通信制高校からの就職は不利?理由や対策を徹底解説! 更新時間 2024.09.25
通信制高校を卒業すると、全日制・定時制高校と同等の「高校卒業資格」を取得することができます。
しかし、同様の資格なのにも関わらず「通信制高校に通っていると、就職活動が不利になる」という話も耳にすることも事実です。
そこで今回は、
- 通信制高校卒業後に就職が不利といわれる理由
- 就職が不利にならないための対策
- 就職に強い通信制高校
について解説していきます。
気になる方は、ぜひ最後まで読んでみて下さい!
通信制高校卒業から就職で不利といわれる理由
上記でも述べましたが、通信制高校を卒業すると全日制高校と同じ「高卒資格」を得ることが可能です。
それでは、なぜ通信制高校は就職で不利といわれるのでしょうか?
ここからその理由について解説していきます。
【就職で不利といわれる理由①】 通信制高校に出される求人票が少ない
通信制高校卒業で就職が不利になる要因として「学校に届く高校求人が少ない」ことがあげられます。
求人が少ない理由としては、通信制高校がたくさんあり、多数の生徒がいるということを企業が認知していないことが挙げられます。
現在、企業から通信制高校の認知度は低いですが、労働人口の減少から「人手不足で求人数を増やしたい」と考えている企業もあるため、通信制高校への求人票は今後増加していくでしょう。
【就職で不利といわれる理由②】面接官がマイナスイメージを抱く可能性がある
新型コロナウイルスの影響もあり、自宅で勉強できるという点から、通信制高校の認知度は上昇傾向にありますが、まだ理解がない人の方が多いです。
そのため、全日制高校と全く同じ高校卒業資格でも、面接官によっては同様に見てくれないケースもあります。
一部の悪い印象によって「通信制高校」というだけで「何かしら問題がある子なのかもしれない」と思われてしまうことも少なくありません。
面接では聞かれた場合に備えて「通信制高校を選んだ理由」についてうまく答えられるように準備しましょう。
企業の採用したい人材像とは?
企業は利益を出し、社員にお給料を支払っていかなければなりません。
そして、より多くの利益を出すために、企業は以下のような人材を求めています。
- 元気がありハキハキしている人材
- 他者に負けないスキルや技能、語学力を持つ人材
- 欠勤することなく真面目に働ける人材
- 体調やメンタルが良好な人材
そのため、面接では上記のことをうまくアピールすることで面接の成功率もあがるでしょう。
通信制高校からの就職で不利にならないための対策
通信制高校に通っている場合でも、きちんと対策を立てることで就職に不利になることはなくなります。
ここから就職で不利にならないための具体的な対策を5つ紹介するので、チェックしてみて下さい!
【就職への対策①】高卒後に短大・専門学校、大学への進学を目指す
短大や専門学校、大学に行くことは、高校時代の努力が不可欠です。
そのため、進学したということは「努力ができる人材」というアピールにも繋がります。
そして、進学をすると専門的な授業を行うので、企業の採用担当も「専門スキルを会社で活かせるかもしれない」と考えます。
また、最終学歴も高卒から「大卒」や「専門卒」に変わるので、就職先の幅が広がるきっかけにもなるでしょう。
【就職への対策②】就職で活かせる資格を取得する
通信制高校卒業後にそのまま就職を考えている場合は、高校在学中に仕事に活かせそうな資格を取得することで、スキルをアピールすることができます。
また、通信制高校の中には、調理師や美容師などの国家資格の取得ができる学校もあるので、将来の目標がすでに決まっている人は、こうした通信制高校を選択するのもオススメです。
全日制の高校を卒業した後に専門学校に行くよりも、時間もお金も節約できるのはメリットですよね。
通信制高校で資格取得のサポートがある場合は、積極的に活用し、就職を有利にしていきましょう。
資格取得を検討している場合は「【就職に有利】資格が取れる通信制高校で就職を有利にしよう」という記事もチェックしてください!
【就職への対策③】アルバイトで経験を積む
アルバイトや仕事の経験があると、敬語や時間管理などの社会人としてのマナーから「報告・連絡・相談の重要性」などのビジネススキルを手に入れることができます。
また、アルバイトでも、接客でお店の利益の向上やテレアポ営業での顧客獲得などの実績を残すことも可能です。
数値で示すことのできる実績は、面接の場においても大きな信頼につながりやすいので、有利になります。
【就職への対策③】インターシップを行う
インターシップとは、簡単に説明すると「お試しで働かせてもらう」ことです。
現在、新卒社員は3年以内に3割が会社を早退するといわれており、その原因は「学生が働くイメージを持てずに就職してしまったこと」であるといわれています。
インターシップを行うことで、学生が考える仕事に対するイメージと、実際の就業で求められているもののギャップを解消することができるので、就職活動でのヒントになるでしょう。
また、インターンシップは面接での話のネタにもなりますし、他の学生との差別化にもつながるので、もしできる場合はぜひ挑戦してみて下さい。
インターシップの種類
インターシップは、大きく分けると
- 短期インターンシップ
- 長期インターンシップ
の2種類に分けることができます。
短期インターンシップとは、興味のある企業で行う「1日~1週間の職業体験」のことです。
主な内容としてはセミナーやグループワークなどで、実際の業務を任せてくれる企業は多くはありません。
一方、長期インターンシップは、3か月以上インターンシップを行うことをいいます。
長期で社会人と一緒に仕事に取り組みコミュニケーションを行うことで、社会人としてのマナーだけでなく専門的なスキルを身に着けることもできます。
企業によっては、そのまま内定に直結することや有給であることが魅力です。
また、採用前に企業と共に業務を行うことで、双方のギャップを減らすことができるので、インターンシップを積極的に活用しましょう。
【就職への対策④】就職実績の多い通信制高校を選ぶ
通信制高校の中には生徒の就職に力を入れている学校があります。
そのため、高校卒業と同時に就職を考えている方は、あらかじめこのような学校に入学することがオススメです。
就職に強い通信制高校は2種類の探し方があります。
1つ目は、選択できるコースの中に「社会人養成コース」や「専門スキルコース」などの就職向けのコースがある学校。
2つ目は、高校からの推薦や就職の実績や支援が充実している学校です。
学校によって「どんな業界の就職に強いか」という点も変わってきますので、興味のある業界に行けるような学校をぜひ調べてみて下さい。
就職に力を入れている通信制高校
それでは、具体的に就職に力を入れている通信制高校とは、どのような学校があるのでしょうか?
ここから就職に強い通信制高校を紹介していくので、確認していきましょう。
【就職に強い通信制高校①】ヒューマンキャンパス高等学校
ヒューマンキャンパス高等学校はとにかく専門分野が豊富な点が特徴です。
多彩なコースから選択できる職業はなんと100種類以上を超え、高校卒業後に就職したいと考えている生徒から人気を集めています。
また、ヒューマンキャンパスは専門学校と提携しているので、プロの講師から専門的な知識を身に付けることが可能です。
卒業後に確かなスキルで即戦力となれるよう、積極的にサポートしてくれます!
【就職に強い通信制高校②】飛鳥未来高等学校
将来のことが何もきまっておらず、まだ何もやりたいことが見つかっていない人にもオススメできるのが飛鳥未来高等学校。
飛鳥未来高等学校の特徴は、トライアルで学べる専門の科目がたくさんあることです。
メイクや医療事務、保育士などの専門授業をお試しで受けることができます。
また、美容師免許を取得できる専門コースも設けられており、美容師になりたいと考えている学生から人気のコースです。
最初は、ベーシックコースを受講し、トライアルに参加して視野を広げながら自分のやりたいものを見つける通学スタイルをとることもできます。
専門授業の種類も豊富で、自由に学べるのが他の通信制高校にはない魅力であるといえるでしょう。
【就職に強い通信制高校③】第一学院高等学校
第一学院高等学校は全国から通える通信制高校で、昨今話題になっているネットコースにも対応している高校です。
進学実績も豊富にあり、専門コースもある総合力の高い通信制高校となっています。
特に「ペットコース」という珍しいコースもあり「将来は動物に関わる仕事をしたい!」と考えている学生にとってピッタリの環境です。
もちろん、ペットコースだけでなく美容やスポーツなどのコースもあるので、気になる方は調べてみて下さい!
【就職に強い通信制高校④】ルネサンス高等学校
ルネサンス高等学校は、全国から通うことができる通信制高校です。
様々な専門コースがあり、卒業後に即戦力として活躍できるようサポートしています。
「ビューティコース」は美容専門学校と提携しており、現場で活躍する講師の高いスキルを身に付けることができるコースです。
希望の就職ができるまで、面接練習や履歴書の書き方などをサポートしてくれる「就職保証制度」もあるので、安心して就職活動を行うことができます。
将来、美容関係の仕事を目指したい人は「通信制高校なら美容の仕事を目指せる!美容資格を取れる通信制高校一覧」という記事も確認してみてください!
通信制高校卒業後の進路や職種
通信制高校の卒業後の進路は、大別すると大学進学、専門学校進学、就職の3つです。
通信制高校卒業後に就職する方は一定数います。
就職先として多いパターンとしては、地元企業に勤めるということです。
企業への就職は大卒以上が条件のところがあり、高卒で大手企業に就職するには努力が必要です。
公務員も一つの手段ですが、公務員になるにも国家公務員に合格する必要があります。
高校卒業後に選択肢を増やすためにも、今からできることはたくさんあります。
就職に有利な4つの資格
就職に有利な4つの資格についてご紹介します。
- 資格①簿記
- 資格②マナー検定
- 資格③日本語検定
- 資格④TOEIC
資格①簿記
簿記は、会社のお金や営業の取引などの経済活動を記録することを意味します。
簿記の資格は持っているとどんな仕事にも役に立ちます。
お金の出し入れはどんな企業でも扱うため、持っていると強みになるはずです。
簿記検定のレベルに関しても、初級から1級まであり、3級は半数近く合格しています。
1級の合格率は10%前後のため、持っているとさらに就職を有利に進めるのに役立ちます。
資格②マナー検定
マナー検定とは、社会人として職場や日常で必要となるマナーを評価する資格です。
大卒の方でも、完璧なマナーを身に付けている人は少ないとされています。
1級から3級まで難易度は用意されており、3級と2級はどちらも合格率は70%以上を優に超えています。
しかし、1級では合格率が25%まで下がるため、ある程度勉強をする必要があるようです。
資格③日本語検定
日本語の正しい使い方を測定するための試験です。
私たちが普段何気なく使っている日本語も、実は違う意味だったということもあります。
大人になってから日本語の使い方を指摘されるのは避けたいものです。
正しい日本語の使い方を身に付けて就職活動に挑みましょう。
資格④TOEIC
日本では英語が話せる人が、他の国に比べるととても少ないです。
TOEICの点数が高い人材を求めている企業もあります。
英語が話せる人は重宝されているのです。
TOEICの高得点を狙うのは少し難しいですが、高い点数を取っておけば選択肢が広がります。
就活時によく聞かれる3つ質問
就活時によく聞かれる3つ質問について解説します。
- 質問①通信制高校に進学した理由
- 質問②通信制高校で何を学んだか
- 質問③通信制高校での体験談
質問①通信制高校に進学した理由
全日制ではなく通信制に進学した理由は、採用側も知りたがるようです。
通信制高校に進学した理由への質問に対しての答え方として正しいのは正直に答えることです。
話を盛ったり、大きくしすぎたりすると後から回収することが難しくなります。
嘘をついてバレると信頼を損なうことにつながります。
質問②通信制高校で何を学んだか
通信制高校で何を学んだかの質問については、勉強面ではなく学校生活の中で学んだことを答えるのが良いです。
通信制高校では学校に行くことは少ないですが、人と関わる中で学んだことでもいいのです。
普段の学校生活で、勉強以外で学んだことを思い出してみてください。
学校生活で学んだことを思い出すことで、質問への対策ができるはずです。
質問③通信制高校での体験談
具体的に通信制高校で体験してきたことが気になっている質問です。
質問に関してもただ答えるだけでなく、体験から何を学んだかが大切です。
どんな質問に対しても、プラスアルファで答えることを推奨します。
自分が何を感じ、どう思ったのかまで答えることができるようにしましょう。
通信制高校と就職に関するよくある質問
通信制高校と就職に関するよくある質問についてご紹介します。
- 通信高校は履歴書に不利ですか?
- 全日制高校との進路状況の違いは?
通信高校は履歴書に不利ですか?
通信制高校の学歴は履歴書で不利になるとは一概には言えません。
面接官によっては、通信制高校に良くないイメージを持っている場合があります。
とはいえ、通信制高校を卒業していることが採用の合否に大きく影響することはないと考えられます。
全日制高校との進路状況の違いは?
通信制高校と全日制高校の卒業後の進路状況には違いがあります。
通信制高校と全日制高校の卒業後の進路状況の大きな違いは、大学進学率です。
全日制は55.0%と半数以上の学生が大学に進学。
通信制は17.5%と、約3分の1になります。
他にも通信制の学生は、約40%近くもの学生が卒業後にニートやフリーターになっていることがデータよりわかっています。
通信制高校卒業後から就職活動の重要ポイント
面接において最も重要なことは、
- 元気
- 自信のある話し方
- 身だしなみ
など最低限自分行える見た目の部分になります。
高校生の就職活動では「どういったスキルがあるのか」や「即戦力になるスキルがあるのか」というところは、そこまで求められていません。
それよりも
- 挨拶ができるか
- 欠勤することなく仕事を行えるか
- 職場の人とコミュニケーションをとれるか
など「真面目に業務に取り組めるのか」というところを見られる傾向にあります。
就職で不利になる要因を理解し、就職を成功させよう!
人生の中での高校3年間はあっという間であり、卒業したら次の進路へ進まなければなりません。
そのため、早めの内から将来を見据え、自分のやりたいことや向いている仕事を考えて、スタートダッシュをきることが大切です。
通信制高校からの就職で不利になる要因をきちんと理解し、対策を考え、就職を成功させましょう。