実務者研修の費用などを解説!費用を安くする方法を説明! 更新時間 2023.08.08
これから実務者研修を受講しようと考えている方は、少しでも費用を抑えたいと考えますよね。
「初心者から実務者研修を受講する場合の費用はいくら?」
「初任者研修を持っているけど安くなる?」
この記事では、このような悩みにしっかり答えながら、費用を安くする方法を解説したいと思います。
実務者研修を取得して介護業界に飛び込みたい方、介護職においてキャリアアップを目指している方は、この記事を読み進めてみてください。
介護福祉士実務者研修の費用について
介護福祉士実務者研修を受講する際の費用について、詳しく解説していきます。
実務者研修にかかる平均費用は?
介護福祉士実務者研修における費用は、個々の条件により異なります。
介護に関する資格を持たない方の場合、8万円~18万円ほどが一般的な価格帯です。
一方、既に介護資格を持っている場合は、修了した研修科目や受講時間によって料金に差が生じます。
例えば、「介護職員基礎研修」を修了していた場合、研修科目は医療的ケアの1科目だけで、受講時間はわずか50時間です。
同様に、初任者研修においては9科目で320時間と、それぞれ異なる科目数と受講時間が設定されています。
そして、介護資格を持たない方が実務者研修を受講する場合、研修科目は20科目に及び、450時間の受講が必要です。
実務者研修を受講する場合は、自身の状況に合わせて受講プランを検討し、必要な費用や時間を計算するようにしましょう。
教材費や試験料は?
介護福祉士実務者研修の場合、試験料はかかりません。
実務者研修には修了試験がなく、きちんと授業を受けてレポートを提出すれば、資格が得られるようになっています。
また、スクールによっては修了試験を設けているところもありますが、受講料に含まれていることが多いでしょう。
教材費に関しても、スクールにて受講する場合は、受講料に含まれているのが一般的です。
しかし一方で、ハローワークで受講する場合には、教材費は5,000円〜1万円ほどが別途必要になります。
実務者研修の費用を分割払いで支払う方法は?
各スクールでは、受講料を分割で支払える教育ローンなどを用意しています。
月々数千円から分割で支払うことができるので、経済的な負担を大きく軽減できるでしょう。
しかし、分割払いに対応していないスクールもまだまだあります。
一括払いが難しいときは、分割払いや提携ローンがあるスクールを選ぶようにしましょう。【保有資格別】実務者研修にかかる費用の詳細
実務者研修にかかる費用は、保有している資格によって異なることを説明しました。
ここからは、資格ごとの費用の詳細を解説していきます。
無資格の場合
無資格の状態から介護福祉士実務者研修を受講する場合、受講料は8万〜18万円ほどが目安です。
具体的な費用はスクールや研修機関によって異なりますが、初任者研修よりも高くなるのが一般的です。
初任者研修の資格保持者の場合
初任者研修の資格を持つ場合、実務者研修の受講費用が割引され優遇されることがあります。
受講するカリキュラムが免除されるので、費用は6万〜15万円ほどになるでしょう。
ホームヘルパー1級の資格保持者の場合
ホームヘルパー1級を持っている場合、450時間かかる授業が95時間まで免除されます。
そのため費用も安くなり、6万〜10万くらいが目安になります。
介護職員基礎研修を修了している場合
介護職員基礎研修を修了している場合も、実務者研修の費用に優遇措置が取られます。
基礎研修を経ていることで、研修プログラムの受講時間が450時間から50時間に軽減され、費用も大幅に削減されます。
受講料の目安は3万〜5万円ほどで、わずかな負担で実務者研修を習得できるでしょう。
そもそも実務者研修とは?
介護福祉士実務者研修は、介護の現場で実際に必要なスキルや知識を身につけるための資格です。
介護福祉士国家試験を受験する前に、この実務者研修を修了することが求められます。
では、介護福祉士実務者研修とは具体的にどんな資格なのでしょうか?
介護福祉士実務者研修ってどんな資格?
介護福祉士実務者研修は、介護の現場で必要な基本的なケアスキルやコミュニケーション能力を身につけるためのプログラムです。
「介護福祉士の登竜門」とも呼ばれており、国家資格である介護福祉士を目指す際には必須の資格となっています。
年齢や経験、学歴などの制限がなく誰でも受講でき、初任者研修を取らずに、初めから実務者研修を目指す方も少なくありません。
実務者研修を取得することで、一気に介護のプロに近づけるので、キャリアアップを目指すなら取得するべき資格と言えるでしょう。
介護福祉士国家試験に必須
介護福祉士実務者研修を受講することは、「介護福祉士国家試験」を受験するための前提条件です。
国家試験である介護福祉士になるために必要な資格となっており、実務者研修を経て初めて受験資格が与えられます。
介護福祉士を目指す人にとって、実務者研修は欠かせないステップとなっており、さらに3年以上の実務経験も必要不可欠です。介護職をスタートさせるのに実務者研修は必要?
介護職を希望する方にとって、実務者研修は非常に重要です。
この研修を受けることで、介護の実務経験を積み、基本的なスキルを習得できます。
さらに、介護福祉士国家試験への受験資格も得られるため、将来的にはより高度な介護職に進むことも可能です。
介護職のスタート資格として知られているのが「初任者研修」で、どちらを受講するか悩む人も多いでしょう。
しかし実務者研修の受講を決めているならば、最初から実務者研修にチャレンジした方が、時間も費用も無駄になりません。
介護職をスタートさせるためには、まず実務者研修を受講することを検討しましょう。
介護福祉士実務者研修の費用を安くする方法
実務者研修を受講するのに、数万円〜20万円近くの費用がかかることを説明しました。
大きな出費を伴うため、少しでも安く済ませたいと考えている人もいるでしょう。
ここでは、実務者研修の費用を安くする4つの方法について解説します。
自治体や国が助成してくれる制度や給付金
介護福祉士実務者研修の費用を抑える方法の一つは、自治体や国が提供する助成制度や給付金を活用することです。
例えば、厚生労働省にて実施されている雇用安定や就職促進を目的とした「教育訓練給付制度」もその一環です。
教育訓練給付制度では、職業訓練のレベルに応じた給付や支援が受けられます。
実務者研修や介護職員初任者研修においては、一定の条件を満たすと、受講費用の40%(上限20万円)が訓練修了後に支給される仕組みです。
そのほかにも、「ひとり親支援事業」では受講費用の60%が支給されるなど、各自治体によって条件や給付額が定められています。
多くの地域で、介護職に興味を持つ人々をサポートするために、教育費の一部を補助するプログラムが存在します。
これらの制度を利用することで、受講費用を大幅に軽減できるかもしれません。
ハローワークの職業訓練を利用する
ハローワーク(公共職業安定所)は、職業訓練プログラムを提供しており、介護福祉士実務者研修の受講コースもあります。
このプログラムに参加することで、一部の受講料をカバーしてもらうことが可能です。
ただし受講スケジュールが予め決まっており、定員もあります。
「急いで資格を取りたい」「自分の都合に合わせたスケジュールで学びたい」という人には向いていないでしょう。
また職業訓練のため、働いている人は受講対象になりません。
ハローワークの相談窓口で詳細を確認し、適格性を確かめましょう。
介護福祉士実務者研修受講資金貸付制度を利用する
一部の地域では、介護福祉士実務者研修のための受講資金貸付制度が提供されています。
授業料や実習費、教材費などの費用を、一時的に無利子で貸し付けてくれる制度です。
修了すると、一定の期間内に返済することが求められますが、変換が免除される制度も用意されています。
例えば東京や神奈川では、介護福祉士の国家試験に合格して指定の施設で2年間継続して働くと、返還が免除されるのです。
介護のプロとして、介護福祉士を目指す方に強くおすすめできる制度でしょう。
スクールの割引制度を利用する
一部の介護系スクールでは、学生や特定の条件を満たす受講生に割引制度を提供しています。
学生割引や早期受講割引、期間限定のキャンペーンなどが含まれます。
スクール選びの際には割引制度を確認し、自身に適したスクールを選ぶことで、費用を節約できるでしょう。
またスクールが提携する介護施設で就職した場合には、キャッシュバックを受けられるケースもあります。
受講したあとに就職・転職を考えている人に、強くおすすめできる方法です。
公的機関の実務者研修を受講するデメリット
実務者研修の費用を抑える方法について解説しましたが、多くの方は以下の2パターンを検討すると思います。
①ハローワークの職業訓練を利用する
②介護スクールに申し込む
国や自治体の支援制度を利用する場合、実は面倒な手続きや選考といったマイナス部分も少なくありません。
ここでは、公的機関で受講する4つのデメリットを解説します。
受講条件や資格などの制限がある
公的機関が提供する実務者研修には、受講条件や資格に関する制限が存在します。
例えば、特定の年齢制限や学歴要件が必要な場合があり、応募枠も決まっているのです。
講座の応募者が募集枠を上回る場合は、受講が難しくなることがあります。
さらに、受講を申し込んだあと、面接や筆記試験を受けなくてはなりません。
従って、受講を希望していても確実に受けられるわけではないのが、ハローワークで受講するデメリットといえます。
事前の相談や窓口での確認が必要
公的機関の実務者研修を受講する際には、事前に相談や窓口での確認が必要です。
手続きや条件に関する情報を正確に把握するために、時間と労力を割かなければならない点があります。
一方、スクールの申し込みはネットや電話で簡単に手続きができ、人数枠を超えてしまうこともほとんどありません。
手続きをスムーズに終わらせたい人、自分のタイミングで受講したい人は、制限が多いハローワークの制度は向いていないでしょう。
貸付金の返還免除で働く場所が規制される
公的機関からの貸付金を受けて実務者研修を修了した場合、返還免除の条件として一定の期間、特定の働き場所での就業が求められることがあります。
このため、自分の希望する場所での就業に制約が生じる可能性があることに留意が必要です。
急な引越しや家族の事情で働く場所を変えなくてはいけない場合、返還不要の恩恵を受けられなくなるでしょう。
必要書類を用意しなくてはならない
公的機関の実務者研修を受講するには、必要な書類を提出しなければなりません。
これには本人確認書類や収入証明書、職業訓練受講給付金要件申告書、住民票などが含まれます。
必要書類を整える手間がかかり、受講前に準備が必要です。
国や自治体の支援制度においては、厳しい制限や規則があり、忙しい方や今すぐ受講したい方には向いていないでしょう。
介護福祉士実務者研修の収入について
介護職をスタートさせるにあたって、収入がどのくらいか気になりますよね。
また実務者研修を受講すると、未経験と比較して収入が上がるかも気になるところです。
ここでは、実務者研修の収入について詳しく解説します。
実務者研修の平均年収は?
介護福祉士実務者研修修了者の平均年収は、地域や施設によって異なりますが、おおよそ300万円〜400万円程度と言われています。
厚生労働省が発表している平成30年度の「介護従事者処遇状況調査結果」では、288,060円【基本給(月額)+手当+一時金】とされていました。
給与は経験やスキルに応じて変動するため、一概には言えませんが、介護職の需要が高まっている現代では、比較的安定した収入が期待できる職種の一つです。
資格有り無しで給与はどのくらい変わる?
介護福祉士実務者研修修了者と無資格者との給与には差があります。
厚生労働省の調査では、無資格の方と比較すると平均給与額で約27,000円の差がありました。
資格を持っている場合、その専門知識やスキルを活かして働くことができるため、通常は資格を持っている方が高い給与を得る傾向があります。
ただし、経験や勤務先によっても給与に違いが生じることがあるため、個別の条件によって変動するので注意しましょう。
初任者研修との収入差はどれくらい?
介護福祉士実務者研修修了者と初任者研修修了者では、約1万円の差があると言われています。
年間で12万円、さらに賞与額も変わってくるため収入差は非常に大きく、実務者研修を取得するメリットは一目瞭然です。
実務者研修ではより幅広いスキルと知識を身につけるため、その分給与面でも優遇されるケースが多いでしょう。
介護福祉士実務者研修の費用に関する注意点
介護福祉士実務者研修を受講するにあたっては、以下の3つに注意するようにしましょう。
①スクールは費用の安さだけで選ばない
②介護に向いているかを見極めてから受講する
③働きながら受講するならスクール選びが重要
では、それぞれ詳しく解説します。
スクールは費用の安さだけで選ばない
実務者研修を受講する際に、スクール選びにおいては費用だけを基準にすることは避けましょう。
安価なスクールであっても、質の低い教育や充実したサポート体制が提供されない可能性があります。
また費用が高いスクールは、振替授業が無料だったり就職サポートがあったりと、プラスアルファのサービスがつくことも多いです。
受講料だけでなく、教育内容や評判、合格率などを総合的に考慮し、最適なスクールを選ぶことが重要です。
介護に向いているかを見極めてから受講する
介護福祉士実務者研修は、介護職に従事するためのスキルを高めるものです。
受講前に自身が介護に向いているかどうかを見極めることが大切です。
介護業界はやりがいのある仕事ですが、同時に身体的・精神的な負担も伴うことがあるため、自己評価と向き合い、適切な判断をしましょう。
働きながら受講するならスクール選びが重要
働きながら実務者研修を受講する場合、スクール選びが一層重要です。
受講スケジュールや時間帯、オンライン講座の有無など、自身の働きながらのスケジュールに合わせて受講できるスクールを選びましょう。
柔軟なカリキュラムを提供するスクールは、忙しい生活との調和が図りやすくなります。