初任者研修を徹底解説!取得を目指している方必見! 更新時間 2023.08.08
介護職員初任者研修とは、介護の基礎から応用までを習得できる介護職員のスタート資格です。
「介護業界を目指すなら初任者研修は取得するべき?」
「介護職員初任者研修の内容や費用について知りたい」
このような方に向けて、初任者研修のカリキュラムや研修期間、費用、受講するメリットについて解説しています。
受講の費用を抑える方法についても紹介していますので、これから取得を考えている方はぜひチェックしてみてください。
介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)とは何か?
介護職員初任者研修は、介護の基本的なスキルや知識を身につけるための研修プログラムです。
通常、約2〜3ヶ月間の期間をかけて行われ、修了後に介護職員初任者資格が取得できます。
この資格を持つことで、介護施設や在宅ケアでの仕事に就くことができ、入浴や食事の介助など基本的な介護業務が可能となります。
受験資格が不要のため、介護業界に携わる最初のステップとして最適な資格といえるでしょう。
初任者研修の内容は?
初任者研修の内容は厚生労働省の指針に基づいており、130時間の講義と実技演習で構成されています。
130時間に及ぶ学習内容は、下記の10項目です。
研修科目 | 受講時間 |
---|---|
職務の理解 | 6時間 |
介護における尊厳の保持・自立支援 | 9時間 |
介護の基本 | 6時間 |
介護・福祉サービスの理解と医療の連携 | 9時間 |
護におけるコミュニケーション技術 | 6時間 |
老化の理解 | 6時間 |
認知症の理解 | 6時間 |
障害の理解 | 3時間 |
こころとからだのしくみと生活支援技術 | 75時間 |
振り返り | 4時間 |
受講時間は自宅学習40.5時間と、スクーリング80.5時間の計130時間になります。
初任者研修の受講期間は?
学習頻度にもよりますが、資格取得までに1~4ヵ月がかかる見込みです。
スクールによっては、最短3週間で取得可能なコースも用意されています。
ただし、研修内容やカリキュラムは施設や地域によって異なる場合がありますので、具体的な受講期間については確認することが重要です。
また働きながら資格取得を目指す場合は、夜間コースや土日コースがあるスクールを選ぶようにしましょう。
初任者研修の試験について
初任者研修の試験は、介護の基本的な知識やスキルを評価するものであり、難易度は高くありません。
合格率はほぼ100%で、不合格になった場合も再試験を受けられます。
合格ラインはスクールによって異なりますが、100点中70点くらい取れると合格です。
出題形式は、「選択式のみ」と「選択式+記述式」の両方があり、学習内容を理解していれば十分に理解できる内容になっています。
初任者研修に必要な費用について
初任者研修の資格取得には、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。
ここでは、以下の3パターンで受講料について解説していきます。
①スクール
②勤務先
③ハローワークの職業訓練
スクールで受講する場合
民間の通学や通信スクールでは、4万~8万円の受講料がかかります。
スクールや地域によって費用は異なるので、自宅から通えるスクールの料金を比較するようにしましょう。
スクールでは割引キャンペーンや就業サポートなどを行なっており、受講方法によっては全額キャッシュバックを受けられる可能性もありますよ。
介護職員初任者研修を開講しているスクールには、以下のような全国展開の大手スクールがあります。
初任者研修についてもっと知りたい方は 「初任者研修のカリキュラムは?通信と通学の違いを徹底解説」を参考にしてみてください!
初任者研修は働きながらでも取得できる?
介護職への就職や転職を考えている方々にとって、初任者研修の資格は重要なステップです。
しかし、多くの人が疑問に思うのは、「働きながら初任者研修の資格は取得できるのか?」ということでしょう。
実際のところ、初任者研修を通学や通信を活用しながら取得することは可能です。
では、詳しい内容についてご紹介します。
初任者研修には通学が必須条件
初任者研修の資格を取得するためには、必ず通学しないといけません。
つまり、通信講座だけで資格は取得できません。
この研修は実務経験に合格するために受けるもので、介護技術の知識や、知識の基礎を習得するために必要な研修です。
通学のメリットは、専門の講師から直接指導を受けられることや、実習施設での実践経験が豊富に得られることです。
通学コースは週末や夜間にも開講しており、介護スクールではたくさんの受講生が働きながらでも受講できるような体制が整っています。
初任者研修と仕事の両立が可能な理由
初任者研修を仕事と両立させることは実現可能です。
その理由について、詳しく解説していきます。
2〜3ヶ月で取得可能
初任者研修は比較的短期間で修了できるため、仕事と両立しやすいのが特徴です。
厚生労働省によれば、介護職員初任者研修の所定の研修時間は130時間と規定しています。
1週間あたりの学習時間を平均13時間と設定すれば、約2か月で資格を取得することが出来ます。
上位資格である「実務者研修」は、およそ450時間の研修が必要です。
初任者研修は、実務者研修の半分以下の時間で取得がかのうなため、介護職のお仕事を始めるためのスタート資格として適しています。
通信と通学の併用が可能
初任者研修の資格は通学が必要とお伝えましたが、通信と通学を併用して学習することが可能です。
働きながら通学するのは難しいですが、通信講座を取り入れることで、資格取得までの負担を減らすことが出来ます。
通信教育では自宅で学習し、通学コースでは実技を習得するといった形で両方を組み合わせることで、効率よく学習しながら資格取得を目指しましょう。
合格率はほぼ100%!
初任者研修の合格率はとても高く、ほぼ100%の合格率です。
そのため、仕事と学習の両立が成功しやすいでしょう。
初任者研修の修了試験は、授業を真面目に受けていれば問題なく合格できるように設計されています。
さらに合格できなかった場合でも、多くのスクールでは補講制度があるため、確実に合格するためのサポートが整っています。
試験勉強が仕事に支障が生じることはほとんどありません。
実際に、多くの人が働きながら資格取得を目指しています、安心して挑戦できるでしょう。
介護職員初任者研修は、介護に関する資格を持たない方々から「最初の介護資格」として選ばれています。
スクールやコースの選択肢が多い
多くの人が働きながら受講するため、働く人々のスケジュールに合わせた多様なスクール・コースを提供しているスクールがほとんどです。
土日コース、夜間コース、週1日コースなど、忙しい方でも受講しやすいカリキュラムが充実していて、自身のライフスタイルに合った受講プラン、コースを発見できます。
働きながら初任者研修の資格を取得するまでの過程
働きながら資格取得を目指す方は、以下の3パターンで取得するケースがほどんどです。
3パターンで取得する場合の流れや必要な期間について説明していきます。
土日コースの場合
土日コースは、週末に通学して学習を進めるスケジュールです。
通常、土曜日と日曜日に授業が行われ、平日は仕事に専念することが出来ます。
このコースは、主に働きながら学習を進めたい方や家庭がある方に最適です。
スクールによっては、「土曜日のみ週1コース」「日曜日のみ週1コース」「土日の2日間コース」など、多数のパターンが用意されていることもあります。
「週末1日はゆっくり休みたい」という方なら週1コースを、「早く資格を取得して転職したい」という方であれば週2コースを、自分の目的やペースに合わせて選んでいきましょう。
取得までの期間は、通常3〜4ヶ月程度で、週末にしっかりと学習すれば資格取得できます。
平日週1コースの場合
平日週1コースは、平日の夜間に1回の授業を受けるスケジュールです。
週に1回の授業を受けながら、平日の昼間は仕事に専念することが出来ます。
このコースは、比較的にゆっくりと学習を進めたい方に最も適しています。
取得までの期間は通常、4〜5ヶ月程度です。
繁忙期などで、週に1回の授業も受けられない可能性がある場合は、「受講期間の延長」ができるスクールを選ぶことをおすすめします。
受講期間が短いと、仕事を休んで通学しないと間に合わなくなり、両立が難しくなるリスクを負いかねません。
自身の仕事のスケジュールと相談しながらコースを選択しましょう。
夜間コースの場合
夜間コースは、平日の夜間に授業を受けるスケジュールです。
日中は仕事や家事などに時間を充てつつ、夜間に学習します。
このコースは特に日中に働いている方に向いており、取得するまでの期間は5〜6ヶ月程度が目安です。
ただし、夜間コースを開講しているスクールは多くありません。
そのためスクールの選択肢が少なく、さらに自宅近くにスクールがない場合がほとんどです。
自宅や職場の近くに夜間コースを開講しているスクールがない場合は、短期コースや土日コースを学習するのがおすすめです。
初任者研修を受講するメリット
初任者研修を受講する主なメリットは、以下の3つです。
①学歴や職歴がなくても受講できる
②未経験でも採用されやすい
③給与アップや高待遇が期待できる
では、それぞれ詳しく解説します。
学歴や職歴がなくても受講できる
初任者研修は、学歴や職歴に関係なく誰でも受講できる資格です。
特別な条件や要件は必要ありません。
これは、介護職に興味を持ち、新たなキャリアをスタートさせたいと考える多くの人にとって魅力的なポイントです。
年齢やバックグラウンドに関係なく、誰でも介護のプロとして成長できるチャンスが提供されています。
未経験でも採用されやすい
初任者研修を受講することで、介護職への就職・転職がスムーズになります。
介護の基本的な知識やスキルを習得していることは、雇用主にとって大きな魅力です。
一から指導する必要がないため、早い段階から現場で活躍できるようになるでしょう。
つまり介護経験がない方でも、資格を持つことで採用されやすくなり、新たな職場で経験を積むチャンスを得ることができます。
給与アップや高待遇が期待できる
初任者研修を修了すると、介護職の給与や待遇が向上する可能性が高まります。
求人票を見ると明らかですが、未経験者と資格保有者は給与が違ったり、資格手当が支給されたりといった高待遇を受けられます。
さらに、需要の高い介護職であるため、安定した雇用とキャリアの成長が期待できるのも魅力です。
経済的な安定感を求める方にとって、初任者研修は魅力的な選択肢といえるでしょう。
初任者研修のデメリットはある?
初任者研修のデメリットはあるのかと思われますが、資格を取って損すること、デメリットは一切ありません。
ですが、強いてあげるとなると、受講料といった金銭面的負担がデメリットとして挙げられます。
また、カリキュラムをこなすには時間もかかってしまうことでしょう。
費用としましては、コースにもよりますが約2万円から13万円の間と考えれば問題ありません。
一般的な講座の費用は5万円~8万円ですが、割引キャンペーンやハローワークなどを利用する事で、受講費用が無料となるケースもあるようです。
働きながら初任者研修するときの注意点
働きながら初任者研修の資格をとるには、いくつかの注意点があります。
以下のポイントに注意して、確実に資格が取得できるコースを進みましょう。
場所
初任者研修を受講する場所はとても重要です。
無理なく通える場所にあるかどうかは、目標を達成できるかが要になります。
通学先の距離やアクセスが大変ではないか、事前に確認しておきましょう。
費用
初任者研修は独学では取得できないため、一定の費用がかかってしまいます。
スクールに通う場合は、3〜8万円ほどかかるため、決して安い値段とはいえません。
受講料のほかにも交通費などがかかるので、自身の予算に合ったプランをしっかりと考えておきましょう。
ただし、費用の安さだけで選ぶと失敗してしまう可能性もあるので注意が必要です。
受講料が高いスクールでは、振替授業が完全無料だったり、再試験の費用がかからないなどサポートが整っていることが多々あります。
とくに働きながら通学する場合は、急な予定の変更やキャンセルが多々あります。
額面上の費用だけでなく、どのようなサポート体制がととのっているのかを確認するようにしてください。
コースの種類
初任者研修にはさまざまなコースが用意されています。
土日コース、平日コース、夜間コースなど、自分のスケジュールに合ったコースを選択しましょう。
また、コースによってカリキュラムや学習スタイルが異なるため、自身の学び方にあっているのかしっかり確認してください。
振替授業
仕事との都合で授業に出られない場合、振替授業の制度があるかチェックしましょう。
振替授業があれば、予定の調整や変更がしやすくなります。
キャンセルや振替授業の申し込みがスマホでできる、振替は何回でも無料など、振替制度の充実も重要なポイントです。
初任者研修の資格を活かせる場所
介護の知識やスキルを活かせる場所について解説します。
初任者研修の資格を活かせる場所は多岐に渡り、超高齢化に伴って今後も増え続けるでしょう。
介護施設
初任者研修の資格を活かせる場所の一つは、介護施設です。
介護施設では、高齢者や障害者への日常生活のサポートやケアが必要とされます。
初任者研修を受講し資格を持つことで、施設内での仕事が可能になり、入居者の生活の質を向上させる大切な役割を果たすことができます。
訪問看護
訪問看護も、初任者研修の資格を活かせる職場の一つです。
訪問看護は、患者の自宅でのケアや健康管理を担当します。
初任者研修を修了することで、患者の自立支援や健康状態のモニタリングを行い、家庭環境での安心感を提供する重要な仕事に就くことができます。
病院
病院での介護職も、初任者研修の資格を活かせる選択肢の一つです。
病院では、患者の身体的なケアやリハビリテーション支援が求められます。
初任者研修で学んだ知識とスキルを活かし、医療チームの一員として働くことが可能です。
家族の介護
初任者研修の資格を活かせる場所の中には、自宅での家族の介護も含まれます。
家族が高齢化する現代社会において、介護が必要な家庭は増加しています。
資格を持つことで、家族の介護を専門的にサポートすることができ、家庭内でのケアがより質の高いものとなります。
介護業界の需要や動向について
これから介護業界デビューをするにあたり、業界動向や就職率などが気になりますよね。
介護業界の需要や今後の動向について、詳しく解説していきましょう。
就職・転職はしやすい?
介護業界は高齢化社会の影響を受け、需要が年々増加しています。
厚生労働省によれば、2025年には約245万人の「介護職員」が必要といわれており、人手不足が深刻です。
そのため、初任者研修を修了した場合、就職や転職が比較的容易です。
介護職の求人は非常に多く、資格を持つことで採用されやすくなります。
正社員として働くことはもちろん、「週1回〜」「1日3時間〜」など、他の業界では採用されにくい働き方も、介護業界なら難しくありません。
さらに、経験を積みながらキャリアを築くことも可能です。
介護職の働き方
介護職の働き方は多様で、自身の生活スタイルに合わせて選択できます。
フルタイムやパートタイム、夜勤などのシフト勤務、訪問介護や施設での勤務など、多くの選択肢があります。
柔軟な働き方ができるため、家庭との両立やライフスタイルに合わせた働き方が可能です。
介護職の年収やキャリアパス
厚生労働省の調査によれば、介護職の平均月収は約25.6万円、平均ボーナスは約52.9万円です。
年収にすると、約362.9万円でした。
初任者研修の資格を持つことで、さらに給与アップのチャンスが広がります。
また、介護職はスキルを磨きながら、キャリアパスを築くことができる職業です。
介護福祉士や社会福祉士など、さらなるステップアップを目指して高収入を得ることも可能になりでしょう。
他にも役立つ資格が多くあり「介護資格の種類はどのくらいあるの?スキルアップに取るべき資格を徹底解説!」から詳しく見ることができます。参考にしてみてくださいね。
介護職員初任者研修を取得して介護業界で働こう!
初任者研修の受講内容や費用、取得するメリットなどについて解説しました。
初任者研修を受講することで、学歴や経験に制約のある方でも、介護職で充実したキャリアを築く道が広がります。
将来の安定性とやりがいを求める方にとって、この資格は非常に価値のあるものと言えるでしょう。
この機会に介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)を取得して、介護職デビューを果たしてみませんか。
介護業界では何歳からでもキャリアアップが目指せる環境が整っており、介護の専門家として長く活躍することができます。
介護職の資格についてもっと幅広く知りたいという方は 「介護職のおすすめ資格は?種類や受講費用、期間などをご紹介」もチェックしてみてくださいね。