私はHSC?HSCとは?HSCでも大丈夫な通信制高校を紹介! 更新時間 2023.11.20
「些細なことを気にしすぎる傾向がある」
「傷つきやすく涙もろい」
このような、ご自身の繊細な性格に悩んでいませんか?
にぎやかな場所が苦手だったり、他人の気持ちに敏感過ぎたりするあなたは、HSCかもしれません。
HSCは大勢が集まる騒がしい場所が苦手で、不登校になりやすいとも言われています。
不登校の原因が分からない方、お子さんの不登校で悩んでいる親御さんは、HSCについて学んでみましょう。
本記事では、HSCの性質や不登校との関係、またHSCを判断する簡単なチェックリストもご紹介しています。
「もしかしたら私はHSCかも?」と感じている方は、ぜひ試してみてくださいね。
HSCとは人一倍敏感な子
HSC(ハイリー・センシティブ・チャイルド)とは、感受性が豊かで傷つきやすく、周囲の刺激に敏感な子どもを指します。
大人になるとHSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)と名称が変わりますが、気質が変わることはありません。
HSC・HSPを提唱した、アメリカの心理学者であるエレイン・アーロン博士は、「HSCは生まれ持った正常な特性であり、病気ではない」と解いています。
仮に自分自身がHSCだと分かっても、「自分の育った環境のせいかも」などと悲観する必要はありません。
HSCは病気でも障害でもなく、あなたの脳がより深く情報を処理し、物事についてより深く考えるという特性があるだけです。
HSCの割合は5人に1人
エレイン・アーロン博士によると、HSCは全人口の15〜20%に見られるそうで、約5人に1人がHSCと考えられます。
さらにHSCは人間だけでなく、犬や猫、鳥、魚などにも及んでおり、生き残るために注意深くなる戦略だといえるそうです。
またHSCの人の脳は、そうでない人の脳とは異なる働きをしていて、「気にしすぎだよ」「敏感になる必要はない」と励まされることが逆効果になってしまう可能性もあります。
とくに自分の感情をうまく表現できないお子さんの場合、敏感な大人よりも過度なストレスを抱えやすい傾向があるでしょう。
HSCにみられる4つの特徴「DOES」とは?
HSCには「DOES」と呼ばれる、4つの特徴があります。
- ・D(Depth of processing)・・・プロセスの処理が深い
- ・O(easily Overstimulated)・・・刺激を強く受けやすい
- ・E(Emotional responsiveness)・・・感情的な反応が強い
- ・S(empathy and sensitive to Subtle stimuli)・・・微妙な刺激に対し共感と敏感さを持つ
では、それぞれの項目について詳しく解説します。
D(プロセスの処理が深い)
少しの情報を深掘りして、周囲の空気を敏感に察知する能力に長けています。
また、まだ起こっていない先のことまで考えすぎてしまい、ミスを恐れて慎重になりやすい傾向があります。
O(刺激を強く受けやすい)
HSCでない人と比べると、同じ刺激でも強く受けてしまいやすいです。
また暑さや寒さなど環境の変化に弱く、「痛み」「音」「臭い」「肌触り」にも敏感で、刺激が多い場所は疲れやすい傾向があります。
E(感情的な反応が強い)
ポジティブとネガティブ、どちらの感情にも強く反応します。
仮に自分以外が怒られていたとしても、他人が怒られているのを見るだけで辛く、自分も怒られているように感じてしまいます。
S(微妙な刺激に対し共感と敏感さを持つ)
周囲の機嫌や状態に敏感で、ちょっとした環境の変化にも気付きやすい傾向があります。
私はHSCかもしれないと感じたら
HSCには個人差があり、靴に入った砂が異常に気になったり、服のタグが痛いと感じたりとさまざまです。
そのため自分でも気付きにくく、他人の感情や意見に振り回されることに疲れ果ててしまう人もいるでしょう。
「私はHSCかもしれない・・・」という方は、以下のチェックリストを参考にしてみてください。
- ・些細なことでびっくりしてしまう
- ・靴下の縫い目を気にしたりチクチクする洋服の生地が苦手
- ・サプライズが好きじゃない
- ・自分じゃなくても、周囲が怒られることに敏感である
- ・親や先生から「敏感な子」「内気な子」と思われている
- ・小さい頃から人の心を読むのが得意
- ・いつもと違う環境や匂いに敏感である
- ・直感力が高い方だと思う
- ・環境が変わると寝付きにくくなる
- ・変化やたくさんのタスクに対応できない
- ・服が濡れたり汚れたりすると気分が悪くなり、すぐに着替えたくなる
- ・完璧主義なところがあると思う
- ・起こっていない先のことを考えて行動してしまう
- ・騒がしい環境が苦手で1人の時間を好む
- ・誰かが辛い思いをすることに敏感である
- ・人の外見の変化にすぐ気づく
- ・物事を深く考えすぎる傾向がある
- ・静かな場所や音楽が好き
- ・動揺することが起こらないよう常に注意している
- ・大きな音や刺激が苦手
- ・お腹が空くと集中力がなくなる
- ・暴力的なテレビや映画は最初から見ない
- ・感受性が豊かで涙もろいと思う
- ・明るい光やサイレンの音に敏感である
14項目以上当てはまったらHSCの可能性が高い
14項目以上に当てはまったからといって、落ち込んだり悲しんだりすることはありません。
HSCは病気ではないので、自分の生まれ持った性質だと受け止め肯定することが大切です。
また「敏感すぎる性格をなんとかしたい」と考えるのであれば、専門家のカウンセリングによって考え方を変えていくこともできます。
このチェックリストは厳密なものではありませんので、正確な診断は専門家に判断してもらいましょう。
13項目以下の場合でもHSCの可能性がある
チェックリストで2、3個しか当てはまらなかった場合でも、「非常に当てはまる」と感じたらHSCかもしれません。
しかし、この診断だけで判断せず、心療内科などを受診して専門家にみてもらうことが大切です。
「自分がHSCかも」と気づいたら、今後どのように向き合い対処したらいいのでしょうか?
次の章では、HSCとの向き合い方や対処法について解説していきます。
HSCとの向き合い方や対処法
HSCは病気ではないので、病院に行っても治療の対象にはなりません。
しかしHSCの性質でもある「繊細」「神経質」といった特徴は、世間ではマイナスに評価されてしまうこともあります。
疲れやすく、ストレスに敏感な自分自身のためにも、HSCとの向き合い方や対処法を身に付けておきましょう。
HSCは個性の1つで病気や障害ではない
「敏感な子ども」を花に例え、「HSCは蘭の子どもたち」とも呼ばれます。
アメリカの小児神経科医トーマス・ボイスが書いた本、「蘭の子どもとタンポポのこども」は、HSCをイメージしやすい例えです。
踏まれても踏まれても、強くたくましく花を咲かせるタンポポもあれば、手間ひまをかけて育てる蘭の花もあります。
蘭に「タンポポのようにたくましく育て」といっても、蘭がタンポポになることはありません。
しかし、生まれながらに蘭であることを知らない人たちが、タンポポになることを要求し続けるとどうなるでしょう。
蘭には蘭の、タンポポにはタンポポの、それぞれにあった育て方や環境が必要ということを覚えておきましょう。
HSCだった場合の対処法
まず自分自身がHSCだと分かったとき、自分を決して否定しないことが大切です。
それよりも、感受性が豊かで思いやり深く、周囲の空気が敏感に読めることを特技と考えてみましょう。
また我が子がHSCだった場合は、できないことや嫌がることを否定せず、ありのままを受け入れてください。
無理に周囲と合わせることはせず、その子のペースで出来ることを増やしてあげる接し方を心掛けましょう。
疲れやすいHSCは不登校になりやすい
人が大勢集まる学校は、HSCにとってストレスを感じやすい場所です。
クラスメイトの大声や先生の怒る声に苦痛を感じ、学校に行けなくなってしまう子どもも少なくありません。
またクラス替えや担任が変わる新学期は、新しい環境に馴染めず不安になる子もいるでしょう。
運動会や発表会、修学旅行といったイベントも、HSCの子どもたちにとっては日常と違った時間が苦痛になり、疲労を溜めてしまう原因にもなります。
HSCが原因で不登校になってしまった場合は、自由度が高い通信制高校への進学・転入を検討してみましょう。
通信制高校は自宅学習がメインなので、周囲から受けるストレスを最小限に抑えられるのがメリットです。
また月に数回の登校で卒業できるため、HSCで悩んでいる方でも通いやすく、スクールカウンセラーや社会福祉士などの専門家も在籍しています。
通信制高校のメリット、デメリットについて詳しく知りたい方は是非 「今知っておくべき!通信制高校の現実|8つのメリットとデメリット」を参考にしてみてください!
HSCでも通いやすい通信制高校5選!
HSCでも通いやすく、スクールカウンセラーが在籍している通信制高校をご紹介します。
飛鳥未来高等学校
「個別指導&担任制」で、きめ細かいサポートが期待できる飛鳥未来高等学校。
週1〜5日の多彩な通学スタイルから、自分にあった通学方法を選ぶことができます。
学校にはスクールアドバイザーが在籍しており、生徒一人ひとりが自分の個性を活かして過ごせるよう配慮されているのも特徴です。
ICT端末を活用した学習サポートを受けながら、楽しい高校生活が送れるのも魅力の1つでしょう。
ルネサンス高等学校
大学進学を目指す方におすすめしたいのが、国公立大学や難関私立大学への進学実績を持つルネサンス高等学校です。
スクーリングしなくても授業に参加できるよう、最新のネット学習システムを導入しており、先生による添削などがタブレットで閲覧できて便利です。
さらに全国3ヵ所に、専門のカウンセラーが在籍するカウンセリングルームを設け、心のケアやプライベートな悩みにも対応できる体制を整えています。
年間のスクーリング回数が4日程度というのも、敏感な子どもにとって学びやすい学校だといえるでしょう。
ヒューマンキャンパス高等学校
高校生のうちから専門的な知識・技術を習得したい方におすすめなのが、ヒューマンキャンパス高等学校です。
「夢の実現」をモットーに、40以上の専門分野から100種類以上の職種が目指せます。
また各キャンパスには「子ども心理カウンセラー」の資格を持った専門の先生が常駐しているので、不登校の生徒も安心できる環境です。
在学中はもちろん、卒業してからもサポートが続くのは、ヒューマンキャンパス高等学校の大きな魅力といえるでしょう。
翔洋学園高等学校
翔洋学園高等学校は、生徒の自主性を重んじ、個性を肯定的に受け入れ長所を伸ばす教育方針を掲げた通信制高校です。
校内ではいつも、担任の先生やスクールカウンセラーがいて、心の悩みや不安に寄り添ってくれます。
また保護者会を設け、保護者同士のグループミーティングを行い、情報共有や進路相談がしやすい環境を提供しているのも特徴です。
そして何といっても、翔洋学園の最大の魅力は「週に何日登校しても学費が変わらない」ことでしょう。
学校に慣れるまでは月に1、2回、慣れてからは週1回など、ご自身の状況や希望に応じて自由にスクーリングできます。
クラーク記念国際高等学校
クラーク記念国際高等学校の大きな特徴は、「全日制の週5日通学スタイル」を基本としている点です。
もちろん、週1日や月1〜2回のコースもあって、自宅学習メインから通学スタイルへ変更することもできます。
指定校推薦も300以上あり、国公立・難関私大への合格実績も豊富で、入学時に基礎学力をチェックしている点も特徴といえるでしょう。
また教職員は年間70時間の研修を経て、「学習心理支援カウンセラー」の基礎課程の資格を取得し、生徒一人一人に目を配り指導に取り組んでいます。
多くの教師が専門的な知識を身に付けているので、「先生との距離が近い」「何でも相談しやすい」など高い評価を得ている学校です。
通信制高校のおすすめランキングについて詳しく知りたい方は是非 「【通信制高校おすすめランキング!失敗しない通信制高校選び」を参考にしてみてください!
敏感なHSCでも通信制高校ならのびのび学べる
HSCの特徴や性質、HSCとの向き合い方について解説しました。
HSCは人一倍敏感なため、傷つきやすく繊細で、ストレスを溜めやすい傾向があります。
5人に1人がHSCと言われていますが、病気や障害ではないことから、周囲に「わがまま」と捉えられてしまうことも少なくありません。
そのせいで学校に行きづらくなり、不登校や引きこもりになるケースも多く、周囲は対応に困ってしまうこともあるでしょう。
HSCで不登校になってしまったら、ストレスの少ない通信制高校を選ぶのも1つの方法です。
スクーリング回数が選べたり、少人数制や個別授業が受けたりたりと、疲れが溜まりにくい配慮がされています。
今後の進路に悩んでいる方は、本記事でご紹介した通信制高校を参考に、自分に合った進学先を探してみてください。
HSCをありのままに受け入れ、無理なく上手に付き合っていく方法を考えてみましょう。
通信制高校スクーリングについて詳しく知りたい方は是非 「卒業するためには絶対必要?通信制高校のスクーリングとは!」を参考にしてみてください!