが要求されるためです。
受験生は、厳しい競争と長期にわたる努力を覚悟する必要があります。
他の国家試験との比較
他の国家試験と比較しても、弁理士試験の合格率は特に低い部類に入ります。
この厳しい現実は、弁理士になるための資格取得が容易ではないことを示しており、合格を目指す受験生には徹底的な準備と専門知識の向上が求められています。
法科大学院入試の基本情報については「 法科大学院入試とは?試験科目や対策についても解説しています!」から詳しく見ることができます。参考にしてみてくださいね。
【基礎知識】弁理士の試験制度
高い難易度を誇る弁理士の試験制度について、受験資格や試験科目を紹介します。
弁理士試験は3段階
弁理士試験で合格するには、3つの段階をクリアする必要があります。
まず、短答式試験、次に論文式試験、最後に口述試験という構成です。
特に「論文」は必須科目と選択科目に分かれ、幅広い知識が求められるため、合格率の低さにつながっています。
特許庁において審判又は審査の事務に5年以上従事した方は、短答式試験と論文式試験の必須科目が免除されます。
他にも、工業所有権に関する項目の単位を修得した上で大学院を修了し、工業所有権審議会の認定を受けた方、専門職の学位を有する方などが一部の試験を免除することが可能です。
受験資格
弁理士試験は学歴、年齢、国籍などに制限がなく、誰でも受験が可能です。
試験スケジュール
願書提出期間は通常、3月中旬~4月上旬に設定され、試験のスケジュールは5月中旬~下旬の短答式試験、6月下旬~7月上旬の論文式試験、10月中旬~下旬の口述試験となっています。
数日単位でなく、月をまたいで長く実施されるのが弁理士試験の特徴です。
この長丁場の試験に備えては、学習だけでなく、体調面もしっかりと準備することが重要です。
合格を目指す受験生は、時間の使い方や効果的な学習計画を立て、様々な要素に注意を払いながら試験に臨む必要があります。
試験科目
弁理士試験は複数の科目から構成されており、それぞれ異なる専門知識やスキルを要求します。以下は試験科目の概要です。
- 特許法・実用新案法
- 意匠法
- 商標法
- 工業所得件に関する条約
- 著作権法・不正競争防止法
- 特許法・実用新案法
- 意匠法
- 商標法
- 理工I(機械・応用力学)
- 理工Ⅱ(数学・物理)
- 理工Ⅲ(化学)
- 理工Ⅳ(生物)
- 理工Ⅴ(情報)
- 法律(弁理士の業務に関する法律)
- 特許法・実用新案法
- 意匠法
- 商標法
これらの科目は合格に向けて広範な知識と深い理解が必要であり、受験生はそれぞれの試験に適切に備える必要があります。
合格点・基準点
弁理士試験における合格のためのポイントや基準は以下の通りです。
- 総合点が満点(60点)の65%(39点)を基準とする。
- 論文式筆記試験及び口述試験を適正に行う視点から、工業所有権審議会が相当と認めた点数以上であること。
- 各科目の点数が合格基準点(40%程度)を下回らないことが必要。
- 【必須科目】標準偏差による調整後の各科目の得点の平均が54点を基準とする。
- 口述試験を適正に行う視点から工業所有権審議会が相当と認めた得点以上であること。
- ただし、47点未満の得点の科目が一つもないこと。
- 【選択科目】得点が満点の60%以上であること。
- 各科目A、B、Cの3段階評価で、C評価が2つ以上ないことが求められる。
![](https://www.tsuushinsei.net/file/upload/1693904905_166991669664f6f009d6e3c.jpg)
![](/file/upload/1698722783_921861570654073df6b425.jpg)
弁理士試験に合格するための必要な勉強時間
弁理士試験に合格するためには、どれくらい勉強時間が必要になるのかみていきましょう。
必要な勉強時間は3,000時間
弁理士試験は高い難易度と合格率の低さで知られており、合格するためには充分な準備が不可欠です。
一般的な見積もりによれば、弁理士試験の合格には約3,000時間の勉強が必要と言われています。
この時間は、試験科目や個々の受験者の理解度によって異なりますが、複雑な法律や技術的な内容を網羅するため、時間をかけて十分な知識を蓄積することが求められます。
試験合格までに必要な期間は平均3年
2022年度の統計によれば、弁理士国家試験合格者の平均受験回数は3、4回でした。
前年度は3.7回であり、これは受験回数が減少傾向にあることを示していますが、それでも数年はかかると想定されます。
合格までの期間は、受験者の学習ペースや経験によって変動しますが、平均的には約3年かかることが考えられます。
最短で合格を目指す場合は、予備校などの専門機関を利用することが望ましいでしょう。
40代からでも異業種に転職したい!という方は 「40代からでもやり直せるおすすめ資格はある?転職にも使える資格も紹介!」から詳しく見ることができます。参考にしてみてください。
弁理士試験の難易度が高い3つの理由
弁理士試験は、なぜこれほどまでに難易度が高いのでしょうか?
その理由について詳しく解説していきます。
短答式の難易度が高いすぎるから
弁理士試験の最初の関門である短答式試験は、非常に高い難易度を誇ります。
最近の合格率は10%程度であり、多くの受験生がこの難関に跳ね返され、不合格となっています。
短答式試験を通過できず、弁理士になる目標を断念してしまう受験生も少なくありません。
理工系の知識が必要になるから
弁理士試験の合格者の約8割が理系出身者であり、「理系最高峰」と呼ばれるほど理系の比率が高いのが特徴です。
さらに、その中でも「理工系」の出身者が大多数を占めています。
弁理士の主要業務には特許関連の事務手続きが含まれており、正確に特許を扱うためには理工系の前提知識が必須です。
社会人の受験者が多いから
統計によると、平成30年度の弁理士試験受験者の約8割が社会人でした。
このことからも、弁理士試験は働きながらの試験勉強が一般的であることが分かります。
他の士業と異なり、多くの受験生が社会人であるため、仕事と学業の両立が困難で合格までに時間がかかる傾向があります。
弁理士試験は独学でも合格を目指せる?
弁理士試験において独学で合格を目指すことは一定の難しさが伴います。
これは市販の受験対策書籍が限られているためであり、充実した教材にアクセスすることが難しい状況にあります。
また、論文添削のサービスが利用できないため、自分の答案が合格水準に達しているかどうか判断することが難しいのが現実です。
この試験は高い専門性と知識が求められるため、講師による的確な指導やアドバイスが欠かせません。
独学での合格を目指す場合でも、限られた教材を工夫して活用し、模擬試験や過去問題を解くなど自己評価を行いながら、合格へのステップを着実に進めることが重要です。
司法書士の基本情報について知りたい方は「司法書士とはどんなお仕事?業務内容や資格の魅力について詳しくご紹介」から詳しく見ることができます。参考にしてみてくださいね。
難易度の高い弁理士試験は予備校やオンライン講座がおすすめ
最短で弁理士試験の合格を目指したい場合や、効率的に学習を進めたい場合は、やはり予備校などを活用することがおすすめです。
予備校の利用で徹底的な指導を受ける
弁理士試験はその難易度から、徹底的な指導が不可欠です。
予備校では経験豊富な講師陣が試験範囲をカバーし、的確なアドバイスを提供してくれます。
また、予備校は模擬試験や過去問題の解説など、実践的な学習環境を提供してくれるため、合格に向けた準備がより効果的に進められます。
オンライン講座で柔軟な学習スタイルを活用する
現代の学習環境では、オンライン講座も重要な選択肢となっています。
仕事や生活スケジュールに合わせて柔軟に学習でき、自宅や移動中でも効果的な勉強が可能です。
オンライン講座も優れた講師陣や充実した学習教材で、弁理士試験に特化したカリキュラムを提供しています。
難易度が高く知識の幅広い弁理士試験においては、予備校やオンライン講座を利用することで、徹底的で効果的な学習が可能となり、合格への道がより明確になります。