使えない資格ってあるの?役に立たない資格と必要な資格について徹底解説 更新時間 2024.05.28
資格を選ぶ際に注意したいのが、人気があるからといって使える資格だとは限らないことです。
資格を取得したはいいものの、「就活でもアピール材料にならない」「職場で評価されない」というのでは、取得した意味がありません。
大切なのは、これから取ろうとしている資格が本当に使える資格かを見極めることです。
本記事では、実際には使えない資格を解説しながら、本当に使える資格についても詳しく紹介していきます。
「無駄なお金を払いたくない」「本当に意味のある資格が知りたい」という方は、ぜひ最後までお付き合いください。
使えない資格ってどんな資格?
役に立たない、使えない資格とは、以下の3つです。
①需要が低い資格
②マイナーな資格
③誰でも取れる難易度が低い資格
1. 需要が低い資格
一部の資格は市場での需要が低いため、取得しても求人が限られ、仕事の選択肢が制約されることがあります。
例えば、「大型特殊二種・けん引二種」の運転免許があります。
実は、大型特殊二種免許が必要な車両は、日本に存在しません。
一方で、牽引二種免許が要求される車両の一例が、西東京バスが東京都日の出町で運行しているSL型バス「青春号」です。
この「青春号」は、トラクターに客車を連結した「トレーラーバス」として知られ、戦後一時期に一般的でしたが、現在では日本唯一の公道走行バスとされています。
合格率は20〜30%の試験ですが、取得しても活躍の場がない資格として知られています。
市場動向や現状をよく調査し、将来的な需要を見極めることが大切です。
2. マイナーな資格
一部の資格は一般的な認知度が低く、他の同等の資格に比べて就職や仕事での評価が得られにくい場合があります。
例えば、マイナーな資格の1つに「定年力検定」があげられます。
「定年力」とは、定年という区切りを迎え、豊かで充実したセカンドライフを過ごすために、最低限必要な、経済的な基礎知識力のことです。
退職後に必要となる金融や資産運用の知識を問うものですが、取得しているからといって就職や転職で有利になるわけでもありません。
履歴書に資格を書いてアピールしたい場合は、あまりニッチな資格でない方がいい場合もあります。
自分の職場や就きたい業界で通用するかどうかを、事前に検討することが必要です。
3. 誰でも取れる難易度が低い資格
趣味や特定の嗜好に関連する資格は、職業としての価値が薄いことがあります。
また、ドラマや広告などで人気を集めた資格も注目されがちですが、実際にはほとんど使えない、無駄になったという資格も珍しくありません。
趣味の範囲を超えて、広く活用できる資格を選ぶことが重要です。
人気の資格が気になる方は「人気資格ランキング!2023年ver」から詳しく見ることができます。参考にしてみてくださいね。
使えない役に立たない資格
せっかく取得しても、なかなか役に立たない資格を紹介します。
介護事務
介護業界は社会的な需要が高まる中、残念ながら介護事務は役に立たない資格の1つです。
この資格は特定の業務に焦点を当てており、広範なスキルや知識を必要とする現場では通用しづらい傾向があります。
そもそも、介護施設での事務募集は少なく、持っていてもアピールする場がありません。
雇用市場での競争が激化するなかで、総合的な介護スキルを備えた資格が求められています。
MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)
MOS資格は一時期注目を集めましたが、実際の業務においては限定的な価値しか提供していません。
多くの企業が一定レベルのPC操作を前提としており、基本的なスキルは一般的なものとなっています。
そのため、MOS資格を持っていても、採用担当者の目に留まることはほとんどないでしょう。
実践的な業務スキルや他の専門的な資格がないと、MOS資格だけでは真の価値を発揮しにくいと言えます。
ITパスポート
ITパスポートは情報技術の基礎知識をテストする資格ですが、現代のテクノロジーの進化に追いつかない一面があります。
確かに人気は高く、学生が就活に向けて取得しておくべき資格としても注目されています。
しかし正直なところ、この資格だけで十分なスキルを身につけることは難しく、企業はより高度な専門知識を求めているのが現状です。
IT分野でキャリアを築くためには、より実践的で深いスキルを備えるべきでしょう。
整理収納アドバイザー
整理収納アドバイザー資格は、生活の質を向上させるための知識を提供しますが、ビジネスの視点から見ると限定的です。
資格を持っているからといって、「うちの片付けを任せたい」という顧客は滅多に現れません。
インテリアアドバイザーやインテリアコーディネーターの資格と比較すると、趣味レベルに近い資格というのが現状でしょう。
組織やビジネスの効率化に貢献する資格が求められる現代社会では、整理収納アドバイザーはあまり使えない資格といえます。
食生活アドバイザー
食生活アドバイザー資格は健康に関する知識を得るためのものですが、資格取得を条件とした求人はほとんどないのが現実です。
栄養学や食事療法においてより高度な資格が存在し、調理師や栄養士などの国家資格と比較すると専門性に欠けます。
食生活に関するアドバイスを行う際には、より深い知識と実践的なスキルが必要とされます。
認定ベビーシッター
認定ベビーシッター資格は子育て支援に寄与する一方で、需要が限定的であるため、役立たない資格とされることがあります。
日本においてベビーシッターの知名度は低く、諸外国に比べると利用率は低めです。
また市場においては、国家資格である保育士の方が圧倒的に有利になります。
より高い専門性を持っている保育士資格や看護師資格と比較すると、単なるベビーシッター資格だけでは競争に勝つことが難しいでしょう。
医療事務
医療事務資格は、医療機関での事務業務に特化した資格です。
医療事務にはさまざまな種類の資格がありますが、いずれも民間資格で、必須資格ではありません。
また医療現場においては、資格よりも実務経験が優遇される傾向にあり、資格があるからといって即戦力として活躍できるとも限らないからです。
運転免許けん引2種・大型特殊2種
先述した通り、運転免許けん引2種や大型特殊2種はほとんど役に立ちません。
資格を発揮する場所がないため、持っていても就職などで有利にならないことが多いでしょう。
物流や運送業界においては、これらの資格がなくても採用されるので、他の運転免許や関連資格の方が重視されることがあります。
学芸員
学芸員資格は文化や歴史に興味を持つ人にとっては魅力的ですが、求人市場での需要は限られています。
美術館や博物館の学芸員職は競争が激しく、専門的な知識だけではなく、展示企画やプロモーションなどのスキルも必要です。
一般的な文化・歴史系の資格だけでは、安定的な職が得られないことがあります。
使える資格ってどんな資格?
使える資格がどんな資格なのかについても、詳しく理解しましょう。
使えない資格と対にして覚えておくと、資格選びに失敗するリスクを減らせるでしょう。
難易度が高い国家資格
難易度が高い国家資格は、一般的にその分専門的な知識やスキルを要求される傾向があります。
例えば、医師免許や弁護士、税理士、公認会計士といった資格は、高度な専門性が求められ社会的な信頼度も高いです。
とくに、資格がないと携われない独占業務資格は、安定した需要と収入の源になります。
難易度が高い資格を取得することで、自身のキャリアにおいて優位性を確立しやすくなるでしょう。
転職や就職で評価される資格
転職や就職において評価される資格は、その業界や職種に適したものが重要です。
プロジェクトマネージャー資格や公認会計士資格など、企業が求めるスキルセットを具現化したものが転職市場で高く評価されます。
例えば、外資系企業やグローバル企業などでは、採用基準にTOEICスコアが重視されます。
スコアが高いだけでは採用に至りませんが、スコア基準を満たしていなければ、書類審査で見送られてしまうでしょう。
求人情報を分析し、自身の目指すキャリアに適した資格を選ぶことが重要です。
投資とリターンのバランスがいい資格
資格取得にかかる費用や時間と、それに対する将来のキャリアや給与の見込みを考慮して、資格を選ぶことも大切です。
例えば、IT系の資格やデジタルマーケティング資格は、比較的短期間で取得でき、将来的な収益性が高いとされています。
資格の取捨選択において、コストとリターンを検討することが賢明です。
本当に使える資格はこれ!
使える資格、役に立つ資格について、詳しく解説します。
宅地建物取引士
宅地建物取引士資格は、不動産業界でのキャリア構築において非常に有益です。
不動産市場の拡大や住宅需要の高まりに伴い、不動産取引において専門的な知識が求められています。
宅地建物取引士は不動産の価値評価や契約書の作成など、重要な業務を担当できるため、業界での信頼性が高まります。
ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルプランナーは、個人や法人に対する資産運用やライフプランの提案を行う上での必須スキルを備えた資格です。
経済の不確実性が増す中、資産の効果的な運用やリスク管理が求められています。
ファイナンシャルプランナーはクライアントのニーズに合わせた計画を提案できるため、高いニーズがあります。
中小企業診断士
中小企業診断士は、中小企業の経営に関する幅広い知識を有する専門家です。
経営環境の変化や競争激化により、企業は経営戦略や課題の解決に資格保有者の力を借りることが増えています。
中小企業診断士は企業の成長をサポートする重要な存在とされ、求人市場で高い評価を受けています。
平均年収も高く、独立すれば年収1000万円以上も見込め、安定した収入が得られる職業の1つです。
社会保険労務士
社会保険労務士資格は、労働法や社会保険に関する専門的な知識を有するプロフェッショナルです。
雇用関連の法令や制度が複雑化する中、企業は適切な雇用管理を求められます。
社会保険労務士は労務関連の問題解決やアドバイスを行うことができ、企業にとって法的なリスクを低減する一翼を担っています。
保育士
保育士資格は、子どもたちの健全な成長と発達をサポートする仕事に従事するために不可欠です。
社会全体で子育て支援の需要が高まる中、保育士は幼児教育や保育施設でのプロフェッショナルとして重宝されています。
子育て支援の一環として、保育士資格は非常に使える資格と言えます。
介護福祉士
介護福祉士資格は、高齢化社会の進展に伴いますます需要が高まる資格の一つです。
介護分野で働くために必要な知識やスキルを提供し、高齢者や障害者とのコミュニケーション力を向上させます。
社会的な使命感と共に、人間関係構築や安心感の提供など、介護職において欠かせないスキルを身につけることができます。
日商簿記2級
日商簿記2級資格は、ビジネスや会計の分野で実用的なスキルを身につけることができる資格です。
経理や財務の仕事に従事するために必要な基本的な知識や技能を提供し、企業の経理部門での活躍が期待されます。
仕訳帳の取り扱いや財務諸表の分析など、実務に即した内容が豊富に含まれています。
TOEIC
TOEIC資格は、グローバルな環境でのコミュニケーション力を向上させるための有用な資格です。
企業や国際的な組織では英語力が求められることが多く、TOEICスコアはその評価基準となります。
仕事やキャリアの幅を広げるために、英語スキルの向上を図る上で効果的な手段と言えます。
ネイリスト
ネイリストは無資格でも働けますが、資格を取得しておくと、給与やキャリアにおいて選択肢が広がります。
未経験でも採用で優遇されることはもちろん、自信を持ってお客様に施術できるようになるでしょう。
ネイルサロンや美容院での仕事が可能であり、お客様に癒しと美を提供することができます。
自己表現やクリエイティブな要素が組み合わさった資格で、美容関連のキャリアを構築する上で有益です。
ITの資格が気になる方は「ITパスポートの資格講座おすすめランキング10選!失敗しない講座の選び方もご紹介します」から詳しく見ることができます。参考にしてみてくださいね。
就職や転職では資格だけでは足りない?
就職や転職においては、資格だけをアピールしてもなかなか採用に至りません。
就職の場合は資格にプラスして、「コミュニケーション力」や「仕事に対する意欲」が必要です。
また転職活動では、実務経験の有無が欠かせないでしょう。
実務経験に加えて資格を保有していれば、専門的な知識や技術があると判断され、採用で有利になります。
これから就職や転職活動をされる方は、ぜひ参考にしてみてください。
転職で資格をとりたい方は「転職で役に立つおすすめ資格!理由や難易度を徹底解説!」から詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください
使えない資格と使える資格を見極めることが大切!
今回は、使えない資格の代表例として介護事務やMOS、ITパスポートなどを取り上げ、その限定的な性質や市場での評価に焦点を当てました。
一方で、実際に役立つとされる資格には宅地建物取引士や社会保険労務士、TOEICなどが挙げられます。
これらの資格は、社会的な需要が高まる分野や専門性が求められる分野にフォーカスした資格です。
資格取得には一定の投資が必要ですが、その投資と将来のリターンを見極めることが重要になります。
難易度が高い国家資格や、転職や就職に有利な資格、そして投資とリターンのバランスが取れた資格を選ぶことで、自身のキャリアを築く上で有利な位置に立つことができます。
適切な資格の取得は、将来のキャリアにおいて大きな差を生むことでしょう。
使える資格と使えない資格を見極め、あなたのキャリアの発展に役立ててください。