実務者研修を受けるにはどうしたらいい?無資格からでも取得できる方法を紹介! 更新時間 2023.11.10
介護福祉士実務者研修は、広範な利用者への介護提供スキルと医療的ケアの知識を高めるための重要なステップです。
介護福祉士の受験資格を得られるだけでなく、サービス提供責任者としての資格要件となるため、介護職のプロフェッショナルになるために欠かせません。
今回は、介護福祉士実務者研修の概要や受講にかかる費用、さらには無資格から取得できる方法について分かりやすく解説していきます。
介護の現場でより深い専門性を身につけ、キャリアを築くために、ぜひ受講を検討してみましょう。
実務者研修は未経験でも受けられる?
結論からいうと、無資格・未経験でも実務者研修を受講することができます。
実務者研修は介護経験がない方はもちろん、学歴や年齢を問わず、誰でも受講できる資格です。
実務者研修は無資格でも受講できる
介護福祉士実務者研修は、未経験者でも受講が可能です。
厚生労働省が示しているキャリアアップのルート上では、初任者研修の上位資格と位置付けられていますが、初任者研修を修了していない方でも受講が認められています。
受講料は10〜15万円が一般的
実務者研修を受講する際の一般的な受講料は、10万〜15万円程度です。
ただし、他の介護資格を持っているのであれば、研修時間や受講費用を抑えて取得することができます。
スクールによっては、支払いの分割や助成金制度が用意されている場合もありますので、確認してみると良いでしょう。
実務者研修は無資格だと6ヶ月以上かかる
無資格から実務者研修を受講する場合、通常は6ヶ月以上の期間を要します。
働きながら受講する場合には、無理なく継続できるスケジュールを立てましょう。
スクールを選ぶ際には、振替制度があるか、通学しやすい場所かなどを考慮して選択することが大切です。
介護職の資格についてもっと幅広く知りたいという方は 「介護職のおすすめ資格は?種類や受講費用、期間などをご紹介」もチェックしてみてくださいね。
実務者研修の難易度は?未経験でも大丈夫?
介護未経験から実務者研修にチャレンジする場合、その難易度や合格率が気になる人もいるでしょう。
ここでは、実務者研修の合格率やカリキュラム、修了試験について解説します。
実務者研修の合格率
実務者研修は、質の高い介護支援ができるようになる資格であり、無資格や未経験からでも問題なく修了できる資格の一つです。
学習内容は医療的ケアなど専門的な部分も含まれますが、講義と演習をしっかり受講し理解すれば、どなたでも取得可能です。
授業内容をしっかり理解できていれば、ほぼ100%に近い確率で合格できるでしょう。
実務者研修のカリキュラム
実務者研修の授業は通学(スクーリング)と通信で受講することが一般的で、450時間の学習が必要です。
初任者研修を修了している場合は130時間分が免除され、旧ホームヘルパー1級や介護職員基礎研修を持っている場合も一部の科目が免除となります。
これにより、比較的短期間で実務者研修を修了させることが可能です。
以下に、カリキュラムの内容と受講時間をまとめました。
領域 | 科目名 | 時間数 |
---|---|---|
人間と社会 | 人間の尊厳と自立 | 5時間 |
社会の理解Ⅰ | 5時間 | |
社会の理解Ⅱ | 30時間 | |
介護 | 介護の基本Ⅰ | 10時間 |
介護の基本Ⅱ | 20時間 | |
コミュニケーション技術 | 20時間 | |
生活支援技術Ⅰ | 20時間 | |
生活支援技術Ⅱ | 30時間 | |
介護過程Ⅰ | 20時間 | |
介護過程Ⅱ | 25時間 | |
介護過程Ⅲ | 45時間 | |
こころとからだのしくみ | 発達と老化の理解Ⅰ | 10時間 |
発達と老化の理解Ⅱ | 20時間 | |
認知症の理解Ⅰ | 10時間 | |
認知症の理解Ⅱ | 20時間 | |
障害の理解Ⅰ | 10時間 | |
障害の理解Ⅱ | 20時間 | |
こころとからだのしくみⅠ | 20時間 | |
こころとからだのしくみⅡ | 60時間 | |
医療的ケア | 医療的ケア | 50時間 |
合計 | 450時間 |
※上記に加え、医療的ケアの演習(スクーリング)が必要です。
実務者研修には修了試験がない?
実務者研修には、初任者研修のような試験の実施義務はありません。
ただし、一部のスクールでは学習内容の確認を目的とした試験を実施していることがあります。
目標を持って取り組むことで難易度は高くなく、自分のペースで学ぶことができます。
初任者研修についてもっと知りたい方は 「初任者研修のカリキュラムは?通信と通学の違いを徹底解説」を参考にしてみてください!
実務者研修と初任者研修はどちらを取るべき?
実務者研修は、初任者研修の上位資格として位置付けられています。
そのため、介護未経験や無資格の方は、どちらの資格にチャレンジすべきか悩む方も多いでしょう。
どちらの資格を選ぶかは、あなたの状況や経験によって異なってきます。
実務者研修と初任者研修の違い
どちらの資格を取得するか決める際には、実務者研修と初任者研修の違いを知ることから始めましょう。
初任者研修は介護の初心者向けであり、基本的な介護スキルや知識を身につけることが焦点となっています。
一方で実務者研修は、初任者研修を修了していない人でも受講可能で、より高度な介護スキルや知識を習得できるプログラムです。
この違いを踏まえた上で、自分自身がどちらの資格から取得すべきかを考えてみましょう。
初任者研修を取得すべき人
実務者研修は、介護関連の資格がない人や介護業界未経験の人でも受講可能です。
ただし、内容は初心者向けではなく、難易度が高いため充分な理解が必要になります。
実務経験がない、もしくは浅い場合は、初任者研修を受講して基本的なスキルを身につけることを検討すると良いでしょう。
実務者研修を取得すべき人
介護の実務経験がある方は、介護に関する基礎知識やスキルも備わっていると考えられます。
その場合は、わざわざ初心者向けの初任者研修を取得する必要はありません。
すでに3年以上の介護経験があれば、介護福祉士の受験要件も満たしています。
介護福祉士国家試験を最短で受験したい場合は、実務者研修からスタートすることを検討してください。
実務者研修の取得方法
実務者研修の資格を取得する方法について、2つのパターンをご紹介します。
通信コース(通信+スクーリング)
通信コースでは、テキストでの学習とパソコンなどを用いたweb学習が提供されています。
自身のライフスタイルに合わせて学習時間を調整できるので、働きながら資格取得を目指している方におすすめです。
未経験者は「介護過程Ⅲ」と「医療的ケア・演習」の科目を1週間通学して受講し、それ以外は自宅で学習します。
通学コース
通学コースでは、全てのカリキュラムをスクールで受講します。
通信コースと異なり、費用が高くなる可能性があるため、申し込む前に比較して検討するようにしましょう。
実務者研修を取得するメリット
450時間のカリキュラムを受講するのは、容易ではありません。
働きながら資格取得を目指すのであれば、プライベートの時間や睡眠を削ったりする必要もあるでしょう。
大変な思いをして資格取得を目指すのには、どんなメリットがあるのでしょうか?
サービス提供責任者になれる
介護福祉士実務者研修を修了すると、訪問介護事業所でのサービス提供責任者になる資格が得られます。
これは組織内でのリーダーシップを発揮し、重要な意思決定に関与する責任者ポジションへのステップアップです。
資格手当による収入アップが見込める
介護福祉士実務者研修を取得することで、資格手当が支給されるケースがあります。
また、より好条件の求人へ応募することができるため、働く環境を自分で選べるのもメリットの1つです。
スキルアップして介護福祉士になれば、さらに高収入が得られるでしょう。
介護福祉士国家試験の受験資格が得られる
実務者研修修了者は、介護福祉士国家試験の受験資格を得ることができます。
介護福祉士は、数ある介護資格の中でも、唯一の国家資格です。
介護職でキャリアアップを検討する方は、ぜひ取得しておきたい資格といえるでしょう。
ただし、実務者研修を修了しただけでは受験できず、3年以上の実務経験が必須になります。
医療的ケアが行える
実務者研修では、たん吸引や経管栄養の基礎知識といった、医療的ケアにも触れる学習が含まれています。
医療的ケアのニーズは多いため、介護職としての業務の幅が広がるでしょう。
他にも役立つ資格が多くあり「介護資格の種類はどのくらいあるの?スキルアップに取るべき資格を徹底解説!」から詳しく見ることができます。参考にしてみてくださいね。
実務者研修を受講して介護職でキャリアアップしよう!
介護福祉士実務者研修について、無資格・未経験者でも取得可能なことについて解説しました。
これから介護職でキャリアを積んでいきたいと考えている方は、ぜひ実務者研修の受講を検討してみてください。
ただし、介護の基礎からしっかり学びたいのであれば、初任者研修からスタートするのがおすすめです。
介護福祉士を目指す場合でも、ご自身の経験や状況に合ったステップ方法を選びましょう。
介護職は社会的に求められる仕事であり、実務者研修を経て資格を取得することで、より高度な介護業務に従事できます。
自らの成長とともに、利用者様へのサポートがより質の高いものとなり、充実感を得ることができるでしょう。
是非、実務者研修を通して介護職でのキャリアアップを目指してみてください!