コロナになって通信制高校の生徒が増えている?高校生活を紹介! 更新時間 2022.12.02
新型コロナウイルスの影響で、学校に行けなくなってしまった生徒が増えています。
緊急事態宣言が終わってからも学校に馴染めず、そのまま不登校になった生徒は少なくありません。
そんな状況のなか、新しい選択肢として人気を集めているのが「通信制高校」です。
今回は、コロナ禍で通信制高校の生徒が急増した理由や、通信制高校に通うメリットについて徹底解説しています。
高校進学や進路でお悩みの方、通信制高校の学校生活を知りたい方は、情報収集にお役立てください。
また、不登校になった学生のための支援施設についてまとめている記事もあるので、是非「不登校になっても大丈夫!支援施設をすべて紹介!」もご覧ください!
新型コロナで不登校の生徒が増加した理由とは?
コロナ禍によって学校生活が一変し、進路に不安を感じている中学生や、不登校になってしまった高校生は少なくありません。
小・中学生を対象にした調査によると、2020年度の不登校児童は19万6,127人に増加し、過去最多となりました。
ここでは、近年増え続ける不登校の理由について、3つの視点からご紹介したいと思います。
感染リスクを恐れ登校できない
文部科学省の調査によると、コロナ感染を避けるために30日以上出席しなかった小・中学生は、2万905人もいたそうです。
親御さんが「子どもを守りたい」という思いから登校させないケースと、生徒本人が「友人に移すかもしれない」という不安を抱える、2つのパターンがあります。
持病がある子どもに感染させてしまうと重症化するリスクもあり、またお子さん本人が体が弱いケースも然りです。
また感染したあと、学校に行くのに抵抗がある生徒や、「あの子コロナになったから近づかない方がいいよ」といったコロナいじめも大きな問題となっています。
学校では、感染者や濃厚接触者を守るために名前を公表していませんが、長期欠席者がいれば情報が漏れてしまうリスクは防げないでしょう。
学習の遅れが原因で不登校に
休校が続き、思うように学習が進まなかったことも、不登校児童が増えた要因の1つです。
2020年5月、公益財団法人日本財団が全国の17〜19歳を対象に、「学校教育と9月入学」をテーマに調査を行いました。
新型コロナウイルスによる休校で、もっとも困ったことのトップは「学業」で、37.4%にも達しています。
次いで2位が友達とのコミュニケーション、3位が受験や進学という回答でした。
突然の休校で生活リズムが乱れ、気づいたときには学習についていけなくなっていた生徒もいたようです。
また政府はICT教育の導入に力を入れていますが、突然はじまったオンライン授業に戸惑う生徒も多く、「分からないことがあっても先生に質問できない」という声も上がっています。
緊急事態宣言による休校で友達ができず不登校に
コロナ禍による休校やマスク生活によって、「友だちができない」「友だちの素顔を知らない」と悩み不登校になった生徒もいます。
休日に友だちと遊べなかったり、楽しみにしていたイベントが中止になったりで、思うような学生生活ができなかった子どもも多いでしょう。
学校は学びの場ですが、子どもたちにとっては友だちを作るための交流の場でもある訳です。
しかしコロナによって交流が制限され、「友だちがいないから・・・」と学校に行きたがらない子どもが増えています。
また、高校中退後の再入学についてまとめている記事もあるので、是非「高校中退しても再入学はできる!再入学すべき理由と方法についてご紹介!」もご覧ください!
コロナ禍で注目される通信制高校の5つのメリット
コロナ禍による不登校児童が過去最多となるなか、通信制高校の人気は過去最高に高まっています。
通信制高校はその名の通り、「通信による学習」を受けるため、通学する必要がほとんどありません。
文部科学省の調査によると、2021年度の通信制高校の生徒数は、過去最高の21万8,428人となりました。
前年度から1万人以上も増加しており、学校の数も増え続けています。
コロナ禍で注目される通信制高校には、以下のようなメリットが考えられます。
- 登校回数が少なく感染リスクを抑えられる
- 卒業のしやすさ
- 学費が安く就学支援金も受けられる
- オンラインや通信学習でマイペースに勉強できる
- 学力重視じゃないため志望校に入学しやすい
では、通信制高校の仕組みにも触れながら、5つのメリットをご紹介したいと思います。
登校回数が少なく感染リスクを抑えられる
全日制や定時制高校では、週5日の登校が基本です。
一方で通信制高校では、週1〜5日の通学スタイルが選べたり、年3〜6日のみの登校で卒業できたりと、自由な学校生活を送ることができます。
先生や生徒と接する時間や、交通機関を利用する機会も少ないため、必然的に感染のリスクを抑えることが可能です。
卒業のしやすさ
通信制高校の卒業のしやすさは、必要な数の単位を修得する制度にあります。
通信制・全日制・定時制に関わらず、高校卒業には74単位以上の修得が必須です。
多くの全日制高校では「学年制」を採用しており、年間35単位時間(1単位50分程度)の授業を受け、試験によって定められた点数以上を取る必要があります。
しかし不登校や体調不良などで学校に行けないと、出席日数が足りなかったり、規定の点数が取れなかったりして留年してしまうケースが目立ちます。
一方で、通信制高校では「単位制」が採用されており、年間の取得単位を生徒自身で決めることができます。
仮に1年目で20単位しか習得できなくても、2年目で50単位修得できれば問題ありません。
そのため、通信制高校には「留年」という概念がなく、自分の好きなペースで学習を進めながら卒業することができます。
学費が安く就学支援金も受けられる
通信制高校にも「公立」と「私立」があり、通学回数や選ぶカリキュラムによって学費が異なります。
公立の学費は非常に安く、3年間で卒業できれば12〜15万円ほどしかかかりません。
私立の場合でも、オンライン学習をメインにすれば、年間20万円ほどで通えます。
さらに国が学費の一部を負担する「高等学校就学支援金」を利用すると、私立でも実質無償で授業が受けられ、家計の負担を大幅に減らすことが可能です。
就学支援金については、世帯年収や学校によって支給額が異なりますので、事前に調べておくといいでしょう。
オンラインや通信学習でマイペースに勉強できる
学校に通わなくても学習が進められる通信制高校は、自分のペースで学びたい生徒にとって絶好の環境です。
「自宅で勉強する方が落ち着く」「体調がいいときに集中して勉強したい」など、融通のきく学習スタイルは通信制高校ならではといえます。
仮に濃厚接触者になった場合でも、自宅でレポートを進められたり、オンライン授業やイベントに参加できたりと不便さを感じません。
近年、私立の通信制高校では、ネット遠足やネット部活といった新しい活動が話題になっています。
不登校がハンデにならない学校生活は、学校に通えない生徒のストレスや不安を軽減させてくれるでしょう。
学力重視じゃないため志望校に入学しやすい
通信制高校の入学・転入のしやすいポイントは2つあります。
1つ目は、入学時期が年に2回、「4月」と「10月」にあることです。
学校によっては、通年入学を受け入れているところもあります。
2つ目は、入試の学力試験がさほど重視されないところです。
通信制高校の入試は面接や作文が中心で、「将来の目標は?」「入学してやりたいことは?」など一般的な質問をされるケースが多いです。
中には国語・数学・英語の学力試験がありますが、それは生徒の学習レベルを判断するためのもので、点数が悪くても不合格になることはほぼありません。
そのため、自分の希望する高校に入りやすく、理想の高校生活を実現することができます。
また、通信制高校の魅力について、卒業生からのインタビューをまとめた記事もあるので、是非「通信制高校に進学してよかった!通信制高校の卒業者にリアルインタービュー」もご覧ください!
通信制高校の高校生活ってどんな感じ?
毎日登校する必要がない通信制高校生は、どのような学校生活を送っているのでしょうか?
ここでは、通信制高校の特徴や学校生活について、詳しく解説していきたいと思います。
スクーリング回数は自分で選べる!
通信制高校は色んな生徒に対応するため、登校回数を自由に決められる学校が増えています。
「1年目は週に2回登校して、2年目からは月2回にしたい」
「学業以外に時間を使いたいから、合宿タイプのスクーリングに参加する」
など、自由な登校スタイルが特徴です。
コロナの感染リスクを防ぐため外出を避けたい方は、年に数3〜6回のスクーリングで卒業できる学校が向いているでしょう。
通信制高校には部活動やイベントもある
通信制高校は登校しなくていいのが魅力ですが、その一方で
「友だちはできるのかな?」
「勉強以外の活動ってあるのかな?」
など不安もあると思います。
通信制高校でも全日制のように、文化祭や運動会、遠足といった一般的な行事から、ハロウィンやクリスマスパーティー、合宿といったイベントも豊富です。
また部活動に関しても、運動部や文化部などがあって充実しています。
中には全日制高校と合同で練習し、全国大会に出場している学校もありますよ。
部活動の頻度は学校によって違いますので、やりたいスポーツや活動があれば、ホームページなどで確認してみましょう。
学業以外に真剣に取り組める
通信制高校というと、「不登校」や「全日制高校の中退者」といったイメージが強かったと思います。
実際に通信制高校では、スクールカウンセラーなどの専門家を設置して、生徒の心のケアや相談に乗っているケースも多いです。
そんな中、自由な時間が多い通信制高校に魅力を感じ、アスリートやアイドルといった「学業以外に時間を使いたい生徒」が増えています。
ともに10代の貴重な時間を自由に使うことができ、なおかつ高卒の資格も取れるのがメリットのようです。
また美容師や栄養士、国家公務員など、興味のある分野を学べるカリキュラムが充実している点も注目されています。
午前中はオンライン授業を受け、午後はやりたいことに時間を使うことで、これまでよりも充実した毎日が送れるでしょう。
コロナ禍で不登校になっても通信制高校なら安心!
コロナ禍で学校に行けず、進路について悩んでいる人も少なくないと思います。
とくに親御さんは、今後どうやって学校を卒業させるべきか、お子さんにどう接したらいいのか不安も大きいでしょう。
コロナによる不登校で悩んでいる方は、通信制高校という選択肢を視野に入れてみてください。
通信制高校にはコロナ感染のリスクを避けることができたり、自分のペースで学習を進められたりと、全日制や定時制高校にはない魅力がいっぱいです。
近年増え続けている私立の通信制高校では、さまざまなカリキュラムを用意して他校と差別化をはかっています。
自分に合った進学先を見つけ、感染リスクを減らしながら高校生活を満喫しましょう。