通信制高校は卒業できないから行かない方がいい?向いている人や向いていない人を紹介 更新時間 2024.12.19
あなたは通信制高校と聞いてどんなイメージを持ちますか?
通信制高校は卒業できない、就職できないなどのイメージをお持ちの方も少なくないのではないでしょうか?
実際に通信制高校がそういったネガティブなイメージを持たれているのも事実です。
また、文部科学省が2021年に行った調査によると、通信制高校に通う生徒は高等学校に通う生徒全体の6.8%で、全日制などの他の高校と比べると通っている生徒が少ないです。
そのため、周りの人たちが行かない学校にうちの子を通わせるのはちょっと不安...と考える保護者の方も多いでしょう。
しかし、通信制高校は夢に向けて行動しやすい、資格勉強などに時間を使えるとして、この数年で注目されています。
昨年は通信制高校に通う生徒数が過去最多になりました。
そんな通信制高校が、本当にネガティブなイメージの通りなのか?気になる点について詳しくご紹介します!
通信制高校とはどんな学校なのかについて知りたい人は以下の記事をご覧ください。
通信制高校には行かない方がいい?

通信制高校にネガティブなイメージがあるのは事実ですが、通信制高校には通わない方がいいのでしょうか。
結論から言うと、そんなことはありません!
実際の通信制高校の状況をご紹介し、卒業できない、就職できないといった通信制高校のネガティブなイメージを払拭します!
通信制高校って卒業できない?
通信制高校に持つイメージとして卒業できないと考える方も多いのではないでしょうか。
しかし実際の卒業率は、私立の通信制高校なら90%程度で、全日制の高校とほとんど差がありません。
また3年で卒業できないと言われることもありますが、そんなことはありません。
一日30分ほどの時間でできる課題を提出していれば、全日制と変わらず3年で卒業することができますよ。
通信制高校って就職できない?
通信制高校を卒業しても就職先がないと考えている方はいらっしゃいますか。
就職先がないというイメージが生まれたのは、進学や就職以外の進路に進む人が多いことが関係しています。
実際に通信制高校では、進学や就職以外の進路に進む人が生徒の半数近くいます。
しかし、卒業後は夢のために資格の勉強をするという人も多いです。
そんな進学や就職の道を選ばない人の多さが、就職できないというイメージを作る原因です。
実際の就職率を見てみましょう。
以下は文部科学省が行った調査の結果です。
学校種別 | 割合 |
---|---|
全日制 | 16.4% |
通信制 | 14.3% |
この数字を見ると全日制高校も通信制高校も就職率に大きな差がないことがわかります。
就職できないというイメージとは異なり、通信制だからといって就職できないことはありません!
なにより、就職するためにコツコツと勉強して卒業することが大切ですよ!
通信制高校って不登校の人が行く場所?
通信制高校は登校日が少ないので、中学生で不登校になった人が通うことが多いです。
登校日が少ないうえ、不登校の人が多いのでは、友達を作ることもコミュニケーションを取ることもできないのではと考える方もいるかもしれません。
しかし実際には「毎日通わなくていい」という当たり前があることで、不登校だった人も学校に行ってみようという気持ちになり登校することが多いです。
また、学校に直接行かなくても担任の先生が学習をサポートしてくれるので、今まで不登校だった人も一歩前に踏み出しやすい環境です。
これは通信制高校の魅力の一つですね。
通信制高校が行かない方がいいと言われる理由

通信制高校には行かないほうがいいと言われることもあります。
通信制高校は行かないほうがいいと言われる理由は以下のようなものがあげられます。
- 進学には不利とされている
- 就職に不利というイメージがある
- 世間から偏見の目で見られることがある
- 学費が高い学校もある
進学には不利とされている
通信制高校は大学進学に不利だと見られがちです。
理由の一つに、全日制高校と比べて通信制高校の進学率が低いことがあります。
自宅学習が中心となる通信制高校では、教師によるサポートが少ない傾向にあります。
また、通信制高校では、一般的な教科書レベルです。
通信制高校の勉強だけでは、受験対策が十分に行えない場合もあります。
とはいえ、通信制高校の中には進学支援が充実している学校も選択可能です。
通信制高校でも進学実績が豊富であったり進学サポートプログラムがしっかりしていたりする学校を選ぶことで大学進学に近づきます。
就職に不利というイメージがある
通信制高校を卒業すると就職が難しいと考える人もいますが、必ずしも就職で不利になるわけではありません。
通信制高校で取得できる高卒資格は全日制や定時制などで取得できるものと同じです。
むしろ、自由な時間を活用して資格取得やスキル向上に取り組むことができる点が大きなメリットとなります。
高校卒業後の早い段階から働くことにより、実践的な能力を身につけることにつながります。
通信制高校の卒業生でも社会で活躍できるスキルを持つことが可能です。
世間から偏見の目で見られることがある
通信制高校は一部の人々から誤解を受けることがあります。
通信制高校はマイナスなイメージがあるといった偏見にさらされることも少なくありません。
しかし、通信制高校には、家庭の事情や学業以外に目標を持った人々など、さまざまな理由がある生徒がいます。
また、通信制高校は自分で学習を進める必要があるため、自己管理能力が身につきます。
自己管理能力を養いながら学習に取り組むことは、社会でも高く評価されるスキルの一つです。
通信制高校での経験を活かせるかどうかは、本人の努力次第で大きく変わります。
学費が高い学校もある
通信制高校は学費が高い学校もあります。
実際には全日制高校と比べて費用を抑えられる場合もあります。
公立の通信制高校は、全日制高校よりも費用が安いことが多いです。
私立の通信制高校では、コースやサポート体制によって学費に差が出る場合もあるため注意が必要です。
また、学費の負担を軽減するために、「高等学校等就学支援金制度」などの公的支援を活用する方法があります。
なお、通信制高校の学費についてより詳しく知りたい人は以下の記事をご覧ください。
通信制高校に通うメリット

実際の通信制高校は、卒業できない、就職できないなどのネガティブなイメージとは異なっていることがお分かりいただけたのではないでしょうか。
通信制高校に通うメリットは他にもたくさんあるので、その一部をご紹介します!
通信制高校のメリットは以下のとおりです。
- 学費が安い
- 自分のペースで学べる
- 全国どこにいても授業が受けられる
- 人間関係のストレスが少ない
- 学習スタイルが豊富にある
- 精神面でのサポートが充実している
高校は学費が安い
通信制高校は全日制の高校と比べると、学費がはるかに安いです!
公立の通信制高校なら、3年間を通して10万円程度で通うことができます。
私立の通信制高校は、公立の通信制高校よりも学費は高いですが、制服代や部活の道具代が一切かかりません。
そのため、学費を含めた全体的な費用を少なくすることができます。
また、令和2年4月からは高等学校就学支援金を、通信制高校でも定時制の高校と同じように利用できるようになりました。
支援金を利用できるようになったことで、ますます通信制高校は学費の面でメリットが大きいといえます!
自分のペースで学べる
通信制高校は、通信教育が基本なので登校日はほとんどありません。
スクーリングがある学校でも、登校日は多くても週に1〜2回、少ないところでは年に数回程度です。
全日制高校と比べると登校日が圧倒的に少ないことがわかりますね。
全日制のように週5回通学するのは厳しいという方や、病気持ちの方、働きながら勉強したい方など、様々な事情があっても自分のペースで勉強を続けることができますよ。
スクーリングについて詳しく知りたいという方は 卒業するためには絶対必要?通信制高校のスクーリングとは! の記事をご覧ください!
全国どこにいても授業が受けられる
通信制高校には狭域通信制高校、広域通信制高校の2種類があります。
狭域通信制高校は学校のある都道府県とその隣の都道府県の生徒しか通うことができません。
しかし広域通信制高校であれば、全国どこにいても通うことができます。
また、狭域通信制高校は公立、広域通信制高校は私立であることがほとんどです。
全国の通信制高校から自分に合った学校を選ぶことができますよ!
人間関係のストレスが少ない
通信制高校では、全日制高校と異なり、他の生徒との関わりが少ないです。
人間関係からくるストレスを軽減できる特徴があります。
学校での集団生活が苦手な生徒にとって、通信制高校は安心して学べる環境です。
また、自分のペースで学習を進められることも魅力の1つです。
他者と比較されるプレッシャーを感じることなく勉強に取り組めます。
ただし、コミュニケーション能力は将来のために重要であることを認識し、適度な人付き合いを意識することも大切です。
学習スタイルが豊富にある
通信制高校の魅力の一つは、柔軟な学習スタイルを選べることです。
生徒一人ひとりの学習スピードに合わせた授業を受けられます。
また、通信制高校では時間に縛られることが少ないため、趣味や仕事などに使える時間が多くなります。
また、専門的なプログラムや分野別のコースを提供している学校も多いです。
特技や興味を伸ばすために通信制高校を選ぶという人もいます。
特定の分野での活躍を目指す人にとって、良い選択肢となります。
精神面でのサポートが充実している
通信制高校では、それぞれの生徒に寄り添ったサポートが提供される学校もあります。
不登校や引きこもりなどの経験がある生徒は、個別の相談やカウンセリングが受けられることはメリットです。
さらに、進路選択や資格取得に向けたサポートが用意されている学校もあります。
夢や目標に向けた学習をサポートしてくれるという魅力があります。
学業だけでなく心の成長にもつながります。
通信制高校は行かないほうがいいとされているデメリット

通信制高校に行くことのデメリットについてご紹介します。
- 自己管理能力と計画性が必要になる
- 対面でのコミュニケーションが減る
自己管理能力と計画性が必要になる
通信制高校では、自分で学習を進める計画性や自己管理能力が必要になります。
課題の提出や学習の進行管理は基本的に自分で計画を立てて実行する必要があります。
誰かに言われなくても学習を進められる能力が必要です。
自主性と計画性を育むのに役立ちます。
自己管理能力がない人は、単位を取得できずなかなか卒業できない可能性があります。
大学生活や社会人としての自己管理能力を身につけるのに役立ちます。
対面でのコミュニケーションが減る
通信制高校では、登校の頻度が限られています。
月に数回や年に数回のスクーリング日に学校に登校します。
クラスメートや教師と会話する機会が少なくなります。
全日制高校のような同年代の友人を作る機会は限られます。
同じ年齢の仲間とのコミュニケーションが少ないと感じる場合があります。
積極的に学校外での交流を模索し、人とのつながりを築く努力が必要です。
なお、通信制高校によってはスクーリング日が多い学校もあります。
通信制高校に通うメリットデメリットについてより詳しく知りたい人は以下の記事をご覧ください。
通信制高校に行ったほういい・向いている人

通信制高校が向いている人は以下のとおりです。
- 自分で勉強を進められる人
- 働きながら高卒資格を取りたい人
- 専門的な資格を取りたい人
- 学業以外に目標がある人
自分で勉強を進められる人
通信制高校は自分のペースで学習を進められる自由な環境が特徴です。
一方で、勉強を自分で進める高い自己管理能力が求められます。
学習時間や課題のスケジュール管理を自身で行う必要があるため、周囲からの指示がなくても学習を継続できる人に向いています。
自主的に物事に取り組む力を養う機会となり、将来的にも役立つスキルとなるはずです。
一方で、学習意欲が低下してしまう場合は、継続的なモチベーション維持の工夫が必要となります。
働きながら高卒資格を取りたい人
通信制高校は、働きながら高卒資格を目指す人にとって良い選択肢となります。
登校日数が少ないため、アルバイトや正社員として働きながらでも学業を両立させやすいです。
また、スクーリングが週末に設定されている学校もあります。
通信制高校では、働きながら高卒資格を取得できます。
専門的な資格を取りたい人
通信制高校では、通常の高校教育に加えて、実践的な専門知識やスキルを学べるコースが用意されている学校もあります。
特定の分野での資格取得が可能です。
- プログラミング
- アート
- 美容
- 調理
- 介護
高校卒業と同時に専門分野でのキャリアをスタートできるのが魅力です。
専門学校への進学にかかる時間や費用を節約できるため、早い段階で手に職をつけたい人に向いている選択肢となります。
学業以外に目標がある人
通信制高校は、学業と並行して自分の夢や目標に向かって努力したい人にも適しています。
スポーツや芸能活動、音楽、eスポーツなどの分野に目標がある人も通っている学校です。
柔軟な授業のスケジュールにより、トレーニングや練習に専念できる時間を確保できます。
高卒資格取得を目指しながら、自分の特技や夢を追求できる点が大きな魅力です。
時間の有効活用が求められる分野での成功を目指す人にとって良い選択となります。
通信制高校に行かないほうがいい・向いていない人

通信制高校が向いていない人についてご紹介します。
- 自己管理ができない人
- 積極性がない人
自己管理ができない人
通信制高校では、自分自身で学習計画を立て、課題をこなしていく必要があります。
決められた時間割がなく、教師やクラスメイトと対面で話す機会が少ないです。
自分のペースで学習を進める能力が重要です。
誰かに言われないとできないという人には向いておりません。
課題やレポートの提出が遅れると卒業に必要な単位が取得できず、卒業が難しい場合があります。
通信制高校には、サポート体制が充実した学校もあるため、学校選びのときに確認してみてください。
積極性がない人
通信制高校では、自ら積極的に学習に取り組む姿勢が求められます。
必要に応じて先生に相談したり、自分の進路について自ら考えたりすることが重要です。
自分で行動を起こすことが苦手な人は、スクーリングの頻度が高い学校やサポートが手厚い学校を選ぶことことを推奨します。
学校側のサポートにより、学習を継続できる可能性があります。
通信制高校の授業の受け方を紹介

通信制高校の授業はどのように行うのか気になる方も多いですよね。
通信制高校という文字からも分かるように、通信教育をメインで授業を行っています。
ここでは、通信制高校の授業内容や卒業要件など、詳細までご紹介します!
基本的に自宅学習で学ぶ
通信制高校は基本的に自宅学習になります。
また、机に向かって勉強する必要はないので、勉強や仕事の合間などのスキマ時間に、スマホやタブレットで課題に取り組むことができます。
さらに動画での授業になるので、分からない部分を止めて繰り返し見たり、ネットで検索したりすることができます。
最近は新型コロナウイルスによって、リモート授業やリモートワークの良さが注目されていますね。
通信制高校の授業は自分のペースに合わせることができるので、現代の生き方にとても合っているといえます!
通信制高校は単位制
通信制高校は全日制高校と異なり、単位制を導入しています。
そのため、卒業するためには74単位以上を取得する必要があります。
単位を取得するためには、以下のいずれか、または全てをこなすことが求められます。
項目 | 詳細 |
---|---|
単位制の導入 | 卒業には74単位以上の取得が必要 |
単位取得の条件 |
|
ポイント | 計画的に課題やスクーリングをこなし、単位を取得することが重要。 |
単位を取得するために必要なことをあらかじめ知っておくようにしましょう!
通信制高校は留年することがない
先ほども触れたとおり、通信制高校では単位制を導入しています。
そのため、学年制を導入している全日制高校と違って留年することがありません。
留年がないので、3年間での卒業が厳しいという人は、4年間をかけて卒業を目指すということもできます。
自分のペースで卒業を目指したい人には、学びやすい環境ですね。
全日制・定時制との違いについてもっと知りたいという方は 通信制高校も選択肢として考えたい!全日制・定時制との違いとその魅力とは の記事もご覧ください!
授業外活動もある
通信制高校では、仕事をしながら通う人や部活動をする人まで様々です。
そのため、働いているけど高卒の資格が欲しいと考えている人も、仕事のスキマ時間に学校に通うことができます!
また、部活動が活発な通信制高校もあり、クラーク記念国際高等学校では、野球部が夏の甲子園に出場したことがあります。
さらにサッカー部や、バスケットボール部でも全国大会に出場する通信制高校もあります。
部活をやりたいと考えている人も、通信制高校で本気でスポーツに取り組むことができますよ!
通信制高校を卒業するためにやった方がいいこと3選!

通信制高校に通っても、卒業できなければ行かない方がいいでしょう。
卒業することで高卒と認められ将来の選択肢を広げることができるので、入学したからにはしっかりと卒業することが大切です!
通信制高校をしっかりと卒業するために、やった方がいいこと3選をご紹介します。
自分に合った通信制高校を選ぶ
卒業するためには自分に合った通信制高校を選ぶことが大切です!
これは入学前の段階ですが、通信制高校のまとめサイトなどから自分に合った通信制高校を探してみるといいですよ!
無料で資料請求ができるので、気軽に資料を請求してみましょう。
どんな通信制高校があるか分からないとお悩みの方、 ウェルカム通信制高校ナビ なら気軽に資料請求することが出来ますよ!
自宅学習を溜めない
卒業するためには学校で出された課題などを溜めないことが大切です!
通信制高校は授業がない分、レポートを提出する機会が多いです。
そのため、自分から学習に取り組む姿勢が大切です。
自宅学習が多いので、教室と比べるとだらけてしまいたくなる環境ですが、メリハリをつけて学習に取り組むようにする必要があります!
卒業に必要な条件を知っておく
卒業するためには、卒業に必要な条件を知っておくことも大切です!
卒業に必要な74単位ですが、それ以外にもスクーリングの出席、特別授業の単位数が必要になることがあります。
自分の通っている学校では、卒業するために何が必要かということをあらかじめ知っておきましょう!
まとめ:通信制高校に行かないほうがいい?むしろ通うべき!

これまで通信制高校について詳細にご紹介してきました。
世間では卒業できない、就職できないというネガティブなイメージがありますが、通信制高校の実態はそういったイメージとは異なります。
それだけでなく、学費が安い、自分のペースで学習を進められるなど、通うメリットはたくさんあります。
そのため、通信制高校に通わない方がいい?と聞かれたらむしろ通うべき!と答えます。
自分の進路についてお困りの皆さん、ご子息の進路にお悩みの保護者の方、進路の一つとして通信制高校を視野に入れてみてはいかがでしょうか。