エステティシャンになるには資格が必要?目指す方法や様々な資格を紹介 更新時間 2023.08.10
エステティシャンは、美容やリラクゼーションの施術を提供し、お客様の美しさと癒しをサポートする仕事です。
しかし、エステティシャンとして働くためには、美容に関する資格が必要なのでしょうか?
本記事では、エステティシャンを目指す方法やおすすめのエステ資格について紹介しています。
基本的な美容資格に加え、国際的な資格や脱毛に関する資格なども徹底解説していますので、ぜひ参考にしてください。
資格を活かして、エステティシャンとしてのキャリアを築いていきましょう。
通信講座で、ネイルの資格を取りたい方は 「通信講座でネイリストの資格は取れるの?勉強期間や最短取得するための方法をご紹介!」も参考にしてみてくださいね。
エステティックについて
2002年に総務省によって策定された「日本標準産業分類」によれば、エステティック業界は、「手技又は化粧品・機器等を用いて、人の皮膚を美化し、体型を整える等の指導又は施術を行う事業所をいう」と定義されています。
エステティックの根本的な目的は、個人の内なる願望である「美しくありたい」「若々しくありたい」という欲望を実現し、その結果として人々に幸福感と満足感をもたらすことです。
エステティック業界は、肌や体型の改善だけでなく、心理的な側面にも着目し、クライアントの心にポジティブな影響を与えることを重要視しています。
エステティシャンとは?
エステティシャンは、美容や肌のケアに関する専門家です。
彼らは顧客に美容トリートメントを提供し、肌の健康と美しさを促進する役割を担っています。
エステティシャンは、顧客の要望に応じて様々な美容施術を行い、リラクゼーションや美しさの向上をサポートします。
エステティシャンの仕事内容
エステティシャンの仕事内容は多岐にわたります。
エステティックのメニューは、主に以下の通りです。
- 顧客のカウンセリングと肌の状態の評価
- フェイシャルトリートメントやボディトリートメントの提供
- マッサージ、脱毛、化粧品のカウンセリングやアドバイス
- プロポーションメイキング
- 美容機器や製品の選定と使用
- 顧客にホームケアのアドバイスを提供
エステティシャンのNG行為とは?
一般社団法人日本エステティック協会では、以下の行為を「エステティシャンの禁止行為」と定めています。
- 医師免許を持たずに、医師の医学的判断及び技術をもってするのでなければ人体に危害を及ぼし、又は危害を及ぼすおそれのある行為。
- 美容師免許を持たずに、パーマネントウエーブ、結髪、化粧等の方法により、容姿を美しくする行為。
- 理容師免許を持たずに、頭髪の刈込、顔そり等の方法により、容姿を整える行為。
- 疾病の治療を目的として行う医業類似行為(医学的観点から人体に危害を及ぼすおそれのある行為。)
エステティシャンは専門的な訓練と資格を持ち、職業倫理を守ることが求められます。
違法行為をした場合は、資格の剥奪や罰金処分、サロンの営業停止などの処分を受ける可能性があるので注意しましょう。
独学でネイリストになりたい方は 「独学でネイルの資格は取得できる?自力で学ぶメリット・デメリットを解説」も参考にしてみてくださいね。
エステティシャンになるには資格が必要?
エステティシャンは、顧客に痩身や脱毛などの施術を行います。
エステティシャンになるには、何かしらの資格が必要か確認していきましょう。
エステの必須資格はない
エステティシャンになるためには、特定の資格はありません。
日本国内では、法的にエステティシャンの職業資格が設けられていないため、誰でもエステティシャンとして活動を開始することが可能です。
しかし、資格を持つことで信頼性を高め、スキルを証明することができます。
エステ関連のおすすめ資格
エステティシャンとしてのスキルを向上させ、競争力を高めるために、以下のような資格を取得することがおすすめです
- 日本エステティック業協会(JEA)認定資格
- 国際ライセンス(CIDESCO、CIBTACなど)
- 美容師免許
- アロマセラピスト資格
これらの資格は、エステティシャンとしての技術や知識を磨くのに役立ちます。
具体的な資格概要や取得する条件については、本記事後半の『エステ資格の種類と選び方』にて詳しく解説しています。
エステの資格を持つメリット
エステティシャンの資格を持つことには、いくつかのメリットがあります。
- 信頼性と専門性の向上
- クライアントからの信頼獲得
- 技術の向上とスキルの証明
- キャリアの多様性と成長の機会
資格を持つことで、エステティシャンとしてのキャリアをより充実させ、成功を収める可能性を高めることができます。
エステティシャンを目指す方法や順序
エステティシャンの知識やスキルを習得して、顧客に施術できるようになるための方法は3パターンです。
①美容専門学校へ通う
②エステティックスクールに通う
③エステサロンで働きながら技術を身につける
美容専門学校へ通う
エステティシャンになるための第一歩は、美容専門学校への入学です。
美容学校では、基本的な美容知識やスキルを習得できます。
カリキュラムには、スキンケア、メイクアップ、マッサージ技術などが含まれており、エステティシャンとしての基礎を築くのに役立ちます。
美容専門学校に通った場合、昼間課程(2年制)の平均的な学費は200万円〜300万円ほどです。
夜間課程や通信課程を選択した場合は、昼間課程よりもかなり安く通うことができます。
参考までに、夜間課程(2年制)は100万〜200万円ほど、通信課程(3年間)は60万円~70万円程度を目安に考えましょう。
エステティックスクールに通う
エステティックスクールにはさまざまなコースがあり、1年以上かけて専門的な知識を習得するコースや、1日集中型のレッスンなど種類が豊富です。
エステスクールはエステに特化して学ぶことができ、自由なカリキュラムを組めるのが特徴です。
美容専門学校との違いは、「スクールはエステに特化している」「専門学校は美容を幅広く習得できる」という学び方の違いにあります。
エステティシャンに求められる知識と技術を体系的に習得したい場合、エステスクールがおすすめです。
エステティシャンを目指す方で、美容全般に関心がある方には、美容専門学校の「トータルビューティー科」が最適でしょう。
エステサロンで働きながら技術を身につける
エステティシャンとしての実務経験は非常に重要です。
エステや美容専門学校で学ぶ機会がない方は、エステサロンで働きながら実践的な技術を磨きましょう。
現場での経験を積むことで、顧客とのコミュニケーションスキルやトラブルシューティング能力を向上させることができます。
また、エステサロンでの勤務経験は、将来独立開業する際にも役立ちます。
美容について、ネイルに興味があるという方は 「ネイル資格の種類は?それぞれの試験内容の違いや取得方法をご紹介」も参考にしてみてくださいね。
エステティシャンの年収や給与について
エステティシャンとして働く場合、どれくらいの収入が得られるのか気になりますよね。
ここでは、エステティシャンの平均年収や収入を上げる方法について解説します。
エステティシャンの平均年収は322.8万円
エステティシャンの平均年収は、おおよそ320万円前後です。
ただし、給与はエステサロンや地域によって異なり、経験やスキルによっても変動します。
大手サロンの方が年収は高い傾向になり、地方よりも都心の方が高収入です。
また、新人エステティシャンの給与は低めで始まり、経験を積むと共に技術を磨くことで収入を増やすことが可能です。
エステティシャンが給料アップを目指すには
エステティシャンが給与をアップさせるためには、以下の方法が考えられます。
- 経験を積んでスキルを向上させる
- 専門的な資格や認定を取得する
- 高級エステサロンで働く
- 独立して自分のエステサロンを開業する
これらの方法を活用することで、エステティシャンは収入を増やすチャンスを得ることができます。
エステティシャンが独立する方法
エステティシャンが独立して自分のエステサロンを開業する場合、ビジネスプランの策定や営業ノウハウが必要です。
また、顧客を集めるためにはマーケティングやプロモーションも重要になるでしょう。
さらに、顧客や取引先からの信頼を得るためには、エステに関する資格の有無も問われます。
独立開業にはリスクも伴いますが、独自のビジョンを実現し、収入を大幅に向上させる機会を提供します。
エステ資格の種類と選び方
最後に、エステティシャンにおすすめしたい資格を紹介します。
AEA上級認定エステティシャン
AEA上級認定エステティシャンは、日本エステティック業協会が主催する資格です。
この資格は、エステティシャンとしてのスキルを高め、キャリアを発展させるための道を提供します。
AEA認定エステティシャンの資格試験は、レベルに応じて3つのステージに分かれており、ステップアップが可能です。
基礎資格である「AEA認定エステティシャン」からスタートし、上位資格の「AEA上級認定エステティシャン」と続きます。
最終的には、最上位資格である「AEA認定インターナショナルエステティシャン」を目指しましょう。
資格試験は、エステサロンの施術に関する知識や技術を包括的に評価し、筆記試験と実技試験が行われます。
AEA認定エステティシャンの試験は年に2回開催され、合格することでAEA上級認定エステティシャンとして認定されます。
なお、資格試験を受験するためには、AEA認定校での学習を修了するか、エステサロンでの実務経験が必要です。
AJESTHE認定エステティシャン
AJESTHE認定上級エステティシャンとは、エステティシャンに専門的な知識と技術を備え、お客様のニーズに応える能力を持たせる資格です。
この資格は、一般社団法人日本エステティック協会(AJESTHE)によって提供されており、店舗やサロンの収益と顧客満足度を向上させるエステティシャンを目指します。
AJESTHEは、日本国内で健全なエステティックの普及と発展を促進することを目的として1972年に設立され、長い歴史を持つエステティシャンの職能団体です。
AJESTHE認定上級エステティシャンの資格取得には、特定の条件が必要です。
まず、認定校のコースを修了するか、下位資格であるAJESTHE認定エステティシャンの資格を取得してから2年以上の実務経験が必要です。
また、通算で5年以上の実務経験も認められています。
資格を取得したい方は、認定校で学びながら、AJESTHE認定上級エステティシャンの資格を目指すことができます。
認定電気脱毛士(CPE)
認定電気脱毛士(CPE)は、電気脱毛技術に特化した資格です。
AEA(米国電気脱毛協会)が推奨していることもあり、公共性と信頼性が高く、医師が電気脱毛士を紹介するときに最も重要視される資格と言われています。
この資格を持つエステティシャンは、電気脱毛の専門家として顧客に安全で効果的な脱毛サービスを提供することが可能です。
ただし、資格取得後5年間の有効期限があるため、資格を持ち続けるには再受験が必要になります。
認定登録脱毛師(CRE)
認定登録脱毛師(CRE)は、日本脱毛技術研究学会が実施している資格です。
筆記テストと実技テストの両試験に合格することで資格が取得でき、脱毛に関する基礎知識や最新の知識を備えていることを証明します。
CREの試験は年に1回のみで、非会員の方は受講料として25,000円が必要です。
また、CREは永久資格ではないため、資格を継続するには学会が主催している勉強会や総会に出席しなくてはなりません。
資格を持っていなくても脱毛は可能ですが、資格があることで顧客から高い信頼が得られるでしょう。
Beauty Therapy Diploma(国際資格)
Beauty Therapy Diploma(ビューティーセラピーディプロマ)は、エステティックの知識と技術が国際水準を満たすことを証明する重要な国際資格です。
この資格を取得する方法には、CIDESCO国際認定校を卒業する方法と、エステティシャンとして働きながら取得する方法があります。
一般受験には、特定の受験資格が必要で、一次試験には筆記テストと実技チェックが含まれ、CIDESCO国際認定校で60時間以上に及ぶ事前講習を受講する必要があります。
その後、6時間以上の実技試験と90分の筆記試験が行われ、合否が判定されます。
事前講習の費用は132,000円で、受験費用は68,200円が必要です。
試験会場は東京、大阪、名古屋、福岡のCIDESCO国際認定校で提供され、合格登録料として56,100円がかかります。
CIDESCOセラピーのディプロマを取得することで、エステティシャンとしてのスキルと信頼性を国際的に認められ、グローバルなキャリアの機会が広がります。
INFA国際ライセンス(国際資格)
INFA(インファー)国際ライセンスは、国際エステティック連盟(INFA)が認定するエステティシャン資格です。
このライセンスを持つエステティシャンは、INFAを高く評価しているヨーロッパ諸国をはじめ、世界各国のスパやエステサロンでのキャリアを追求できます。
国際試験において85点以上の成績をおさめた方には、「ゴールドマスター」の称号が与えられます。
INFA国際ライセンスを取得すれば、履歴書に記載して知識やスキルをアピールでき、就職や転職でも有利です。
高度なエステティック技術の証明になり、国際的な美容業界での競争力を高める資格として高く評価されています。