介護支援専門員の試験はなぜ難しい?難易度が高い理由と取得方法について詳しく解説! 更新時間 2023.11.10
高齢社会の進展に伴い、介護や福祉分野への関心が高まっています。
そうした中で、ケアマネジャーを目指そうと考えているの方も多いのではないでしょうか。
実は、介護・福祉分野の資格の中でも、特に難易度が高いといわれているのが「ケアマネージャー(介護支援専門員)」です。
そこで本記事では、介護支援専門員試験の難易度や合格率、および資格取得のプロセスについて詳しく解説しています。
将来のキャリアプランにお役立ていただけるよう、ぜひ参考にしてください。
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介護支援専門員(ケアマネジャー)試験について
介護支援専門員試験は、介護福祉の分野で活躍する専門家を養成するための資格試験です。
その合格率や難易度について詳しく解説します。
介護支援専門員(ケアマネジャー)試験の合格率
ケアマネジャー試験の合格率、一般的に10~20%前後で推移しています。
しかし、最新の第24回(令和3年)試験では合格率が23.3%と、直近8年間で最高水準を記録しました。
介護支援専門員(ケアマネジャー)試験の難易度
介護福祉士や社会福祉士といった他の介護系資格と比較すると、ケアマネジャー試験の合格率は10〜20%ほどと相対的に低い水準です。
以下は、2021年10月末時点で公表されている合格率です。
資格 | 合格率 |
---|---|
ケアマネージャー | 17.7% |
介護福祉士 | 71.0% |
社会福祉士 | 29.3% |
90.4% | 看護師 |
作業療法士 | 81.3% |
理学療法士 | 79.0% |
例えば、社会福祉士国家試験の合格率は20〜30%程度であり、介護福祉士の合格率は約60〜70%となっています。
この差からも、ケアマネジャー試験が福祉系資格の中でも難易度が高いことがうかがえます。
他にも役立つ資格が多くあり「介護資格の種類はどのくらいあるの?スキルアップに取るべき資格を徹底解説!」から詳しく見ることができます。参考にしてみてくださいね。
介護支援専門員(ケアマネジャー)試験が難しい理由
他の介護系資格と比べても、難易度の高さが際立っている介護支援専門員試験。
ここでは、試験の難易度が高い理由について詳しく解説します。
受験資格が厳しくなったから
ケアマネージャー試験の難易度が高まった理由は、受験資格が厳しくなったことが要因の1つです。
2015年に受験資格が見直され、2018年度から現行の受験資格が導入されました。
以前は介護業務の実務経験だけで受験できましたが、現在は「規定の国家資格に基づく業務経験5年」または「相談援助業務経験5年」のいずれかを満たす必要があります。
その結果として、受験資格を満たすのが困難になり、受験者の減少へと繋がっています。
解答方式が「五肢複択」だから
ケアマネージャー試験では解答方式が「五肢複択」であり、これも難易度の一因です。
各問題に対して5つの選択肢があり、その中から正しいものを2つもしくは3つ選ばなければなりません。
この方式は選択ミスの許容範囲が非常に狭く、一つでも間違えるとその問題は0点となります。
受験者は精密な知識と判断力が求められるため、高い難易度を誇ると言えるでしょう。
仕事と試験対策の両立が難しいから
ケアマネージャー試験は業務経験が要求されるため、仕事と試験対策を両立させることが難しいという問題もあります。
受験者は仕事に追われながら試験対策を進める必要があり、その負担は非常に大きいです。
試験対策に必要な時間を捻出することが困難な点も、難易度が高い理由として挙げられます。
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介護支援専門員(ケアマネジャー)になるには?
介護支援専門員(ケアマネジャー)になるための方法を、4ステップで解説します。
①介護支援専門員試験に合格する
まず、ケアマネジャーになるための第一歩は、介護支援専門員試験に合格することです。
指定業務で実務経験を積み、受験資格を得た後、毎年1回行われる試験を受験して合格を目指します。
介護支援専門員試験はケアマネジャーに必要な知識やスキルを測るものであり、合格することで次のステップに進むことができます。
②介護支援専門員実務研修の受講・修了
試験に合格した後、次に進むのは介護支援専門員実務研修の受講と修了です。
所定の研修機関にて、講義形式と演習形式を合わせて87時間の研修と、居宅介護支援事業所での3日間程度の実習を経て、実践的なスキルを身につけます。
この研修を無事に終えることで、ケアマネジャーとしての職務に必要な知識やスキルを習得できます。
③介護支援専門員資格登録簿に登録する
研修修了後、3カ月以内に介護支援専門員資格登録簿に登録する必要があります。
各都道府県で申請先が異なるため、早めに登録手続きを進めることが重要です。
登録簿への登録が完了すると、ケアマネジャーとしての活動が可能となります。
④介護支援専門員証の交付
介護支援専門員資格登録簿への登録と同時に、介護支援専門員証の交付申請を行います。
申請後、約1カ月ほどで証が交付され、正式にケアマネジャーとしての活動を開始できます。
介護支援専門員証の有効期間は5年間ですので、満了日までに定期的な研修を受けて更新を行いましょう。
介護職の資格についてもっと幅広く知りたいという方は 「介護職のおすすめ資格は?種類や受講費用、期間などをご紹介」もチェックしてみてくださいね。
介護支援専門員試験の概要とスケジュール
介護支援専門員試験の概要やスケジュールについて、詳しく説明します。
介護支援専門員試験の概要
介護支援専門員試験(ケアマネージャー試験)は、全60問から構成されています。
ほとんどの都道府県がマークシート方式を採用しています。
具体的な出題内容と問題数は以下の通りです。
- 介護支援分野:25問
- 保健医療福祉サービス分野:35問
試験時間は合計で120分となっており、難易度にはばらつきがありますが、合格ラインは一般的に6~7割程度とされています。
受験資格については、指定された国家資格や特定の業務において一定期間以上の実務経験を有する方が対象です。
詳細な要件については、受験地の各都道府県の担当部署に直接ご確認いただくことをお勧めします。
介護支援専門員試験のスケジュール
介護支援専門員試験を受験する場合は、試験日や申込日を早めに確認しておきましょう。
本試験は年に1回のみですので、スケジュールを管理しておくことが重要です。
以下は、例年の介護支援専門員試験のスケジュールです。
- 4~5月頃: 受験詳細の公表・受験申込書類の取り寄せ
- 受験する都道府県より『受験要項』を取り寄せます。
- 4~5月頃には配布時期・受験申込受付期間が公表されますので、こまめにチェックしましょう。
- 公表や申込み期間は都道府県によって異なります。各都道府県の情報を確認してください。
- 5~7月頃: 受験の申し込み手続き
- 実務経験を証明する証明書が必要です。早めに準備しましょう。
- 9月: 受験表の発送
- 申込み書類は審査され、問題なければ受験票が送付されます。
- 受験票受け取り後、試験会場を確認しましょう。
- 10月: 本試験
- 試験は午前10時~12時までの120分間。
- 点字受験者は1.5倍、弱視等受験者は1.3倍の試験時間で実施します。
- 11月下旬~12月上旬: 合格発表
- 合否通知は郵送で行われます。ホームページにも情報が掲載される場合があります。
初任者研修についてもっと知りたい方は 「初任者研修のカリキュラムは?通信と通学の違いを徹底解説」を参考にしてみてください!
介護支援専門員(ケアマネジャー)資格取得のメリット
最後に、介護支援専門員試験に合格して、ケアマネジャーになるメリットをご紹介します。
仕事の幅が広がる
ケアマネジャー資格取得は、介護分野でのキャリアを大きく広げる大きなメリットがあります。
ケアマネジャーとしての資格を持つことで、介護計画の策定やサービスの提供など、より幅広い業務に従事することが可能です。
仕事の専門性が高まり、職務の多様性に対応できるようになります。
給与アップや待遇アップが見込める
ケアマネジャー資格取得は、給与や待遇面での向上が期待できます。
介護の専門家としての地位を築くことで、企業や施設から高い評価を受け、それに応じて給与や各種手当がアップするでしょう。
また、キャリアアップに伴い、責任のあるポジションや管理職への昇進も可能性として広がります。
夜勤がなく体力的な負担が減る
通常、介護の現場では夜勤が発生することがありますが、ケアマネジャーは夜勤の負担がないのが特徴です。
ケアマネジャーは主に事務業務や相談業務に従事し、夜間のサービス提供がないため、体力的な負担が軽減されることもメリットです。
ワークライフバランスの充実により長くキャリアを積むことができ、働きやすい環境を築くことができます。
介護支援専門員試験に合格してキャリアアップしよう!
本記事では、介護支援専門員(ケアマネジャー)試験の難易度や合格のためのステップについて解説しました。
受験資格の厳格化や解答方式の難しさなど、試験の特徴を理解することで、準備に役立つ情報を得ることができます。
また、資格取得のメリットについても紹介し、ケアマネジャー資格がもたらすキャリアアップの可能性に焦点を当てました。
仕事の幅が広がり、給与や待遇が向上するだけでなく、夜勤がないため体力的な負担も軽減される点が特に魅力的です。
ケアマネジャー試験に合格することで、介護のプロとしてのスキルや知識を高め、専門職としてのキャリアを築くことができます。
是非、試験への挑戦を通じて、自身のキャリアを発展させてください。
介護支援専門員としての活躍が待っています。
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