社会福祉士に必要な受験資格って何?未経験者必見! 更新時間 2023.08.08
社会福祉士とは、社会福祉業務に携わる名称独占の国家資格です。
社会福祉士になるためのルートはいくつかあり、それぞれ受験に必要な資格も異なります。
そこで今回は、社会福祉士になるために必要な受験資格やルートについて、詳しく解説していきます。
未経験から社会福祉士を目指す方、社会福祉士の仕事に興味がある方は、ぜひ最後までお付き合いください。
介護職の資格についてもっと幅広く知りたいという方は 「介護職のおすすめ資格は?種類や受講費用、期間などをご紹介」もチェックしてみてくださいね。
社会福祉士になる方法とは?
社会福祉士になるための道は多く、経験や学歴によって大きく異なります。
この記事では、国家試験の受験資格から、実際に社会福祉士になるまでの具体的なルートについて詳しく解説します。
専門性を活かして社会に貢献できる社会福祉士になるための手順をしっかりと把握し、将来に備えましょう。
社会福祉士国家試験の受験資格
社会福祉士になる選択肢はいくつかあります。
一般的な方法は、大学で社会福祉学を専攻し、卒業後に国家試験を受けることです。
さらに、専門学校や短期大学でも養成課程が開かれています。
例えば、専門学校では短期間で必要な知識と技術を身につけられる利点があります。
また、在職者向けの通信教育も充実しており、現在の仕事を続けながら資格を目指す選択肢が多いため、自分の生活スタイルや学びたい内容に応じて選ぶことが可能です。
各ルートにはそれぞれ特有のメリットがあり、多様なニーズに応えられる形で資格を取得できます。
社会福祉士になるためのルート
社会福祉士国家試験は年に一度、6月に実施される重要な試験です。
試験は筆記と面接があり、どちらも高得点が求められます。
年に一度しかないこの試験に合格するためには、計画的な準備が不可欠です。
過去問題の解析や模擬試験で形式と傾向を把握することで、不安を減らし自信をつけられます。
また、専門学校や介護スクールでの指導を受けることで、専門的な知識を得られるとともに、自分では気づかないポイントも理解で切るでしょう。
このように、事前の準備が合格への近道です。
次のチャンスは一年後なので、一度の試験にかける価値は非常に高いです。
充実した準備で、その一回一回を確実なものにしましょう。
社会福祉士国家資格について
社会福祉士の国家資格は、多くの人々にとって社会貢献ができる仕事への入り口となります。
この記事では、国家試験が1年に1度しかない重要性、その難易度と合格率、さらには試験範囲までを詳しく解説しますので是非この情報を活用してください。
社会福祉士国家試験は1年に1度だけ
社会福祉士国家試験は、毎年6月に実施されます。
この試験は、社会福祉士として必要な知識やスキルが身についているかを評価するものです。
試験は「筆記試験」と「面接試験」の2つで構成されています。
筆記試験では、社会福祉に関する基礎的な知識や実務に必要なスキルを問われます。
一方、面接試験では、実務において必要とされる判断力やコミュニケーション能力が評価されます。
また、筆記試験と面接試験の両方に合格する必要があるため、十分な対策をして挑まなくてはなりません。
試験に合格することで、社会福祉士としての資格を取得し、福祉の現場で活躍することができます。
国家試験の難易度と合格率
社会福祉士国家試験は難易度が高く、合格率は30%程度です。
同じく「介護福祉士」や「精神保健福祉士」といった三大福祉国家資格の中では、社会福祉士資格の取得が最も難しいと言われています。しかし、過去問を解き復習をしっかりと行うことで、一発合格も十分に可能です。
合格基準点は総得点の60%程度で、一般的に150点中90点とされていますが、試験の難易度によって微調整される場合があります。
過去のデータをみると、合格基準点が84点から105点まで変動がありました。
合格するためには、社会福祉や法律、心理学、統計学、福祉サービスなど幅広い知識が必要です。
国家試験の範囲
社会福祉士国家試験は、幅広い知識が問われる試験です。
試験は主に共通科目と専門科目に分けられ、合計19科目が存在します。
共通科目では、人体の構造や心理学、社会理論など基礎的な5科目があります。
一方、専門科目では、相談援助や地域福祉など、社会福祉士として必要な13の専門領域が対象です。
特に注意すべきは、社会保障に関する知識が非常に重視される点です。
医療、介護、労災、雇用、年金といった5つのカテゴリーについて、深い理解と知識が欠かせません。
このように多岐にわたる科目があるため、独学よりも専門学校や一般養成施設での学習が有利になるでしょう。
社会福祉士とは?
社会福祉士は、多様な福祉ニーズに対応する専門家です。
本章では、その仕事内容から活躍する場所までを詳しく紹介します。
「社会福祉士としてどのように社会に貢献できるのか?」、その魅力と課題を解説します。
社会福祉士は福祉の専門家
社会福祉士とは、福祉に関わる多岐にわたる業務を担当する専門家です。
具体的には、高齢者、障がい者、児童、家庭など多様な層の福祉に貢献し、地域社会における福祉向上に積極的に取り組みます。
例えば、福祉政策の立案や福祉サービスの提供なども仕事の一環です。
専門性を高めるために継続的な学びに励んでおり、新しい情報や技術を積極的に取り入れ、専門家としての資質を磨き上げています。
このような努力があるからこそ、福祉に関する課題に対し、より効果的な解決策を提案することができるのです。
専門性と継続的な学びが高まることで、福祉分野における信頼と評価も一層高まるでしょう。
社会福祉士の仕事内容
社会福祉士は福祉の専門家として、多岐にわたる業務に従事し高齢者介護から障がい者支援、生活保護、児童福祉に至るまで、幅広い問題に対処します。
例として、地域の高齢者が自宅で安心して生活できるように、必要な福祉サービスや補助具の選定を助けます。
このような対応によって高齢者本人だけでなく、その家族も精神的に安定する事がメリットです。
また、相談者の自立を支援するために、最適な福祉サービスや制度を紹介し、具体的なアドバイスを提供します。
たとえば、生活保護を必要とする家庭に対して、適切な手続きや申請書類の作成をサポートすることです。
このようなアドバイスにより、相談者は手続きの負担を軽減し、早期に支援を受けられます。
社会福祉士が活躍する場所
社会福祉士が活躍する主な場所は、福祉施設、保健所、自治体です。
例えば、福祉施設では高齢者や身体障害者への日常生活支援が求められます。
その結果、支援を受けた人々はより安心して生活でき、地域社会も健全な状態を保つことが可能です。
さらに、その活動は公共機関だけに留まりません。
多くの社会福祉士は民間企業で働いており、福利厚生のプランニングや社会貢献活動に携わっています。
具体例として、従業員向けのストレスチェックや健康管理プログラムの実施があります。
これらの活動が行われると、従業員は働きやすい環境が整い、その結果企業の生産性も高まります。
未経験から社会福祉士を目指す最短ルート
未経験からでも、社会福祉士を目指す方法は多数あります。
本章では、高卒、短大卒、大卒それぞれのケースにおいて、どのようなステップで目標に到達できるのかを詳しく解説します。
各ルートの具体例を用いながら、その選択がもたらす具体的なメリットを見ていきましょう。
高卒の場合
高卒で社会福祉士になるためには、国家試験に合格する必要があります。
高卒の方が社会福祉士の受験資格を得るための最短年数は4年で、ルートは以下の通りです。
社会福祉士の養成課程を履修し、社会福祉士国家試験に合格することが一般的ですが、短期大学や専門学校でも養成課程が設置されている場合があります。
短大卒の場合
短大卒業生の社会福祉士になるためのルートは、社会福祉学科などで学んだ後、相談補助実務経験1年と、短期養成施設に半年以上在籍することで、社会福祉士国家試験の受験資格が得られます。
この方法では、大学進学よりも早く資格を手にすることが可能です。
メリットとしては、短大卒であれば最短1年で資格が取れる速さが挙げられます。
この速さは、早く現場で活躍したい人には大きな魅力といえるでしょう。
また、短大での専門的な教育と、その後の相談補助実務経験を通じて、社会福祉士として必要な基礎知識と技術を効率よく学べます。
大卒の場合
大学卒業者が社会福祉士になるには、大学で専門の養成課程を履修し、卒業後に社会福祉士国家試験を受験する方法です。
大学のカリキュラムでは、福祉制度や法律、心理学など多岐にわたる知識と技術が習得できます。
とくに大卒の場合、幅広い分野での高度な学術研究が可能であり、それが専門性を高める大きなメリットです。
この専門性は、社会福祉士として働く場面で多角的な視点と深い理解が求められるため、非常に価値があります。
さらに、大学の資源を活用して研究やボランティア活動に参加することで、理論と実践のバランスもとれます。
未経験から社会福祉士になるときの注意点
未経験から社会福祉士を目指す場合、スタートで気をつけるべきポイントを解説します。
社会福祉士を目指す前に、知っておくべき事実をみてきましょう。
社会福祉士の資格がなくても働ける
社会福祉士の資格がなくても、福祉に関する仕事には就けます。
例として、介護職、生活支援員、看護助手、保育補助などがあります。
資格がない場合のメリットは、即戦力として働けることや、専門的な研修なしに業界に入れることです。
しかし一方で、資格がないと制限も多いのが現実です。
とくに、給与面では有資格者より低く、高度な業務に就けないケースも少なくありません。
さらに注目すべきは、2024年4月から無資格者にも認知症介護基礎研修の受講が義務化されたことです。
介護業界で働く場合、早めに研修を受けておくことが今後ますます重要になります。
この研修を受けることで、自身のスキルセットを広げ、より多くの仕事に就く機会も増えるでしょう。
試験に合格してからの方が大変
社会福祉士国家試験に合格した後も、成長と向上が求められます。
試験に合格するだけがゴールではありません。
実務経験をしっかりと積むことが、この職種で真に価値を発揮するために必要です。
具体例として、地域福祉のプロジェクトに参加したり、特定の対象者のためのサービスを開発するといった活動があります。
これらの経験を通じて、社会福祉の現場で直接問題解決に取り組むことができます。
多様な現場で働いた成果として、より多くの人々に対して質の高いサービスを提供できるようになるでしょう。
また、一つの資格だけでなく、関連する資格も取得することで、最終的にはより幅広い活動領域で高度なサービスを提供できるようになります。
高収入が得られる訳ではない
令和2年度に実施した調査によると、社会福祉士の資格を持つ職員の年収は平均403万円でした。
福祉関係全体のなかで見ると、社会福祉士の年収はやや高めの傾向がありますが、日本の平均年収と比較すると決して高くはありません。
資格取得までのハードルは高いものの、決して高収入が得られる職業ではないようです。
しかし、超高齢化時代に向けた需要は年々高まっており、働き口に困ることはほとんどないでしょう。
初任者研修についてもっと知りたい方は 「初任者研修のカリキュラムは?通信と通学の違いを徹底解説」を参考にしてみてください!
社会福祉士になるメリットとやりがい
社会福祉士として働く際の、多角的なメリットとそのやりがいを解説します。
社会貢献から経済的安定、さらには独立開業の可能性まで、具体的な事例をもとに各ポイントを明らかにします。
それぞれの要素がどのように自身の生活やキャリアに影響を与えるのか、そのメリットを解説していきましょう。
社会貢献ができる
社会福祉士として活動する場合、その役割は多岐に渡ります。
高齢者、障害者、児童、家庭といった多様なターゲットに対して福祉サービスを提供し、社会全体の福祉水準を高める重要な仕事です。
例えば、地域に根ざした高齢者向けのデイサービスを運営することで、高齢者が安心して暮らせる環境を作り出すことができます。
また、児童養護施設での働きかけによって、子どもたちが安定した環境で成長できるように支援できるでしょう。
このような具体的な活動を通じて、社会福祉士は非常に高い社会貢献を実現できる職業といえます。
安定した職業に就ける
社会福祉士は、今後の社会でますます存在価値が高まる職業です。
高齢者、障害者、児童、貧困層など、多くの人々が直面する課題に対して、独自の専門知識とスキルで解決策を提供します。
例として、地方自治体での福祉サービスの計画や施設での介護業務、または教育プログラムの提供などが挙げられます。
このような多岐にわたる活動は、社会福祉士が持つ多様なスキルと連携力によって可能です。
また、専門的な知識を持つため、福祉関連の政策形成や研究にも関与でき、更なるキャリアアップができます。
独立開業が目指せる
社会福祉士の資格は、多角的なキャリアがあり、その一つが独立開業の道です。
例として、福祉施設の運営コンサルティングや社会福祉に特化したプログラムの開発があります。
さらに、高齢者が多い地域で、独自の介護サービスを展開するビジネスを始めることもできるでしょう。
このようなサービスが成功した場合、地域社会における高齢者のQOL(生活の質)が向上し、それがビジネスとしても成功を収める可能性が高まります。
独立開業は、自分でビジネスを経営することで、直接社会に貢献しながら収益も上げることが可能です。
それだけでなく、自らの専門性を活かすことで、更なるスキルの向上と市場価値の拡大が期待できます。
デメリットも存在する
メリットややりがいをお伝えしましたが、デメリットについても少しだけ学んでおきましょう。
デメリットを事前に理解しておくことで、それを含めても社会福祉士をやりたいというより強い就職する動機が生まれることでしょう。
精神的な負担・ストレス
社会福祉士の支援対象は、生活が困難な方がほとんどです。
そのため社会福祉士といった生活面・精神面で支えになってくれる職業が存在します。
虐待から保護された人や、精神疾患のある方とともに過ごすため精神的な負担・ストレスを抱えていくでしょう。
給与の限界
強い使命感ややりがいを報酬としてもらえる一方で、給与の限界があります。
営業職などの「商品をたくさん売れれば稼げる」といったお仕事ではないため、収入よりも社会貢献に熱意がある者が社会福祉士に向いているでしょう。
社会福祉士に向いている人・向いていない人の特徴とは
社会福祉士は様々な人とかかっていく職業です。
社会福祉士のお仕事に向いている人、また、向いていない人の特徴について解説していきます。
向いている人
社会福祉士に向いている人の特徴は、以下の4点にいずれかが当てはまります。
- 共感性が高く思いやりがある人
- コミュケーションスキルの高い人
- 強い忍耐力とストレスへの耐性が高い人
- 社会的貢献への熱い情熱がある人
共感性が高く思いやりがある人
社会福祉士はたくさんの人の支援や心のケアを行うため、共感性が高く思いやりの気持ちが豊かな人が向いています。
他人の感情や立場に理解を持ち、心の支えになってくれるような能力が必要です。
コミュケーションスキルの高い人
社会福祉士は、クライアントだけでなくその家族や関係者たちと長期的かつ円満にコミュニケーションをとっていく必要があります。
非常に高いコミュニケーションスキルを持っている人は、社会福祉士に向いているでしょう。
強い忍耐力とストレスへの耐性が高い人
社会福祉士のお仕事はたくさんの人間関係で困難になったり、ストレスを抱えるでしょう。
それでも、なげやりにならずに人間関係での困難を乗り越えられる人は長い間、社会福祉士としてお仕事を続けられるでしょう。
また、クライアントの心身が良好に進んでいったとき、とてもやりがいを感じることでしょう。
社会的貢献への熱い情熱がある人
社会福祉士は、社会全体の問題にも立ち向かい、人々の生活をより良い方向へ改善する役割を果たします。
社会的な課題に熱心な思いを持っている人は、長期にわたって現場で活躍することが出来るでしょう。
向いていない人
ここからは、社会福祉士に向いていない人の特徴について解説していきます。
社会福祉士に向いていない人の特徴は以下の4点です。
- 共感力が不足している人
- コミュニケーション能力が低い人
- ストレスに耐性が低い人
- 精神的な負担・ストレス
それぞれの特徴を見ていきましょう。
共感力が不足している人
社会福祉士のお仕事は、他人の悩みや当時の苦境に対して深い理解と共感することが必要になってきます。
共感力が他人より不足していると感じる人は、社会福祉士に向いていない可能性があります。
コミュニケーション能力が低い人
コミュニケーションに苦手意識があり、普段から他人との人間関係を構築するのが難しい人は、社会福祉士に不向きでしょう。
会話の流れがつかめない、普通に会話をしていて疲労感を感じる人は、他人の悩みを適切に対応するのが困難でしょう。
ストレスに耐性が低い人
社会福祉士は、精神的な負荷やストレスが数多くあります。
ストレス耐性が低い人は、悩みを一人で抱え込んでしまい、ネガティブな感情になってしまうでしょう。
社会的問題に対して関心がない人
社会福祉士は、社会的な問題にも取り組む役割も果たしています。
社会的問題に無関心な人は、この職業は向いていないかもしれません。
社会福祉士に向いているかどうかについては、個人の性格や考え方によって大きく異なります。
自身の性格を客観的に評価して、社会福祉士の業務内容に適性があるかどうかを検討することが重要です。
国家資格である社会福祉士は将来性や需要のある仕事!
社会福祉士を目指す方にとって、国家試験の合格が必要です。
ただし、社会福祉士国家試験は誰でも受験できるわけではありません。
受験資格を得た方だけが、受験することを許されます。
この受験資格を取得するには、通常、社会福祉士国家試験に関連する指定科目を含む大学で4年間学び、学位を取得する必要があります。
さらに、この方法以外にも、社会福祉士になるための受験資格を取得する道が存在します。
どのような方法を選ぶにせよ、社会福祉士国家試験に合格するためには、十分な学習と準備が必要です。
資格取得に向けて計画的に進め、自身の目標を達成するために取り組みましょう。
他にも役立つ資格が多くあり「介護資格の種類はどのくらいあるの?スキルアップに取るべき資格を徹底解説!」から詳しく見ることができます。参考にしてみてくださいね。