介護資格を取るなら順番に注意!資格取得までの流れと受験方法を解説! 更新時間 2023.08.25
高齢化が進む日本において、介護サービスの需要が益々増しています。
介護の仕事は長く続けられる「安定した職業」と認識している方も多いでしょう。
しかし、未資格のままでは業務に限りがあるため、職務の幅を広げるための資格取得が欠かせません。
介護の資格は何種類もあり、受験するのに決められた期間の実務経験が必要な資格もあります。
「介護福祉士」や「ケアマネージャー」は未経験でチャレンジできないため、段階的に資格を獲得していく方法がおすすめです。
本記事では、どのような順番で資格を取ると効率的か、資格取得までの流れと受験方法について詳しく解説します。
介護初心者の方は時間を無駄にしないよう、効率的に資格取得を目指しましょう。
![](https://www.tsuushinsei.net/file/upload/1693904905_166991669664f6f009d6e3c.jpg)
まず介護の資格は必要ある?
結論からお伝えすると、介護福祉士の資格取得は必要です。
介護福祉士の資格は介護業界で働く際に大切な資格になります。
介護福祉士の資格を取得すると、介護の基本的な知識や技術を覚えることが出来ます。
利用者様への適切な介護をするためのスキルが習得できるようになるため、より質の高いケアを提供できるはずでしょう。
また介護福祉士を保有していると、オムツ交換や介助方法などがわからない無資格の方からアドバイスを求められることが多くなり、職場の人間を支えられる存在になります。
1つの現場だけでなく、人手が足りない施設にも勤務するようになり、欠けてはいけない人材となります。
介護福祉士は資格を持っているだけで、自分の価値を底上げしてくれるでしょう。
介護福祉士の資格を持っていると、無資格よりも市場価値が高くなり、転職や就職活動で大きなアドバンテージとなります。
介護のプロフェッショナルであることを企業側にアピールできるため、給与面で優遇されやすく無資格の方たちよりも好待遇です。
介護福祉士の資格は介護技術の向上だけでなく、キャリアアップをしたい方にとって、意味のあるものだと思います。
他にも役立つ資格が多くあり「介護資格の種類はどのくらいあるの?スキルアップに取るべき資格を徹底解説!」から詳しく見ることができます。参考にしてみてくださいね。
介護資格で働くことが可能な職場とは?
介護職の資格を持つと、どんな職場で働けるのか気になる方も多いと思います。
これから、資格を持つことでどんな職場で働けるのか説明していきます。
介護福祉士養成施設の教員
介護福祉養成施設とは、言葉の通り介護福祉士を育てる学校のことです。
介護福祉養成施設は大学や短期大学、専門学校など合計で480校以上あります。
専任教員として施設で働くには、介護社会福祉士及び介護福祉法「介護福祉士の養成施設の指定基準」に定められている、以下の要件を突破しなければいけません。
介護福祉の資格を持っているのであれば、5年以上の実務経験を経て介護福祉士養成施設の教員を目指すことが出来ます。
福祉系高校の教員
福祉系高校は、文部科学大臣または厚生労働大臣から指定された、介護福祉養成教育を実施する高等学校のことです。
教員になるためには、教える課目によって異なる条件を満たさないといけません。
文部科学省が提示している「福祉系高等学校等の教員要件」から教員になるための要件があるので是非調べてみてください。
介護業界の平均年収
介護業界でお仕事を探す際、年収について気になる方は多いと思います。
ここでは、介護業界の年収について詳しく説明していきます。
介護職の平均給料
最初にお伝えすると、介護職の年収は約363万円です。
平均月収に換算すると約26万円、平均ボーナスは約53万円になります。
全産業の平均年収と比較しても給与水準は高いとは言えませんが、国が介護現場の従事者を増やす施策として処遇の改善に努めているため、年々給与相場も変わりつつあり、前向きに改善されていっています。
十分な成果が表れているとは断言できませんが、今後の国の政策の方針によって、平均給料が跳ね上がる可能性もあるのでこれからの注目を浴びている業界です。
介護職に就職した場合、平均的な手取り額(月給から所得税や住民税、社会保険料、労働保険料などを控除した後の金額)は、およそ18万円〜20万円ほどだと思っておいてください。
手取りの金額は、月給の7割〜8割程度の額になる計算です。
性別ごとの介護職の平均年収・平均月収・ボーナス
介護職の給料・ボーナスは性別によって異なります。
それでは、詳しく見ていきましょう。
女性の場合
女性の平均給与は24.9万円で、平均ボーナスは約50万円です。
力仕事が少ない分、女性の平均給与は男性に比べて少ない傾向にあります。
ですが、事務関係のお仕事が多く、転職の際、介護職以外のお仕事に就職しやすいといったメリットもございます。
男性の場合
介護職で男性の平均給与は27.4万円で、平均ボーナスは約62万円です。
女性に比べると、給与額は比較的高い傾向にあります。
しかし、給与が高いほど力仕事などの肉体労働を求められるようになるので、収入だけで介護職に入る方は注意が必要です。
男性と女性とでは業務内容が変わる
給与に差が出てしまう理由としては、体力的な部分やそれぞれの業務内容に適正の違いがあるためだと予想されます。
ですが、男女別で給料にこそ差はありますが、それぞれ違う魅力がありますので就職に悩んでいる方のご参考にいただければと思います。
介護資格の選び方
上記より、介護の資格は必要だと理解していただけたと思います。
しかし、資格の選び方についてまだまだ分からないことばかりかと思います。
取りたい資格を選ぶ基準として大きく2つご紹介したいと思います。
それでは詳しく見ていきましょう。
自分の生活状況や目標に合わせて選ぶ
介護資格は、個人の生活状況や将来の目標に応じて選択することを求められます。
介護の専門的な職務に従事したいと考える方の場合は、介護福祉士の資格取得を検討することが最適解です。
介護福祉士資格は、より幅広い技術や知識を学べ、高い報酬も見込めるメリットがあります。
また、この資格を目指す方は、最初に介護職員初任者研修の受講が必須です。
自身のライフスタイルや将来の展望を考えながら、適切な資格選びをすることが重要になります。
その選択が将来の自己実現につながり、介護分野でのスキルアップ・キャリア形成における重要なステップを踏んでいくでしょう。
将来的なスキルアップを見据えていく
介護業界の重要性が高まっている今、介護士としてスキルアップは必要不可欠です。
そのため、キャリアアップや安定したお仕事を目指す方には、さまざまな資格取得をおすすめしています。
介護福祉士、介護職員初任者研修、介護支援専門員などの資格は、業界で必要としているため、高いレベルの知識と技能の習得することができます。
資格を取得するメリットの一つとして、自分自身の専門性の向上に伴い、利用者との良好な信頼関係も深まるでしょう。
将来のキャリア形成を本気で考えているのであれば、必要な資格を取得し、一段と高いスキル学ぶことが必要です。
介護資格を取得するステップと適切な順番
介護資格と言って思い浮かぶのは、主に以下の5種類ではないでしょうか?
①介護職員初任者研修
②実務者研修
③介護福祉士
④認定介護福祉士
⑤ケアマネージャー
結論から言うと、これらの資格を取得する順番は決まっていません。
例えば、「介護職員初任者研修」と「実務者研修」については、どちらから取得してもいい訳です。
しかし一方で、「介護福祉士」や「ケアマネジャー」に関しては、取得には特定の資格や経験が必要とされます。
言い換えれば、資格取得の順番を問わないケースもあり、どちらから先に取っても問題ないのです。
ただし、効率的かつ確実に取得したい場合は、適切な順番があります。
本章では、介護資格の理想的なステップを詳しく解説していきましょう。
介護資格の基本的なステップと取得のメリット
介護士としてのステップアップは、以下の順番で取得するのがおすすめです。
STEP1. 介護職員初任者研修
STEP2. 実務者研修
STEP3. 介護福祉士
STEP4. 認定介護福祉士
STEP5. ケアマネージャー
先述した通り、介護職員初任者研修と実務者研修に関しては受験資格が入りません。
最初のステップとして、どちらも最適な資格といえるでしょう。
介護福祉士は介護職で唯一の「国家資格」であり、実務者研修課程の修了と3年以上の実務経験が必要です。
認定介護福祉士は2015年からスタートした資格で、より質の高い介護実践や介護サービスマネジメント、医療機関との連携、地域包括ケア等に対応するための知識を習得します。
認定介護福祉士になるには、介護福祉士として5年以上の実務経験が必要です。
ケアマネージャーは「介護支援専門員」とも呼ばれ、介護者のケアプランを立てたり家族の相談役として活躍できる職種です。
ケアマネになるには、介護福祉士を取得してから最短5年の実務経験が必要で、未経験の場合は最短で8年が必要といわれています。
初めに受けるべき「介護職員初任者研修」とは
「介護職員初任者研修」とは、介護のスタート地点とされる資格です。
この資格を取得するには、所定の研修カリキュラム修了後、試験に合格する必要があります。
初任者研修を受講することで、身体介護(食事や入浴、トイレの介助など、身体に触れる介護)を実行できる能力を身につけることができます。
転職を検討している人に強くおすすめできる資格で、未経験であっても多くの求人に応募することができるでしょう。
企業側も、即戦力として頼りにできる初任者研修の保持者を積極的に募集しています。
資格取得には特別な条件はなく、毎年たくさんの介護未経験者がチャレンジしている登竜門的な研修です。
ステップアップに向けた「実務者研修」
実務者研修は、「介護職員初任者研修」の上位資格として位置づけられます。
以前の「ホームヘルパー1級」が、制度改定によってこの資格に統合されました。
実務者研修の資格を取得するための手続きは、各都道府県が指定した養成機関が提供する講座やスクールに参加することです。
無資格の場合、全450時間のカリキュラムが用意されています。
ただし、介護職員初任者研修を修了している場合、130時間が免除され、受講時間は320時間と短縮されます。
修了試験は必須ではなく、スクールによっては試験がないことも少なくありません。
受験資格は特になく、介護の経験がない人でも受講可能です。
ただし、一部のスクールでは、介護職員初任者研修の資格取得が受講条件として設けられていることもあるため注意が必要です。
![](https://www.tsuushinsei.net/file/upload/1693904905_166991669664f6f009d6e3c.jpg)
![](/file/upload/1698722783_921861570654073df6b425.jpg)
資格取得までのスムーズな流れとポイント
介護の分野で資格を取得するには、適切な流れと注意すべきポイントを理解することが大切です。
以下では、資格取得へのスムーズな道筋とポイントについて詳しく説明します。
適切な順番でステップアップを目指す
資格を取得する際には、適切な順番を守ることが重要です。
一般的な流れとしては、「介護職員初任者研修」からスタートし、その後「介護福祉士実務者研修」へ進むことが推奨されています。
このようなステップを踏むことで、基礎から専門性を高めていくことが可能です。
しかし実務経験がある場合は、この限りではありません。
介護現場で活躍している人は、初任者研修をとばし実務者研修にチャレンジすると、学習時間や費用を大幅に短縮できます。
ただし、「学習に自信がない」「試験が苦手」という場合は、初心者向けである初任者研修から着手する方が確実に合格できるでしょう。
介護資格を取得する順番のポイント
これから介護業界にチャレンジする場合には、順番のポイントを把握した上で資格取得を目指すとスムーズです。
まず、「介護職員初任者研修」を受講し、基本的な介護知識と技術を習得します。
次に、実際の介護施設で経験を積みながらスキルを高めていきましょう。
その後、「実務者研修」に進んでさらなる知識と経験を得てください。
そして、介護士として3年以上の経験を積んだら、「介護福祉士」の国家試験に挑戦する資格が得られます。
最終的には、「認定介護福祉士」や「ケアマネジャー」の資格取得により、幅広い介護現場を経験できるようになります。
このような手順に従って介護の資格を取得することで、ステップバイステップでキャリアを築くことができます。
介護の分野でのスキルアップやキャリアアップを目指す方にとって、適切な順序で資格取得を進めることが大切です。
介護職の資格についてもっと幅広く知りたいという方は 「介護職のおすすめ資格は?種類や受講費用、期間などをご紹介」もチェックしてみてくださいね。
介護職のキャリアアップと資格取得の必要性
介護職としてキャリアアップしていくには、資格取得が欠かせません。
ここでは、資格取得の重要性やメリットについて解説していきます。
1. 資格取得の重要性とキャリアへの影響
介護職において資格取得は、キャリア形成において重要な一歩です。
資格を持つことで、専門知識や技術を習得し、職務の質を向上させることができます。
また、資格取得は自己成長を示す証でもあり、求人市場でも優位に立つ要因となるでしょう。
キャリアへの影響は大きく、さまざまな選択肢を持つための基盤を築くことができます。
2. 資格取得によるスキル向上と職務の幅拡大
資格取得は、介護職のスキル向上と職務の幅拡大に繋がります。
資格取得には専門的な知識や技術を学ぶ機会が含まれており、これにより高度な業務にも挑戦できるようになるからです。
スキルが向上すれば、利用者へのサービスの質を向上させることができ、職務内容が多様化する介護現場において大いに活躍できるでしょう。
ステップアップに伴い現場のリーダー的な役割を担ったり、利用者やその家族からも頼りにされたりと、職場で欠かせない存在になれます。
3. 資格保持者の雇用安定性と給与アップの可能性
介護の分野では、資格を持つことが雇用の安定性を高める要因となります。
資格保持者は専門的な能力を持っており、現場で頼りにされる存在です。
また資格取得により、給与アップの可能性も広がります。
資格保持者には、その専門性に応じて報酬が設定されることがあり、収入の向上が期待できるでしょう。
介護職のキャリアアップを考える際には、資格取得の重要性を理解し、自己成長とステップアップを目指すことが大切です。
以下は、資格手当の目安になります。
資格の種類 | 資格手当額 |
---|---|
介護職員初任者研修 | 2千円~5千円 |
実務者研修 | 3千円~1万円 |
介護福祉士 | 1万円~1万5千円 |
ケアマネージャー | 〜2万円 |
支払われる資格手当は、事業所ごとに異なります。
これから資格取得にチャレンジする場合は、手当がどのくらいもらえるのか確認しておくと、モチベーションを維持しやすくなるでしょう。
介護資格の受験方法と試験の特徴
介護の資格試験は、自身の専門性を証明しキャリアアップの役割を果たす重要なステップです。
試験の受験方法と特徴を把握し、効果的な対策を講じることで、合格への道を着実に歩んでいくことができます。
1. 受験資格や申込み方法の確認
介護資格試験を受験するには、試験の受験資格や申込み方法を事前に確認することが大切です。
それぞれの資格によって異なる条件が設定されているため、自身の状況と試験の要件を照らし合わせて確認しましょう。
また、申込み期間や方法も異なる場合がありますので、事前にスケジュールを立てることも重要です。
試験日程を逃さないためにも、下調べをした上で準備を進めましょう。
2. 試験内容と出題傾向の把握
試験の内容や出題傾向を把握することは、合格への近道です。
過去の試験問題を解くことで、出題範囲や問題の難易度を把握しましょう。
また試験の傾向を理解することで、どのような知識やスキルが求められるのかを把握し対策を立てる指針として活用しましょう。
3. 過去問題の活用と効果的な対策
過去問題は、試験対策において貴重な情報源です。
過去の問題を解くことで、自身の実力を測定し、不足している分野を特定することができます。
また、過去問題を通じて出題傾向や問題の傾向を理解し、効果的な対策を練る手助けになります。
過去問題を多く解くことで、試験当日に自信を持って臨むことができるでしょう。
介護資格試験の受験方法と特徴を理解し、準備を進めることで、合格への道を確実に進んでいくことが可能です。
正しい情報の下で効果的な対策を行い、目標を達成する一歩として取り組みましょう。
介護資格の受験当日の準備と成功へのコツ
資格によっては、年に数回しか試験が行われないものもあります。
例えば、介護福祉士の国家試験は年に1回です。
本章では、確実に合格するためのコツや準備について解説してきます。
落ち着いた状態を保つための心構え
受験当日は緊張がつきものですが、冷静な判断と集中力を保つために心構えが重要です。
前日から良い睡眠を確保し、朝はゆっくりと時間をかけて準備を進めましょう。
また、受験会場までにかかる時間を確認し、交通機関などを調べておくことも忘れてはいけません。
当日は余裕を持ったスケジュールを立て、急ぎ過ぎないように心がけましょう。
事前に準備しておくべきアイテムと注意点
受験当日に必要なアイテムや注意点を事前に確認しておくことも大切です。
受験票や身分証明書などの必要な書類を忘れずに持参し、試験会場のルールや持ち物の制限を確認しておきましょう。
また、食事や水分補給も適切に行い、体調を整えることが受験当日の成功に繋がります。
試験時間の使い方と確認作業の重要性
試験時間を有効に活用するために、問題ごとに割り振るべき時間を事前に計画しておきましょう。
問題を解く際には、時間内で解ける範囲をしっかりと把握し、必要な問題に集中することが大切です。
また、試験終了前には解答を再確認することも忘れずに行いましょう。
手早く確認を行い、誤答や未回答がないかを確認することが成功への一歩です。
受験当日の準備と成功へのコツは、落ち着いた心構え、必要なアイテムの準備、試験時間の使い方と確認作業に集約されます。
計画的な準備と冷静な対応を心がけ、受験当日を成功に導きましょう。
介護資格を取得する効率的な順番を知っておこう!
介護現場において最も大切なのは、直接の介護知識と技術です。
法律知識も重要ですが、介護士としてステップアップするには、利用者への質の高い介護と信頼関係が欠かせません。
これらを習得するには、先述した資格取得のルートが有効でしょう。
初心者が介護業界に足を踏み入れる際には、まず介護職員初任者研修を受講し、基本的な知識や技術を学ぶのがベストです。
その後は実務で活用されるスキルを磨き、実務者研修を修了して、介護福祉士の国家試験に挑戦しましょう。
介護の質向上と信頼築きは、これらのステップを踏むことで着実に実現できます。
今回ご紹介した流れと順番を参考に、効率的に短期間でステップアップできるよう資格取得に挑戦してみてください。
初任者研修についてもっと知りたい方は 「初任者研修のカリキュラムは?通信と通学の違いを徹底解説」を参考にしてみてください!
![](https://www.tsuushinsei.net/file/upload/1693904905_166991669664f6f009d6e3c.jpg)
![](/file/upload/1698722783_921861570654073df6b425.jpg)