介護福祉士とはどんな資格なの?業務内容や年収、取得するまでの方法を解説! 更新時間 2023.11.11
近年、「介護福祉士」という職業を耳にする機会が増えています。
しかし、具体的にどんな仕事をするのか、どうやったら介護福祉士になれるのかを知らない方も少なくないでしょう。
そこで今回は、介護福祉士の資格や仕事内容について、詳しく紹介していきたいと思います。
介護福祉士の年収や資格取得のメリットなども解説しますので、
「介護福祉士になりたいけど学歴がなくても大丈夫?」
「介護福祉士になったらどんなことができるんだろう?」
といった疑問や不安をお持ちの方は、ぜひ参考にしてみてください。

介護福祉士とは?
介護福祉士は、社会福祉士及び介護福祉士法に基づき、専門的な知識と技術を備え、身体上・精神上の障害により日常生活に支障のある人々に対し、心身の状況に応じた介護を提供する職業です。
直接介護に関わることはもちろん、介護スタッフへの指導も行う専門家として活躍します。
1987年に制度が設けられ、2018年時点での登録者数は約162万人にも及びます。
超高齢化社会において、ますます重要性を増している職種です。
介護福祉士の役割とは?
介護福祉士は、国家資格であり、介護に関連する広範な知識と技能を持つ専門職です。
単なる身体介護だけに留まらず、利用者の生活全般にわたるサポートを行います。
具体的な介助作業を行いながらも、利用者の生き方やニーズに寄り添い、生活の質を向上させるために必要な支援を提供する職業です。
介護福祉士資格の概要
介護福祉士資格は、介護に関する知識や技能を身につけ、その能力を国が認定するものです。
他の介護関連資格と異なり、介護福祉士資格は国が発行する唯一の国家資格であり、その専門性と信頼性が特徴です。
介護福祉士は、高齢者や障がい者など、様々なニーズを持つ人々に対して個別に対応し、生活の質の改善や自立を促します。
必要なスキルと向いている人物像
介護福祉士には、コミュニケーション能力や感受性、忍耐力、柔軟性などが必要です。
利用者との信頼関係を築きながら、状況に応じた適切なサポートを提供することが求められます。
また、多職種との連携が必要なため、協調性やチームワークも重要です。
介護福祉士の資格を取得し、介護のプロフェッショナルとなることで、他の資格とは異なる充実感とやりがいを得ることができます。
他にも役立つ資格が多くあり「介護資格の種類はどのくらいあるの?スキルアップに取るべき資格を徹底解説!」から詳しく見ることができます。参考にしてみてくださいね。
介護福祉士の仕事内容
次に、介護福祉士の具体的な業務内容について説明します。
身体介護
介護福祉士は、利用者の身体介護に従事します。
これには排せつ介助、移乗介助、入浴介助などの具体的な作業が含まれます。
しかし、単なる作業だけでなく、利用者との信頼関係を築きながら、その方の個別のニーズに適切に対応することが求められます。
生活支援
介護福祉士は利用者の生活全般にわたる支援も行います。
食事の準備や家事の手伝い、買い物のサポートなど、日常生活において利用者が快適かつ安心して過ごせるようにサポートします。
そのため、利用者の生活スタイルや好みを理解し、その方らしい生活を支えることが大切です。相談・助言
介護福祉士は利用者やその家族とコミュニケーションを図りながら、介護に関する相談や助言も行います。
健康状態や生活環境の変化に対するアドバイスをはじめ、介護サービスの選択に関するサポートも介護福祉士の任務です。
利用者が安心して生活できるよう、情報提供やアドバイスを提供する役割があります。
マネジメント
介護福祉士は現場のリーダーとして、メンバーのフォローや人員配置の調整も担当します。
利用者の状態やニーズに基づいて適切なサービスを提供するため、他のケアスタッフや関係機関と協力し、効果的なケアを実現するための計画を策定するのも重要な任務です。
これにより、利用者がより良い生活を送れるように支援する役割が期待されます。
介護職の資格についてもっと幅広く知りたいという方は 「介護職のおすすめ資格は?種類や受講費用、期間などをご紹介」もチェックしてみてくださいね。
介護福祉士が活躍する施設
介護福祉士が活躍する主な施設をご紹介します。
・特別養護老人ホーム: 通称で「特養(とくよう)」とも呼ばれる施設で、常時介護が必要な65歳以上の高齢者で、自宅での生活・介護が困難な方が入居しています。
・介護老人保健施設: 病気や障害で自宅生活が困難な利用者の自立を目指す施設。「老健」とも呼ばれ、入所介護やショートステイ、デイケアなどのサービス形態が提供されます。
・身体障害者療護施設: 身体に障害がある方で、日常生活での介護が必要な場合に提供される施設です。健康管理から医療、生活指導までを行います。
・デイサービス: 在宅の利用者を通所させ、日常生活のケアや様々なサービスを提供する施設。送迎、生活面での介護に加え、運動やレクリエーションなどが行われます。
・在宅介護事業所: 介護福祉士が利用者の居宅を訪問し、身体介護から生活支援まで幅広いサポートを提供。日常生活の自立を支える役割を果たします。


介護福祉士の年収
介護福祉士は介護業界の中で唯一の国家資格ですから、「介護福祉士になって年収アップしたい」と思う方も多いのではないでしょうか。
ここでは、介護福祉士をはじめ、他の介護資格ごとの年収についても解説していきます。
介護福祉士の平均年収は約400万円
介護福祉士としての平均年収は、令和4年のデータによれば約400万円です。
これは、介護に特化した専門職でありながら、他の福祉関連の資格に比べても安定した収入を得ていることを示しています。
資格による年収の差異
介護福祉士と他の福祉関連資格との年収差異は、以下の通りです。
資格 | 令和4年平均年間給与総額 |
---|---|
介護福祉士 | 3,972,960円 |
社会福祉士 | 4,201,440円 |
介護支援専門員 | 4,521,240円 |
実務者研修 | 3,629,160円 |
介護職員初任者研修 | 3,602,880円 |
もっとも年収が高いのは介護支援専門員で、次いで社会福祉士、介護福祉士と続きます。
これは、資格の専門性や責任の度合いによるものであり、資格取得によって年収に一定の差異が生じることが分かります。
年収向上のためのキャリアアップ方法
介護福祉士が年収を向上させるためには、キャリアアップが重要です。
他の資格を取得する、専門的な研修を受ける、経験を積むなどの方法があります。
特に、介護支援専門員や社会福祉士などの資格取得は、専門性を高め、給与水準の向上に寄与することが期待されます。
初任者研修についてもっと知りたい方は 「初任者研修のカリキュラムは?通信と通学の違いを徹底解説」を参考にしてみてください!
介護福祉士の資格を取る方法について
介護福祉士の資格を取る方法は、いくつかのパターンがあります。
介護福祉士を目指している方は、資格取得のためのルートを把握しましょう。
資格取得に必要な学歴や条件
介護福祉士になるためには、一定の学歴が条件となりますが、中卒でも資格を取得することは十分に可能です。
福祉系の高校や大学を卒業していない場合は、3年以上の実務経験を積み、その後に実務者研修を受けることが必要とされます。
すぐに国家試験を受験できるわけではありませんが、経験を積むことで受験資格をクリアすることができます。
介護福祉士試験の内容と難易度
介護福祉士になるためには、介護福祉士試験に合格する必要があります。
この試験は、介護に関する幅広い知識とスキルを問うもので、難易度が高いとされています。
試験内容には、医学的な知識や介護技術、法令に基づく適切な対応などが含まれており、十分な試験対策が必要です。
しかし、受験資格が変更された2016年度から、介護福祉士国家試験の合格率は高くなりました。
令和4年に実施された試験では合格率が84.3%に達しており、一発合格も夢ではありません。
合格に向けた学習計画を立て、過去問や試験対策講座を利用して合格を目指しましょう。
資格取得までのスケジュールと計画
介護福祉士の資格を取得するためには、スケジュールと計画が重要です。
福祉系専門学校や養成施設を卒業していない場合は、「実務経験ルート」から資格取得を目指しましょう。
「介護の現場で3年(1,095日)以上従業し、かつ540日以上従事していること」と「実務者研修の講座を修了していること」の条件を満たすことで、受験資格を得られます。
働きながら取得する場合は、自身のスケジュールに合わせた講座を選択し、計画的に実務者研修を進めることが必要です。
また、介護福祉士試験の受験に向けても、十分な準備期間を確保し、計画的に進めることが成功への鍵となります。
介護福祉士の資格を取得するメリット
介護福祉士の資格を取得するメリットは、以下の3つです。
- 社会での評価と信頼の向上
- 安定した雇用と就業先の広がり
- キャリアパスとしての展望
では、それぞれのメリットについて詳しく解説していきます。
社会での評価と信頼の向上
介護福祉士の資格を取得することで、社会での評価と信頼が向上するのが1つのメリットです。
介護の専門職としてのスキルや知識を有していることが証明され、利用者やその家族からの信頼を得ることができます。
また、地域社会での貢献が認められ、専門的なサポートを提供する存在として注目されることでしょう。
安定した雇用と就業先の広がり
介護福祉士の資格を持つことは、安定した雇用と就業先の広がりをもたらします。
高齢化社会の進展に伴い、介護の需要が増加傾向です。
そのため、介護施設や医療機関、福祉団体などでの雇用機会が多く、資格保有者は求人市場で有利になるでしょう。
キャリアパスとしての展望
介護福祉士の資格を取得することは、キャリアの展望を広げる一歩となります。
介護のプロフェッショナルとしての経験を積みながら、キャリアパスを進むことが可能です。
例えば、介護支援専門員や社会福祉士といった資格を取得し、より高度な専門職としてのステップアップが期待できます。