メイクアップアーティストに資格は必要なの?資格の取り方や就職先について解説 更新時間 2023.10.01
メイクアップアーティストは、お客様をより美しく見せるためにメイクを施す仕事です。
華やかなイメージがあり、プロフェッショナルな職業に憧れる方も多いでしょう。
しかし、メイクアップアーティストになる具体的な方法が分からず、悩む方も少なくないようです。
そこで今回は、メイクアップアーティストの仕事や必要な資格について解説し、おすすめの資格もご紹介します。
「美容業界へ進みたい」「メイクの仕事に興味がある」という方は、ぜひ最後までご覧ください。
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メイクアップアーティストに資格は必要か?
メイクアップアーティストになるには、何かしらの資格が必須なのでしょうか?
メイクアップアーティストの職業や仕事内容についても、詳しく解説していきます。
そもそもメイクアップアーティストって?
メイクアップアーティストは、俳優やモデルのメイクを担当したり、ブライダルメイクを手がけたりする専門家です。
化粧品メーカーや商品開発にも従事し、さまざまな業界での活躍が期待されます。
この仕事は美容の範囲を超え、特殊メイクや傷跡表現なども含まれます。
芸術的な要素もあり、リアリティを追求する一方で、医療分野でも活躍しています。
嗅覚過敏や感覚過敏などで、思うようにメイクができない人たちや、怪我などが原因の傷を隠したい人たちにとって、メイクがメンタルケアになることも少なくないのです。
医療メイクは注目の分野で、将来性とやりがいを兼ね備えた仕事となっています。
メイクアップアーティストの仕事内容
メイクアップアーティストの仕事は多岐にわたり、サロンやプロダクション、フリーランスによっても仕事内容が異なります。
いずれも主な仕事内容は、カウンセリング、ヘアスタイリング、メイクアップの3つです。
カウンセリングでは、要望に合わせた対応が重要で、中でも芸能人を担当する場合はキャラクターを考慮しながら演出しなくてはなりません。
ヘアスタイリングでは、髪のケアからカット、カラーリング、パーマまで幅広い技術が求められます。
そして、メイクアップはメイクアップアーティストの真価が試される仕事です。
化粧品を用いて、パーツの位置や肌の色に合わせて、入念なカウンセリングと共に美しさを作り上げます。
メイクアップアーティストの必須資格
メイクアップアーティストになるには、「美容師免許」が必須です。
美容師法によれば、「美容を業として行うには美容師でなければならない」とされています。
美容師免許を持つことで、メイクアップアーティストとしての基礎が整います。
ただし、美容師免許だけではメイクアップアーティストになるには足りません。
メイクやコスメに関する、深い知識と高度な技術が求められます。
スクールや講座を利用して、専門的な知識と技術を身につけることが重要です。
スクールは効率的な学習だけでなく、スキルアップや人脈形成にも役立ちます。
メイクアップアーティストとして独立する前には、プロダクションやサロン、化粧品メーカーなどでの経験が有利でしょう。
就職先によっては専門学校卒業者の優遇もあるため、美容専門学校で学ぶことは非常に有益な選択肢です。
メイクアップアーティストのおすすめ資格
美容師免許のほか、メイクアップアーティストとして活躍するために必要なおすすめ資格を紹介します。
IBF国際メイクアップアーティスト認定試験
メイクアップアーティスト資格の選択肢として、IBF国際メイクアップアーティスト認定試験が挙げられます。
この試験は国際美容連盟(IBF)が実施し、メイクの知識や技能を実技試験で評価します。
合格すれば、IBFからライセンスが発行され、就職や開業などの支援を受けることができます。
ただし、完全な独学では受験できず、所定のカリキュラム修了証書が必要です。
所属スクールからの願書提出も必須です。
試験では普段のメイクスキルだけでなく、特別なシーンでの専門的なメイク技術も習得できます。
ヘアメイク事務所、ヘアサロン、化粧品会社、結婚式場など、さまざまな職場で活躍できる幅広いスキルを身につけることができます。
IBFの後援により、個人開業やフリーランスとしても活躍でき、さまざまな職場で需要があります。資格取得はメイクアップアーティストとしてのキャリアを築く一歩となります。
JMA日本メイクアップ技術検定
メイク関連の仕事にはさまざまな資格が関連していますが、注目すべきはJMAメイクアップ技術検定です。
この検定は日本メイクアップ技術検定協会(JMA)が主催し、海外でも認められるメイクアッププロの養成を目指しています。
JMAメイクアップ技術検定は実技試験のみで、筆記試験は行われません。
難易度別に1~3級が設定され、スキンケアからフルメイクまでの技術が評価されます。
試験は年に2回、夏と冬に開催されます。
2020年冬期の合格率は3級が68.1%、2級が54.3%、1級が31.1%でした。
1級や2級の合格率が低いため、これらの資格取得はメイクアップのスキルを強くアピールできるチャンスとなります。
JMANメイクアップ技術検定
日本メイクアップ技術検定試験は1級・2級・3級の三段階に分かれ、メイクアップの技術力や接客力、知識力を向上させることを目指しています。
一般社団法人JMAが定める、正しいメイク基準に基づいた検定です。
美容業界でのキャリア構築やスキル向上を考える方にとって、有益な資格となります。
3級はスキンケアからベースメイクアップ、チーク・ハイライト・ローライトまでの基本技術を審査する実技検定試験で、どなたでも受験できます。
2級はスキンケアからフルメイクアップまでの過程と仕上がりを評価する実技検定試験で、3級合格者または同日受験者が対象です。
1級はモデルの悩みや要望に応じてイメージメイク技術を審査する実技検定試験で、2級合格者が受験資格を持ちます。
色彩技能パーソナルカラー検定
色彩技能パーソナルカラー検定は、色の見分け力に焦点を当て、「実際に色を見分ける実力」をテストします。
さらに、色彩理論と結びつけたパーソナルカラーの理解、カラーコーディネートの理解を問う試験です。
ファッションや美容の現場で役立つ実用性が高く、評価されています。
色彩技能パーソナルカラー検定モジュール1(初級)には受験資格は不要で、モジュール2(中級)・モジュール3(上級)にはそれぞれ受験資格があります。
モジュール2は初級合格者、モジュール3は初級・中級合格者が受験資格を持ちます。
初級と中級は、同時受験が可能です。
色彩技能パーソナルカラー検定の合格率は非公開ですが、初級は比較的簡単で、中級・上級は中レベルの難易度とされています。
メイクセラピー検定
メイクセラピー検定は、一般社団法人メイクセラピストジャパンが主催し、メイクセラピーの知識と技術に関する試験です。
美容業界や医療福祉業界、学生など幅広い層から支持されており、受験者が増加しています。
心理カウンセリングへの関心の高まりから、メイクセラピーの需要は今後ますます高まると予想されています。
検定試験では、「メイクセラピー的心理学」「コミュニケーション」「化粧心理学」など心理面のアプローチと「メイク理論」「色彩学」などメイクアップに関連する分野が出題。
メイクセラピーの概念を、幅広い分野で習得することができます。
受験レベルは3級、2級、1級、特級があり、2級までは制限なく受験可能です。
特に3級は在宅筆記試験(郵送)とオンライン試験で通年受験でき、どなたでもどこに住んでいても受験しやすい検定です。
勉強方法として、公式テキストによる独学、eラーニング・通信講座・LIVE&実技講座の利用、認定校や各種スクールの活用などが挙げられます。
ネイリストの講座費用に悩んでいる方は 「ネイル資格の費用相場を徹底解説!費用を安く抑える方法をご紹介!」も参考にしてみてください。
メイクアップアーティストの就職先は?
メイクアップアーティストが活躍できる場所は、どれくらいあるのでしょうか?
美容室
美容室は、メイクアップアーティストが活躍する重要な場所の一つです。
ここでは、顧客に対して日常メイクから特別なイベントまで幅広いメイクを提供し、美容のトータルコーディネートを行います。
美容室での経験は、アーティストのスキル向上にも繋がります。
ヘアメイク事務所
ヘアメイク事務所に所属して、事務所に依頼されたヘアメイクを担当します。
ファッションショーや広告、映画、テレビ、雑誌、舞台などのプロジェクトに参加するため、メイクアップアーティストとしての技術が必要不可欠です。
クリエイティブで個性的なメイクアートを追求し、多様なプロジェクトでの経験がキャリアの幅を広げます。
化粧品メーカー
化粧品メーカーでは、商品のプロモーションやメイクアップアーティスト向けのトレーニングのほか、研究や開発、企画やマーケティングまで行います。
新製品の開発やメイクアップのトレンドを追求する中で、メーカーでの経験は専門的な知識を深める一環となるでしょう。
ブライダルサロン
ブライダルサロンでは、結婚式やイベントに向けてメイクアップを提供するのが主な仕事です。
花嫁の特別な日に彩りを添える役割を果たし、感動的な瞬間を演出します。
ブライダルメイクでは、二人の魅力を最大限に活かしたヘアアレンジやメイクアップ、独自のセンスや感受性が求められます。
エステサロン
エステサロンでは、スキンケアやメイクケアを通じて、顧客の美を引き出すのが主な仕事です。
自然な美しさを重視し、トータルビューティーに貢献します。
エステティシャンとしてのスキルを活かし、幅広い顧客層に対応します。
高齢者向け施設や病院
メイクセラピーとして、介護施設や病院、個人宅に訪問し活躍することもできます。
メイクセラピーは美容、医療、福祉分野で利用可能で、女性の日常生活や未来を輝かせるためにも効果的な技法です。
外見だけでなく、心理カウンセリングを通じてメンタルサポートを提供し、高齢者や入院患者にメイク講座を開催することもあります。
フランスでは、国立病院で美容ケアを行う専門職者が医療の一環として活躍しており、メイクセラピーも将来的に医療や福祉チームの一員として役立つことが期待されています。
フリーランス
フリーランスのメイクアップアーティストは、自身のクリエイティビティを最大限に発揮できる環境を求める方に適しています。
過去に美容業界での経験があり、収入を得られるだけの十分なスキルがあれば、フリーランスとして活躍することが可能です。
広告、映画、イベントなど、プロジェクトごとに依頼を受けて自由なスタイルで活動し、独自のポートフォリオを構築します。
独学でネイリストになりたい方は 「独学でネイルの資格は取得できる?自力で学ぶメリット・デメリットを解説」も参考にしてみてくださいね。
メイクアップアーティストが資格を取得するメリット
メイク関連の資格がなくても、メイクアップアーティストとして活躍することは可能です。
しかし、メイク関連の資格を取得することで、以下のようなメリットが得られます。
①専門的な知識と技術が身につく
②メイクアップアーティストとしての信用性が高まる
③就職や転職で有利に役立つ
では、それぞれ詳しく解説していきましょう。
専門的な知識と技術が身につく
メイクアップアーティストの資格取得は、専門的な知識と高度な技術の習得につながります。
専門学校や講座を通じて、さまざまな化粧法、肌質への対応策、最新のメイクトレンドを学び、プロの技術を身につけることができます。
幅広いスキルセットを構築し、クリエイティブで個性的なメイクを提供できるようになることもメリットの1つです。
美容の知識も深め、お客様に適切なアドバイスを行うことが可能になります。
メイクアップアーティストとしての信用性が高まる
資格を取得することで、あなたのプロフェッショナリズムと信頼性が向上します。
クライアントや雇用主から、正規の資格を持つメイクアップアーティストとして認識してもらえるでしょう。
資格を持つことは、あなたが真剣にメイクの仕事に取り組んでいることを示す重要な要素となり、お客様がより安心してメイクを依頼するきっかけとなります。
就職や転職で有利に役立つ
メイクアップアーティストの資格は、美容やエンターテインメント業界での就職や転職において大きなアドバンテージです。
求人募集や選考プロセスにおいて、資格保有者は他の候補者よりも優遇され、自身のスキルや経験をより効果的にアピールできるでしょう。
また、複数の分野で活躍できる資格を持つことで、幅広いキャリアの選択肢が広がります。
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メイク資格の取り方・勉強法とは?
メイク資格を取得する方法や勉強法について解説します。
独学で学ぶ
メイクアップ資格を独学で取得する方法があります。
専門書やオンラインコースを利用して、自分のペースでメイクの基礎から応用までを学ぶことができます。
ただし、独学で受験できる試験には限りがあるため、受験資格の確認が必要です。
専門スクールでカリキュラムを修了する
メイクアップ資格を取得する一般的な方法は、専門スクールでの学習です。
美容師免許が必須である場合が多く、スクールでは実技や理論をバランス良く学ぶことができます。
スクール卒業後には、認定試験を受験して資格を取得します。
通信講座で資格を取得する
忙しい方や遠隔地に住んでいる方に適した方法として、通信講座があります。
通信講座では教材やオンライン授業を活用して学び、試験を受験して資格を取得します。
美容師免許が必要な場合もあるため、事前に確認が必要です。
転職で資格をとりたい方は「転職で役に立つおすすめ資格!理由や難易度を徹底解説!」から詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください
プロのメイクアップアーティストになる方法
メイクのプロフェッショナルになるための方法、手順について詳しく解説していきます。
STEP1.美容師免許を取得
メイクアップアーティストになるには、まず美容師免許を取得することをおすすめしております。
資格がなくてもメイク関係のお仕事に就職することは可能ですが、仕事の幅が狭かったり、昇給することが出来づらい理由もあるため、美容系のお仕事に就くなら美容師の免許を取っておきましょう。
美容師免許は基礎的な美容の知識や技術を身につけることで、お客様とのコミュニケーション能力を向上させます。
美容師国家試験を受験するためには、厚生労働大臣または都道府県知事の指定した美容専門学校に入学して、「昼間課程:2年以上」「通信課程:3年以上」の課程を修了することが絶対条件です。
その中で美容師免許を取得しながら、メイクの技術やアイブロウの技術を学ぶことも可能です。
美容師としての基本を学び、プロの第一歩を踏み出しましょう。
STEP2.メイクの資格を取得する
次に、メイクの資格を取得することで、専門的なメイク技術を磨くことが可能になります。
メイクスクールや専門の講座を受講して、ファッションや美容のトレンドにもアンテナを張っておきましょう。
メイクに関する知識や技術が上がれば、お客様に対してよりハイレベルなサービスを提供できるようになります。
メイク資格の取得方法は、指定された講座を受講する必要があったり、協会や団体の指定校で定められたカリキュラムを修了する必要になるなど、取得する方法は様々です。
資格にかかる費用や期間なども事前に確認して、自分に最適な資格を発見する必要があります。
STEP3.実務経験を積む
資格を取得したら、実際の現場での経験を積むことが最も大切になってきます。
美容サロンやメイクアップアーティストのアシスタントとして働きつつ、実用可能なスキルを研鑽していきましょう。
実務経験は、お客様の要望に迅速かつ確実に対応する力を養う上で必要不可欠なステップです。
メイク資格を選ぶときの注意点
先述した通り、メイクの資格にはたくさんの種類があり、目的や費用、期間などが変わってきます。
そこで、メイク資格を選ぶ際の注意するポイントについて詳しく解説していきます。
自分の目標に合った資格かを見極める
メイク資格を選ぶ際に大切なのは、自分の目標に合った資格かどうかを見定めることです。
例えば、ファッションメイクや特殊メイク、スキンケアに的を絞った資格など、希望する分野のプロフェッショナルになれるものを選ぶことで、将来のキャリアに有利になります。
資格が目指す分野と一致するか確認し、自分のキャリアプランに合致するかどうかを考えましょう。
受験のスケジュールや費用を確認する
メイク資格を取得するには、受験のスケジュールや費用も確認することが重要です。
試験日程や合格までのステップを把握し、自分のスケジュールに合わせて計画を立てましょう。
また、受験料や教材費などの費用も確認しておき、無理なく資格取得に向けて準備を進めることが大切です。
無理なく継続できる学び方を選ぶ
資格取得には学び方も重要です。
自分に合った学習スタイルやペースで進められる講座やスクールを選ぶことで、無理をしない程度で続して学ぶことができます。
通学やオンライン講座、自己学習など、自分に合った方法を見つけ、モチベーションを維持しながら資格取得を目指していきましょう。
民間資格なら独学でも取得可能
多くの民間資格が、独学でも取得可能になっています。
とくに、日本化粧品検定(コスメ検定)、日本メイクアップ技術検定試験、メイクセラピー検定といった資格は、独学でも取得できるでしょう。
これらの資格には、基礎から応用までの知識と技術が詰まっているため、メイク初心者から応用スキルを磨きたい方まで幅広い層におすすめできます。
最大のメリットとしては、専門的な知識と技術をしっかりと身につけられることです。
未経験でアシスタントから始める場合でも、資格は確実なスキルと知識を証明する手段となります。
美容師免許は独学での取得は不可能
美容師免許は、メイクの仕事において一定の影響力を持っていますが、独学では取得できません。
その理由は、厚生労働大臣の定める基準に沿って、美容専門学校や美容師養成施設での厳格な教育と実習が必要になるからです。
この資格は、ヘアスタイリングからメイクアップまで、美容に関する多角的なスキルと知識を身に着けるためにあります。
美容師免許を持っていない人が、美容サロンでカットやカラーをすることは法律で禁じられています。
罰金や営業停止などの処分対象になるので、十分に気をつけましょう。
メイクアップアーティストは美容師免許と民間資格を取得しよう
メイクアップアーティストを目指すなら、美容師免許の取得が基本です。
美容師免許を有することで、基本的な美容知識や衛生面でのスキルを身につけ、専門的なメイク技術を学ぶ土台となります。
さらに、民間のメイクアップ資格を取得することで、専門的なスキルや知識を証明し信頼性を高められます。
IBF国際メイクアップアーティスト認定試験やJMAメイクアップ技術検定、メイクセラピー検定など、ご自身のキャリアに役立つ資格を選びましょう。
資格取得の方法は独学、専門スクール、通信講座のいずれかで、無理なく学び続けられることが重要です。
資格取得の姿勢やモチベーションは、就職や転職においても有利になります。
美容師免許と民間資格の両方を取得することで、メイクアップアーティストとしてのスキルと信頼性を高め、さまざまなキャリアの可能性を広げることが可能です。
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