整体師は国家資格なの?整体師に必要な資格をご紹介 更新時間 2023.08.01
患者の体の歪みを整え、健康をサポートする職業が整体師です。
これまで、整体院やサロン、スポーツジムなどでお世話になった方も多いでしょう。
「自分も整体師になりたい!」と思ったとき、整体師には一体どんな資格が必要なのでしょうか。
今回は、整体師として活躍するための民間資格や国家資格について、資格の内容や取得方法をご紹介します。
この記事を読むことで、整体師の専門性と資格の価値を理解し、自身の職業選択やスキル向上に役立つ情報を得ることができるでしょう。
整体師は国家資格ではない
結論からいうと、整体師は国家資格ではありません。
資格がなくても整体師と名乗れるのに加え、独立開業も簡単にできます。
では、独学で整体師として成功できるかというと、答えは「NO」です。
まずは整体師に必要なスキルや資格について、解説していきましょう。
整体師の定義とは?
整体師とは、身体の不調や痛みを改善するために、手技療法を用いる専門家です。
彼らは主にマッサージやストレッチ、関節の調整などの技術を駆使して、クライアントの健康をサポートします。
整体師は医療行為を行うわけではなく、健康促進やリラクゼーションを提供することが主な役割です。
身体のバランスを整えることで、痛みの軽減や快適な状態の維持を図ります。
整体師の仕事内容
整体師の日常業務は、クライアントの問題を詳しくヒアリングし、身体の状態を観察することから始まります。
それに基づいて適切な手技を選び、施術を行います。
整体師は痛みや不調の原因を特定し、ソフトな手法で筋肉や関節の調整を行い、血流やリンパの流れを促進するのが主な仕事です。
また、姿勢の改善やストレッチ指導も行い、クライアントが自身でも健康を管理できるようサポートします。
整体師に必要な資格とは?
整体師には国家資格は存在せず、一定の団体や学校が独自の資格や認定を行っています。
多くの資格では、専門的な整体の技術や解剖学、生理学などの知識を学ぶことが求められます。
資格取得後も、継続的な学習や実務経験が重要です。
クライアントの健康に関わるため、正確な知識と技術、倫理観を持つことが求められる職種です。
整体師の資格を取るために必要な費用は?と思った方は「整体師に資格は必要?整体師になるための時間や費用についてご紹介」から詳しく見ることができます。参考にしてみてくださいね。
柔道整復師やあん摩マッサージ指圧師との違い
整体師に近い職業として、柔道整復師やあん摩マッサージ指圧師が挙げられます。
双方の違いはどんなところにあるのでしょうか?
仕事内容や資格について詳しく見ていきましょう。
国家資格であるか否か
柔道整復師やあん摩マッサージ指圧師は、日本国内では国家資格として認められています。
一方で、整体師は国家資格が存在せず、独自の資格や認定団体によって評価されます。
これにより、整体師の資格取得要件や施術内容には違いがあります。
国が発表している日本標準職業分類においても、以下のように分類されており、その違いは明確です。
- その他の保健医療従事者 …… 柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師・鍼灸師、栄養士など
- 他に分類されないサービスの職業 …… 整体師、カイロプラクター、アロマセラピストなど
つまり、国家資格である柔道整復師などは保険医療従事者にあたり、整体師はサービス業の一環として認識されているのです。
保険が適応される施術とは?
柔道整復師やあん摩マッサージ指圧師の施術は、健康保険の対象となることがあります。
医療行為に近い側面があり、特定の疾患や症状に対して保険が適用される職業です。
一方、整体師の施術は主に健康促進やリラクゼーションを目的としており、健康保険の適用対象外(自費診療)になるのが一般的です。
整体師が行えない行為
整体師は医療行為を行うことが禁じられているため、診断や治療、処方などの医療行為は行うことができません。
また、骨折や重大な病態に対する施術も制限されています。
一方で、柔道整復師やあん摩マッサージ指圧師は医療行為を行えるため、病院やクリニックでの勤務や保険適用施術が可能です。
整体師が行ってもいいとされている行為ですが、「施術者の体重をかけて痛みを感じない程度の施術」とされています。
この他にも、整体師は以下のようなPR活動が、法律で禁じられています。
整体師が独立・開業する方法は?
整体師としてのステップアップに、独立や開業が挙げられます。
起業においての知識や注意点を把握し、独立開業に備えましょう。
国家資格がなくても独立・開業が可能
「整体師は特別な資格がなくても独立開業できる」と伝えましたが、実際に集客して経営を続けるにはさまざまな能力やスキルが必要です。
多くの整体師は、数年の経験を得てから開業するケースがほとんとです。
整体院の数は、今やコンビニより多いと言われており、他の店舗との差別化を図らなくては生き残れません。
整体師としてのスキルを活かし、独立や開業を考えることは大きな一歩です。
ゆくゆくは独り立ちを目指して、整体師としての経験を積んでいくといいでしょう。
経営の安定や収入アップに必要なこと
独立・開業後の経営を安定させるためには、戦略的なアプローチが必要です。
ターゲット層を明確にし、そのニーズに合わせた施術メニューやサービスを提供しましょう。
集客にはウェブサイトやSNSを活用し、自己PRを行うことも重要です。
顧客の声を取り入れることで、サービスの質を向上させましょう。
開業資金を抑えるポイント
整体師の独立・開業において、開業資金の抑え方も考慮すべきです。
自宅や賃貸の施術スペースを活用することで、賃貸料を抑えることができます。
必要最低限の機材や施術道具を揃えつつ、費用対効果を意識して資金を使い分けることが大切です。
整体師の年収について知りたい方は「整体師の平均年収は?年収を上げる方法について解説」から詳しく見ることができます。参考にしてみてくださいね。
整体師におすすめの資格7選!
よりスムーズに整体師になるには、いくつかの資格を取得しておくことがベターです。
ここでは、整体師として活躍するための5つの資格をご紹介します。
カイロプラクティック
カイロプラクティックは、骨格や関節の調整を通じて健康をサポートする手法です。
西洋医学を基礎とし、アメリカで発祥した手技療法で、今から約130年ほど前にはじまりました。
正しい姿勢とバランスを保つことで、体の不調を改善するアプローチを提供します。
専門医療である、カイロプラクティックを実践する専門家を「カイロプラクター」と呼び、現在では世界85ヵ国に広まっている療法です。
カイロプラクターの資格は国家資格ではありませんが、専門学校で学び修了証書を取得することでスキルを証明できます。
アロマセラピスト
アロマセラピストは、精油を使用して心身のバランスを整える技術を提供する専門家です。
香りの力を利用し、リラクゼーションや癒しを提供する役割を果たします。
精油の特性や組み合わせ方、有機化学の知識が必要であり、総合的なケアを通じて人々の健康を支えるのがアロマセラピストの役目です。
現代社会でのストレスや癒しの需要を満たすアロマセラピストの役割は、ますます重要性を増しています。
リフレクソロジーとは?
「リフレックス(反射)」と「ロジー(学問)」を組み合わせた「反射学」がリフレクソロジーです。
足や手の反射区を刺激することで、全身の調和を促進する技術です。
エネルギーの流れを整える効果があり、不調の改善や美容効果も期待される療法です。
リラクゼーションセラピスト
リラクゼーションセラピストの資格は、基本的なマッサージ技術を学ぶことができます。
ストレス解消やリラックス効果を提供し、心身の健康促進をサポートします。
「リラクゼーションセラピスト認定試験」によって、資格取得者は日常の癒しを提供するスキルを持つことになります。
オステオパシー
オステオパシーは、自然治癒力を活かし、身体の組織と機能の調和を目指す療法です。
「整骨療法」とも呼ばれますが、骨だけでなく筋肉、靭帯、血管、神経など全身の組織にアプローチします。
専門学校やセミナーで学ぶことができ、カリキュラムが充実した専門学校での学習が推奨されます。
ゆがみ矯正インストラクター
ゆがみ矯正インストラクターは「日本インストラクター技術協会(JIA)」が認定している資格です。
症状別の整体技術、さらに施術用器具の種類などをしっかり学びます。
さらに整体と美容の関係性、女性や男性、子ども、高齢者など老若男女問わず、整体の知識が身につくので、幅広い年代への施術ができるスキルも身につくでしょう。
資格取得後はゆがみ矯正インストラクターとして講師活動ができるようになります。国際ホリスティックセラピー協会認定整体師
民間資格で整体師関連の資格として、一般社団法人国際ホリスティックセラピー協会認定整体師がございます。
通称IHTAです。 IHTAはひとつの技術だけにこだわらず、筋肉調整(もみほぐし)、骨格調整、リフレクソロジーの3つを軸にした技術を習得します。 整体専門サロンのほかにも医療や介護の分野でも取得する人が多いようです。 IHTAがおすすめポイントな理由は以下の通り筋肉調整・骨格調整・リフレクソロジーの3つの技術を習得できるため、一つの資格で多様なスキルを持っていると証明できる資格です。
さらに、整体技術で不慮の事故が発生してお客様の財物や身体に損害を与えた場合、最大1,000万円が支払われるといった安心のサポートがあります。 さらに独立開業のための講座やなど年間100セミナー以上回刺されているので、資格取得後サポートも充実しています。整体師におすすめの国家資格と取得方法
整体師として長く活躍するために、国家資格を取得するのも有効な方法です。
国家資格を取得すれば医療行為を行うことができるため、施術の幅が大きく広がります。
ここでは、整体師にお勧めしたい3つの国家資格を紹介します。
柔道整復師
柔道整復師は、国家資格の一つであり、けがや病気の予防・治療を行う専門家です。
柔道整復師科が設置されている4年制大学か3年制の短期大学、もしくは専門学校で3年以上学ぶことで、国家資格の受験資格が得られます。
柔道整復師の資格を持つことで、より高度な施術やリハビリテーションが可能です。
資格を持って活躍できる場所は、整骨院や接骨院、整形外科クリニックなどで治療・リハビリテーションに携わるほか、スポーツジムや福祉介護分野でも需要があります。
柔道整復師の国家試験は毎年一度行われ、身体やケガに関する広範な知識が求められます。
試験は「必修問題で総点数の80%以上」「一般問題で総点数の60%以上」を満たすことで合格です。
鍼灸師
鍼灸師は、鍼や灸を用いて体のバランスを整えることで健康をサポートする専門家です。
厚生労働省と文部科学省が指定する鍼灸師の養成機関(専門学校や大学)で学び、鍼灸の技術や東洋医学の知識を習得します。
鍼灸師の養成課程は3年以上と定められていて、すべてのカリキュラムを修了することで受験資格が得られる仕組みです。
はり師・きゅう師の国家試験は年に一回行われ、筆記試験のみで実技はありません。
鍼灸師の勤務先は、鍼灸院や鍼灸接骨院、美容鍼灸院、エステサロン、介護施設、病院、クリニックなど、幅広いフィールドが用意されています。
あん摩マッサージ指圧師
あん摩マッサージ指圧師は、マッサージや指圧を行いながら体の調子を整える専門家です。
あん摩マッサージ指圧師養成コースを備えた4年制大学、もしくは専門学校で3年以上学ぶことで、国家試験の資格が得られます。
あん摩マッサージ指圧師国家試験は筆記試験方式で実施され、6割の正答率で合格です。
合格率は85%ほどと、比較的高めになっています。
あん摩マッサージ指圧師の資格があれば、鍼灸院や病院、クリニック、介護・福祉施設、美容分野、スポーツ分野で活躍することができるでしょう。
整体師の仕事内容と年収
こちらでは、整体師の仕事内容と年収について詳しく解説していきます。
仕事内容について
整体師は、施術によって患者さんの体の歪みの矯正、体の痛みや凝りからくる倦怠感や体のだるさなどの不調を改善するおしごとです。
また施術後のアフターケア、自宅でできるストレッチなどのアドバイスをする場合もあります。
働く場所は?
一般的に整体師の職場は以下の通りです。
このほかで、エステサロンで美容目的の施術をしたり、スポーツジムでストレッチ指導をしたりすることもあります。
また、整形外科や介護施設に所属し、リハビリをサポートする整体師もいます。
整体師の勤務先、職場はさまざまな場所がるため、どこで働きたいのかを明確に考えておき、その分野に特化して活躍するもいいでしょう。
整体師の平均年収は?
アルバイトの収入から見ていくと、平均では時給1100円ほどです。
1日8時間の週5日で計算した場合、月収は月18万前後で、年収は210万円ほどになります。
アルバイトとして働くメリットとしては大きく2つあります。
明確な理由を持って働くことが出来ればおすすめです。
ですが、デメリットもございます。
デメリットとして挙げられるのは
といったお金に大きくかかわる問題があります
1人暮らしで収入面に不安のある方は、1度就職して働きながら整体師の勉強・スキルアップをしていくことが1番」安全な選択肢とも言えるでしょう。
正社員の場合
正社員として働く場合、平均年収は350万円程度が相場ですが、施設・給与形態によって金額の幅が変わります。
例えばですが、整体院の方が給料が高くても。リラクゼーションサロンで歩合制の場合は、サロンの方が収入が多かったというパターンも少なくありません。
このように、働く場所や雇用形態によって平均収入よりたくさんもらえたり、そうでなかったりするので、「もっと稼ぎたい」や「安定した収入が欲しい」など収入面を見てから働く場所・施設を考えるのもいいかもしれません。
院長経営者
院長経営者とは、言葉の通りお店・整体院の経営者のことを指します。
平均年収は600万円程度です。
経営者になった場合、整体師としてのプレイヤーよりも店舗を管理するマネージャー業務が多くなります。
また、社員の働きやすさや管理、メンタルケアなど業務の大半を店舗や社員に目を向けるようになり、お客様に目を向けられなくなる場合があります。
「お店を開きたい」「店舗の運営を管理したい」など人の上に立つお仕事をしたい方はおすすめです。
今の職場で年収を上げるには?
既に就職されていて、収入を上げたい方に向けて詳しく説明します。
収入を上げる方法として、3つの方法があります。
それぞれの方法を紹介していきます。
雇用形態の変更
先ほど紹介したように、雇用形態の違いで収入は大きく変わります。
現在勤務している職場で収入を上げたい方は、雇用形態の変更が可能であれば歩合制の雇用形態に変更を希望してみましょう。
ただし、歩合制になる分、収入が安定しなくなるため、変更する場合はしっかりと考えてから行動することをお勧めします。
資格取得で資格手当の申請
職場によっては「資格手当」というのが存在します。
難易度の高い資格ほど資格手当を多くもらうことが出来るでしょう。
また、取得することで自身のキャリアアップにもつながるので資格取得で損することはないはずです!
正社員の場合は、仕事と勉強の両立がカギになってきます。
キャリアアップ、収入を上げたい方はぜひ、資格取得にチャレンジしてみてください。
スキルを磨いてから転職
最後の手段として「転職」するという方法があります。
会社・職場によってはスキルや勤続年数に対して昇給・昇進しない職場も少なくありません。
転職するときに備えて自身の市場価値を高めておきましょう。
今の職場で給料アップが見込めないと判断したときに、いつでも転職活動でアピールできるスキルを身につけておくのも1つの考えです。
独立・開業してから必要なことはある?
独立・開業をしたい方は多くいらっしゃると思いますが、開業するのがゴールではなく新たなスタートという認識を改めておいてください。
独立・開業してから必要なことや継続的に売り上げを黒字に保つ方法について詳しく説明します。
開業してからの必要なスキルは?
独立してから最初の壁にぶつかるのはずばり「集客」です。
お客様から整体院としての認知をしてもらえない限り、新規のお客様を獲得することはできません。
開業してから売り上げを出すには集客スキル、つまりマーケティングスキルが必要になります。
整体師としての勉強と集客・経営の勉強で最初は仕事が手一杯になると思いますが、それを乗り越えることで継続的な店舗運営が可能になります!
集客する方法は?
集客する方法として簡単に3つの方法があります。
自分たちがターゲットにしているお客様に、たくさんある広告の方法を使い分けて集客していきましょう。
店舗の運営が軌道に乗るまではマーケティングについて学び実践を続けていきましょう。
また広告規制についても理解しておく必要があります。
自身が発信する広告が規制に引っかかってしまったら今までの努力が水の泡になってしまいますので、注意してください。
私って整体師に向いてるの?と悩んでいる方は「整体師に向いている人の特徴とは?整体師に必要な資格と時間を解説」から詳しく見ることができます。ぜひ参考にしてみてください。
整体師は民間資格か国家資格を取得してスキルアップを目指そう!
整体師の役割は、患者の体の歪みを整え、健康をサポートすることです。
整体師に決まった資格は存在せず、知識と技術を持つ人ならば誰でも始めることができます。
しかし正しい施術を提供し、患者からの信頼を得るためには、整体師に必要なスキルや知識を磨いて資格取得を目指すことが望ましいでしょう。
今はさまざまな団体が民間資格を設定していますので、自分の目的や夢にあった資格を選択してください。
「いずれは開業したい」という目標がある方は、国家資格であるあん摩マッサージ指圧師や鍼灸師、柔道整復師を取得するのがおすすめです。
一生物である国家資格を取得すれば、求人や仕事の幅も大きく広がるでしょう。
理想のキャリアパスに沿った適切な資格を選び、整体師としてのスキルを高めましょう。