通信制高校には普通の子もいるの?普通の子が通う理由を紹介 更新時間 2024.12.05
皆さんは「通信制高校」と聞くとどんなイメージを持っていますか?
不登校の子や、何かしらの理由で全日制高校には通えない「普通じゃない子」が通っているというイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。
しかし、最近の通信制高校は「普通の子」もたくさん通っているんです!
この記事では、世間のイメージを払拭するような、最近の通信制高校の実態をご紹介します。
通信制高校に興味があるそこのあなた!子供を通信制高校に入学させたいと考えている保護者のあなた!ぜひこの記事を参考にしてみてください。
通信制高校はどんな学校なのかについて知りたい方は以下の記事をご覧ください。
普通の子は通信制高校に行かない?

「通信制高校に普通の子はいないんじゃない?」「普通の子は通信制高校なんていかないでしょ」など、「普通の子」という言葉を聞く機会が多いですよね。
ところで、そもそも「普通の子」とはどんな子のことを言うのでしょうか。
皆さんがイメージしているであろう普通の子の定義をご紹介します。
普通の子ってどんな子?
まずあげられるのは、「不登校の経験がなく毎日登校している子」です。
このようなイメージが根強いのは、小学校時代や、中学校時代に不登校の経験があり学校に馴染めなかった子が通信制高校に通うというイメージが強いからであると思います。
実際に、2020年の文部科学省の調査によると、通信制高校に在籍する生徒のうち約66.7%が不登校経験者であることが分かります。
しかし、ここで忘れてはいけないことは、不登校経験がある子が「何かの問題を抱えているというわけではない」ということです。
たまたま学校の雰囲気に合わなかったり、性格の合わない友達がいたり、自身の問題だけでなく環境の問題で学校に通えなくなる子がほとんどです。
この記事で書かれている「普通の子」とは、あくまでも「たまたま周りの環境と自分の性格が合った子」と思っていただきたいです。
通信制高校ってどんな学校?
次に、通信制高校ってどんな学校かについてご説明します。
インターネットなどでは通信制高校に対して「恥ずかしい」という言葉がくっついてくることが良くありますよね。
ではなぜこのようなネガティブなイメージがあるのでしょうか。
やはり一番の理由は、通信制高校は普通の高校に行けない人が行く学校というイメージがあるからです。
しかし、自分らしさを大切にしようという考え方が主流になってきている今、全日制に通う生徒数が減る一方、通信制高校に通う生徒数は増えてきているんです。
そのほかの理由としては、全日制高校に行きたかったという気持ちが強く残っている場合があげられます。
周りの子が全日制高校に通っていたり、親からは全日制高校に通うのが当たり前というようなことを言われたり、自分の中でも、今まで頑張ってきたのになんで…という気持ちがあると、通信制高校に対して「恥ずかしい」という感情が芽生えてきてしまいますよね。
ここで皆さんにお伝えしたいのが、通信制高校に通うことも将来につながる立派な選択肢の一つ!ということです。
今までのイメージだけで判断せずに、実際に学校に足を運んでみたり、資料を請求してパンフレットを見てみたり、就職先や進学先をしらべてみたり、まずはどんな学校なのかの雰囲気をつかんでみるといいですよ!
ネガティブなイメージが払拭されるかもしれません。
通信制高校について詳しく知りたい方は「通信制高校とは?」を参考にしてみてください!
普通の子が通信制高校に通う理由3選

ここからは、普通の子が通信制高校に通う理由をご紹介します!
通信制高校への進学を決めた理由は十人十色ではあると思いますが、多くあげられている理由を3つ紹介していきます!
- 専門的な知識を深く学べるから
- 自宅で学習したいから
- 大学への進学率が高いから
①専門的な知識を深く学べるから
一つ目の理由は、専門的な知識を深く学ぶことができるからという理由です。
就職に強い通信制高校では、全日制にはない手厚いサポートを受けることができます。
学校によっては専門性の高いコースを選ぶこともできるので、在学中に専門的な資格を取得できるかもしれません!
専門的な資格を必要とする職業の例は以下のようなものになります!
- 美容師
- 看護師
- 調理師
美容師や看護師は、免許がないと就職することができません。
調理師は、免許がなくても就職可能なところもありますが、給与や仕事の範囲に差が生まれます。
このような資格取得に向けた勉強が卒業の単位として認められる学校もあります!
さらに、専門学校と連携を取りプロの方が直接指導をしてくれるような学校もあるんです。
興味のある分野に早く進みたいという理由で通信制高校が選択されています。
なお、美容資格を取れる通信制高校について知りたい方は以下の記事をご覧ください。
通信制高校なら美容の仕事を目指せる!美容資格を取れる通信制高校一覧
②自宅で学習したいから
二つ目の理由は、自宅で学習したいからという理由です。
通信制高校には、学校によって、年に20回程度の登校で卒業可能としているところもあります。
集団の中で勉強することが苦手だったり、一人で勉強した方がはかどるなどの理由で通信制高校が選択されています。
仕事やアルバイト、子育てをしながらでも無理なく通うことができます。
また、全日制高校に比べて自由な時間が多い分、時間を最大限有効活用して、難関大学を目指す人もいるんです!
通信制高校で取得可能な単位数について詳しく知りたい方は「【徹底解説】通信制高校の一年間で取れる単位数」を参考にしてみてください!
③大学への進学率が高いから
三つ目の理由は、大学進学率が全日制と大差ないからという理由です。
文部科学省が2020年に調査したデータによると、通信制高校の生徒の卒業後の進路は、大学進学が約20%、専門学校への進学を合わせると約43%とされています。
偏差値上位の全日制高校と比べると低いですが、皆さんのイメージよりは高いのではないでしょうか。
また、通信制高校によっては、有名大学への指定校推薦の枠が用意されている学校もあります。
学校の勉強に時間を取られずに大学進学に向けた勉強に力を注ぎたい人はもちろん、通信制高校のカリキュラムに「大学進学」を掲げている学校も多くあります。
自分が行きたい大学が決まっている人は、一度指定校の枠を確認してみると通信制高校からでも推薦で大学合格できちゃうかもしれません!
なお、難関大学を目指せる通信制高校について知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
通信制高校はどんな生徒が通う学校?

通信制高校は、全日制の高校とは違い毎日通学する必要はありません。
どのような生徒が通う学校なのか気になると思います。
通信制には以下のような生徒が通っています。
- 不登校の経験がある人
- 全日制高校が合わずに高校中退した人
- 学業不振で高校中退した人
- 家庭の事情で働く必要がある人
- 学業以外に夢や目標がある人
不登校の経験がある人
中学校で不登校を経験した人の場合、再び学校に通うことへの不安を抱えていることが多いです。
通信制高校は、登校日数に縛られずに自分のペースで学べる環境があります。
全日制高校に通っていたときに不登校の経験をした人の不安を少なくしてくれるはずです。
義務教育である中学校とは異なり、高校では進級や卒業に必要な条件が厳しくなります。
とはいえ、通信制高校の場合はスクーリング日以外は、出席する必要はありません。
毎日通学しなくても卒業を目指せる点が特徴です。
不登校経験者にとって、安心して学び直しができる選択肢といえるでしょう。
全日制高校が合わずに高校中退した人
高校中退した人の中には、人間関係の問題や学校の雰囲気が自分に合わなかったことを理由に辞めた人も少なくありません。
通信制高校は、全日制高校とは異なり毎日通学する必要がない学校です。
同級生に合うことが少ない環境で新たなスタートを切れます。
少人数制のアットホームな雰囲気の学校も多いです。
また、以前の学校で取得した単位を引き継げる場合もあります。
単位を引き継ぐことで高校卒業までの時間を短縮できるのも大きな利点です。
学業不振で高校中退した人
入学した全日制の高校の授業についていけなくなり、学業不振から退学する生徒もいます。
通信制高校では生徒一人ひとりの学力に合わせた授業を提供する学校が多いです。
また、特定の科目を学べるコースやカリキュラムなどを導入している学校もあります。
通信制高校では、学び方をカスタマイズできる点が特徴です。
大学進学を目指している人にとっては、受験のサポートがある通信制高校がおすすめです。
家庭の事情で働く必要がある人
通信制高校は、学業と生活の両立を目指す人にとって適した環境を提供しています。
例えば、家計を支えるために働く必要がある生徒や家族の介護に時間を割く必要がある人でも学業との両立が目指せます。
日中は仕事をしながら、レポートの提出やテストの受講、スクーリング日の登校などで必要な単位を取得できるのが大きな特徴です。
また、スクーリング日が年間数十日程度の学校もあります。
なお、学費の負担が比較的軽い点も、通信制高校が選ばれる理由の一つです。
学業以外に夢や目標がある人
スポーツや芸能活動など、学業以外の分野での成功を目指す人にとっても通信制高校は人気があります。
通信制高校は、柔軟なスケジュールで学べる学校です。
プロを目指す練習や活動に専念しつつ、在宅で学習することで高卒資格取得を目指せます。
また、専門分野の学びを深めるための時間を確保したい人にとっても、通信制高校は自由度が高く大きな助けとなるはずです。
人生の目標を達成するために学習時間を調整したいという人にとって、ますます注目を集めています。
通信制高校に通う普通の子はどのくらいいる?

通信制高校に通う人はめったにいないのではないかと思われる方が多いかもしれませんが、2019年に文部科学省が実施した学校基本調査によると約20万人が通信制高校に通っていることが分かりました。
単純に計算すると高校生の17人に1人が通信制高校に進学しているということになります。
1クラス40人と考えると、クラス内に2.3人もいることになります!
通信制高校に進学する人は皆さんが想像するほど「レアキャラ」ではなく、高校選びの選択肢の一つであることが分かります。
普通の子が通信制高校に通うメリット

続いて、通信制高校に通うメリットをご紹介します!
全日制高校との違いに注目してひとつずつ見ていきましょう。
自分のペースで学習できる
最大のメリットはやはり、自分の時間を多くとることができるということです!
月に2~10回程度の登校や試験以外はすべて自分の時間になります。
空いた時間を自分の勉強の時間に使ってもよし、趣味や特技を伸ばす時間に使ってもよし、仕事をするもよし、自分に人生をより彩り豊かなものにすることができます!
全日制高校に比べて学費が安いことが多い
続いてのメリットは学費が安いということです。
公立の通信制高校では、3年間で10万円ほどしかかからない高校もあるんです。
私立の通信制高校の場合は、学校によって幅が大きくなりますが、年間30万円~90万円ほどで通うことができます。
ただし、私立の費用については大体の相場になるので、正確な学費は直接学校に確認をしてください。
様々な人と関わることができる
今回ご紹介する最後のメリットは、様々な人と関わることができるということです。
通信制高校には、過去に不登校の経験がある人、社会に出て働いている人、子育てをしている人、スポーツや芸能界で活躍している人など様々な人がいます。
全日制高校に通っていてはなかなか出会うことのできない人との出会いが、今後の人生にとって良い影響を与えてくれるかもしれません。
もちろん、様々な人がいることで苦労することもあるかもしれませんが、ここが通信制高校の良いところで、登校日数が少ない分、関わりたくない人とは関りを少なくすることができます。
通信制高校で素敵な出会いを見つけてみることもできます!
普通の子が通信制高校に通うデメリット

続いて、通信制高校に通うデメリットについてご紹介します。
学校選びの際には、デメリットも理解したうえで納得して進学するのが自分にとって最高の選択になります!
自分で勉強時間を管理しないといけない
一番のデメリットは、自分の勉強は主体性をもって自分でやらなくてはいけないということです。
全日制高校では、毎日登校をして授業を受ければよほどのことがない限り卒業することができます。
しかし、通信制高校の場合は、自宅での学習がメインとなるので自分で学習時間を決めて勉強をしなくてはいけません。
専門的なことを学びたいから通信制高校に進学した!という人や、卒業後の人生プランが明確にある!という人にとっては自主学習も苦でないと思います。
しかし、学校に行くのがつらくて通信制高校を選んだという人は、自宅学習も嫌になってしまったり、勉強のやり方が分からなくなってしまう人もいると思います。
そのような人は、通信制高校専用のサポート校や塾などに通って、勉強できる環境を作ることが大切になります!
通信制高校のメリットとデメリットについて詳しく知りたい方は「不登校の人が通信制高校へ行くとどうなるの?進学するメリット・デメリットをご紹介」を参考にしてみてください!
全日制に比べて人と関わる時間が少ない
デメリットに二つ目は、人と関わる時間が少ないということです。
全日制と比べて登校日数が少ないだけでなく、通信制高校はクラス編成がない高校が多いです。
クラスメイトとの学校生活で思いっきり青春をしたいと考えている人には少し物足りなさを感じるかもしれません。
しかし、学校内で友達を作りにくいと感じても、自由な時間が多い分バイト先や他のコミュニティーで人間関係を広げることができます。
友達を多く作りたいという人は積極的に行動をしてみてください!
普通の子こそ通信制高校で高校を卒業しよう!
通信制高校には普通の子なんていないんじゃない?と考えていたあなたも、この記事を読んで通信制高校に対するイメージが変わっているのではないでしょうか。
通信制高校も高校選びの際の選択肢の一つです。
少しでも興味がわいた方は、ますは資料を請求して、学校の雰囲気を確かめてみてください!
通信制高校の人気が上がってきている今、学校側も様々な工夫をして他校との差別化を図っています。
是非一度通信制高校の雰囲気を味わってみませんか?