社会福祉士の仕事内容とは?給料や必要な資格について詳しく解説! 更新時間 2023.08.10
「社会福祉士」という資格や仕事に興味がある方も多いことと思います。
しかし、普段どんな仕事をしているのか、どんな問題をどのように解決しているのか、具体的な仕事内容を知らない方も多いでしょう。
そこで今回は、社会福祉士の仕事内容について詳しく紹介していきます。
社会福祉士がどのように活躍して、どのように人々をサポートするのか、給与や資格などについても深掘りしてみましょう。
「国家試験を受けて社会福祉士の資格を取得したい!」「社会福祉士になって地域や社会に貢献したい!」と考えている方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
他にも役立つ資格が多くあり「介護資格の種類はどのくらいあるの?スキルアップに取るべき資格を徹底解説!」から詳しく見ることができます。参考にしてみてくださいね。
社会福祉士の仕事内容
社会福祉士の主な仕事は、以下も4つに分けられます。
①相談業務
②介護業務
③支援サービスの案内・管理
④医療や行政機関との連携
では、それぞれ詳しく解説していきましょう。
相談業務
社会福祉士の主な仕事の一つは、福祉サービスを希望する個人や家族に対する相談業務です。
社会福祉士は、様々な問題や困難に直面している人々の支援を提供し、彼らの生活を改善するためのアドバイスや指導を行います。
また、心理的な支援やカウンセリングも行い、クライアントの心の健康を促進します。
介護業務
社会福祉士は、高齢者や身体的・精神的な障害を持つ人々の介護にも携わります。
日常生活のサポートを提供し、食事の準備や入浴の手伝い、薬の管理など、患者の身体的な健康と安全を確保するのが主な業務です。
介護計画の策定やケアプランの調整も社会福祉士の役割であり、クライアントの最適なケアを確保します。
支援サービスの案内・管理
社会福祉士は、社会サービスや福祉プログラムについての情報提供を行います。
クライアントが安心して支援サービスを利用できるよう、手続きを行ったり環境を整備したりするのも仕事の1つです。
適切なサービスや給付金、福祉施設へのアクセス方法などを説明し、必要な申請や手続きをサポートします。
また、プログラムの運営や予算管理も行い、リソースの効果的な活用を促進します。
医療や行政機関との連携
医療機関や行政機関と連携を図り、クライアントが十分なサービスを受けられるようにするのも、社会福祉士の重要な役割です。
医療情報の共有や必要な医療ケアの提供、社会保障プログラムの調整などが含まれます。
また、地域社会とも連携を強化し、福祉サービスの改善に寄与します。
社会福祉士は、幅広いスキルと知識を駆使して、クライアントの生活の質を向上させる重要な役割を果たしています。
そもそも社会福祉士って?
社会福祉士は、社会福祉の専門家であり、福祉活動に従事するための資格です。
社会福祉士の仕事は社会福祉援助(ソーシャルワーク)と呼ばれ、幅広い分野で社会的な課題に取り組みます。
人々の生活の質を向上させるために、さまざまな機関と連携してサポートするのが、社会福祉士の役割です。
社会福祉士ってどんな資格?
社会福祉士資格は、日本国内で認定される資格であり、福祉活動に関する知識とスキルを有することを証明するものです。
この資格を持つことで、相談業務や介護、福祉サービスの提供など、幅広い分野で職務を遂行することができます。
社会福祉士の魅力
社会福祉士の魅力は多岐にわたります。
まず、社会的な課題に取り組むことで、社会への貢献感を得ることができます。
また、様々な人々と接する機会があり、深い人間関係を築けるのも社会福祉士の魅力です。
少子高齢化が進む日本においては、福祉分野は需要が高まっており、安定した職業としての魅力もあります。
社会福祉士の需要や将来性
社会福祉士の需要は、今後も高まると予測されています。
高齢化社会や福祉政策の重要性が増しており、社会福祉士の役割はますます重要です。
将来的にも福祉ニーズが増加するため、社会福祉士の職場は多岐にわたり、安定した雇用が期待できるでしょう。
社会福祉士が活躍する場所
社会福祉士が活躍する場所は、介護や医療、福祉の現場など多岐にわたります。
勤務先によってサポートする対象や内容が変わり、社会福祉士ではなく、別の名称で呼ばれることも多いようです。
障がい者福祉
【活躍できる場所】
社会福祉士は、障がい者福祉分野で重要な役割を果たします。
障がい者とその家族に対して支援を提供し、社会参加を促進するのが主な役目です。
個別のケアプランの策定や、福祉施設でのサービス提供など、障がい者の生活を向上させるために尽力します。
児童・家庭福祉
【活躍できる場所】
社会福祉士は、児童や家庭に関する福祉活動にも携わります。
児童福祉分野における社会福祉士は「ファミリーソーシャルワーカー(家庭支援専門相談員)」とも呼ばれ、子どもや保護者への支援を行うのが主な役割です。
社会福祉士は児童福祉司の任用資格に認められているため、公務員試験にも合格すれば「児童福祉司」として児童相談所で働くことも可能です。
児童虐待の防止や家庭内の問題解決を支援し、子供たちの健全な成長をサポートします。
また、里親制度の支援や養子縁組の調整など、児童・家庭福祉において重要な役割を果たします。
教育
【活躍できる場所】
社会福祉士は、学校や教育機関でも活躍します。
学校における社会福祉士は、「スクールソーシャルワーカー」と呼ばれ、児童が抱えている悩みなどの問題解決を図るのが主な仕事内容です。
特別支援学校や通常の学校において、生徒の福祉と教育を両立させるために働きます。
保険・医療
【活躍できる場所】
医療現場で勤務する場合は、「医療ソーシャルワーカー」と呼ばれます。
保健所や医療施設での社会福祉士として、患者の抱える悩みや問題を解決に導くサポートをします。
診療計画の策定やリハビリテーションの調整なども含まれます。
介護
【活躍できる場所】
社会福祉士の就労先としてもっとも一般的な職場とされているのが、老人ホームやデイサービスなどの高齢者介護施設です。
介護分野では「生活相談員」と呼ばれ、高齢者施設や在宅ケアで、介護計画の立案や介護者へのサポートを行います。
利用者やその家族に向けて、入所前の説明や契約手続き、利用者の金銭管理、退所時の手続きなどを担当するのが主な役目です。
高齢者や身体障がい者の生活の質を向上させるために貢献します。
民間の福祉サービス
【活躍できる場所】
社会福祉士は、民間の福祉サービス提供者でも求められています。
福祉団体やNPO、福祉施設などで、クライアントのニーズに合わせた支援を提供し、社会的な課題に取り組みます。
行政
【活躍できる場所】
社会福祉士は、地方自治体や行政機関での職務にも就くことも可能です。
社会福祉士が地方公務員として働く場合は、健康福祉課や保健福祉課などに配属されます。
福祉政策の策定や実施、福祉サービスの提供など、地域社会の福祉を担当し、地域全体の福祉向上に貢献します。
社会福祉士の平均年収や給与
社会福祉士を目指す場合、年収や給与も気になるところでしょう。
本章では、社会福祉士の平均年収や、職種別の給与目安について紹介していきます。
平均年収は403万円
社会福祉士の平均年収は403万円とされ、介護・福祉業界では比較的高収入です。
介護職員(352.8万円)や訪問介護員(364.1万円)よりも高い傾向にあるため、資格の貴重性が伺えます。
また社会福祉士の平均月収は363,480円で、無資格者の月収(271,260円)よりもずっと高いのが特徴です。
社会福祉士の性別・年代別の平均年収
次は、性別と年代別でみていきましょう。
男性の平均年収は473万円、女性の平均年収は365万円と、男女で100万円以上の差がありました。
その理由として、女性は出産や育児などのライフイベントによる時短勤務などで、年収が低めになったと予測できます。
また平成27年度の調査と比較すると、男性の年収が34万円のアップ、女性が26万円アップと、共に年収が上がっているのがわかります。
年代 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
10代 | 574万円 | 317万円 |
20代 | 332万円 | 320万円 |
30代 | 426万円 | 347万円 |
40代 | 501万円 | 380万円 |
50代 | 564万円 | 421万円 |
60代 | 418万円 | 321万円 |
今後も社会福祉士の需要は上がると予測されており、安定した雇用に加え、さらなる年収アップも期待できるでしょう。
職種・職位別の平均年収
次は、職種・職位別の平均年収を表したものです。
職種・職位 | 正社員 | 契約社員 | パート | 派遣職員 |
---|---|---|---|---|
主任/相談部門の長 | 499万円 | 376万円 | 270万円 | - |
介護支援専門員 | 386万円 | 296万円 | 183万円 | 333万円 |
地域包括支援センター | 392万円 | 286万円 | 188万円 | 370万円 |
障がい者相談支援専門員 | 403万円 | 274万円 | 169万円 | 665万円 |
児童自立支援専門員 | 442万円 | 243万円 | 120万円 | - |
医療ソーシャルワーカー | 391万円 | 315万円 | 191万円 | 275万円 |
スクールソーシャルワーカー | 464万円 | 295万円 | 241万円 | 200万円 |
相談員 | 391万円 | 91万円 | 270万円 | 183万円 |
指導員 | 389万円 | 270万円 | 130万円 | - |
介護職員(ホームヘルパー含む) | 354万円 | 260万円 | 131万円 | 208万円 |
支援員 | 376万円 | 254万円 | 132万円 | 229万円 |
事務職員 | 478万円 | 254万円 | 153万円 | 183万円 |
正社員の給与が高いことはもちろんですが、注目すべきは派遣社員の年収です。
ご覧の通り、契約社員よりも高い職種があり、さまざまな働き方ができるのも魅力です。
社会福祉士になって、どのような職種につくか考える際の参考にしてください。
社会福祉士になる方法
社会福祉士になるための道は多く、経験や学歴によって大きく異なります。
本章では、国家試験の受験資格から、実際に社会福祉士になるまでの具体的なルートについて詳しく解説します。
社会福祉士国家試験の受験資格
社会福祉士になるには、受験資格を得て、社会福祉士の国家試験を受け、社会福祉士として登録申請を行う必要があります。
受験資格を得る一般的な方法は、大学で社会福祉学を専攻するか、短期養成施設等または一般養成施設などでの修学です。
社会福祉士試験の受験資格を得る方法は12通りもあり、ご自身の学歴や経歴にあったステップを調べる必要があります。
社会人や主婦の方々が社会福祉士に向けて進む際は、通常の大学や短大を卒業した人々は、短期間の養成プログラムを修了することによって、国家試験の受験資格を取得できます。
また、大学や短大を卒業していない方でも、仕事をしながら通信制大学で学び、卒業資格を取得。
その後、養成施設を経て国家試験を受験する道が、選択肢として残されています。
このような方法を選択することで、自身のスキルや知識を向上させ、将来のキャリアに向けて堂々と歩みを進めることができるでしょう。
社会福祉士になるためのルート
社会福祉士国家試験は年に一度、6月に実施される重要な試験です。
試験は筆記と面接があり、どちらも高得点が求められます。
筆記試験では、社会福祉に関する基礎的な知識や実務に必要なスキルを問われます。
一方、面接試験では、実務において必要とされる判断力やコミュニケーション能力が評価されます。
筆記試験と面接試験の両方に合格する必要があるため、十分な対策をして挑まなくてはなりません。
年に一度しかないこの試験に合格するためには、計画的な準備が不可欠です。
過去問題の解析や模擬試験で形式と傾向を把握し、不安を減らし自信をつけられるよう対策を行いましょう。
初任者研修についてもっと知りたい方は 「初任者研修のカリキュラムは?通信と通学の違いを徹底解説」を参考にしてみてください!
社会福祉士国家試験の合格率と難易度
福祉専門職の試験の中でも最難関と言われています。
合格率は30%前後を推移しており、きちんとした対策と準備をしておかなければ合格は難しいでしょう。
近年の受験者数と合格者は、以下のとおりです。
第33回(2021年2月) | 第34回(2022年2月) | 第35回(2023年3月) | |
受験者数 | 35,287人 | 34,563人 | 36,974人 |
合格者数 | 10,333人 | 10,742人 | 16,338人 |
合格率 | 29.3% | 31.1% | 44.2% |
合格率は徐々に上がってきており、2023年は44%という合格率の高さでした。
介護福祉士や精神保健福祉士の試験に比べると、試験が広範囲であることが、合格が難しいと言われる理由のようです。
社会福祉士の仕事は幅広い!自分に合った場所を見つけよう!
社会福祉士の仕事は非常に幅広く、多くの分野で重要な役割を果たしています。
彼らは社会福祉の専門家であり、個人やコミュニティの福祉を向上させるために活動します。
その仕事内容は多岐にわたり、個人や家族からの相談に応じ、様々な問題に対してアドバイスや支援を提供するのも役割の1つです。
また、心理的なサポートやカウンセリングも行い、クライアントの心の健康を促進します。
高齢者や身体的・精神的な障がいを持つ人々のケアプランを策定し、日常生活のサポートを行い、患者の身体的な健康と安全を確保するのも重要な仕事です。
さらに、医療機関や行政機関との連携を取り、医療情報の共有や医療ケアの提供、社会保障プログラムの調整なども行います。
このように、社会福祉士の仕事は社会の課題に対処し、人々の生活の質を向上させるために必要不可欠なものです。
社会福祉士という専門的な資格を持つことで、福祉分野での充実感と社会貢献を実現しています。
社会福祉士の資格取得を検討している方は、受験資格を取得するための方法を調べることから始めてみましょう。
介護職の資格についてもっと幅広く知りたいという方は 「介護職のおすすめ資格は?種類や受講費用、期間などをご紹介」もチェックしてみてくださいね。