介護福祉士の年収はいくら?平均年収や給与アップするための方法をご紹介! 更新時間 2023.11.10
介護福祉士の年収について気になる方も多いことでしょう。
介護職は将来的な需要が拡大しており、その中で給与面も注目されています。
本記事では、資格別や職場別に分けて、介護福祉士の平均年収に関する情報を詳しくご紹介します。
また、既に介護職に従事している方にも役立つ、年収アップの方法についても解説していますので、給与アップを望んでいる方は参考にしてください。
将来に備えた賢いキャリア戦略や給与アップのヒントが満載です。
介護福祉士の平均年収の実態
介護福祉士の仕事は社会に貢献する一方で、その年収について知っておくことも重要です。
では、最新の統計データや調査結果を基に、介護福祉士の平均年収を詳しく解説します。
介護福祉士の平均年収は約398万円
厚生労働省が発表したデータによれば、介護福祉士の平均年収はおおよそ398万円です。
もちろん、経験や年齢によっても大きく異なりますが、令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果によると、以下のような結果になりました。
この数字は、手当や一時金を含んだ金額で、正社員として雇用されている方が対象です。
ただし、働いている地域や事業所の種類など、具体的な条件によって変動しますので、あくまでも参考程度にご覧ください。
無資格者と有資格者との年収比較
介護福祉士には資格が必要ですが、その有無で年収に違いが現れます。
同じく、「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」を参考に、保有資格別の平均給与を算出しました。
平均給与額(月収) | 平均給与額(年収) | |
介護支援専門員 | 376,770円 | 4,521,240円 |
社会福祉士 | 350,120円 | 4,201,440円 |
介護福祉士 | 331,080円 | 3,972,960円 |
実務者研修 | 302,430円 | 3,629,160円 |
初任者研修 | 300,240円 | 3,602,880円 |
保有資格なし | 268,680円 | 3,224,160円 |
有資格者は無資格者よりも平均年収が高くなる傾向があり、無資格者と介護福祉士とでは年間で約75万円も差が生じることが分かります。
資格取得によって、職場での評価やスキルアップにもつながるので、資格取得によるメリットは明らかです。
介護福祉士の勤務先ごとの平均年収
介護福祉士の年収は、勤務先によっても異なります。
施設 | 平均年収 |
---|---|
介護老人福祉施設 | 4,330,080円 |
介護老人保健施設 | 4,198,200円 |
介護医療院 | 3,986,760円 |
特定施設入居者生活介護事業所 | 3,967,800円 |
訪問介護事業所 | 3,881,640円 |
通所リハビリテーション事業所 | 3,761,160円 |
認知症対応型共同生活介護事業所 | 3,650,280円 |
小規模多機能型居宅介護事業所 | 3,639,240円 |
介護療養型医療施設 | 3,483,720円 |
通所介護事業所 | 3,481,440円 |
施設の中でも、平均年収が400万円を超えているのは「介護老人福祉施設」と「介護老人保健施設」です。
介護老人福祉施設は「特別養護老人ホーム」とも呼ばれ、寝たきりや認知症などで、常に介護が必要で自宅での生活が難しい方のための施設です。
「要介護3以上」の認定を受けた方が主に入所しており、24時間介護が受けられる施設となっています。
一方、介護老人保健施設(老健)は、リハビリや医療ケアが充実した介護保険施設の一つです。
主に長期入院をしていた方が、退院して自宅に戻るまでの間に利用されることの多く、医師や理学療法士のサポートが受けられます。
それぞれの勤務先における平均年収を比較検討し、自身のキャリアプランに合った職場を選ぶことが重要です。
他にも役立つ資格が多くあり「介護資格の種類はどのくらいあるの?スキルアップに取るべき資格を徹底解説!」から詳しく見ることができます。参考にしてみてくださいね。
介護福祉士の年収は増える傾向にある?
介護職員の不足は社会的な問題となっており、収入の少なさが退職の一因として挙げられています。
この問題に対処するため、政府は「介護職員処遇改善加算」という施策を導入し、介護職員の待遇向上に取り組んでいます。
介護職員処遇改善加算について
2009年に導入された「介護職員処遇改善加算」は、介護職員の賃金改善を促進するための施策です。
介護職員が働きやすい環境やキャリアアップの機会が整備され、給与の向上が期待される制度となっています。
さらに、2019年10月から介護離職ゼロの対策として、新たに「特定処遇改善加算制度」が新設されました。
勤続10年以上の介護福祉士の給与が8万円アップ?
特定処遇改善加算において、「勤続10年以上の介護福祉士に対しては、賃金が月に8万円以上アップされる」という好条件が設けられています。
この規定はあくまでの基本であり、勤続10年以上は必須ではありません。
勤続年数が満たない場合でも、経験や技能が評価されれば、特定処遇改善加算の対象になります。
この制度によって、キャリアを重ねたベテランの介護福祉士がより高い給与を得ることが可能となり、専門性の高いスキルを持つ者がより価値ある存在となりました。
介護職の資格についてもっと幅広く知りたいという方は 「介護職のおすすめ資格は?種類や受講費用、期間などをご紹介」もチェックしてみてくださいね。
地域差に注意!都市部と地方の給与比較
都市部と地方での介護職の給与の違いを知り、最適な働き方や場所の選び方を考えましょう。
介護職の年収が高い都道府県ランキング
介護職の年収には地域差があり、都道府県ごとに給与水準が異なります。
以下は、介護福祉士ではなく、介護職全般を対象にした「年収が高い都道府県ベスト3」です。
- 愛知県: 約457.5万円
- 神奈川県: 約397.8万円
- 東京都: 約388.2万円
1位は関東圏ではなく、愛知県でした。
平均年収は457万円と、2位の神奈川県に60万円も差をつけています。
介護職の年収が低い都道府県ランキング
一方で、介護職の年収が低い都道府県も存在します。
地域による差異を考慮して、給与水準を比較検討することが重要です。
- 青森県: 約285.4万円
- 宮崎県: 約296.5万円
- 沖縄県: 約299.4万円
東北や九州地方の年収は低めの結果でした。
引越しや転職を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。
キャリアアップで給与アップ!
介護福祉士としてのキャリアアップが給与向上につながる、具体的な例や方法を紹介します。
管理職や責任者を目指す
介護福祉士として活躍しながら、さらなる年収アップを狙うのであれば、上位資格を取得するのも有効な手段です。
リーダーシップや組織管理のスキルを高め、職場での貢献度を向上させることで、昇進による給与の向上が期待できます。
介護福祉士の上位資格には、認定介護福祉士や介護支援専門員(ケアマネジャー)が該当します。
認定介護福祉士を目指す場合は、介護福祉士として5年以上の実務に加え、また少なくとも8年以上の介護経験が求められます。
またケアマネになるには、「介護支援専門員実務研修受講試験」に合格しなくてはなりません。
試験の受験要項を満たす方法はいくつかあるので、ご自身に最適なルートを探してみましょう。
夜勤手当で稼ぐ
介護福祉士は24時間365日、患者のサポートが必要な職種の一つです。
夜勤手当は、夜間に働く労働者への手当ての一環として支給されます。
支給金額は施設や事業主によって異なりますが、平均で5,000円〜10,000円ほど支給されるケースが多いようです。
夜勤に対応できる場合、夜勤手当を活かして給与をアップさせることができます。
給与の高い職場へ転職する
給与をアップさせる最も直接的な方法は、給与水準が高い職場に転職することです。
本記事で紹介した勤務先ごとの平均年収を参考に、給与が競争力のある職場を見つけてみてください。
そして、自身のスキルや経験を活かして、新しい職場でのチャレンジを検討しましょう。
初任者研修についてもっと知りたい方は 「初任者研修のカリキュラムは?通信と通学の違いを徹底解説」を参考にしてみてください!
介護福祉士になる年収以外のメリットとは?
介護福祉士になることで得られるメリットは、お金以外にもあります。
ここでは、年収以外の主なメリットを紹介します。
意義ある仕事の達成感
介護福祉士の仕事は、他者の生活に深く関わり、支援することで直接的な影響を与えるものです。
高齢者や障がい者と協力し、彼らの生活の質を向上させることで、達成感や充実感を味わえます。
患者の笑顔や感謝の言葉が、日々の努力を意味深くし、やりがいを感じる一因となるでしょう。
職場で裁量権を持てる
介護福祉士として働くことで、現場での介護業務に加えて、管理職や施設長といった道が拓ける可能性もあります。
患者との信頼関係を築きながら、柔軟かつ効果的なケアプランを立案・実行することで、自らの判断力やスキルを発揮し、職場でのリーダーシップを発揮できるでしょう。
有意義な転職ができる
介護福祉士の経験や専門知識は、様々な分野で活かすことが可能です。
例えば、病院や在宅ケア、福祉団体、行政機関、介護機器メーカーなど、幅広い職場で需要があります。
介護施設に限らず他の分野への転職も可能であり、自身のキャリアパスを広げることができるでしょう。
新たな職場での経験や挑戦は、専門職としてのスキルを向上させ、更なる成長を促します。