初任者研修とは?費用や期間などおすすめ講座の選び方をご紹介 更新時間 2023.07.04
介護の求人票でよく目にする「初任者研修(旧ヘルパー2級)」はいったいどんな資格でしょうか。
これから資格取得にチャレンジしたいけど、「一体どんな資格なのか?」「難易度はどれくらい?」など、気になっている方も多いのではないでしょうか?
今回は、初任者研修の資格について、取得にかかる費用や期間、講座・スクールの選び方をまとめました。
- これから介護職に携わりたい方
- 職場でのキャリアアップを目指している方
- 就職・転職先の幅を広げたい方
などなど、介護未経験の方はぜひチェックしてみてください。
初任者研修ってどんな資格?
介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)は、介護職を学ぶ人が最初に取得する資格です。
介護現場で働きたい方はもちろんのこと、家族の介護ケアにも役立つ資格としてチャレンジする方も少なくありません。
資格を取得することで、入浴・食事の介助などを含む基本的な介護業務が行えるようになり、介護職として働く際に必要な基礎的な知識・技術を身に付けられます。
「初任者研修所持者」と「無資格」の大きな違いは、身体介護ができるかどうかです。
資格を取得することで、介護現場で行える業務の幅が広がるのに加え、キャリアアップや給与アップも期待できます。
初心者研修は最短1ヶ月で取得でき、一生有効な資格です。
1度取得するだけで、結婚や出産、家族の引っ越し、子どもが独立したあとの就職・転職のハードルを下げてくれる「武器」になるでしょう。
ただし受講にあたってはスクールに通う必要があり、独学では取得できませんのでご注意くださいね。
初任者研修の資格を取得する方法とは?
初任者研修の資格を取得するには、国において定められた以下のカリキュラムを受講する必要があります。
項目 | 受講時間 | |
---|---|---|
1 | 職務の理解 | 6時間 |
2 | 介護における尊厳の保持・自立支援 | 9時間 | 3 | 介護の基本 | 6時間 |
4 | 介護・福祉サービスの理解と医療の連携 | 9時間 | 5 | 介護におけるコミュニケーション技術 | 6時間 |
6 | 老化の理解 | 6時間 | 7 | 認知症の理解 | 6時間 |
8 | 障害の理解 | 3時間 | 9 | こころとからだのしくみと生活支援技術 | 75時間 |
10 | 講義の振り返り | 4時間 |
計 | 130時間 | |
受講内容はどのスクールも同じで、「講義」で介護の知識を養い、「演習」で体を動かしながら技術を学ぶ構成になっています。
多くのスクールが「通信コース」と「通学コース」を用意していますが、いずれのコースを選択した場合でもスクーリング(通学)は必須です。
初任者研修の試験の難易度
130時間に及ぶ全課程修了後、修了試験が実施されます。
その試験に合格すると「修了証明書」が発行され、初任者研修の資格保持者となる流れです。
試験は選択式と記述式で32問以上が出題され、100点満点中70点以上とらなくてはなりません。
試験自体はそれほどむずかしくなく、授業内容を理解していれば誰でも合格できるでしょう。
初任者研修についてさらには詳しく知りたい方は必見! 「初任者研修のカリキュラムは?通信と通学の違いを徹底解説」を参考にしてみてください!
初任者研修の資格を取得するメリット
初任者研修の資格にチャレンジすると、どんなメリットがあるのでしょうか?
メリットを知っておくことで、資格検定に向けて頑張る目的が明確になりますよ。
学歴や職歴などの受講条件がない
資格の中には、「大卒以上」や「職務経験3年以上」など、受講条件が設けられているケースもあります。
しかし一方で、初任者研修は「年齢」「学歴」「必要資格」「実務経験」などの受講条件がありません。
まったくの介護未経験者でもチャレンジできる資格として、ハードルが高くないのが魅力です。
未経験でも就職・転職しやすい
介護業界の求人は豊富なので、未経験でも働けないわけではありません。
しかし初任者研修の資格を持つことで、より好条件で働くことができます。
「週1〜OK」「1日3時間〜OK」など、融通の効いた働き方ができ、子育て中の主婦や60歳以上の方でもチャレンジしやすい職業です!
活躍できる場所は老人ホームのほか、病院やデイサービス、訪問介護など、自宅近くや駅近などたくさんの職場から選択できるでしょう。
訪問介護(ホームヘルパー)ができる
訪問介護とは、利用者の自宅に訪問して身体介助や生活援助を行う職業です。
買い物や料理など身の回りのお手伝いをする「生活援助」は、資格がなくても採用されるケースがありますが、食事や排せつ、入浴といった「身体介護」は資格保持者でないと行えません。
訪問介護は基本的に1人の介護職員が訪問するため、初任者研修以上の資格が必要不可欠です。
訪問介護(ホームヘルパー)の給与は介護職全体の平均よりも高めで、キャリアアップを目指せる職種として注目されています。
「直行直帰OK」や「1日1件〜」など色んな求人があり、ライフスタイルに合った働き方ができるのも訪問介護として働くメリットがあります。
働きながらでも資格取得を目指せる
スクールによっては、土日コースや夜間コースを開講しています。
就業中の方はコースが充実しているスクールを選べば、仕事との両立も可能です。
すでに介護業界で働いている方なら、資格取得サポート制度を設けている会社も多いので、ぜひ確認してみましょう。
介護職の資格についてもっと幅広く知りたいという方は 「介護職のおすすめ資格は?種類や受講費用、期間などをご紹介」もチェックしてみてくださいね。
初任者研修の資格取得にかかる費用・受講期間
初任者研修の資格取得には、どれくらいの費用と時間がかかるのかチェックしておきましょう。
資格取得にかかる費用はスクールによって異なりますが、相場は4万円台〜10万円以内が一般的です。
ハローワークを利用したり、スクール会社が運営する介護施設に就職したりすることで、受講料が無料になるケースもあります。
出来るだけ費用を抑えたい方は、割引制度やキャンペーン期間などをチェックして選ぶのがおすすめです。
初任者研修の受講期間
初任者研修のカリキュラムは、130時間と決められています。
スクールの学習コースが「週何回か」「1回何時間か」による変動はありますが、「〇〇スクールならすぐに取得できる」「〇〇スクールは時間がかかる」といった違いはありません。
週3クラスであれば最短3週間で取得できますが、週1ペースであれば3ヶ月くらいはかかるでしょう。
初任者研修のスクールを選ぶ5つのポイント
初任者研修の資格を取得できるスクールはたくさんあり、どの講座を選んだらいいのか悩んでいる人も多いでしょう。
「費用が安いから」「人気がありそうだから」など、安易な理由で選んでしまうと危険です。
ここでは、スクールを選ぶ際に押さえておくポイントを解説していきたいと思います。
自宅から通いやすい場所か?
初任者研修の受講時間は130時間です。
そのうち通信による学習時間が上限40.5時間と決められており、最低でも89.5時間以上は学校に通う必要があります。
これは日数にすると「15~18日程度」です。
はじめはモチベーションも高くて楽しく通学できても、何度か通ううちに通学が面倒になり、徐々に通学しなくなる可能性も少なくありません。
受講修了を達成するためにも、通学に時間がかからない学校選びが大切です。
自宅から30分以内だと、さほど面倒とは感じにくいかもしれません。
振替授業を無料で受けられるか?
振替授業がどれだけ融通が効くかも、押さえておきたい重要なポイントです。
とくに働きながら、育児をしながらという方は、急な予定やお子さんの体調不良などで通学できないことも少なくないでしょう。
そのような場合に備え、振替受講制度がどうなっているかを確認することをおすすめします。
確認するポイントは、「振替受講の回数制限があるか?」「振替は無料か?」「日程の調整がしやすいか?」「振替の予約がスマホでできるか?」などがございます。
学校によって振替制度はさまざまですので、しっかり確認しておきましょう。
就職支援サポートがあるか?
介護業界への就職や転職を検討されている方は、就職サポートの有無も確認しておきたいポイントです。
スクールが運営する施設への斡旋のほか、「それ以外の就職先も紹介してもらえるのか」「就職実績はどれくらいあるのか」もチェックしておきましょう。
就職サポート専任のスタッフがいれば、より丁寧なサポートが受けられる可能性が高いです。
自分に合ったコースがあるか?
働きながら受講する方は、夜間コースや休日コースなどが充実したスクールがおすすめです。
また最短で取得したい場合は、最短集中コースなどがピッタリでしょう。
「どれくらいの期間で取得したいか」「どの曜日どの時間帯なら通いやすいか」などを考え、無理なく取得できるスケジュールを確認してみてください。
受講費用は適切か?
受講費用は「エリア」「サポート制度」「設備」などによって異なります。
単純に高いか安いかだけで選ぶのではなく、その料金に見合ったサポートが受けられるかを確認するといいでしょう。
安い学費で受講できても、振替に追加料金が発生したり、就職サポートがないスクールも少なくありません。
資料請求は無料のスクールがほとんどなので、各講座の内容を比較して検討してみましょう。
初任者研修は何歳からでもチャレンジしやすい資格
初心者研修の資格やカリキュラム、取得するメリット、講座の選び方について解説しました。
日本の高齢化社会において、介護の求人数は右肩上がりです。
初心者研修の資格を取得しておけば、将来働き口に困ることはほぼないでしょう。
定年後にパートとして働いている方や、40代・50代で子育てがひと段落し資格にチャレンジする人も少なくありません。
誰でも、何歳からでもチャレンジしやすい資格として、注目を集めています。
受講には費用がかかるので、スクール選びを失敗しないことが重要なポイントです。
まずはスクールの情報収集をして、自分に合った講座を比較・検討してみてください。
医療に関する資格も多くあり「医療事務の資格には何があるの?おすすめや選び方について」から詳しく見ることができます。参考にしてみてくださいね。