法科大学院入試の勉強時間はどれくらい必要?試験当日までの理想的なスケジュールをご紹介 更新時間 2023.10.15
弁護士や検察官を目指すなら、司法試験の合格が不可欠ですが、その前に法科大学院入試を突破する必要があります。
その上で、「どれくらい勉強する必要があるんだろう?」「どんなスケジュールで進めたらいい?」と悩んでいる方も多いでしょう。
この記事では、入試までに必要な勉強時間や入試内容を、未修者コースと既修者コースの2通りに分けてご紹介します。
さらに、併願・複数受験の可否など、法科大学院入試における質問・疑問もまとめていますので、最後までじっくり読んでみてください。
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法科大学院入試に必要とされる勉強時間とは?
法科大学院入試の合格には、十分な勉強時間が必要です。
では、入試までの勉強時間について詳しく解説します。
未修者コースの場合
未修者コース(3年)では、小論文や面接による人物中心の選抜が行われます。
未修者コースは既修者コースに比べ、比較的短期間での対策が可能です。
私立大学院を考えている方は、早い方で受験前年の9月頃から、遅い方でも12月頃から勉強を始めるといいでしょう。
一方で、国立大学院を目指す方は、早い方で受験前年の11月頃から、遅い方でも1月頃から勉強が必要です。
法科大学院入試の8~10カ月前から準備を始めることで、小論文や面接の対策をゆっくりと進めることができるでしょう。
既修者コースの場合
既修者コース(2年)では、法律科目試験が実施されます。
従って、既修者コースでは早期からのスタートが重要です。
対策に必要な期間は、これまでよく勉強してきた方でも約10か月程度で、未勉強の方は1年数ヶ月かかると言われています。
私立大学院を考えている方は、早い方で受験前年の4、5月頃から、遅い方でも10月頃からしっかりと勉強を始めましょう。
法曹コース在籍者向けの特別選抜については、各大学院の公式サイトなどで詳細を確認してください。
法科大学院入試の受験資格について
法科大学院への入試を受験するためには、一定の受験資格が求められます。
これらの条件を確認し、必要な対策を講じることが重要です。
法科大学院の受験資格は、大学卒業または同等の学力を有していることが基本条件となります。
その他にも、法学部以外の学部出身者が受験する場合は、特定の法学科目の履修経験が必要なことがあります。これには、民法や刑法、行政法などが含まれます。
また、受験者は法学部以外の学部を卒業した場合でも、一定の法学の基礎知識を有していることが期待されます。
これは、法科大学院での学習を円滑に進めるために不可欠です。
受験資格を満たすためには、大学時代やその他の学習機会で法学の基礎を築くことが重要です。
これによって、入試に自信を持ち、法科大学院での学びを有意義に進めることができるでしょう。
転職で資格をとりたい方は「転職で役に立つおすすめ資格!理由や難易度を徹底解説!」から詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください
法科大学院の出願と入試時期について
法科大学院の出願時の注意点と、国立・私立の入試時期について解説します。
出願の注意点
出願準備のタイミングには十分な注意が必要です。
6月からは、私立大学の法科大学院の最初の出願期間に突入します。
この時期までに志望校の選定や受験プランの決定を済ませ、候補の法科大学院の資料や出願書類の請求など、準備を進めておきましょう。
8~9月にかけては私立大学の入試がスタートします。
そして、9~10月にかけて国立大学の出願時期を迎え、10~11月が国立大学の入試時期です。
国立大学で二次募集がある場合は、11~1月が出願時期となり、1~2月ころには試験が実施されます。
私立大学の特徴
私立大学は複数回の入試を実施するケースが多く、年明けに出願し、2~3月に受験することもあります。
合格が早くても、法科大学院進学では重要なのはここからです。
入学までの期間を法律科目の勉強に充てましょう。
特に、それまで法律科目の勉強をしていない未修者コース合格者は、基礎をこの時期に習得しないと、入学後の授業に追いつけない可能性があります。
入学予定者向けの教育プログラムを提供する法科大学院も存在しますので、ぜひ確認してみましょう。
法科大学院入試の基本情報については「 法科大学院入試とは?試験科目や対策についても解説しています!」から詳しく見ることができます。参考にしてみてくださいね。
法科大学院の出願に必要な主な提出書類
出願に必要な書類について、詳しく紹介します。
志望理由書(ステートメント)
志望理由書は、法曹を目指す動機や希望する法曹像、なぜその法科大学院を志望するのかなどをまとめた書類です。
別名「自己評価書」「申述書」とも呼ばれます。
形式や文字数は大学院によって異なり、自由記述や質問応答形式があります。
書類選考や面接で活用され、未修者コースの場合は特に重要なポイントとなります。
大学卒業(見込)証明書
大学卒業(見込)証明書は、出身大学で発行してもらいます。
発行には数日を要する場合もあるため、早めに手配することが重要です。
成績証明書
成績証明書は大学の成績が記入された書類で、法科大学院への出願時に必要です。
最近では成績が重視されることは少ないですが、真面目な姿勢を示す材料となります。
各種語学検定のスコア
語学検定のスコアは任意提出が一般的で、法科大学院によって評価の対象になります。
語学力をアピールする場合は、提出可能な検定の種類などを事前に調査しておきましょう。
その他の提出書類
志願票、履歴書、職務経歴書、推薦状・推薦書、健康診断書などが主な提出書類です。
法科大学院によって必要ないものもあるので、事前に確認するようにしましょう。
推薦状・推薦書は必要な場合とそうでない場合があり、多くの法科大学院で健康診断書は不要です。
法科大学院入試「未修者コース」の対策方法
まず、未修者コースの対策方法について解説します。
法科大学院対策用の小論文のアプローチ
法科大学院対策用の小論文の書き方を習得するには、まず志望する法科大学院の公開されている過去問を確認しましょう。
出題される分野や形式を理解し、出題傾向を掴むことが肝要です。
入手可能な教材は限られていますが、法科大学院対策の予備校では効果的な小論文の書き方を教えている場合があります。
慎重に選んで活用しましょう。
論文の添削をしてもらう
小論文の学習において添削は不可欠です。
前提知識が必要ないため、論理的で分かりやすい文章を構築する力が試されます。
実際の答案を作成し、合格水準に到達しているか確かめるために、経験豊富な予備校の添削サービスを積極的に利用しましょう。
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法科大学院入試「既修者コース」の対策方法
次に、既修者コースの対策方法について解説します。
インプットで基本7科目の基礎を固める
既修コースの入試では、法律科目の論文式試験が一般的です。
法科大学院の法律科目には、憲法、行政法、民法、民事訴訟法、刑法、刑事訴訟法、商法(志望校のによっては6科目)が含まれています。
基本部分が問われるため、基本を忠実に固めることが重要です。
テキストは対象を限定して反復学習がポイントです。
1科目につき1冊、多くても2冊の基本書・テキストを選び、1周をじっくりやるよりもとりあえず1周するようにしましょう。
法律の論点は相互に関連しており、法律全体を知った状態で読むと、理解が進むこともあります。
インプットでは、テキストを限定して1周にかける時間を少なくして繰り返し復習すると効果的です。
論文の添削をしてもらう
答案構成の作成方法や実際の論文の答案内容については、添削を受けることで実力が向上します。
論文式試験では、自分で書けているつもりでも正確な論述が難しいことが少なくありません。
予備校の添削制度を活用し、積極的に添削を受けることで向上が期待できます。
過去問演習の重要性
予備試験の対策が進んだら、過去問を用いて基本知識のマスターを確認しましょう。
過去問演習では、基本問題に対する論点抽出と論述の正確性を確認し、できていない部分は再びインプットに戻って復習します。
法科大学院入試は基本問題と応用問題で構成され、特に基本問題に確実に答えることが合格の判断基準となります。
過去問演習を通じて、基本問題に対する確かな実力を身につけ、論述力を向上させることが合格への近道です。
【Q&A】法科大学院入試に関するよくある質問
最後に、法科大学院入試に関する数多い質問を紹介します。
法科大学院入試には受験資格がありますか?
はい、法科大学院入試には一定の受験資格が求められます。
通常、大学卒業または同等の学力が基本条件です。
法律の知識がゼロの方には未修者コースがあるため、出身学部は問われません。
また、大学に3年以上在籍し、優秀な成績を収めた者には「飛び級」の制度が適用されることもあります。
法科大学院入試の併願は可能ですか?
法科大学院の入試は、原則として他の法科大学院との併願が認められています。
ただし、各大学院の受験要件やスケジュールが異なるため、詳細な情報を確認し、適切な対応をすることが重要です。
複数の法科大学院を受験する際のポイントはありますか?
複数の法科大学院を受験する際には、それぞれの大学院の特徴やカリキュラム、選考方法を比較検討することが重要です。
特に既修者コースにおいては「試験範囲がどれだけ被っているか」もポイントになります。
試験範囲が被っているほど、各学校への試験対策がより効果的になり、学習の負担も軽減されます。
また、1次日程の試験直後に、国立大学の2次募集が行われる場合があります。
不合格の場合を考慮し、2次募集の出願時期を見逃さないようにしましょう。
志望校ごとに合格基準や入試の難易度が異なるため、戦略的に受験するための計画を立てることが重要です。
国立大学も併願できますか?
はい、国立大学の法科大学院も一般的に併願が認められています。
ただし、併願が禁止されていない学校に限ります。
国立大学では書類選考での足切りが強いため、いくつかの国立大学を併願して書類選考に通った大学を受験するケースが基本です。
複数の大学に書類選考で通った場合は、その中から1つ選び残りの大学は辞退しましょう。
併願の際は、それぞれの大学院に対する熱意や適応能力をアピールすることが重要です。
未修者コースと既習者コースの併願もできるのは本当?
はい、未修者コースと既修者コースを併願を認めている大学院もあります。
ただし、ごく一部の大学院のみため、基本的には併願は不可能です。
こちらに関しては、受験する大学院の募集要項をしっかり確認するようにしましょう。
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法科大学院入試の勉強時間についてのまとめ
法科大学院への合格を目指すためには、計画的な勉強が欠かせません。
入試の難易度や受験コースによっても異なりますが、1年ほど前からの対策が必要になるでしょう。
受験資格やスケジュールを確認し、早めのスタートが成功の鍵です。
未修者コースでは法学の基礎を確実に固め、既修者コースでは専門的な知識と研究経験が求められます。
入試に向けたスケジュールでは、基礎から応用までをカバーするステップを踏みながら、試験当日に向けた総復習を行いましょう。
複数の法科大学院の受験や併願も検討可能であり、志望校ごとに適切な戦略を練りながら臨むことが求められます。
最終的な目標は、法科大学院での学びを深め、将来の法曹界で活躍するための基盤を築くこと。
自身の能力を最大限に発揮するために、着実な準備と自己分析を行い、合格への道を歩んでいきましょう。
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