公務員試験の難易度はどれくらい?試験別の受験倍率や合格基準について解説! 更新時間 2023.11.10
「公務員試験ってどれくらい難しい?」
「公務員試験にはどんなレベルがあるの?」
公務員試験を目指すにあたり、その難易度や合格率が気になる方は多いでしょう。
公務員試験にはいくつも種類があり、試験によって難易度も大きく変動します。
ここでは、公務員試験の難易度や種類別ランキング、公務員試験が難しい理由について徹底解説しています。
また国家公務員と地方公務員の合格率や倍率も紹介していますので、進路選択の材料にしてみてください。
公務員試験にチャレンジしたい方にとって有益な情報をお届けします。
公務員試験はどれくらい難しい?
公務員試験は日本で重要なキャリアの一環であり、その難易度は試験の種類によって異なります。
異なる職種や学歴要件に基づいて、試験の難易度や合格基準が設定されているのが特徴です。
公務員試験の難易度は試験の種類ごとに異なる
公務員試験は大きく分けて総合職と一般職、さらに専門職など多岐にわたります。
それぞれの職種において、求められる知識やスキルが異なるため、難易度も変動します。
試験区分により採用人数や科目構成、出題範囲なども変わるのが、公務員試験の1つの特徴です。
試験ごとに重要なポイントを押さえ、効果的な対策を検討することで、合格への近道が見えてくるでしょう。
難易度に合わせた試験選びが大切
公務員試験を受験する際、難易度は重要な要素ですが、同じくらい重要なのは自身のスキルや学歴に合った試験を選ぶことです。
適切な試験を選ぶことで、合格への道がよりスムーズになります。
異なる職種や学歴要件に基づいて試験が分かれているため、自身の強みや専門性を活かせる試験を選ぶことが重要です。
例えば、総合職や一般職、専門職など、それぞれの試験に求められるスキルや知識が異なります。
難易度が高い試験ほど合格率が低く、競争倍率が上がります。
しかし、自分の得意分野や専門知識を生かせるならば、難易度が高くても克服可能です。
逆に、合格率が高くても自分のスキルに合わない試験を受験すると、合格することが難しくなります。
したがって、試験の難易度だけでなく、自分の強みや目指す職種に合わせて適切な試験を選ぶことが、公務員試験の合格に向けての重要な一歩です。
40代からでも異業種に転職したい!という方は「40代からでもやり直せるおすすめ資格はある?転職にも使える資格も紹介!」から詳しく見ることができます。参考にしてみてください。
公務員試験の合格率・受験倍率について
公務員試験の合格率と受験倍率を、国家公務員と地方公務員に分けてご紹介します。
国家公務員試験の合格率・受験倍率
総合職(院卒程度)は約48.9%の合格率で倍率は約2.0倍、一方で総合職(大卒程度)は合格率が約11.5%で倍率が約8.7倍となっています。
また、一般職(大卒程度)や一般職(高卒程度)もそれぞれの試験難易度に応じた数値が示されています。
これらのデータから分かるように、国家公務員試験はさまざまな職種ごとに合格率や倍率が大きく異なります。
地方公務員試験の合格率・受験倍率
地方公務員試験も同様に、職種や区分によって合格率と受験倍率が異なります。
1類A採用試験(院卒程度)は約15.3%の合格率と3.4倍の倍率、一方で2類採用試験(短大卒程度)は合格率が約9.0%で11.1倍の倍率となっています。
これらのデータから見ると、地方公務員試験も難易度がさまざまであり、志望者は試験区分や職種による難易度の違いを考慮する必要があります。
転職で資格をとりたい方は「転職で役に立つおすすめ資格!理由や難易度を徹底解説!」から詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください
【難易度別】公務員試験の種類別ランキング
次に、公務員試験を難易度別にランキングしました。
難易度S級|国家公務員(国家総合職)財務省・外交官など
難易度S級の公務員試験は、国家公務員の中でも最も厳しいものとされています。
これには財務省や外交官などの職種が含まれます。
高度な知識や専門性が要求され、合格率は低く競争倍率が高い傾向があります。
受験者の主な出身大学は東京大学や京都大学、早慶といった一流大学が多いのが特徴です。
このレベルの試験は、基本的に独学での受験は非常に厳しく、志望者は十分な準備が不可欠です。
難易度A級|下位国家総合職・上位都道府県庁上級など
難易度A級の公務員試験には、国家総合職の中でもやや下位の職種や上位都道府県庁の上級職などが含まれます。
例えば、国土交通省や環境省、法務省、防衛大学、東京や大阪などの上位都道府県庁上級、気象大学、衆議院・参議院一般職(大卒)が対象です。
これらの試験も高い専門性や知識が求められ難易度は高めです。
都庁や政令都市などの県庁・市役所は年収が高い上に都市部に位置するため、非常にハードルが高い試験といえるでしょう。
難易度B級|地方上級下位(県庁・政令都市)・国家一般職など
難易度B級の公務員試験は、地方上級職の中でも下位や国家の一般職などが対象です。
県庁や政令都市、自衛隊幹部候補生、法務省専門職員、労働基準監督官が含まれます。
これらの試験は一般的に難易度が中級レベルになり、独学での合格が可能になってくるでしょう。
とはいえ、あくまで公務員試験の中ではB級というだけで、しっかりとした対策が必要です。
志望者は、自身のスキルや適性に合わせた戦略を構築する必要があります。
難易度C級|市役所(大卒)・裁判所事務官一般職など
難易度C級の公務員試験は、市役所の大卒程度職種や裁判所事務官の一般職などが対象です。
また、教員採用試験や財務専門官、国税専門官、皇宮護衛官(大卒)、国立国会図書館(高卒)なども含まれます。
一般的な大卒の学力があれば合格できますが、どの職種も競争率が高く、倍率が10倍を超えることも珍しくありません。
公務員試験のレベルを把握することも大切ですが、競争率の高さを重視することも忘れないようにしましょう。
難易度D級|地方初級、国家一般職(高卒)・警察官など
難易度D級の公務員試験には、地方自治体の初級職種や国家の一般職(高卒)、自衛隊、入国警備官、皇宮護衛官(高卒)などが含まれます。
これらの試験は一般的に難易度は易しく、高卒者を主な対象としています。
一部の職種では警察官や刑務官も含まれ、幅広い分野で働きたい方に最適です。
受験資格である年齢上限を26歳から32歳と大幅に引き上げる方針が決定されており、受験者の拡大とともに難易度も上がることが予想されます。
難易度は低めであっても適切な対策が必要であり、志望する職種に合わせた効果的な準備が重要です。
公務員試験の難易度が高すぎる3つの理由
公務員試験の難易度が高いと言われる理由について、詳しく解説します。
人物試験の重要性
公務員試験の難易度が高い一因は、人物試験の存在です。
多くの公務員試験では筆記試験だけでなく、面接やグループディスカッションなどの人物試験が行われます。
この要素が加わることで、単なる知識やスキルだけでなく、応募者の人物や対応力なども評価され、合格基準が高まるとされています。
試験の出題範囲の広さ
公務員試験は広範な出題範囲を持つことが特徴的であり、その幅広い知識やスキルを問われる点が難易度を高めています。
国家公務員の行政試験(大卒程度)では、政治学、行政学、憲法、行政法、民法(総則および物権)、民法(債権、親族および相続)、ミクロ経済学、マクロ経済学、財政学/経済事情、経営学、国際関係、社会学、心理学、教育学、英語(基礎)、英語(一般)の中から8科目を選択して受験します。
科目が多いため、必然的に勉強量も増えるでしょう。
すべての範囲を十分に対策しようとすると、時間もかかってしまいます。
これが受験者にとって大きなハードルとなっているようです。
試験合格者の上位が採用される仕組み
公務員試験では、試験合格者の上位から順に人員が採用される仕組みが一般的です。
これは上位の合格者が優れた能力や知識を持っていると見なされ、最も優秀な者が採用されるため、競争が激化します。
結果として、合格者全体の水準が高まり、難易度が一層増している理由です。
公務員試験の合格は「筆記試験」が鍵!
公務員試験に合格するには、最初の難関である筆記試験を突破することが重要なポイントです。
筆記試験の内容
公務員試験の筆記試験には、「教養科目」と「専門科目」があります。
前者は高校までで学ぶ数学や英語、国語などで、後者は大学の専門課程で学ぶ内容です。
行政系の職種では経済や法律が主で、心理職や技術職では各専門分野に対応した科目が出題されます。
職種によって、「教養科目」だけが課される場合もありますし、「教養科目」と「専門科目」の両方が必要な場合もあります。
出題形式は択一と記述の二つで、多くの公務員試験では「教養科目」は必須です。
一部の職種では「教養科目」のみで受験可能ですが、国家公務員や地方上級の試験では「教養科目」と「専門科目」の両方が出題されます。
学校で学んだ内容とは異なる、公務員試験特有の科目もありますので、重点的に勉強すべき科目を見極めて対策することが必要です。
筆記試験の合格基準
筆記試験の合格ラインは一般的に公表されていませんが、合格者の情報によれば、教養択一では5~6割、専門択一では6~7割が目安とされています。
記述式試験の合否には、専門記述や教養記述によって異なる影響があります。
地方公務員では教養記述が重要視される傾向があり、そのため対策が必要です。
一方で、労働基準監督官や家庭裁判所調査官補などの職種を除いて、専門記述のウェイトは比較的低い傾向にあります。
筆記試験のポイント
筆記試験において合格するためのポイントは、適切な対策と計画的な学習です。
試験範囲を明確にし、自身の強みと弱みを理解した上で効果的な学習計画をたてることが重要です。
また、過去の問題や模擬試験を活用し、実際の試験と同じ雰囲気で対策を進めることで、試験に対する自信と臨機応変な対応力を養うことができます。
法科大学院入試の基本情報については「 法科大学院入試とは?試験科目や対策についても解説しています!」から詳しく見ることができます。参考にしてみてくださいね。